| kanamoriさんの登録情報 | |
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| 平均点:5.88点 | 書評数:2517件 |
| No.177 | 6点 | 道化の死 ナイオ・マーシュ |
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(2010/04/19 18:01登録) アラン警視シリーズ第19作。 作者は32作のミステリを書いていて、全てにこのシリーズ探偵が登場するようです。初登場時は警部でしたが、本書では警視となっています。一応、代表作のようです。 村の伝統ある豊穣祈念ダンス行事の真っただ中の、衆人環視状況の不可能殺人を描いていて、まずまず楽しめました。 探偵役の個性がやや乏しいのと、クリステイの様なハッタリに欠けるきらいはありますが、端正な本格ミステリと言っていいと思います。「ランプリイ家の殺人」で失望した人も、この作品にはある程度満足いく出来じゃないでしょうか。 |
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| No.176 | 7点 | プラムアイランド ネルソン・デミル |
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(2010/04/18 22:09登録) ネルソン・デミルにエンタテイメントを求めるのなら、この作品から入るのがいいと思います。間違っても「誓約」や「将軍の娘」から入ってはいけません。これらは、シリアス系で題材もあまり日本人読者向きではないと思うから。 前半の細菌兵器がらみの話から、後半一転して財宝探しの冒険小説になって、個人的にはなかなか好みの物語でした。 主人公の造形も面白い。ウイット溢れる皮肉屋ぽいセリフがポンポン飛び出して、それだけでも楽しめました。 |
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| No.175 | 7点 | ウォッチメイカー ジェフリー・ディーヴァー |
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(2010/04/18 21:26登録) このシリーズは、アルセーヌ・ルパンの時代から続く「怪人対名探偵」図式の古いタイプの通俗スリラーなんですが、科学捜査などの新しい装飾と過剰なほどのどんでん返しの連続が一般受けする理由だと思います。 読者が推理して楽しむような創りではないので、ロジックを重視する本格パズラー好きにとっては、あまり評価されないのではないでしょうか。 シリーズ第7作ともなるとマンネリ感は否めません。目先を変えるためライム・ファミリーに新しいキャラクターを次々と加えるため、無駄に物語が長大になっていく感じもします。「次作につづく」方式のエンディングも通俗スリラーそのものでしょう。 まあ、そうはいっても面白かったし、一級品のエンタテイメントには違いないですけど。 |
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| No.174 | 7点 | 不屈 ディック・フランシス |
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(2010/04/18 19:20登録) 近年の競馬シリーズでは一番好きな作品です。 伯爵家の血を継ぐ孤独感のある若い画家が主人公で、義父の会社の横領事件と財宝探しに巻き込まれる話。 競馬シリーズとする必要がないほど、殺人や派手な陰謀は出てこないし、競馬は全然本筋と関係がない。 初期作に比べるとどちらかと言うと地味な作風ですが、登場人物はいつも以上に魅力的ですし、主人公が徐々に不屈の精神を発揮してくる所は、いつものフランシス節です。 特に、おしゃれで余韻が残るエンディングがよく出来ていると思いました。 |
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| No.173 | 6点 | 風が吹く時 シリル・ヘアー |
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(2010/04/18 18:45登録) ペティグルー弁護士シリーズ第3作。 前作では「法の悲劇」のマレット警部と共演していますが、今回は単独で、地元の管弦楽団コンサート中の殺人事件に関わります。事件の解決そのものより、登場人物とのユーモラスな掛け合いを楽しむ典型的な英国新本格ミステリですが、その言動の中に伏線が張られていたり、動機が法律がらみである点など、いかにもヘアーらしい佳作でした。 |
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| No.172 | 7点 | 虎よ、虎よ! アルフレッド・ベスター |
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(2010/04/18 18:19登録) テレポーテーションが発達した25世紀が舞台のSF復讐劇。 「モンテ・クリスト伯」を下敷きにしているが、力感と疾走感にあふれたノアール小説の印象があります。 哲学的な命題を提示して終えるエンディングがSFの名作と言われる所以でしょうが、謎と伏線の妙味もあり、「分解された男」ともどもミステリ読みにも魅力ある小説だと思いました。 |
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| No.171 | 6点 | ガラス箱の蟻 ピーター・ディキンスン |
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(2010/04/18 14:20登録) ロンドン警視庁のピブル警視シリーズの第1作。 「毒の神託」や「キングとジョーカー」などディキンスンの小説は、独特で異様なシチュエーションを設定しておいて、その中で本格ミステリを行うというのが定番のようです。 シリーズものの警察小説である本作も例外ではなく、20年前にニューギニアからロンドンに移ってきた部族の中で酋長が殺害された事件を扱っています。この部族はアパートの一室から出ようとせず一日中テレビの画面を見つめているなど、非現実的な生態なのに、いやにリアリテイがあって印象的に描かれています。 そういった世界だから、この殺害動機なわけで、本格ミステリとしても及第点。万人向けの小説ではないですが、ツボに嵌る人には楽しめると思います。 |
