皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
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みりんさん |
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| 平均点: 6.66点 | 書評数: 577件 |
| No.417 | 9点 | 能面殺人事件- 高木彬光 | 2025/02/02 00:46 |
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| 最近ヴァン・ダイン読んでたのは、この作品を読むためだったのよね。『カナリヤ』『グリーン家』『僧正』は先に読んでおいたほうが良いとのことで、助かりました!
【直接的なネタバレあります】 不覚!!まさか堂々と某作を挙げておいて、メインの仕掛けがほぼ同じだとは思いませんでした(笑) 殺害方法は今や使えない遺産トリックだったり、例のダイイングメッセージ「八十八」が既に…(略)だったりと時代に取り残された一面もありますが、それを差し引いても密室の構築方法が素晴らしく、そこは確実に『刺青殺人事件』より上。密室動機も『刺青』と同等であると評価。なぜか贔屓が止まらない! 著者特有の文章の仰々しさと能面の不気味さが怪奇的な雰囲気をより引き立たせている(『僧正』っぽい)のと、幕引きで明かされる儚いロマンスが刺さりましたね。 失敗作だとか出来レースで推理作家協会賞取ったとか(?)、前評判の低さが幸いして私の中では『能面』>『刺青』>『人形』になりました。前評判て大事なんだなと。 |
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| No.416 | 5点 | カナリヤ殺人事件- S・S・ヴァン・ダイン | 2025/02/01 00:20 |
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| うーん、控えめに言ってあんまり凄くないのでは?
密室という不可解な状況に引っ張られて道中は楽しく読めたのですが、まさかの密室トリックに…(笑)そしてアリバイの方は即座に…(苦笑) 代表作の『僧正』や『グリーン家』にあった複雑怪奇で凄惨な連続殺人というサイコスリラーのような雰囲気がなくてやや残念。 物理的事実と心理的事実が矛盾しているなら、物理的事実が間違っているんだ… なるほど、ファイロ・ヴァンスは矢吹駆ではなく、ロジャー・シェリンガムだった!? ヴァン・ダインとアントニイ・バークリーは米国と英国でライバル意識あったんかな。どっかの解説でもそういうの読んだ覚えあるし |
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| No.415 | 8点 | 僧正殺人事件- S・S・ヴァン・ダイン | 2025/01/29 04:45 |
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| 【ネタバレあり】
〜〜〜〜〜〜ネタバレ防護壁〜〜〜〜〜〜 うーん、控えめに言ってめちゃくちゃ凄いのでは? なにより見立て殺人の動機が原点にして頂点でしょこれ。容疑の押し付けの方ではなくて、無意味な童謡と殺人を結びつけることで、有意味だったはずの地上的な人間生活とやらを根本から破壊するという壮大なユーモアの方。犯人の造形からも説得力あるし、原点からこんなにぶっ飛んだの用意してるとは思ってなかったよ、すげえなヴァン・ダイン。今や忘れ去られてオタクしか読んでない作家らしいけど、またいつか長編制覇します…いつかね… 本格としては『グリーン家』には劣るけれど、童謡見立て殺人(大好き!)の元祖という偉大さから評価は甘めに。『そして誰もいなくなった』はこれがなくても生まれてただろうけど、『悪魔の手毬唄』や『山魔の如き嗤うもの』はひょっとするとなかったかもネ… という感謝も込めて。 |
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| No.414 | 8点 | グリーン家殺人事件- S・S・ヴァン・ダイン | 2025/01/27 02:21 |
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| 【ネタバレあり】
〜〜〜〜〜〜〜ネタバレ防護壁〜〜〜〜〜〜〜 正直舐め腐っていた。所詮1928年の作品だろうと。そんな遠隔系トリックなんてまだ考案されていない時代だろうと。だからこそ2025年に読んでも「意外な犯人」になってしまった。俺は馬鹿だった。『ビッグ・ボウの殺人(1894年)』でつい最近感銘を受けたばかり(※巻き込みネタバレではない)だし、ホームズだってもっと前からいたんだった。古典侮るなかれという教訓を得たが、侮りながら読んだ方が10倍楽しめることが判明した。 矢吹駆ってこのファイロ・ヴァンスが元ネタか?あと解決編の前に重要な手がかり100個くらい列挙するやつ、日本の本格ミステリにも継承されれば良かったのに。 |
