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ミステリの祭典

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測量ボ-イさんの登録情報
平均点:6.25点 書評数:630件

プロフィール| 書評

No.130 7点 カナリヤ殺人事件
S・S・ヴァン・ダイン
(2009/05/31 16:52登録)
(ネタばれ有!)

この作品のメイントリック、今なら小学生でも思いつきそう
なものですよね。
でも当時(1930年頃?)は録音機がまだ珍しかった時代だと
思いますので、当時読んだ人にとっては驚愕のトリックだっ
たかも知れません。そういう意味では今評価されるとどうし
ても損な扱いを受ける作品だと思います。
この作品の名場面で、ファイロ・ヴァンスがポ-カ-に興じ
て(その性格分析から)犯人を絞り込む、というシ-ンがあ
ります。
高木彬光氏のデビュ-作「刺青殺人事件」で神津恭介が容疑
者と将棋を指して犯人を絞り込むという場面がありますが、
おそらくこの作品の影響を受けているのでしょう。


No.129 5点 カーテン ポアロ最後の事件
アガサ・クリスティー
(2009/05/31 16:45登録)
クリスティ最後の作品、つまりポワロ最後の作品です。
生前クリスティは予め書いておいたこの作品を自身の死後
刊行する予定だったようですね(実際は亡くなる前年に刊
行)。
内容はまあ平凡ですが、そういう意味で氏の記念碑的作品
です。


No.128 8点 歯と爪
ビル・S・バリンジャー
(2009/05/31 16:41登録)
僕も袋とじ文庫版を買って読みました(20年以上前ですが)。
袋とじ部分を読まずに返本するとお金を返しますという当時
も今も滅多にお目にかかれない企画でした。結果は・・・や
はり袋とじを破って最後まで読みました(笑)。
ミステリ慣れした人なら、結末は大体想像つきますし、帯にあ
った「衝撃の結末!」というのはいささかおおげさな気はしま
すが、良質のミステリだと思います。


No.127 10点 オランダ靴の秘密
エラリイ・クイーン
(2009/05/31 16:35登録)
あまり聞かれることもないですが、「海外の作品でベスト1
は何?」と聞かれたら、多分この作品を答えると思います。
素晴らしい作品です。舞台が病院という設定もユニ-クです
し、目次の項目を「・・・tion」で統一する構成も凝っていま
すよね。


No.126 8点 皇帝のかぎ煙草入れ
ジョン・ディクスン・カー
(2009/05/31 16:32登録)
(多少ネタばれ有)

この作品は、機械的あるいは物理的トリックの多いカ-の
作品では珍しく心理的トリックを用いています(クリステ
ィ女史が絶賛したと聞きます)。
でも内容は読みやすく出来栄え自体はなかなかのものと僕
は評価しています。
はっきり言って、あまりカ-らしくない作品なので、世間
一般ではそこそこ評価されても、いわゆる「カ-キチ」「
カ-マニア」の間では不評と聞いています。


No.125 9点 ユダの窓
カーター・ディクスン
(2009/05/30 17:56登録)
推理小説を読まない人でも知っている(かもしれない)有名
な密室トリックが出現する、これぞカ-の真骨頂というべき
快作です。
冤罪で逮捕された青年が裁判にかけられるという展開で話し
が進むので、法廷小説としての趣もあります。


No.124 5点 キドリントンから消えた娘
コリン・デクスター
(2009/05/30 17:51登録)
いろんな仮説が繰り返されるというややこしい話しが、翻訳
もの独特の難しい言い回しで延々と続き、いやほんと、読み
きるのが大変でした。この手のミステリは僕には合わないの
かも。
採点6点と言いたいところですが、読みづらい文章なのでマ
イナス1点です(作者ではなく、翻訳者のせい?)。
もう一度読むとまた微妙に評価が変わるかも知れませんが、
再読なんてとてもできません(笑)。


No.123 7点 オリエント急行の殺人
アガサ・クリスティー
(2009/05/30 17:45登録)
これも「意外な犯人」ものですね。国内のトラベルミステリ
とはやはり趣きは違いますが、楽しく読めました。


No.122 8点 エジプト十字架の秘密
エラリイ・クイーン
(2009/05/30 17:37登録)
国名シリ-ズの中では、ひときわスケ-ルの大きい作品。
読んでいる途中、この展開で犯人特定できるの?と当時
思ったものです。
国名シリ-ズの中では「オランダ靴」に次いで好きな作
品です。


No.121 8点 Xの悲劇
エラリイ・クイーン
(2009/05/30 17:34登録)
つい最近再読しました。
多くの方が言われるように、謎を解決するロジックが
素晴らしいです。
海外では「Y」よりもむしろこの「X」の方が評価が
高いようですね。


