home

ミステリの祭典

login
毒薬の輪舞
海方・小湊シリーズ

作家 泡坂妻夫
出版日1990年04月
平均点5.80点
書評数10人

No.10 7点 青い車
(2019/11/01 19:41登録)
 舞台が精神病棟ですが、出てくる人々の可笑しな狂い方をコミカルに描いているため、ジメジメとした感じはまるでありません。そして本作の見どころは何といっても「正常と異常の逆転」とでもいうべき奇妙な論理を見せる終盤の畳み掛けです。シリーズ前作よりトリッキーさも増しており、泡坂妻夫らしさは健在であることが窺われます。

No.9 5点 ボナンザ
(2016/10/08 23:23登録)
前作に引き続き泡坂にしてはやや乱暴な出来。
ユニークなところも多々有るのだが。

No.8 5点 E-BANKER
(2016/07/30 22:02登録)
「死者の輪舞」に続く、「~輪舞シリーズ」の二作目がコレ。
警視庁特殊犯罪捜査課刑事・海方が探偵役を務めるのは前作と同様。1990年発表。

~青銅色の鐘楼を屋根にいただく精神病院に続発する奇怪な毒殺事件。自称“億万長者”、拒食症の少女、休日神経症のサラリーマンなどなど・・・果たして殺人鬼は誰なのか? 患者なのか? それとも医師なのか? 病人を装って姿なき犯人の行方を追う警視庁の名物刑事・海方の活躍。全編、毒薬の謎に彩られた蠱惑的ミステリー~

何とも独特の雰囲気or作品世界を纏った作品。
これが「泡坂らしい」と言われればそうなのかもしれないが、これが“初泡坂”という読者がいたら、何とも可哀想な気がする。
そんな感想。

精神病院という舞台設定で、登場する患者は全員一癖も二癖もある奇妙な人物ばかり。
探偵役の海方やその相棒までもが捻れた人物を装っているという作品世界だから、当然中途は何がなんだか分からないような展開が続いていく。
各章のタイトルも毒薬の名前で統一されているけど、それがプロットと絡んでいるかというと、そうでもないのだ。
毒殺事件も起こってるんだか、起こってないんだがよく分からん! って思っているうちにようやく発生するひとつの毒殺事件が事件解決の契機となる。

さすがに終章の「反転」(という表現でいいのか?)はうまくやられた感は残った。
まぁ予定調和と言えなくもないんだけど、だからこその舞台設定だなーという気にはさせられた。
この辺りはさすがの手練手管。

評価としてはどうかなぁ・・・
スイスイ読めるといえばそうなのだが、五里霧中のまま読まされている感がありすぎてどうも消化不良だった。
これを高評価するのは無理だな。
(前作は未読なので、一応気になる・・・)

No.7 2点 斎藤警部
(2015/06/04 18:45登録)
妻夫さんの長編だから期待したんだが、こりゃ詰まらなかったな。 精神病棟を舞台に面白い登場人物、印象深い人も出て来るんだが。。 琴線に触れそうで触れません。

No.6 7点 虫暮部
(2014/11/25 13:18登録)
 犯罪の物語というよりはスラップスティック・コメディであって、それだけに人死に無しで完結させられなかったものかという点が惜しい。

No.5 5点 蟷螂の斧
(2012/11/17 17:48登録)
舞台設定はそれなりに楽しめたのですが、小技が多く、ややインパクトに欠けた感じがしました。子供の登場、毒薬となると、エラリー・クイーンの某代表作をイメージしてしまいました。

No.4 7点 TON2
(2012/11/04 20:26登録)
(ネタバレ)
精神科の入院病棟が舞台です。毒を入れるトリックはたわいもないが、登場人物が非常に面白いです。
入院患者全員が、仮病だったとは。ユーモアにあふれ、陰惨な感じがしません。しかし、毒薬の説明のくだりはおどろおどろしさがあります。

No.3 6点 kanamori
(2010/08/16 20:57登録)
警視庁刑事・海方シリーズの第2弾。
病院の精神科を舞台に毒殺づくしの事件を描いていて、珍妙な入院患者の造形が絶妙です。登場人物たちの立場が逆転する構図がいかにも作者らしいと思います。ロジカルな解決編は、けっこう読み応えあり。

No.2 7点 こう
(2008/07/24 01:45登録)
 精神病院を舞台にしたミステリで登場人物、作風はまさに泡坂ワールドとしか言いようのない物で楽しめます。
 ただリアリティは他作品以上に乏しいのと殺人事件の真相が理論上はともかく実際うまくいくかどうか、という点が難点でしょうか。
 トリック(?)の雰囲気(?)としては乱れからくりを連想させます。 

No.1 7点 Tetchy
(2007/10/20 08:30登録)
輪舞シリーズ第2作(3作は出るのか?)。
精神病院を舞台にしているのになぜか軽妙。クイクイ読めた。

10レコード表示中です 書評