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| No.413 | 7点 | さよならドビュッシー- 中山七里 | 2025/01/24 05:11 |
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| 派手なラフマニノフの方が弾きたかった。でも技術も手も未熟で発表会での演奏は地味なドビュッシーを弾かされた。そんな小学生の頃の記憶が脳裏に浮かんできた。
この話を読んでもうひとつ思い浮かべたのはピアニストの辻井伸行さん。彼の「月の光」や「水の戯れ」を画面越しに聞いた時は鳥肌が立った。盲目なのにではなく盲目だからあんなに魅力的な演奏ができるのだろう。本作の情感溢れる演奏描写は彼のような演奏を聴いているとなんら誇張ではないと思ってしまう。 私にしては珍しく動機もトリックも犯人もピタリと当ててしまったが、ミステリとしての魅力が半減しても、音楽青春小説として素晴らしいことに変わりはない。 岬洋介のキャラクターも良く、次作のラフマニノフにも期待大。ただ、少し前までブルグミュラーの「アラベスク」に苦戦していた少女に、超絶クソ難度の「熊蜂の飛行」をリハビリで弾かせるのは指導者としてどうかと思うぜ岬さん…(笑) |
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| No.412 | 5点 | 誘拐作戦- 都筑道夫 | 2025/01/22 18:22 |
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| 2人の作中キャラが交互に記述していく一風変わった1962年の誘拐ミステリー。誘拐なんてハイリスクな犯罪を行うには相応の動機が必要となるが、本作は見事にクリアしていたと思う。天藤真『大誘拐』のようなドタバタ感と犯罪内容のブラックさがミスマッチか…と思いきや、なるほど!遊び心がどこか泡坂妻夫っぽい?と思いつつ都筑道夫の方が先か | |||
| No.411 | 7点 | ボディ・メッセージ- 安萬純一 | 2025/01/22 01:22 |
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| 鮎川哲也繋がりで鮎川哲也賞受賞作を…というのは嘘で「みんな教えて」の「切断の理由」に挙げられていたので読みました。
いや惜しいけど凄い。惜しい点は他の方も書いているように犯人特定の手がかりが無いこと。探偵2人に見せてマスコミの報道に期待するより、知らしめたい相手に直接メールすれば良いじゃないかということです。まあそんなことをすれば小説にならないので、著者も悩んだのでしょう。 しかし肝心の「切断の理由」は文句なしの出来。こちらに関する手がかりは無数にあって、なぜ頭をよぎらなかったのかと思うほど。とにかく凄い。前例はあるのだろうか…? 数えてみると鮎川哲也賞を読んだのはこれで5作目でしたが、新人賞なのに今のところハズレがありませんね |
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| No.410 | 7点 | ペトロフ事件- 鮎川哲也 | 2025/01/21 00:31 |
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| これも先日読んだ松本清張『時間の習俗』や土屋隆夫『天国は遠すぎる』と同世代のアリバイ崩しもの。流行りか?(※ちゃんと調べたら1949年の作品だった、大嘘)
偉大なる作家・鮎川哲也の500件目の書評には処女作をチョイス。珍しく容疑者が3人もいて全員のアリバイを崩していくという趣向。時刻表トリックのややこしさで5〜6点くらいかなと思っていたら… 処女作というのは著者の雛形であって、そこまで捻ってはこないだろうという謎の安心感からスッカリ騙されてしまった。『スタイルズ荘の怪事件』を読んだ時と同じ感動。 満州が舞台で、当時の民族観や旅情なども味わえる貴重な作品。 |
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| No.409 | 7点 | 生存者、一名- 歌野晶午 | 2025/01/20 03:18 |
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| すげえ、1ページあたりの面白さランキング国内1位だろこれ。 | |||
| No.408 | 7点 | 天国は遠すぎる- 土屋隆夫 | 2025/01/20 00:43 |
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| 昨日読んだ松本清張の『時間の習俗』と同世代のアリバイ崩しもの。1959年の作品なだけあって夫婦観が物凄く古いのが現代では逆に新鮮。戦争が未だ尾を引いているこの時代の推理小説には独特の哀愁が漂っており、不思議な中毒性があります。警察小説において、軋轢の対象として描かれがちな上司が類を見ないほど良い奴なのも加点。
