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ミステリの祭典

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take5さんの登録情報
平均点:6.61点 書評数:397件

プロフィール| 書評

No.77 6点 ある閉ざされた雪の山荘で
東野圭吾
(2017/03/11 22:32登録)
いきなりのネタバレですが、










人称の叙述トリックとして、とてもよく考えられている作品です。
場面設定はよくあるクローズドサークルですが、事件の背景にある悲しみはよく描けているので良かったです。


No.76 6点 夜の蝉
北村薫
(2017/01/29 18:52登録)
刺激が少ないですが、
上質ななるほどがじわじわ来ます。
私文系で古典を多少学びましたので、
文中の詩歌等馴染みがありましたが、
人によってはいまいちかもしれません。


No.75 6点 美女
連城三紀彦
(2017/01/11 21:36登録)
7点は、「かなり楽しめた」という評価ですが、楽しむというより、文体の表現できる可能性について奥行きを学ぶという感じがします。学ぶのですので読んでいて疲れるのです。『喜劇女優』がその最たる作品でしょう。
戻り川を読んだ時は、その美しい表現にただ浸れば良かったのですが…

という訳で(訳ではないか)6点にかえます。


No.74 6点 マスカレード・ホテル
東野圭吾
(2016/11/27 06:27登録)
流石の東野作品、リーダビリティーが高く、
しかも人物もしっかり描かれています。
構成がグランドホテル型とは、
人称的にちょっと違うかもしれないですが、
どのエピソードが本筋に関わってくるのか、
興味の持続もしっかりしています。
終盤まで主要な人間がしっかり描かれている反面、
最終盤の展開が弱く、本格的なミステリーとしては、
高評価まで至らないというのが主観です。
ホテルについて興味深く敬意をもって読めるので、
その点は素晴らしいです。


No.73 7点 仮面山荘殺人事件
東野圭吾
(2016/11/25 22:30登録)
眠れぬ秋の夜長に一気読みです。
仮面のかかる山荘で、嘘っぽい話が展開され、
叙述の力で更に嘘っぽい話に導くという、
ビックリできる作品。
300ページ弱を3時間弱で読めましたから、
大変よくまとまっている力作。
1990年が初版ですから、
この辺から21世紀に向かって、
東野氏が人間を生き生きと描くようになっていくと思うと読んで損はないでしょう。


No.72 4点 モルフェウスの領域
海堂尊
(2016/11/23 20:23登録)
何方がミステリー登録したのでしょうか。
生体保存の法的根拠をめぐる、
最後の落としどころがなるほどと思わせる
ミステリーということ?!
海堂作品は他の方がミステリーですね。


No.71 7点 はなれわざ
クリスチアナ・ブランド
(2016/11/20 18:12登録)
1985年発行のハヤカワミステリーで読みました。
促音が大きい「つ」で書かれていて、ある意味雰囲気満載でした。
パエリヤやカプチーノにいちいち注釈がついています^^;
決して読みやすくないのに、読み終えて思うのは
時代を超えてきちんと残る名作という事です。
女性男性それぞれのバカンスにおける描写が、
景色は古臭くかつ心理は普遍的に描かれています。
女性作家の方が繊細なのか、クリスティー女史の後継者と評される力なのか。
大どんでん返しも気持ちよいし、
秋の夜長に良い作品です。
同一人物の名前の書き分けが二行前とかわるので、
英語らしさで大変です。


No.70 6点 私という名の変奏曲
連城三紀彦
(2016/11/14 17:56登録)
どうしたら7人とも自分が犯人と思わせられるか?というのは、やはりなるほどとは思いますが現実的に無理があると思えてしまい、高評価に至りませんでした。
かといって3~4人ならいいという事でもないので難しい所です。やはり連城作品ならば、戻り川をお勧めします。


No.69 7点 仮面舞踏会 伊集院大介の帰還
栗本薫
(2016/11/01 23:02登録)
犯人当てとしても秀作と思いますが、
何よりネット社会を二十年前に今に通用するこのレベルで書けるのは凄いことです。
文庫あとがきには、作者が1990年代後半には既にネット通信を5年しているとあります。
ISDNとかめっちゃ懐かしい言葉もありますが、今でも問題になる匿名性や自己中心性、非現実性などは考えさせられます。


No.68 8点 死ねばいいのに
京極夏彦
(2016/10/19 06:47登録)
「タイトルがどぎついなあ、でも読んでみよう」とたまたま手にしたのですが、
ある男性を通して6人の自意識が明らかにされていく秀作でした。
フーダニット物として特に選ばれて読まれることはないでしょうが、自分の人生不満がある人に是非お勧めします。
この作品を読み終えて、本を閉じた時に目に入るタイトルに、「ああ自分がどぎついと思ったり、本当面倒くさいと思ったりの『死ねばいいのに』は、自家中毒の発露だ。」と気付かされる訳です。少なくとも私の場合は。
ちゃんと自分の内なる声に耳を澄まそうと、時々思わないと一度の人生糞のように終わったらいやなので。


