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みりんさん
平均点: 6.66点 書評数: 271件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.111 6点 わずか一しずくの血- 連城三紀彦 2023/06/10 15:26
フーダニットというよりホワイダニット つまり犯人の動機を当てるタイプのミステリですが、これを当てるのはあまりにも難解すぎる・・・ 
犯人の復讐相手は果てしなく強大すぎてこんな動機は今までに見たことがない笑 

No.110 8点 白光- 連城三紀彦 2023/06/08 21:20
ドロドロした人間関係で起こる一つの幼女殺人事件。ラストに畳み掛けるような当事者の独白には一文一文読み逃さないように、そして噛み締めるように読んでしまう。
そしてこの筆舌に尽くし難い読後感…どんどん連城三紀彦の沼にハマっていく。

No.109 6点 夏の最後の薔薇- 連城三紀彦 2023/06/07 08:04
夏の最後の薔薇 8点
薔薇色の嘘 7点
嘘は罪 8点
罪な夫婦 6点
夫婦未満 5点
満天の星 6点
星くず 4点
くずれた鍵 4点
鍵穴の光 5点
仮橋 8点
走り雨 7点
雨だれを弾く夏 7点

登場人物が全員浮気していると言っても過言ではないくらい浮気がテーマの短編集。 
「夏の最後の薔薇」「嘘は罪」「仮橋」「雨だれを弾く夏」あたりが良かったです。

No.108 5点 落日の門- 連城三紀彦 2023/06/06 00:35
ニ・ニ六事件のifが土台になった連作短編集
それぞれのお話に登場する主人公達が揃いも揃って複雑な環境・複雑な人間関係を持っていてお腹いっぱいになった。「夕かげろう」がこの中だと1番お気に入り。

No.107 8点 揺籠のアディポクル- 市川憂人 2023/06/04 22:39
いや〜良かった〜久しぶりに傍点でゾワゾワした。ジェリーフィッシュやブルーローズも面白いが本作品が今の所市川憂人先生のベストだ。まだまだ未読作品あるので読んでいきたい。

青春、悲劇、謎解きそしてラストはロマンス。少し涙が出た。

No.106 7点 宵待草夜情- 連城三紀彦 2023/06/04 15:29
能師の妻 5点
野辺の露 7点
宵待草夜情 6点
花虐の賦 9点
未完の盛装 9点

連城短編の中では凡かなあと前半3作品までは思っていた。がしかしラスト二つの『花逆の賦』と『未完の盛装』は傑出している。女性の「愛憎」「悲哀」「情念」がすべて魅力的な謎となって、その真相が明かされたときには作者の筆致も相まって心を揺さぶる。そんな素晴らしい短編集です。

ところで短編集は読み終わった時、既に最初の話のオチを忘れるのってあるあるですかね。忘れやすい分再読の時に楽しめるから良いんですけど

No.105 9点 名探偵に甘美なる死を- 方丈貴恵 2023/06/02 17:45
「時空旅行者の砂時計」「孤島の来訪者」に続く竜泉家の一族シリーズ第三弾。今作に限っては絶対に前2作品を読んでからにしましょう。

毎度作者の発想力には驚愕してしまう。今回も魅力的なキャラクターであるマイスター・ホラの挑戦状が付いていますが、「いや、こんなの当てられるわけないだろう」と同時に「逆にこんなのどうやったら思いつくの?」というトリック×2で大満足でした。

【ネタバレ】




ラストの犯人の改心があまりに唐突で少しガッカリしていたら、なんとエピローグでとんでもない事実が明かされる。「孤島の来訪者」では果たしてシリーズ物にする意味があるのだろうかと書いてしまったが撤回したい。竜泉家の一族シリーズの4作目が出たら発売日に購入するだろうなあというくらいに楽しみなシリーズになってしまった。

No.104 7点 造花の蜜- 連城三紀彦 2023/06/01 00:32
蠱惑的な体と仕草で蜜蜂を簡単に魅了してしまう女王蜂。生まれつきその造花の蜜のような体質を持った女が企てた誘拐は2重3重の意味を持つ正に前代未聞のトリック。
最終章の"造花の蜜"は少し欲張りすぎたか…

短編の神様である連城三紀彦は長編でも決して劣ることのないクオリティでした。

No.103 8点 彼方のアストラ- 篠原健太 2023/05/31 11:27
ネタバレなし

ミステリー好きに是非読んでもらいたい!と思って登録してみました。全5巻で1日で読み終わるSF&ミステリ漫画なのでオススメです。

〜あらすじ〜
宇宙への往来が当たり前になった近未来。高校生のカナタ、アリエスら9名は“惑星キャンプ”に旅立つ。未体験の宇宙旅行に胸を躍らせながら惑星に降り立った彼らを待ち受ける、予想外の事態とは!? 近未来SFサバイバルストーリー、始動!! (Amazonより)

そう、これは萩尾望都先生の「11人いる!」にインスパイアされた作品です。(こちらの作品も本サイトに登録されているそうで驚きました。) 元ネタとほぼ同じシーンもあったり…
笑いあり涙ありそして魅力的な謎があり、ラストの怒涛の展開と作者の緻密なプロットには驚くばかり。フィクションに求めるものがわずか5巻に全て詰まっている作品です。ただ、懸念点はギャグが少しくどいのと、ミステリジャンキーの方々には犯人が丸わかりらしい笑

