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Tetchyさん
平均点: 6.73点 書評数: 1567件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.33 7点 セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴- 島田荘司 2007/12/01 18:39
ミステリ初心者にうってつけの作品では?
余分なエピソードがない、純粋に事件のみを扱った御手洗物で、長さもちょうどいいし。

No.32 5点 魔神の遊戯- 島田荘司 2007/11/30 18:27
島田氏の提唱する21世紀本格の実践作品です。
しかし今回は御手洗の魅力という物がこのシリーズを牽引しているということを再度思い知らされました。
物語の構成上、仕方がないかもしれませんが、やっぱり大人しいミタライは物足りませんね。

No.31 7点 ロシア幽霊軍艦事件- 島田荘司 2007/11/30 18:19
『眩暈』系の作品ですね。
340ページ弱とコンパクトだったのが良かったです。
真相にはまたもやその豪腕ぶりに驚かされました。
馬の毛のブラシが個人的にはお気に入り♪

No.30 8点 ハリウッド・サーティフィケイト- 島田荘司 2007/11/29 18:36
エッセイ『聖林輪舞』で取材したハリウッドの内幕と世紀末から新世紀にかけて関心を抱いて取材を続けている脳科学やDNAなどの遺伝子工学の分野で得た知識を総動員してこの作品を物したものだと思われます。
この作品で描かれるクローン技術やアメリカのアンダーグラウンドで繰り広げられる異様なポルノ・グラフィティの世界は決して読んでいて気持ちのいいものではありませんが、島田氏は許されざる悪行が皆の知らないところで繰り広げられている事を啓蒙しなければならないという使命感のみで書き上げたのではないでしょうか。
でも一番びっくりしたのは最後の一文だったりする。

No.29 4点 最後のディナー- 島田荘司 2007/11/28 01:30
この時既に石岡くんはいい年だっただろうに、かなり落ち着きがないですな。
里美に翻弄されるなよ、いい年して!と思いながら読んでました。
『Pの密室』の後に読んで幼稚園時代の御手洗のスーパーマンぶりに辟易していたところに石岡君からの電話ですぐに真相を解き明かすシーンも逆にその反感を助長してしまい、私の中ではあまり評価が高くありません。

No.28 6点 Pの密室- 島田荘司 2007/11/28 01:24
島田氏が当時島田ファンに讃えられすぎて浮かれて作ってしまったような短編ですね。
御手洗がスーパーマン過ぎてガッカリしました。
幼稚園でモーツァルトを弾いて、因数分解もしていたなんて、やりすぎでしょう!
内容はやはり表題作の方がよかった。
最後にホロリとさせられました。

No.27 7点 漱石と倫敦ミイラ殺人事件- 島田荘司 2005/09/01 00:12
ちょうどホームズ物を読んでいるときにこの作品を読んだので、堪能できました。
直木賞候補になったと聞いたときにはビックリしました。意外とトリッキーなことをやっていたんですね、あの賞の選考は。

No.26 3点 都市のトパーズ- 島田荘司 2005/08/30 23:23
島田信者の私でもちょっとこれは・・・。
独自の都市論を披瀝するあまり、小説としてのスピード感が失われてます。
あと虎はガタイが大きく、短足なので、そこがどうも東京の街を疾走するイメージと重なりませんでした。

No.25 9点 涙流れるままに- 島田荘司 2005/08/29 23:20
加納通子物語ここに終結です!!
通子の物語は駅のキオスクで売られているような三文官能小説っぽくって正直辟易しましたが、今までの吉敷シリーズに跨っていた通子の全貌があらわになり、また吉敷の刑事人生についても島田氏なりの結論をつけたようで、あたかも吉敷・通子の人生讃歌のような様相を呈してます。
これで吉敷シリーズはやっぱり打ち止めでしょうか?

No.24 6点 飛鳥のガラスの靴- 島田荘司 2005/08/28 23:29
これも冒頭の通子とのやりとりについては『涙流れるままに』で明らかになるのでしょうからそれだけでも読む価値があると思います。
今回は『飛鳥』のトリックにやられました。
しかし、一応のタイムリミット物にもなっていますがもう少しその状況作りが良ければサスペンス性が増したように思えるのですが。

No.23 6点 ら抜き言葉殺人事件- 島田荘司 2005/08/28 00:34
タイトルは「何だこりゃ!?」といった感じですが、内容は吉敷シリーズでも結構渋く、扱っているテーマも歪んだ学校教育という社会問題を挙げ、手堅く纏まっています。
ただ今回は犯人が「ら抜き言葉」に執着する動機が純文学よりだったのが、惜しく感じました。

