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ミステリの祭典

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ユダの窓
HM卿シリーズ

作家 カーター・ディクスン
出版日1978年03月
平均点7.94点
書評数32人

No.12 7点 ウエーバー
(2014/04/03 15:26登録)
興味をそそられるタイトル。法廷シーンも面白い。カーの傑作の一つ。
有名と言われるメイントリックは、アイディアは面白いが、成功率は低そうなので減点しました。

No.11 9点 蟷螂の斧
(2012/05/28 15:24登録)
<復旧再登録>(再読)法廷場面での盛り上げ方は非常にうまいと思います。読みやすいし、分かり易い文章で丁寧に説明がされています(海外ものは一般に読みにくいのですが)。トリックは有名なので、たとえ、それが分かっていても楽しめる作品であると思います。もし知らない、忘れたとしたら「ユダの窓」のキーワードの使い方は秀逸であると感じることができると思います。

No.10 9点 文生
(2012/04/06 11:51登録)
ワンアイデアの密室トリックを『ユダの窓』という魅惑的なワードで引っ張っていくプロットがまず見事。
この効力によって本作は密室殺人を扱ったミステリの最高峰という評価を得ることになる。
そしてなんと言っても法廷ミステリーとしての完成度の高さ。
状況証拠がすべてクロの男の無罪をいかに勝ちとるか?
その論戦の面白さは特筆もの。
得意のオカルトを封印したカーの意外な才能を見ることができる名作。

No.9 9点 monya
(2010/11/24 20:32登録)
有名なあのトリックだけだと駄作と言われるかもしれない
しかし、この面白さはどうだ!
ストーリーテラーとしてのカーの魅力が炸裂した一作!
トリックも見事に作品に馴染み、小ネタも効いている
そしてHM卿の魅力的なキャラ!
読んでない人は人生を後悔してますよ

No.8 8点 kanamori
(2010/06/26 15:46登録)
H・M卿の探偵譚の中ではもっとも有名な作品で、これも密室トリックは読む前から知っていました。
よく考えてみると単純でたいしたトリックではないんですが、タイトルのネーミングが秀逸で、魅力的なものにしています。
H・M卿が弁護人になる法廷ミステリという点が異色で、肝のハウダニットを知っていてもスリリングな展開を楽しめた覚えがあります。怪奇趣向が全くないのは少々物足りないですが。

No.7 6点 ミステリー三昧
(2010/05/15 18:03登録)
<創元推理文庫>H・M卿シリーズ7作目です。
目から鱗の裏技的な密室トリックが有名。「隠し絵」のように最初はなかなか見えてこない。でも、種を明かせば実に単純。見える人には見える。密室のようで、密室でない。そして、かなり実用的なお手軽トリック。その分、反則気味で素直に称賛できない。こんなのは一度だけにしてほしい。まぁ、でも「ユダの窓」かぁ。。。うん、なるほど、巧いタイトルだ。
ディクスン・カーによる法廷ミステリとしても有名。どう考えても有罪としか思えない状況から「無罪」を勝ち取るまでを描いた「逆転裁判」的ストーリーが読み所。H・M郷の推理によって、徐々に事件の裏舞台が見え始め、本当の真相が浮き彫りになる構成は素晴らしい。ただ、「無罪」を勝ち取ったまでは良いが、そのあとのフーダニットが非常に陳腐。やっぱり素直に称賛できない。どうしても名作に対して、ハードルを上げ過ぎる傾向があるらしい。

No.6 7点
(2009/06/17 12:28登録)
(少しネタばれ気味です)
今までに評価された方の書評のとおりで、申し分なしと言いたいところですが、一つだけ疑問点があります。
犯人がどのようにして凶器を持ち出したか、という点です。これは、後半、犯人がわかってからずっと疑問に感じていたものなのですが、その真相は最後の最後に、軽く、素っ気なく説明されていただけで、あまり納得できませんでした。
実は、ほかにも突っ込みどころはあるのですが、徐々に真相が解明されてゆく見事なストーリ展開と、読みやすさと、記念碑的トリックを生み出したことに敬意を表して、みなさんよりは少し低めですが、高得点の評価をしました。

No.5 9点 測量ボ-イ
(2009/05/30 17:56登録)
推理小説を読まない人でも知っている(かもしれない)有名
な密室トリックが出現する、これぞカ-の真骨頂というべき
快作です。
冤罪で逮捕された青年が裁判にかけられるという展開で話し
が進むので、法廷小説としての趣もあります。

No.4 8点
(2009/04/06 21:27登録)
あまりにも有名な密室トリックは読むだいぶ前から知っていましたが、こういうふうに使われていたんですね。現実的には確かにちょっと無理もありますが、切れ味抜群なので許してしまいましょう。
トリックを知っていてもやはり事件の全容はさっぱり見当がつかなかったのですが、さまざまな謎が裁判の中で次々解き明かされていくところ、さすがに傑作の名に恥じない見事な構成の作品だと思います。怪奇趣味は全くなく、H・M卿が引き起こす笑いもひかえめで、冒険的要素も見られないという、この作者にしてはある意味まともすぎるほどの謎解きが堪能できます。

No.3 8点 こう
(2008/10/26 22:51登録)
 カーの中でも法廷場面がほとんどという異色作ですがミステリとしては良くできていると思います。
 文体というかH.M卿の語り口などは少々うんざりさせられますがこれはどの作品もそうなので仕方ないかなと思います。
 例のトリックは有名になりすぎていて読んでない方でも知っているとは思いますがそれでも一読の価値はあるかと思います。ただ異色作ではあるので比較的読みやすい「皇帝のかぎ煙草入れ」(ミステリとしての評価は別ですが)などの他作品から読んだ方が良いかもしれません。個人的にはありきたりですがこれと「火刑法廷」が好きです。

No.2 8点 ロビン
(2008/10/15 12:07登録)
終始一貫して舞台はほぼ法廷のみで、物語展開は期待できないのでどうかなぁ、と最初は身構えていた。だけど事件の不可能状況、徐々に明かされていく真相の意外性と、どんどん引っ張られていった。
ちょっとした食い違いが事件をさらに複雑にしていくのはカーのお得意のパターンですが、今回の食い違いは本当にひどい。あの人物は可哀相過ぎる。
自分も、ハードルが上がりすぎて、「ユダの窓」の正体には満足できませんでした。

No.1 9点 Tetchy
(2008/09/02 22:54登録)
HM卿が被告側弁護人として法廷に立ち、既に容疑者は逮捕されているという、シリーズの中でも異色な幕開け。
物語は終始法廷で展開するというのがまず面白い。
そして裁判が進むにつれて解けていく謎。
特に10章あたりからは謎が加速度的に解けていく。
確かにこれは傑作。
ただ唯一、「ユダの窓」の正体が私にはカタルシスをもたらさなかった。

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