おやすみラフマニノフ 岬洋介シリーズ |
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作家 | 中山七里 |
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出版日 | 2010年10月 |
平均点 | 5.90点 |
書評数 | 10人 |
No.10 | 5点 | ボナンザ | |
(2019/01/31 21:04登録) 二作目ということでドビュッシーほどの感銘はない。逆にストーリーは青春物として甘くて最後にやるせないので、タイトルの作曲家のイメージにはあっているかも。 ドビュッシー=鮮烈、ラフマニノフ=甘い。 |
No.9 | 7点 | 斎藤警部 | |
(2018/04/28 10:12登録) 【ネタバレだね】 真犯人は見え見えかとプチ落胆しつつ。。動機も結局ナニかと。。 ところがだ、大胆無双に響き渡っていた社会伏線に実は包囲されていた大いなる動機と全体像。。。やられた! と思った矢先に、まさか無かろうと警戒心が弛緩しきっていた●●トリック炸裂!! こひゃまひった!!! 妙~に甘軽かった前半の筆致もそういう伏線だったのか。。。。 そのうち「抱いてくれスクリャービン 」とか「ふざけるなプロコフィエフ」もお願いします。 |
No.8 | 5点 | 白い風 | |
(2016/08/28 10:37登録) 久し振りに前作”ドビュッシー”に続いて読みました。 分類はミステリーになると思うけど、音楽の描写を楽しむ作品だね。 残念ながら私には音楽センスは0ですが・・・。 初音と晶との関係性から事件等の想像はし易かったかな? ミステリーの評価では少し下げざるをえないですね。 |
No.7 | 6点 | メルカトル | |
(2013/10/15 22:15登録) ミステリとしてはかなり弱い、と言うより体裁はミステリに近い形をとっているが、その中身はクラシック音楽に身を預けた若者たちの青春群像劇であろうか。 だから、クラシックの演奏シーンになると俄然生き生きとしてくるのも良いのやら悪いのやら。確かに訳も分からず読んでいても、知らぬ間に感動している辺りは、さすがに描写が優れている故だろうと思う。 しかし完璧な密室からのチェロの消失と言う、魅力的な謎のトリックはいかにもチャチでとても褒められたものではない。 おそらく高得点を付けた方はミステリの部分以外の、小説としての魅力に対して評価されているものと思われる。それはそれで文句はないが、やはりミステリとして評価するとなれば、この程度の点数が妥当ではないだろうか。 ところで、舞台が名古屋だから須垣谷教授と言うのはちょっと安易な気もするが。まあ蛇足だけど。 |
No.6 | 1点 | abc1 | |
(2013/09/29 00:05登録) 「ドビュッシー」でも思いましたが、とにかく全頁に安っぽさが漂っています。名曲をここまで陳腐な表現で描写できるというのは一種の才能でしょうか。内容ですが、事件がしょぼく、犯人は早い段階で丸わかりと、あまりいいところがありません。「のだめ」を意識したかのような青春群像劇としても成功しているとはいえず、甘目につけてこの点数です。 |
No.5 | 7点 | ドクターマッコい | |
(2013/08/02 11:55登録) この作家さんの音楽に対する表現力の豊かさには舌を巻きます。今回はチャイコフスキーとラフマニノフでした。ミステリー的には完全に満足していませんが音楽好きとしてはたまらない一冊でした。 |
No.4 | 6点 | 蟷螂の斧 | |
(2012/10/05 22:19登録) 小説で音楽を奏でてしまう筆力に脱帽です。ミステリーとしては「さよならドビュッシー」には及ばないと思います。動機が「どす黒いエゴ」のかたまりのようなものだったので、殺人に発展すればサスペンス感は盛りあがったような気がします。どうも「カエル男」(かなりどす黒い)と比較してしまいますが・・・。まあ青春小説風なので致し方ないところなのでしょう。 |
No.3 | 8点 | makomako | |
(2012/06/30 18:00登録) この作品を読んでいると自然に音楽が頭の中に流れてくる。ことに城戸が水害で避難した学校でバイオリンを演奏するところは感動的でした。曲はおなじみのチャイコフスキーのバイオリン協奏曲。わたしがクラシックファンになった中学時代にもっとも好きで何度も何度も聴いた曲。どんな音だろう。完璧なハイフェッツ?、芳醇な美音のフランチェスカッティー?、ふくよかなオイストラッフ?。私には繊細で強さを秘めたミルシテインのバイオリンの音がふさわしいように思えたのですが、読みおえたあと巻末を見るとなんと参考CDはミルシテインのものではないか!。 さっそくミルシテインのCDを引っ張り出して聞きながらこの部分を再読して一人で悦に入っていた。 従って当然のことですがこの採点は甘いと思います。 |
No.2 | 6点 | E-BANKER | |
(2012/06/01 23:07登録) デビュー作である「さよならドビュッシー」に続く音楽ミステリー第2弾。 前作に続き、天才ピアニスト・岬洋介が探偵役として登場。 ~第一ヴァイオリンの主席奏者である音大生の晶は、初音とともに秋の演奏会を控えプロへの切符をつかむため練習に励んでいた。しかし、完全密室で保管されていたはずの時価2億円のチェロ・ストラディバリウスが盗まれた。彼らの身にも不可解な事件が次々と起こり・・・。ラフマニノフの名曲とともに明かされる驚愕の真実!美しい音楽描写と精緻なトリックが奇跡的に融合したミステリー~ 「小説」としては面白かった。 前作もそうだったが、とにかく「音楽についての描写」は圧倒的。 ストーリーの中盤にある晶と洋介の演奏場面、そして終盤、音大で行われたリサイタル(オーケストラ)場面・・・双方とも、ピアノやバイオリンの奏でる圧倒的なパワーや美しい旋律が「文字」を通して伝わってくる。 いやぁー、この辺りの筆力にはやはり脱帽いたします。 ただ、ミステリーとしてはお世辞にも誉められない。 っていうか、単なる付け足し。(これも前作と同様だが・・・) メインは、チェロの名器が密室から忽然と姿を消す、という謎なのだが、このトリックがヒドイ。 はっきり言えば、なくてもいいくらい。 また、ピアノの破壊(グランドピアノの中に水を2リットル注ぐという荒ワザ!)の謎についても、途中で大方の予想は付いた。 まぁ、そういった「瑕疵」を差し引いても、読む価値は十分とは言えそう。 特にラスト1行が何とも美しい・・・ (因みに、ラフマニノフは20世紀前半に活躍したロシア生まれの作曲家。) |
No.1 | 8点 | 虫暮部 | |
(2011/08/04 08:13登録) これも広義でのネタバレか。 性別誤認の叙述トリックかと疑ってしまった。つまり晶=女。初音が部屋に誘うとか、“ボク”というカタカナ表記がその伏線で。晶の(本当の)素性に関する伏線はミスディレクションである、と。見当外れな読みだったわけですが。 |