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ミステリの祭典

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飛奴
夢裡庵先生捕物帳

作家 泡坂妻夫
出版日2002年10月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 虫暮部
(2023/06/16 12:32登録)
 表題作。それは “いかさま” なのだろうか。情報収集の為に工夫を凝らしただけに思えるが。当時の基準ではインサイダー取引みたいなもの? 許容範囲のことしか認めないさまは、反語的な文明批評である。
 「仙台花押」の花火見物が涼しげで楽しそう。「向い天狗」は亜愛一郎ものの再利用だけど、そこそこ上手く処理している。「夢裡庵の逃走」は唐突だ。先生のあんなキャラクターについての伏線は殆ど感じられなかったけどなぁ。

No.1 6点 kanamori
(2010/03/20 12:35登録)
八丁堀同心・通称「夢裡庵先生」シリーズの完結編、連作時代ミステリ第3弾。
著者は小説に色々趣向をこらすのが好きですが、このシリーズでは各話で物語の視点人物と探偵役がリレー形式で引き継がれているのが面白い。第1話で探偵役の人物が、第2話の視点人物となり探偵役は別の人物というふうに・・・主人公であるはずの夢裡庵先生はどちらかというと脇役ですが、最終話は幕末動乱を背景に大活躍します。やはり職人芸ですね。
しかし、こちらが「捕物帳」で宝引の辰シリーズが「捕者帳」なのは何故なんだろうか。

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