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| No.170 | 7点 | 密偵ファルコ/鋼鉄の軍神 リンゼイ・デイヴィス |
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(2010/04/18 13:45登録) ローマ帝国を時代背景にした密偵ファルコ・シリーズ第4弾。 今作がシリーズで一番おもしろい。ライン河を越えてゲルマニアで冒険を繰り広げる、本格的な冒険小説に徹しています。 基本は歴史冒険ミステリではあるんだけど、巻によって恋愛もの、家族小説、本格ミステリなど色々な要素を取り入れています。 登場人物の会話は、歴史ものなのに現代口調なのが新鮮で、そういった点も受け入れやすい一因だと思います。 |
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| No.169 | 5点 | カッコウの卵は誰のもの 東野圭吾 |
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(2010/04/17 17:45登録) 翻訳ミステリや昭和の推理小説を読んでいると、女性の会話口調の不自然さが気になってしょうがない時がある。「~ですわ」などが出てくるとムズムズしてきて物語に集中できません。 その点、この小説に出てくるアルペンスキーの女性選手の会話口調は非常に自然体で、「父親」との会話などは、いかにも今時の19歳の女性という感じがして好感が持てました。以上感想おわり。 |
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| No.168 | 6点 | 鎌倉XYZの悲劇 梶龍雄 |
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(2010/04/17 17:12登録) 鎌倉の旧家を舞台にした遺産相続が絡む本格ミステリ。 情けないほどベタなタイトルの真意は不明ですが、クイーン某作の趣向を取り入れているのは確か。 天国の局長が地上の私立探偵に指示して解決にあたらせるというとんでもないプロットは面白いが、前半の物語がギクシャクしていて、文章の拙さと相まって読みずらいのが欠点ですね。 前例はあるものの非常に意外な真犯人を設定していて、犯人当て小説としては満点に近い裏ベストといっていい出来だと思いますが、上に書いた点がちょっと惜しい気がします。 |
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| No.167 | 6点 | 殺人はお好き? 小泉喜美子 |
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(2010/04/17 16:37登録) ロスの私立探偵が日本に呼び寄せられて、中国人をボスとする麻薬密売組織と対峙するお話。まあ、軽ハードボイルド系の長編アクション小説です。 キリオン・スレイやトウキョー・サム同様に変な外国人を日本社会に放り込んで、異文化・異言語との交流の妙も狙ったと思われますが、そちらの趣向は成功しているか微妙です。カーター・ブラウンを意識した作風は肩の凝らないミステリに仕上がっていて、意外な結末につながる伏線の張り具合もまずまず。最終章のタイトル「さよなら、可愛い人」が泣かせます。 「あとがき」によると、この作品は1962年の別名義による新聞連載ということで、実質的に著者の処女長編のようです。 |
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| No.166 | 6点 | 私のすべては一人の男 ボアロー&ナルスジャック |
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(2010/04/17 14:44登録) 従前の心理サスペンス風の作風とはちょっと異なるボア&ナル最強の怪作だと思います。 臓器移植の大家が、重傷を負った7人の患者に一人の死刑囚のからだの部分を移植するが、手術後に患者たちに次々と異常が起こり始め、自殺が相次ぐ。 いわば、「占星術」の逆バージョン。現象はホラー小説の様相ですが、全ては合理的に説明される(かな)。 フランス・バカミスの頂点でしょうか。この驚嘆の真相に対して笑って許せるか、壁に投げつけるか、読者の度量の大きさが試されます(笑)。 |
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| No.165 | 7点 | クラシックな殺し屋たち ロス・トーマス |
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(2010/04/17 14:06登録) パディロ&マッコークル2人組「マックの店」シリーズ第3作。 先ごろデビュー作の邦訳から30年以上たって第2作が出たので、これも再読しました。やはり、メチャメチャ面白い。善人悪人にかかわらず登場人物の造形が個性的で、会話のセンスもいい。 今回は、やり手の殺し屋を向うにまわし、アラブの石油王になる男の身辺警護をするお話。前作と比べてプロットがすっきりしていて読みやすいが、人物関係の説明が省略されているのでシリーズ第1作「冷戦交換ゲーム」から読むのが吉だと思います。 |
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| No.164 | 4点 | 幽霊の死 マージェリー・アリンガム |
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(2010/04/16 22:03登録) 素人探偵アルバート・キャンピオン、シリーズ第6作。 残念ながらアリンガムとの相性はあまりよくありません。本作と次の「判事への花束」も、いちおう代表作ともいわれる作品だと思いますが、訳文が古いせいもあるかもしれませんが、探偵の人物造形がいまいちよく分からないため、物語に入り込めませんでした。最近訳出された作品も読んでみましたが、本格ミステリじゃなく、古いスリラー&サスペンスの様相で、これはまったく守備範囲外。英国4大古典女流ミステリ作家の一人というのは、現在での評価では、ちょっとどうなんでしょうか。 |
