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ミステリの祭典

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kanamoriさんの登録情報
平均点:5.88点 書評数:2430件

プロフィール| 書評

No.830 7点 九マイルは遠すぎる
ハリイ・ケメルマン
(2010/07/22 21:28登録)
ニッキイ・ウェルト教授シリーズの連作短編集。
表題作はあまりにも有名で、数語の会話文だけで思いもよらない結論を導き出す、安楽椅子探偵ものの名作。
収録作すべてがアームチェア・ディテクティヴではなく、「エンド・プレイ」など、正統派本格編としてよく出来ている。


No.829 7点 針の眼
ケン・フォレット
(2010/07/22 21:13登録)
第二次大戦終盤を時代背景に、英国潜伏中のドイツ人スパイを主人公にした冒険スパイ小説で、著者のデビュー作。
連合軍のD-デイ情報をヒトラーにいかにして伝えるか、サスペンス溢れる展開が続くが、孤島で出会う女性との交情は、後に、”ハーレクイーン冒険小説”と揶揄される片鱗も覗えて面白い。
本書のD-デイ情報を真珠湾攻撃情報に置き換えれば、佐々木譲「エトロフ発緊急電」になります(笑)。


No.828 5点 男の首
ジョルジュ・シムノン
(2010/07/22 19:03登録)
メグレ警視シリーズは、これと「黄色い犬」しか読んでいない(2作セットだったので)。たしか、脱獄囚を手引きする真犯人に罠を張るようなストーリーだったと思いますが、読書案内で紹介されている情感に訴えるような作風とは感じられなかった。
サスペンス小説としてはまずまずだったように思います。


No.827 6点 ナヴァロンの要塞
アリステア・マクリーン
(2010/07/22 18:51登録)
「東西ミステリーベスト100」海外編の80位は、戦争冒険小説の金字塔的作品。
おそらく団塊の世代のお父さん方にとって、冒険小説のバイブルでしょう。現在の人気は見る影もありませんが。
世界的登山家マロリー以下5名のミッション・インポシブルは非常にストレートな冒険小説。
最後の展開もマクリーンのお家芸でした。


No.826 6点 見えないグリーン
ジョン・スラデック
(2010/07/22 18:34登録)
素人探偵サッカレイ・フィン登場のシリーズ第2作。
70年代の米国では珍しい真っ当な不可能犯罪ものの本格ミステリで、最初のトイレの密室トリックなどユニークだと思います。
日本の新本格風のテイストもあるので、本格マニアには一定の評価を得られるのでは。


No.825 7点 別れを告げに来た男
ブライアン・フリーマントル
(2010/07/22 18:22登録)
チャーリー・マフィンシリーズの数年前に書かれた著者のデビュー作。
今作も、英国政府がソ連情報部に出し抜かれる様を描いたエスピオナージュの傑作で、短めの長編だけにキレは抜群。
ソ連からの亡命を求める二人目の科学者の目的はうすうす分かりますが、その方策が謎で物語のキモ。伏線がきっちり張られていて、まるでハウダニットの本格ミステリを読んだような感覚だった。


No.824 7点 復讐法廷
ヘンリー・デンカー
(2010/07/21 21:55登録)
スコット・トゥローの「推定無罪」以降、90年代に続々と出た法廷物のサスペンスですが、本書は、その数年前に出たリーガル・サスペンスの先駆的作品といえます。
これらは、いずれもメッセージ性を持つのが特徴で、本書のそれは”法で裁けない罪人”殺しでしょうか。被告人のリオーダン、青年弁護士ゴードンを始め裁判官、陪審員など造形も確かで、やはり法廷ものは人間ドラマの縮図を見るようで面白い。


No.823 5点 トレント最後の事件
E・C・ベントリー
(2010/07/21 21:29登録)
本格ミステリに恋愛を持ち込んでプロットの綾としたという事ですが、現在読めばごく普通のミステリ。
とりたてて、優れたアイデアはありませんでした。


No.822 6点 大穴
ディック・フランシス
(2010/07/21 21:21登録)
「東西ミステリーベスト100」海外編の73位は、競馬スリラー・シッド・ハレー初登場作品。
完成度では「利腕」に一歩譲るとしても、持ち前の英国冒険小説のテイストは同じで、”不屈の精神”を描いています。今作でのハレーが受けた肉体的苦痛はちょっと退きますね。


No.821 6点 ディミトリオスの棺
エリック・アンブラー
(2010/07/21 21:03登録)
トルコを訪問中の英国人作家が、死亡した国際的犯罪者・ディミトリオスの過去に関わるうち、謀略に巻き込まれるというストーリーでまずまず面白かった。
ディミトリオスの造形が少しづつ明らかになるにつれ、人間としてのスパイ像が浮き上がってきます。
荒唐無稽でないスパイ小説の先駆的作品。