アリバイ崩しもので1番好きなのは「モブキャラの何気ない会話や行動がトリックを見破るヒントになるシーン」であるということに気付かされた。 |
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| No.407 | 6点 | 口に関するアンケート- 背筋 | 2025/01/19 15:49 |
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| 大学生が心霊スポットで行った肝試し談。
彼らはなぜ呪われないといけなかったのか?呪いの本質に関して興味深い議論がある。まさに口は災いのもと。色弱だから、最後のアンケートを読むまでとある仕掛けに気づかなかった。 短編ながら『近畿地方のある場所について』より好き。 |
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| No.406 | 4点 | 近畿地方のある場所について- 背筋 | 2025/01/19 13:16 |
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| 一昨年に大ヒットしてましたね。モキュメンタリー・ホラーというジャンルですが、ミステリー要素も多いので、本サイトにも登録。そして解説求む。
とある地方(●●●●●)に纏わる怪異現象が時系列バラバラに羅列されていて、最後まで読めば一応元凶となった出来事は判明するのですが、あまりスッキリしません。私にとって一読で理解するには難解すぎました。読み返すほどの熱量もないので、誠に失礼ながらこの評価となりました。リドル・ストーリーに挑むのが好きな方にはたまらないと思います。名探偵に頼った思考放棄の読書がいかに気楽かということを思い知らされました。 |
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| No.405 | 7点 | 時間の習俗- 松本清張 | 2025/01/19 02:20 |
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| 警察による聞き込み捜査があと一歩のところで振り出しに戻るこのもどかしさ。それでも鉄壁のアリバイを持つ犯人を着実に追い詰めていくスリル。アリバイ崩しもの特有のこの読み味に最近じわじわハマりつつある。社会派ではないけど、当時としては実現可能性の高そうなアリバイトリックにしてくるあたりはさすがです。写真の現像とかとは馴染みのない私には思いも寄らないトリックでしたねぇ…この時代の小説に御用達の電報とかもジ○リのト○ロとかでしか見たことないしなぁ…あと関係ないけど通話料金ぼったくりすぎないか?
何気にアリバイトリックよりも、現代でも通用する○○に関するミスリードの方が前衛的だなあと感心しました。 |
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| No.404 | 7点 | 白日- 月村了衛 | 2025/01/18 17:51 |
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| 黄道学園は実在の「N高校」をモデルにしたのだろうか?バイト先の塾の生徒が通っていたが、自由な校風で楽しそうだった。やはり通信制の学校や不登校生徒に対する偏見を無くすことは難しい。黄道学園の開校プロジェクトを進め、その理念を誇りに思う秋吉ですらその偏見を完全には払拭できていなかった。そこまでの自家撞着に陥るまでの流れが上手かったが、結末はやや安直か。
月村了衛作品は初めてですが、解説によると「らしくない作品」だそうです。退屈になりかねないビジネス小説を一気読みさせる力量は前評判通り。他のスケールの大きそうな作品も読みます。 〜会社でのいじめは、学校でのいじめの比ではない〜 『七つの会議』や本作を読むと、不正問題や派閥争い、出世競争などで溢れかえる世界に40年間身を置くという現実から目を背けたくなる |
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| No.403 | 7点 | バイバイ、エンジェル- 笠井潔 | 2025/01/18 08:25 |
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| 笠井潔といえば、巻末の解説で小難しいことを語るおじさんというイメージがあったが、自身の小説でも小難しいことを語るおじさんというのが正解だった。矢吹駆は現象学や直観云々やたら本質めいたことを言ってたけど、解決編を読むと手がかりから論理を積み上げるフツーの名探偵と何が違ったの?とやや疑問。