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| No.163 | 7点 | 四年後の夏 パトリシア・カーロン |
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(2010/04/16 21:27登録) 豪州のサスペンスの女王・カーロンの邦訳第4作。 10年前には毎年のように出ていた気がしますが、バッタリ止まってしまったのは売れなかったからなのか。 4年前の殺人事件の容疑者は2人のヒッチハイクの女性・・・。なんだか「ウッドストック行最終バス」のような雰囲気の過去の事件を、被害者の妹の依頼で私立探偵が解く。 過去の事件と現在の調査書類の写しが交互に描かれていて、サスペンスの盛り上げ方が巧い。この作品を読む限りでは女王の呼称に偽りなしと思いました。 |
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| No.162 | 6点 | ジョン・ディクスン・カーを読んだ男 ウィリアム・ブリテン |
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(2010/04/16 20:54登録) 有名なミステリ作家のパロデイ「~を読んだ~」シリーズ11編と単発作品3作を収録した短編集。 表題作は既読ですが、倒叙もので、密室殺人を企てた男の皮肉な結末が笑える。この密室トリックは「密室講義」でばからしいとして無視されたものではなかったか。 「エラリー・クイーンを読んだ男」は金貨の隠し場所トリックでまずまずの佳作。 「レックス・スタウトを読んだ女」はサーカス劇場の殺人事件。ウルフの雰囲気をミスディレクションに使っていて巧い。 ほか、クリステイ、ドイル、チェスタトン、ハメット、アシモフなど錚々たるメンバーを揃えているが、後ろの作品になるほど完成度が落ちている気がします。 単発ものでは、「ザレツキーの鎖」が脱出もので最もトリッキー、結末のキレが抜群にいい傑作。 著者の代表シリーズ・ストラング先生ものは本格系のようで、続いて読んでみたい。 |
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| No.161 | 6点 | ねじれた奴 ミッキー・スピレイン |
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(2010/04/16 19:04登録) 私立探偵マイク・ハマー、本格ミステリに挑戦する(笑)。 スピレインと言えば、暴力とセックス、そして最後は拳銃一撃で解決する。たいてい一番魅力的でセクシイな美女が真犯人(多少の誇張あり)に決まっていますが、本作は、まさかの「館」ミステリ。 舞台は「ヨーク家」で、利口な少年も出てくるので、どの本格ミステリをパロッたか明白です。シリーズ中最も「意外な犯人」でしょうね。 |
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| No.160 | 7点 | 冬の裁き スチュアート・カミンスキー |
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(2010/04/16 18:39登録) シカゴの老刑事エイブ・リーバーマンを主人公とする警察小説、シリーズ第3作。 著者は、①40年代のハリウッド映画界を背景にした私立探偵もの(「ロビンフッドに鉛の玉を」ほか)、②崩壊前のソ連を舞台にした警察小説(「ツンドラの殺意」ほか)も書いていますが、初期の軽妙なものやウイットに富んだ作風と比べて、リーバーマン刑事シリーズは深みのある渋い警察小説です。 親族や同僚刑事ハンラハンとの交情も重要な読みどころなのに、邦訳が発刊順になっていないため、その人間関係の肝が解り難いなど、日本での扱いが充分でないのが残念です。 この作品は、ある冬の一日の事件をモジュラー方式で描いていて、結末の意外性も設定されています。シリーズ中ミステリ志向が一番高い代表作ですが、できれば第1作の「愚者たちの街」から順に読むことをお薦めします。 |
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| No.159 | 6点 | 一寸の虫にも死者の魂 リチャード・T・コンロイ |
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(2010/04/15 21:35登録) スミソニアン博物館シリーズ、爆笑のスプラスティック・コメデイ第3弾。 今回、博物館の渉外担当ヘンリーが引き起こすのは、歴史的大事件。最初はスケベ心から民族フェスティバルに協力していただけだったのだが・・・首都ワシントンの運命、その責任が全て自分にかかってくるとは!(笑) このシリーズ、回を重ねる毎に面白くなる。しかも最後は本格的にミステリ?な所がツボです。 |
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| No.158 | 6点 | 猫の手 ロジャー・スカーレット |
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(2010/04/15 20:50登録) ノートン・ケイン警部シリーズ第3作。 いかにも古典本格ミステリの定型で、遺産相続を絡めた親族が集まる屋敷での殺人を扱っています。とくに新しい趣向もなく、「エンジェル家」のような派手なトリックもありませんが、予想以上に面白く読めました。 一番評価できるのは、終盤のケイン警部の論証でロジックに隙がない所でしょうか。猫の手に関する最後のひっくり返しもスマートです。残る未読の「白魔」(「バック・ベイの殺人」)の完訳を期待したいものです。 |
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