No.22 5点 羽衣伝説の記憶- 島田荘司 2005/08/27 00:22
皆さんおっしゃるように1つの作品としての完成度としては低いのですが、後の『涙流れるままに』に繋がる加納通子サーガの一幕であることを考えると、避けては通れない作品なのだと思います。
純愛を扱っているだけに島田氏の提唱する魅力的な謎の提示とその論理的解明が仇になってしまったような印象を覚えました。

No.21 5点 幽体離脱殺人事件- 島田荘司 2005/08/25 23:09
全体の印象として中途半端な感じがしました。小瀬川杜夫と吉敷とのエピソードは吉敷が事件に関わるためのファクターとして付加したようなテクニックを露呈していますし、森岡輝子と小瀬川陽子の電話のエピソード、輝子の行程のエピソードは十分読み応えがあって面白いですが、唐突に訪れる捕物劇は、およそ刑事小説とは思えないほど、あっけらかんとした物でちょっと納得しがたく感じました。通常一千枚ベースで作られる御手洗物で使われるテーマをかなり省略したような感じでした。

No.20 6点 夜は千の鈴を鳴らす- 島田荘司 2005/08/24 23:23
メインの事件がサブに回ったり、現代の事件が24年前の事件に繋がったりと凝ったプロットになっています。そして作者が今回選んだモチーフは「オリンピック」。この世界の祭りに新幹線開通を絡ませ、高度経済成長の荒波に人生を翻弄される姿を描きたかったのでしょう。そしてやはり本作でも東京という「都市」に憧れ、殺人を犯してしまうという島田 荘司の追い続ける都市の魔力というものが暗示されています。

No.19 8点 灰の迷宮- 島田荘司 2005/08/23 23:15
どうやら私は島田氏の描く女性に弱いようです。特に明るい女性に。
事件には派手さはありませんが奇矯で、解決は実にアクロバティックで、つまり島田荘司色を今回も見せてくれますが、それよりも茂野恵美の存在が胸を打ちました。
最初の登場シーンから、このキャラが物語の情の部分を支えるキープレイヤーなのだとは承知してましたが、頭が判っていてもやはり心が動いてしまいました。これは「異邦の騎士」の石川良子に一脈通ずるものがあります。

No.18 7点 Yの構図- 島田荘司 2005/08/22 23:02
本作のメインとなる殺人事件は、実はさほど興味深いものではなく、真相もショッキングではありますが、私自身が予想していたそれとほぼ同じでした。しかし読後の余韻は漠然とした何かが残りました。菊池刑事の、木山法子が瀕死の重体であるにもかかわらず、傍にいられない無念さか、古川教諭の、生徒を思う心か、鳥越ゆかりの孤独か、それ以外かどうか判りません。それらは所謂ステレオタイプな設定だと思うからです。しかし、何かは確かにあります。やはり子供が人を殺したという事実への疎ましさかもしれません。

No.17 5点 確率2/2の死- 島田荘司 2005/08/21 23:31
※以下のコメントはネタバレを含んでます。
野球賭博と白いライトバンの後ろが連絡場所と何か関係あるのではとは感づいていましたが、なるほど、誘拐事件が保険として絡んでくるとは読めませんでした。
島田作品の中でもかなり薄いこの作品は吉敷作品初体験用に最適かもしれません。

No.16 9点 北の夕鶴2/3の殺人- 島田荘司 2005/08/20 23:41
内容は純本格、文体はハードボイルド調です。今回の目玉は2つあります。まずは吉敷物とは思えぬほどの超絶技巧を凝らした大トリックの殺人。2点目はやや没個性的だった吉敷の個性、存在感がいつにも増して顕著でしたこと。通子の存在を得て吉敷が血肉を持った存在になりましたね。

No.15 6点 出雲伝説7/8の殺人- 島田荘司 2005/08/18 21:42
今回の死体受け渡しのトリックは解りましたがやはり時刻表のトリックはパズル遊びをしているきらいがあり、のめり込めませんでした。もちろん、島田作品ですから通常のミステリの水準はクリアしていますが、物足りないものを感じました。

No.14 6点 寝台特急「はやぶさ」1/60秒の壁- 島田荘司 2005/08/12 22:15
一般読者向けを意識した島田初のトラヴェル・ミステリという事で、現実味を過分に加えた、比較的地味なシリーズ、所謂吉敷シリーズですが、千鶴子の列車での存在を幽霊として仕立て上げるような、幻想性を加えることも忘れない所が面白かったです。

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