それでも首切りの動機と論理は見事。物語の中核にあるのはフーダニットならぬワットダニット。真犯人が明かされたとしても真の真犯人は別の何かなのだ。それは「生物的な殺人」の具体性とは対照的な何か。人民と国家への憎悪が引き金となって人間の心に憑依する倒錯した何か。矢吹駆はそれに理解を示しつつ、それの卑小さを断罪した斬新な名探偵であった。とか分かってる風なことを言いつつ私は著者の深淵なる思想を微塵も理解はできてはいないのだろう。 |
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| No.402 | 7点 | 七つの会議- 池井戸潤 | 2025/01/15 03:39 |
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| いやおもしろ〜!ミステリしか読まない自分にとって新種の楽しさでした。これを読んで真っ先に思い浮かんだのは、ついさいきん某自動車メーカーが認証試験の不正でリコールしたことですね。2012年あたりにもそのような事件があったのでしょうか?内部告発以外でほぼバレようがないだけで、製造業に不正はつきものなのでしょう。
特に面白かったのは、「ねじ六編」「ドーナツ編」「カスタマー室編」の3つ。クレーム対応部署に左遷されて不貞腐れてた佐野が羨ましい。超ブラックでノルマ厳しい会社の営業職より、無能気味の部下2人とぬくぬく仕事して、月に1度クレームまとめるだけでそこそこ金貰える方が嬉しくねぇか普通に。 あと就職活動が大学4回生の6月からとあってイイ時代だなーと。今や3回生(院卒なら修士の1年目)の5月からスタートしないと出遅れ組ですよ。経団連仕事しろ。あとついでに下請け潰しの消費税なくせ。 来年からちょうどメーカーの研究職に勤める身としては、営業マンや経理ばかりではなく、製造部の人間にもっと焦点が当たってほしかったかな。 |
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| No.401 | 7点 | 鬼畜の家- 深木章子 | 2025/01/14 06:21 |
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| 新人賞なのに文章は熟達の域(?)深夜に一気読み。物語全体に漂う陰鬱としたこの読み味に近いものとしては連城三紀彦『白光』や東野圭吾『悪意』が思い浮かんだ(中身は別物)。個人的には得体の知れない探偵に何かあるのだとばかり疑い、そちらの違和感には気づけなかった。かなり難易度は高いと思う。"鬼畜"が忌み嫌う人物像に首尾一貫性があり、エリート志向ほど陥りがちな優生思想に説得力があった。 | |||
| No.400 | 9点 | ポオ小説全集4- エドガー・アラン・ポー | 2025/01/12 23:06 |
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| 記念すべきポオの書評100件目です。海外作家で100件超えはまだ25人。これでサムネからポーのページに飛びやすくなった(^^)
※↓元祖判定は何も調べずにテキトーに言ってます 『黄金虫』『黒猫』『盗まれた手紙』などポオ小説全集Ⅳは脂が乗り切ったポオの黄金期の作品が結集。『シュヘラザーデの千二夜の物語』はアラビアンナイトのすげえ捻くれたパロディ。捻くれ者でもないと批評なんてやらないか。『ミイラとの論争』はユーモア系のオチになっているが、何気に現代のSFに蔓延るコールドスリープの元祖か?『天邪鬼』は『告げ口心臓』や『黒猫』と似た犯罪小説だけど、これも乱歩『赤い部屋』に登場するプロバビリティの犯罪の元ネタか??で、1番驚いたのは『長方形の箱』ですね。これ古今東西のミステリーに蔓延る「○れ○○りトリック」の原型じゃねーの??江戸川乱歩が巻末解説でエドガー・アラン・ポーの探偵小説(広義)は『モルグ街』『マリロジェ』『黄金虫』『おま犯』『盗まれた手紙』の5編と言ってるけど『長方形の箱』も入れようぜ。『アルンハイムの地所』は前にも読んだ事あるけど、それ以外で直近で確実に読んだはず!なんだこの既視感!?と疑問に思ってたら全集Ⅲの『庭園』の完成版でした(笑) あと『パノラマ島奇談』の元ネタですね。『タール博士とフェザー教授の療法』のどんでん返しも良いよねぇ…そして奇しくもマイベストの『跳び蛙』がポオ最後の怪奇小説となっていた。あとそういえば全集のはずなのに『灯台』が載ってねえぞ!未完だからスルーしたのか? 全体的に難解で格調高い文章であったが、ポオの全作品を読む価値はあった。 ポオはキャラクターで物語を動かす作家ではないし、ドラマ性も希薄であるから退屈なのも多いけれど、人間の持つ普遍的な性質や心理に注目し、時には世界の法則を捻じ曲げるような奇想を生み出している。評点は本作の評価というよりは、探偵小説(眉唾)、密室、暗号小説、SF小説(眉唾)、怪奇小説(眉唾)など、あらゆるジャンルの小説の始祖であるポオの偉大さに敬意を表して9点とした。 |
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| No.399 | 7点 | ポオ小説全集3- エドガー・アラン・ポー | 2025/01/10 03:14 |