No.120 8点 三つの棺
ジョン・ディクスン・カー
(2009/05/29 20:09登録)
僕も何度も引き合いに出した、超有名な「密室講義」が
楽しめる作品。
この作品のメイントリック自体はカ-らしい強引なもの
で、内容自体は6~7点レベルも、やはり密室講義があ
る分贔屓目に見てしまいます。


No.119 9点 グリーン家殺人事件
S・S・ヴァン・ダイン
(2009/05/29 20:04登録)
(ネタばれ有!)
これも「意外な犯人」ものに分類されるであろう名作で、
いわくありげな屋敷と住人の中で連続殺人が起こる、古き
良き探偵小説の臭いがする作品です。

要するにこの作品のメイン・トリックは、「犯人が被害者
の一人を装って、嫌疑を免れる」というものです。
このトリックを考案したのは僕の知る限りではこの作品が
最初で、この点は氏の大手柄でしょう。後年、いろんな作
品で(見せ方は違えど)このトリックの亜流が存在する事
からも、その影響力は大きいと思います。

この作品、僕は推理小説を読み始めて間もないときに読ん
だので、見事に騙されてしまいました。真犯人を知ったと
きの衝撃はあの「アクロイド」以上だったと思います。


No.118 5点 黄色い部屋の謎
ガストン・ルルー
(2009/05/29 19:57登録)
(ネタばれ有!)
密室を扱った古典的作品です。けれどもあまり僕の好みでは
ありませんでした。
どうもこの作家の文章は密室である事を必要以上におおげさ
且つくどい言い方で繰り返し説明し、読んでいてうんざりし
た覚えがあります。

密室ものは謎の設定が単純なだけに、種明かしをすると「何
-んだ」というのがどうしても多くなりますが、この作品は
その典型です。
カ-の密室講義の1項がこの作品のトリックそのものズバリ
でずよね。この作品は「三つの棺」より先に書かれただけに、
密室講義も当然この作品を意識して分類されたものと思いま
す。


No.117 5点 僧正殺人事件
S・S・ヴァン・ダイン
(2009/05/29 19:51登録)
「そして誰も・・」と同じく、童謡の見立て殺人が起こる
作品。ヴァン・ダインの最高傑作との呼び声も高いですが、
僕個人の評価はそれほどでもないです。
この作品、本格推理ではなく単なるサスペンス小説のよう
な気がしているのは僕だけなんでしょうか?
同じヴァン・ダインでも、「グリ-ン家殺人事件」の方が
ずっと良かったです。


No.116 8点 アクロイド殺し
アガサ・クリスティー
(2009/05/29 19:46登録)
「意外な犯人」の定番作品。未読の方には読んで驚いて
下さい、としかいいようがないです(一言でネタばれする
ので・・)。
個人的には、作中の登場人物が麻雀に興じるシ-ンが妙に
印象に残っています。
西洋人である作者は、いったいどのようにして麻雀を知っ
たのでしょうか?大変興味があります。


No.115 6点 不安な産声
土屋隆夫
(2009/05/29 19:42登録)
犯人やトリックがどうというのではなく、殺人の動機に焦点
をあてた作品です。
広義なら勿論本格推理小説といえますが、狭義なら微妙です
ね。内容自体はまずまずですが、狭義の本格推理を好む僕に
は、なかなかこの点数以上はつけ辛いです。

でも作者土屋氏は数年に一遍程度しか長編を発表せず、その
丹念な作品作りには好感が持てます。


No.114 7点 漱石と倫敦ミイラ殺人事件
島田荘司
(2009/05/29 19:37登録)
ユ-モア・ミステリと割り切って読めば、なかなかの作品。


No.113 6点 火刑法廷
ジョン・ディクスン・カー
(2009/05/27 20:15登録)
カーの最大傑作との呼び声高いので、つい半年程前に読みま
したが、期待はずれでした。
何が悪いのか、といっても具体的に指摘できませんが・・・
死体消失のトリックも強引ですが、これでケチつけていたら、
カーの作品は読めませんしね(笑)。
でもやはり、カーの作品なら「ユダの窓」「皇帝の嗅ぎ煙草
入れ」「白い僧院の殺人」あたりの方が上だと思います。


No.112 9点
F・W・クロフツ
(2009/05/27 20:11登録)
地味なるも、僕好みの作品。
無駄な部分が多い、犯人が致命的ミスをしている、等 批判
(アラ探し?)はよく耳にしますが、僕個人の評価ではやは
りクロフツの作品の中で一番好きです。


No.111 9点 そして誰もいなくなった
アガサ・クリスティー
(2009/05/27 20:09登録)
ミステリを読まない人でも知っている表題、定番の名作です。
「アクロイド」と並んで、こういうストーリ-を最初に考えた
クリスティ女史の手柄でしょう。
仮に今この作品を読んだとして、犯人当てられるかな・・・
あまり自信ないですね(笑)。

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