No.820 5点 タイタニックを引き揚げろ
クライブ・カッスラー
(2010/07/21 20:39登録)
肩が凝らないスーパー・ヒーローものの冒険小説ですが、劇画ちっくでご都合主義のプロットは、ややシラケル。


No.819 7点 悪魔の選択
フレデリック・フォーサイス
(2010/07/21 20:31登録)
近未来ポリティカル・サスペンスの傑作。
ソ連の食糧危機に乗じた米欧の駆け引きから、KGB議長の暗殺を絡めた国際謀略を描いています。
今読むと、もはや「近未来」でないので、IF小説として古びれて緊迫感に欠けるきらいがあるのは止むを得ない。
しかし作者の緻密な取材力には感心します。


No.818 6点 シンデレラの罠
セバスチアン・ジャプリゾ
(2010/07/21 19:09登録)
「東西ミステリーベスト100」海外編の67位はフランス・ミステリの異色作。
「私はこの事件の探偵です、被害者です、目撃者です、そして犯人なのです。私は一体だれでしょう・・・」という惹句で話題をさらったサスペンス。今考えてみれば、主人公を記憶喪失にして、××ネタを使えば、この一人四役のプロット創作はわりと簡単だと分かりますが、当時は結構衝撃的でした。


No.817 6点 警官嫌い
エド・マクベイン
(2010/07/21 18:53登録)
ロングランの警察小説「八七分署」シリーズの第1作。
今作は、刑事たちの群像を描くことより、フーダニットの色合いを強く感じる。
ある意味、意外な犯人像ではありました。タイトルが巧いミスディレクションになっています。


No.816 6点 ホッグ連続殺人
ウィリアム・L・デアンドリア
(2010/07/21 18:43登録)
この当時の海外本格は低迷していたので、本書は一部で話題になったと思いますが、ミッシング・リンクものを逆手にとったアイデアは面白いものの、結末はどうしても拍子抜けの感を拭えない。


No.815 7点 試行錯誤
アントニイ・バークリー
(2010/07/21 18:30登録)
皮肉なユーモアが全編を覆う、倒叙ミステリとアンチミステリを融合させたバークリーの集大成といえる傑作。(別題は「トライアル&エラー」)
まず、主人公トッドハンター氏の犯罪を後押しする輩の言い分が(笑うところでないが)笑える。また、物証に別の意味を持たせるのは、「毒チョコ」と同じ多重解決ものの理屈といえる。
中盤なかだるみの展開があるが、最後までブラック・ユーモアが効いていて楽しめた。


No.814 7点 黒後家蜘蛛の会1
アイザック・アシモフ
(2010/07/21 17:30登録)
安楽椅子もののバー・ミステリは好みで、提示される謎や推理が薄味でも、その雰囲気で心地よい読書を提供してくれる。
鮎川哲也の「三番館」や北森鴻「香菜里屋」、鯨統一郎「森を抜ける道」(笑)まで、もはやミステリの一つのジャンルでしょう。
本書は、知的エリートのメンバーを差し置いて、給仕のヘンリーが名探偵役というのが痛快で、収録作のなかでは「会心の笑い」が印象に残っています。


No.813 6点 813
モーリス・ルブラン
(2010/07/21 17:30登録)
アルセーヌ・ルパンの長編だと、冒険小説風の「奇岩城」とか「水晶栓」が代表作かもしれませんが、個人的には本書が気に入っています。
ネタバレ気味ですが、これを比較的最近読んで、あるミステリの趣向に騙されてしまいました。ルパンものの定番のトリックなんですが、ルパン=公爵が明白だったので、作者のミスリードにまんまとはまったようです。


No.812 5点 もっとも危険なゲーム
ギャビン・ライアル
(2010/07/21 17:30登録)
「東西ミステリーベスト100」海外編、ギャビン・ライアル2作目の登場は、もっとも危険なゲーム=マンハントを扱った冒険サスペンスです。
普通の狩猟に飽きた大金持ちが、人間を標的にした狩猟ゲームを画策する。死力を尽くした一対一の銃撃戦が読みどころでしょうが、嗜好から外れた作品でした。


No.811 7点 野獣死すべし
ニコラス・ブレイク
(2010/07/21 17:30登録)
私立探偵ナイジェル・ストレンジウェイズが登場するシリーズ第4作ですが、本作はプロットが凝っていて、従来とテイストが違う異色作です。
前半は、息子をひき逃げ事故で亡くした推理作家の手記で語られる復讐サスペンス、一転して後半が本格ミステリ。
現代では、斬新な叙述ネタとはいえないかもしれませんが、心理描写の精緻さと先駆的な試みは評価できると思います。

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