No.102 7点 贖罪の奏鳴曲- 中山七里 2023/05/29 22:21
音楽ミステリかと思って読むと法廷ミステリだった。なぜかリーガル・ハイを思い出したなあ。
結構長い演奏シーンは要らないといえば要らないんだけど、「熱情」よりも「月光」を聴きながら読むと没入感あって良いですよ。

"贖罪"というテーマ、難しいけれど少年院の描写のおかげで御子柴の親子への献身の動機も理解しやすい。後味は悪いが、確実に読んで良かった作品。

No.101 7点 魍魎の匣- 京極夏彦 2023/05/28 11:56
姑獲鳥の夏が合わなかったのと分厚いのでなかなか食指が動かなかった。が、読み始めると1000ページもあるのに、作者の筆致に酔いながら2日で読み終わった。

【ネタバレあります】



すごい作品であることは間違いない。ラストの匣の中でのやりとりは心を揺さぶられた。魍魎の意味、そして"向こう側"はおそらく京極夏彦以外が書くと陳腐になっただろう。
読後感は悪いけれど、雨宮の救済的エンドは嬉しい。

No.100 4点 一九八四年- ジョージ・オーウェル 2023/05/25 20:42
たぶんこれは高評価しないと恥ずかしいレベルの名著なんだけど、楽しめなかった。確かにこれぞディストピアって感じ(というか元祖?)で1984年に影響を受けたであろう作品(特に漫画)がいくつも思いついた。しかし、世界の不条理さの説明や思想に関する問答が大半で、話の展開が冗長で退屈。文学的素養がないとこの作品のテーマを深くまで読み解くことはできず、あまり楽しめないのだと思う。

主人公が協力者や恋人を得てディトピアに抗うストーリーなのかと期待していたらそんなどっかに転がってるような甘い話ではなかった。そして、クリスティ再読様の書評を読んでこの作品の楽しみ方を学べた気がする。

No.99 8点 ブルーローズは眠らない- 市川憂人 2023/05/22 21:26
「ジェリーフィッシュは凍らない」に続くシリーズ第二弾(シリーズの名称あるのかな?)
前回と違って遺伝子工学がメイン。理系ミステリィの系譜嬉しい。
今回も前作と同様にミステリとしては相当練られていて満足度が高かった。

このシリーズもっと読みたいのですが、今後タイトルの制約に縛られないか不安です。

No.98 6点 秘密- 東野圭吾 2023/05/20 17:36
東野圭吾作品は毎度読み始めると読む手が止まらない 作者の素晴らしいストーリーテリングの力を認識させられます。しかしミステリーかと言われると・・・

No.97 6点 赤い密室 名探偵星影龍三全集(1)- 鮎川哲也 2023/05/19 03:14
呪縛再現 5点
赤い密室 8点
黄色い悪魔 6点
消えた奇術師 4点
妖塔記 5点
道化師の鑑  4点

読み始めると何か見覚えのあるキャラの名前に話の展開も既視感の塊…それもそのはずで「りら荘事件」の元ネタの中編。さすがにりら荘事件の方が面白いけれど、普段うざったい星影龍三の情けない姿が見られるのでこれも良し。

短編の中では表題作の「赤い密室」のトリックが良く出来ている。「黄色い悪魔」のタイトル回収も見事。

No.96 8点 ヨモツイクサ- 知念実希人 2023/05/18 00:15
相変わらず医療シーンで筆が乗っているのが伝わってくる…が今回のメインはバイオホラーらしいのでジャンルもホラーに入れておきました。
映像化されたら目を背けてしまうであろうシーンばかりで戦慄の連続とそれに相反する生物の神秘が上手い具合に調和している。
「残りページどれくらいかな〜」なんてペラペラ後ろの方をめくるのは要注意と言っておきます。

ここからネタバレ




正直途中まで「この作者はいつも真犯人分かりやすすぎるのがあまり良くないな〜」「結局愛の力か〜ご都合主義だなあ」と思っていたが…見事に予想を裏切ってくれた。青年漫画の「ベルセルク」を思い起こさせるダークファンタジーのようなラストが好きだ。映像化されたら目を背けてしまうといったけれど是非とも映像でも見てみたい。
追記:とある理由から-1

No.95 8点 霧越邸殺人事件- 綾辻行人 2023/05/18 00:04
骨格は本格ミステリだが、水車館のラストで魅せられた幻想的な雰囲気が終始漂うので怪奇幻想小説の側面も強い。というか実は綾辻行人はこちらの方が得意なのかな…

No.94 7点 ベーシックインカム- 井上真偽 2023/05/18 00:00
近未来が題材の短編集
SFミステリでありながら本格好きが喜ぶ要素も多かった。

「技術は革新されても人間の情は変わらない。驚くほどエモーショナルなミステリだ」──大森望
と表紙で評されているが嘘偽りのないこの言葉をお借りしたい。

No.93 6点 アクロイド殺し- アガサ・クリスティー 2023/05/17 23:57
御多分に洩れず、この超有名作は既にトリック・真犯人共にネタバレされている状態で読みました。
ミステリはそれだけで魅力半減…かと思いきや一周目から作者の仕掛けにニヤニヤするのも悪くないなと。
やはりクリスティのアイデアは革新的 

追記
と思っていたら日本人の純文学作家が『アクロイド殺し』より前にほぼ同じトリックを書いていたみたいですね。読んでみようかな。

No.92 9点 硝子の塔の殺人- 知念実希人 2023/05/17 23:55
本格への愛無くしては思いつけない悪魔的な発想です。

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