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ミステリの祭典

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天使の屍

作家 貫井徳郎
出版日1996年11月
平均点6.36点
書評数14人

No.14 5点 sophia
(2021/05/14 00:08登録)
自殺するほどのことかと思ってしまうのは20年以上前の作品だからでしょうか。それと優馬がどういう子なのかよく分からなかったので、回想シーンでも随所に挿入して描いてくれるともっと父と子の問題に感情移入できたと思います。

No.13 7点 HORNET
(2019/03/23 14:01登録)
 面白かった。
 主人公の息子が死んだのが、自殺だったのか?それとも他殺?・・・父親が真相究明に乗り出していく過程で、仲の良かった同級生たちが次々に同じように死んでいく。成績優秀で、自殺をバカにしていたはずの息子には何があったのか?大人には見えない、少年たちの世界が明らかにされていく。
 好感がもてたのは、今の世間にあふれている安っぽい学校批判でなかったこと。「真実を隠そうとする学校」というステレオタイプのスタンスではなくて、教師の苦悩、落ち度はあったかもしれないけど精一杯やっていたお互い(親と学校)が理解し合おうとする様はなんだか救われた。

No.12 7点 E-BANKER
(2012/04/24 22:33登録)
1996年発表。作者の長編第4作目が本作。
大人と子供のジェネレーションギャップという永遠のテーマを主題とした作品。

~平穏な家族を突然の悲劇が襲った。中学二年生の一人息子が飛び降り自殺したのだ。そして遺体からはある薬物が検出された。なぜ彼は14歳で死ななければならなかったのか。原因はいじめか。それとも? 遺された父親はその死の真相を求めて、息子の級友たちを訪ねて回る。だが、世代の壁に阻まれ思うにまかせない。そして第2の悲劇が起こる。少年たちの心の闇を描く長編ミステリー~

なかなか重苦しいテーマだな。
息子がなぜ自殺したのか(自殺したようにみえる)、父親が動機を探る・・・というプロットは岡島二人の「チョコレートゲーム」と酷似してますが(他の方も指摘してましたね)、こっちの方がより陰惨で救いのない少年たちの心の闇が描かれてる。
体や考え方は妙に大人びているのに、精神的には全く未成熟で短絡的に死を選択してしまう・・・本作は10年以上前に発表された作品だが、今現在はさらにこのギャップは広がっているのだろう。
(ありきたりな意見だが、あまりにも満たされた生活の中で、なにが本当の「幸せ」なのか分からないまま成長してしまうのだろうか?)

ミステリー的な面では、ラストに少年の父親が解き明かす少年たちの連続自殺(?)に隠された「謎」がキーとなるが、ちょっと唐突感はある。(まさかチェスタトンが引き合いに出されるとはねぇ・・・)
ただ、前半のある何気ない会話の中に、事件の鍵となる伏線がさり気なく置かれるなど、「さすが貫井」というものは十分に感じられた。
ホワイダニットの面白さを味わえる作品でしょう。
(親として子供に先立たれる悲しみとは? という重いテーマを突き付けられる作品でもある)

No.11 4点 3880403
(2011/04/11 19:29登録)
読み易かったがいかんせん暗い。
貫井作品の中でもイマイチに感じた。

No.10 5点 yoneppi
(2010/08/20 23:41登録)
予想と違ってあっさり終わった感じ。よく出来ているし考えさせられる内容なんだけど、期待していたものとはちょっと違うかな。

No.9 7点 kowai
(2010/07/06 23:17登録)
親父が息子が死んだ理由をなぜ探し続けるのか吐露したシーンに素直に感動しました。あそこまでヘビーな構図にする必要はない気もしますが、貫井さんらしい作品と思いました。

No.8 7点 vivi
(2008/09/25 00:02登録)
息子の自殺を受け入れられない父親のこだわらずにはいられない心情を、
人物設定が見事にフォローしていると思います。
次々と続く、子供たちの死が焦燥感を高めますよね。

「子供の論理」について、途中で「もしかして?」と思ったけど、
まさかと打ち消して読んでいたら、やっぱりそうでした(^^;
ありえなくも無いけど・・・

こういう動機が通用しなくなりつつある今の世の中が、
この作品世界よりもさらに怖いかもしれないと思いました。

No.7 5点 いけお
(2007/10/10 11:41登録)
重い内容の割には良くも悪くも軽い作品。

No.6 4点 VOLKS
(2007/07/07 20:53登録)
貫井徳郎の作品は好きな方ですが、この作品は学園もののテレビドラマを見ているような錯覚に陥った。薄いので数時間で読み終えてしまったためか印象薄。

No.5 6点 ギザじゅう
(2004/03/25 21:47登録)
「大人」と「子供」の論理が平行線でありながらも、必死に近づこうとする様に貫井徳郎の上手さを感じた。そして「子供」たちによる真相の意外性たるや・・・!
それに加え、きっちりと本格的な仕掛けがあるのも流石である。
ネット心中などが新たな論点として挙げられ、既存の論理が崩壊(新たな論理の誕生?)する今日、これを読むべきであるのかもしれない。

No.4 7点 ばやし
(2004/01/11 19:00登録)
話としてはかなりおもしろいと思う^^でも暗いな〜なんでこんなに暗いんだろう?現代の子供達が抱えてる問題をミステリとして書くとこうも深刻で暗くなるんだなということがわかりました(真面目)

No.3 8点 shigetee
(2003/11/01 01:43登録)
 岡嶋二人さんのチョコレートゲームに設定は酷似。
どちらかを選べと言われたら、天使の屍の方が個人的には良くできていると思いましたが、両方呼んでもいいのでは。親子をテーマにした良作だと思います。

No.2 7点 ごんべ
(2003/07/02 18:04登録)
どこかで読んだことがあるのだが、貫井徳郎は「親と子(肉親)の情愛」を主たるテーマとしているとか。
この作品は正にその最たるモノではないでしょうか。生きているときには子の内面を理解することがで来ていなかった親の哀しみがよく出ていると思う。

No.1 10点 しの
(2003/04/09 22:48登録)
貫井徳郎を知らないで手にとった作品でした。一気に読めました。すごく泣ける作品です。息子の自殺の謎を絶対に解明しようとする父親の強い愛と少年たちを死に追い詰めた若さや脆さゆえの衝動などがよく描かれていて悲しくて切ないのです。

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