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| 回を重ねるごとに面白くなっていくポオの全集3。 【ややネタバレ】
全集3ではついに『モルグ街の殺人』が収録。推理小説(眉唾)と密室事件(ガチ)の始祖にして、「意外な犯人ランキング」で185年連続1位の座を守り続けてきた名作。かれこれ5回以上読んだが、いまだに「たしかにあいつは背丈が低い〜」からの一連の流れを忘れていて毎度ツッコむ。 現実の事件を元にデュパンが分析能力を発揮する『マリー・ロジェの謎』。小学生の頃、TVで長年未解決の殺人事件の再現ドラマを見て、名探偵さながら被害者の身内を疑っていたことを思い出すね。そのすぐ後に犯人(外部犯)が捕まってたけど。 全集2の『ジューリアス・ロドマンの日記』もそうだったけれど、『メエルシュトレムに呑まれて』や『陥穽と振子』のようなサバイバル系の小説でポオが必ず描写するのは未知のものに対する好奇心。それは死への恐怖を超越するレベルの根源的な欲求として描かれており、生き残ったのは副次的な結果のような気がする。ポオがあらゆる奇想に長けるのもこれが原点なのだろう。 怪奇小説は有名作の『楕円形の肖像画』『赤死病の仮面』など多数。無分子の物質が心だのその運動が思想だの…カルト超えてオカルト小説『催眠術の啓示』。あと犯罪小説『告げ口心臓』はほぼ『黒猫』なんで『青目爺』に改題した方がいいぞ。 ユーモア系では『週に三度の日曜日』『眼鏡』『早まった埋葬』が良い。1800年代は日付変更線の概念ないのか?島荘もどっかで似た感じのユーモア小説書いてたっけな。『眼鏡』は何気に叙述トリックか?『早まった埋葬』は語り手の気持ちがすごくよく分かる。子供の頃、火葬が理解できなかった。まだ生き返るんじゃねえの?とか死後も痛覚だけは残ってたらどうすんの?と心配していた。 『エレオノーラ』は『モレラ』『ベレニス』『ライジーア』等を読んでいれば、話の展開がほぼ予想できるのだけれど、最後はリドル・ストーリー?生まれ変わりか? |
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| No.398 | 7点 | ポオ小説全集2- エドガー・アラン・ポー | 2025/01/05 03:42 |
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| 『ナンケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語』 7点
現代的な叙述トリックを匂わせるような冒頭から壮大な冒険譚が始まる。序盤1/3が船内での反乱、中盤1/3が漂流サバイバル、残り1/3が南極秘境冒険小説。この「漂流サバイバル編」の冷徹さは類を見ません。もう少しジャ○プ漫画のように主人公側に都合の良い展開があっても良いのではないでしょうか。物語が進むにつれてピムの精神が荒廃し、人の死に対する感傷が鈍感になっていく様も読み取れます。 ポオは話の面白さで読ませる作家ではなく、発想力や文章力で黙らせる作家という認識であったがそれは間違いで、本作に関しては話の面白さに引っ張られた。それだけに5時間も夢中にさせといてぶん投げはやめてほしかった。乱歩…夢Q…なぜ短編作家達はすぐに長編をぶん投げるのか…(n=3) ちなみにSFを大きく発展させた記念碑的な作品でもあるらしい。ほんとか? 『沈黙』 3点 わけわからん。あれか?過ぎたるは及ばざるがごとしみたいな話か? 『ジューリアス・ロドマンの日記』 5点 こちらも冒険譚であるが『ピムの冒険』と比べると大した苦難はなく退屈。そしてこれもほぼぶん投げ。スー族への過剰なる警戒心を読むと、手記者のロドマンは南極冒険の一件を経て成長したピムのよう、その分緊張感は薄れるけどね。この冒険の根源にある動機は353pに明確に記されていて、「未知なものに対する燃えるような愛」、イイネ。 『群衆の人』 6点 趣味は人間観察。今回のターゲットは都会人の罪を背負った老人。孤独を恐れ、群衆に溶け込むことで安心を得る、まさに大いなる不幸。そんな醜悪な人間の心を読み解く方法も価値もない。 それじゃあ、他者の観察を生き甲斐とする語り手もまた罪悪の権化ではないか? ※前読んだのよりコチラの翻訳の方が良さそう 『煙に巻く』 7点 難解な書物をなんでもかんでも深読みする奴へww 残念でした!お前らの期待しているような高尚な中身なんてありませーんwwwwwww ということか? ポオ作品も200年の時を経て神格化され、一部が『関係ニヨル、結合ニヨル、又自身ニヨル危害』のような存在になっているような(笑) 『チビのフランス人は、なぜ手に吊繃帯をしているのか?』 7点 パトリック卿の妄想やり取りが大袈裟で面白いし、オチでも笑ってしまった。本作だけでなく、節々にレイシストの気質あるよねポオ。 全集1はイマイチでしたが全集2はポオ唯一の長編『ピムの冒険』や最後2つのユーモア小説が面白くて、満足感の高い仕上がりになっとりました。 |
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