No.67 7点 太陽黒点
山田風太郎
(2016/10/08 19:07登録)
国も背景も違えど、『ビッグボウの殺人』以来の低枚数高評価でした。
最後の独白が真相のあらましだけを語っているのではない所で+1点です。
敗戦について学ぶ教科書の一冊と言って良いのではないでしょうか。


No.66 6点 一の悲劇
法月綸太郎
(2016/10/02 11:24登録)
思わせぶりに最初から文中にちょこちょこ出てくる父子のやり取りが、最後の一行の為だったという事で、うまくまとまりました。
犯人はかなり早めに分かるのは、頼子を読んでいたからでしょうか。
最近気になるのは、こういう小説は女性の方が読んだ場合、心理状態は納得がいくのかという事です。
よく奥さんと書き手の性別と人間の描かれ方について話題になるので。


No.65 7点 頼子のために
法月綸太郎
(2016/09/25 17:20登録)
文庫の後書きと解説を必読です。作品を読んだ後に意味のある物として印象的でした。
名探偵や文体のミスリードは、目的でしょうか?手段でしょうか?本格についての議論は皆様それぞれ一家言もってらっしゃるでしょうが、
フィクションを読む理由をリアルな世界への影響まで求めたい私には、やはりまずは人間の弱さや思いやらが描けている事が大切です。ですので手段で構わないのです。
それにしても人間の余りにも未完成である事よ。頼子のために、、誰かが誰かのためにという事がこれほど難しくて切ない事だといという事が、描かれている作品です。


No.64 4点 パズル崩壊
法月綸太郎
(2016/09/22 22:34登録)
点数が低いのは好みの問題です。
生首とかよりマニアックなのが多くて…
①は開始3分で分かるトリックで、②からどんどん一般的な推理入門から離れていく感じでした。
好きな方はめっちゃ好きなのではないでしょうか?


No.63 7点 ポーカー・レッスン
ジェフリー・ディーヴァー
(2016/07/30 05:26登録)
ディーヴァーは、やはり上手いです。
「生まれついて~」は人称で読ませる文体が、主観の怖さをよく表しているので極めて現代的です。相模原の事件然り、都知事戦の三人以外の政見放送然り、みんなディーヴァーの小説を読んで他人と生きる社会について考え、その後古典的名作や哲学書を読んで救いと可能性を心に刻むべきですよ。


No.62 6点 シャドウ・ストーカー
ジェフリー・ディーヴァー
(2016/07/20 22:53登録)
ジェフリーディーヴァの作品=ドンデン返しの楽しさと思って読む人を毎回満足させるのは大変ですよ。
そこを引いても、今作品は最高級ではないなあと思いました。勿論楽しめましたしリーダビリティーも高いです。
では何が腑に落ちないのかと思ったら、分かりました。
ライムもダンスもみんな事件解決とは別に、自身の人生の解決はスパッと図れないのが良い訳です。(超主観的)
しかし今回の作品はKTとお父さんの件が、ラストのやりとりとそれにかける時間軸が、年くったディーヴァっぽいんですよ。(超失礼)
そんなこと言ってボーンコレクターやイリュージョニストの頃を美化する私が一番年くった感じです。


No.61 4点 ダイイング・アイ
東野圭吾
(2016/07/17 05:20登録)
たまたま図書館で手にした物です。
東野圭吾作品らしくないですね。
ミステリーとしては最高級ではないですし、
社会的問題提起も感じられないですし、
ただひたすらリーダビリティーは高い作品です。
女性には1~2点の作品なのではないでしょうか。
説得力に欠けるので。


No.60 6点 天使が消えていく
夏樹静子
(2016/06/19 08:14登録)
300ページに足らずの量で、この反転は素晴らしいですね。
しかし最後の独白は、内容は素晴らしいですが文章的に響かなかったので他の方より低い評価です。
主観ですみません。
救いのある話としては好きです。


No.59 5点 宿命
東野圭吾
(2016/05/25 19:34登録)
例えば代表作品の容疑者Xの実に16年前の作品ですか…
前半の宿命を匂わせる二人のやりとりに対し、
後半の宿命の設定説明が物足りなく思いました。
ミステリーとしての完成度は21世紀の物の方が大分高いです。


No.58 8点 レーン最後の事件
エラリイ・クイーン
(2016/05/14 23:14登録)
学生時代4冊一気読みした評価です。
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