作者不詳 ミステリ作家の読む本 作家三部作 |
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作家 | 三津田信三 |
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出版日 | 2002年08月 |
平均点 | 7.10点 |
書評数 | 10人 |
No.10 | 7点 | ALFA | |
(2023/07/13 09:53登録) なんだか乱歩風味で楽しい。 作中作の「迷宮草子」は純然たるミステリー短編集。ところがそれを読む者は怪異に襲われ、ミステリーの謎を解くと無事救われるという仕掛け。 作者らしいミステリーとホラーのハイブリッド構成になっている。 ミステリーのキッチュ感と襲われる怪異のベタさ加減が乱歩風味を出しているのか・・・ 作中作のなかでは「朱雀の化物」が作者の某有名長編を思わせる叙述で読みごたえがある。 無限地獄を思わせるエンディングは余計だったかも。 |
No.9 | 9点 | みりん | |
(2023/07/03 03:20登録) めちゃくちゃ楽しめた 『迷宮草子』という妖しげな雑誌を読んだ者は、そこに収録された7つの短編の謎を解かないと怪奇現象に見舞われるという奇抜な設定。 つまり作中作(更に作中作中作もあったりする)が7つもあるのですが、続きを読む手が止まらない面白いものしかなくて、作者のアイデアの豊富さとこの作品に対する熱量が少し怖くなったくらいです。 ということで需要があるかわからない私的『迷宮草子』ランキング発表 1位 首の館 完全な<テン・リトル・インディアン型ミステリ>と作中では定義され、たった100ページ足らずで『そして誰もいなくなった』のようなハラハラ感が味わえます。トリック・フェアさ共に見事。チャットが殺害動機かつ1人だけ別の場所で既に死んでいるという点で名探偵コナンの「奇術愛好家殺人事件」を思い出しました。 2位 子喰鬼縁起 不可解な赤子消失事件。 登場人物達の錯綜した思惑に解決編で一番唸らされました 3位 朱雀の化物 <テン・リトル・インディアン型ミステリ>その2なんだけど、これそして誰もいなくなったへのもうひとつの解答(短編だから許される!?)と言えるのではないでしょうか。そのくらい発明的だと思うんだけど、何如せん読書量が少ないもんでこれが初出なのか使い古された既出のネタなのかはわかりません。似たようなのはあったような… ちなみに解決編を考慮しない場合、作中作として純粋に1番楽しめたのはちょっとお茶目な主人公が活躍する「娯楽としての殺人」 動機がないのが動機。それが『ゴラクトシテノサツジン』 |
No.8 | 6点 | ボナンザ | |
(2020/03/09 23:54登録) 前作と違ってミステリオタクに受けそうな要素がふんだんに盛り込まれており、満足いく内容。 オチで失速したのは惜しいが、それでも高評価。 |
No.7 | 8点 | 名探偵ジャパン | |
(2016/08/14 21:50登録) 夏なのでひとつたまにはホラーでもと思い、書店で手にしたのがこの一冊。(文庫版では上下巻なので、正確には二冊なんだけど) 三津田信三といえば、「ホラーとミステリのスーパーハイブリッド」のキャッチコピーでお馴染みですが、本作は「刀城言耶シリーズ」とはまた違った形でのハイブリッドを見せてくれました。 「本に書かれたミステリの謎を時間内に解かないと怪異に遭い、破滅が待つ」という、極めて分かりやすいシチュエーションが緊迫感を煽ります。 作者同名で登場するワトソン役の三津田信三がタイムリミットが迫り焦る中、探偵役の飛鳥信一郎が自身も焦慮しつつも冷静に推理を働かせる場面など、名探偵の頼もしさがうまく表現されていて燃えます。 そして迎える、全ての謎を解き終えてからの「本」との最終決戦。最後の一行まで心休まるときはありません。 ジャンルはホラーですが、作中作のミステリはあくまで論理が支配する本格で、ミステリの短編集としても十分楽しめます。ベストを上げるなら、アクロバティックな(物理的という意味だけでなく)トリックでラストを飾った「首の館」か、一風変わったテイストの「娯楽としての殺人」(主人公の女子大生に萌えます)でしょうか。 「ミステリは好きだけど、ホラーはちょっと……」と思っている(かつての私のような)ミステリ好きの方に、ぜひともおすすめしたい作品です。あの「刀城言耶シリーズ」の三津田信三はミステリ好きのあなたを裏切りません。 本作は「忌館 ホラー作家の住む家」の続編に当たり、冒頭でもそれについて多少触れられているのですが、本作から読んでもまったく問題ありません。「忌館」のほうはホラー要素が色濃いため、ミステリ好きの方はやはり本作から読んだほうがよいでしょう。 |
No.6 | 9点 | あのろん | |
(2014/03/04 14:21登録) (ネタばれ気味) 文庫版で読みました。 この世界観がとにかく好きです! 杏羅町や古本堂の雰囲気。 それぞれの作品のつかみどころのないリドル感。 じわじわせまりくる恐怖におののきながら、解決を見出すスリル感。 十人のインディアンがまた?と気付いたら、これも伏線だったなんて…。 解決はかなり強引なところがありますが、この世界ならアリだと思います。 ちょっと雰囲気に酔いすぎかもしれないけど、甘めで。 |
No.5 | 8点 | 黒い夢 | |
(2011/11/10 07:44登録) 作者の作品で初めて読んだのがこの本でした。 作中読み進められていく短編はロジックがしっかりしていてよくできていたと思います。解決に至るまでのハラハラ感もよかったです。みごとにミステリーとホラーが融合している作品だと思いました。 |
No.4 | 5点 | touko | |
(2011/04/07 23:17登録) ようはミステリの短編集なんですが、古本屋で入手したいわくつきの同人誌に掲載されていた短編小説を読んで、次々と謎を解かないと、命に関わるかもしれない怪異が起こるというホラー設定のため、緊迫感があります。 短編もホラーテイストですが、どれもロジカルな解決がつきます。ただ短編の出来は、かなりばらつきが大きいです。 評判の悪かったメタな結末は文庫版では書き直されているようです。 |
No.3 | 6点 | マニア | |
(2011/01/26 15:54登録) 非常に評価の難しい作品だと感じた。 読んだものに厄災をもたらす『迷宮草紙』という同人誌の謎を作家・三津田信三とその親友飛鳥真一郎が追うというストーリー。 2人が様々な怪異に見舞われながら、一週間というタイムリミットのある中で、『迷宮草紙』の一作一作を解決していくというミステリ&ホラー&サスペンス。 作中作設定の短編7つはどれもホラー、幻想系、本格ミステリとバラエティに富んでおり楽しめた。メタ要素の強い結末は自分好みではないが、かなり手の込んだ作品なので一読の価値ありだと思う。 |
No.2 | 8点 | メルカトル | |
(2010/06/05 23:54登録) もっと評価されて然るべき作品ではないかしら。 本作はこの作者の原点なのではないかと思う。 その読み応え、面白さは、刀城言耶シリーズにも劣らない。 作中作だけでも読む価値はあると断言したい。 |
No.1 | 5点 | おしょわ | |
(2008/10/20 22:58登録) プロットは良いです。 作中作も結構良いのがあります。 最後のドンデンも良いです。 しかし最後の最後にそのオチだとすべて台無し・・・・ 好きな人は好きなんでしょうが・・・・ |