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レッドキングさん
平均点: 5.25点 書評数: 816件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.25 5点 私が捜した少年- 二階堂黎人 2024/04/04 20:22
幼稚園児にして「ハードボイルド」口調探偵:シンちゃんシリーズ短編集。
 「私が捜した少年」 女子大生アパートからのヤクザ消失。カー名作の応用ナカナカ(パクリ言ったらそれまでだが) 7点
 「アリバイのア」 レコード演奏時間のアリバイトリック・・んなもん、知らんわ! 2点
 「キリタンポ村から消えた男」 失踪した殺人犯ヤクザの行方と消失トリック・・女紛れネタならなぁ(アキレスか) 5点
 「センチメンタル・ハートブレイク」 愛人殺し航空機アリバイトリック・・クロフツか!5点
 「渋柿とマックスの山」 スキーゲレンデを舞台にした殺人アリバイトリック。6点 ・・・で、全体平均で5点。

蘭子ちゃんシリーズの本格風味は良いが、サトル君物の痛くスベるギャグセンスから、懸念して読んだが、ナカナカに面白いジャン!はーどぼいるどシンちゃん。

No.24 3点 名探偵水乃サトルの大冒険- 二階堂黎人 2023/12/05 23:06
水乃サトル君シリーズ短編集。
  「ビール家の冒険」 空き家の如き一軒家に残された大量の缶ビールの謎。5点
  「ヘルマフロディトス」 女子高生マル文字日記に仕込まれた殺人Who手掛り。3点
  「『本陣殺人事件』の殺人」 本家イチャモン付けと新機軸の提示・・唯の「針糸トリック」だが・・4点
  「空より来る怪物」 天窓以外は密室だった山小屋での密室焼殺トリック。6点
※短編ミステリ集として平均5点。が、第四編キャラ・「宇宙神~」同様・のヘキエキ感と、余計な後書「~が許されるのは島田荘司先生(! °o°) だけ・・」云々にマイナス2点。

No.23 4点 誘拐犯の不思議- 二階堂黎人 2023/08/09 17:08
水乃サトル不思議シリーズ第五弾。アリバイ時間トリックに特化した長編。なかでも、内臓が掻き出された死体ネタ、島田荘司小島正樹以外にも、こんなWhy利用もあんだなあ、とカンプク・・「バカWhy」だけどね。

No.22 4点 智天使の不思議- 二階堂黎人 2023/06/04 07:34
水乃サトル不思議シリーズ第四弾。
操り者の少女漫画家とシモベの男。実行者視点で、三十年を隔てた二つの殺人アリバイトリック・・一つは密室付き、もう一つは少々話が立て込んでる・・が描かれる、ま、倒叙の「白夜行」ね。普通の叙述展開だったら3点。が、倒叙展開面白く、乱歩風かつ「戦前〇〇者(今時チトあぶないか)物」風の外連味もミワク的なので1点オマケ。

No.21 4点 稀覯人の不思議- 二階堂黎人 2023/05/15 22:03
水乃サトル不思議シリーズ第三弾。手塚治虫マニア団体で起きた稀覯本を巡る密室殺人。メインの「家と部屋」二重密室トリックは、イマイチな短編ネタだが、手塚治虫の稀覯・希少本ウンチク(なかなか面白い)と、第二事件の「意外な」Who・Whyネタが付いて、長編として読ませてくれる。(手塚漫画に関心ない人には・・退屈かなぁ)
※コバルトってアトムの兄貴じゃなかったっけ?作者の勘違いじゃね?・・思ったら、漫画の方では弟で、あってた。

No.20 3点 宇宙神の不思議- 二階堂黎人 2023/04/07 17:03
水乃サトル不思議シリーズ第二弾。 今回はUFO宇宙人ネタ絡めたカルト教団もの。
   密室殺人の「針糸」トリック+降格どんでん返しオチに、3点。
   宇宙人UFO遭遇現象の島荘風解釈解決に、+1点。
   魅力なさすぎキャラ達のドタバタ展開つまらな過ぎ※、-1点。
※ユニークなキャラ造りし損ねて、無理にコミックさせても、白けさせてくれるだけの痛い描写が多すぎて・・・

No.19 6点 奇跡島の不思議- 二階堂黎人 2023/02/27 22:53
水乃サトル不思議シリーズ第一弾。孤島・奇館(何とプチガウディ!)・学生サークル・「そして誰も」連続殺人・見立て・足跡物・密室、ナンという超本格定番! 二つの密室は「密室の帝王」にしてはチト凡庸で、青春物としては、「リラ荘」・綾辻「館物」・有栖川「学生物」より面白い。が、女神崇拝に絡めたアートネタでは麻耶「夏冬奏鳴曲」に遠く及ばない。
見立てのWhyは、ちょっと斬新。

No.18 3点 東尋坊マジック- 二階堂黎人 2023/02/13 18:49
水乃サトル・マジックシリーズ第五弾。4年周期に繰り返される残虐な女性殺人事件と、銃による交換殺人事件の強引な連結。捻り付きの贅沢までは望まないが、せめて二つのネタには、偶然ではない物語的統合性がほしく。
銃殺アリバイトリックに2点、猟奇殺人鬼「冥妖星」のプロファイリング風ネタに1点プラス。

No.17 6点 鬼蟻村マジック- 二階堂黎人 2023/01/02 19:15
水乃サトル・マジックシリーズ第四弾。 蘭子ちゃんシリーズに比べてイマイチいやニ・サン、ミステリ以前に小説として魅力がウスい、サトルくんシリーズ。が、今回は露骨な「犬神家」オマージュ編にして、密室が三つ。で、密室一つにつき3点満点加点法で採点。
   第一の密室・・「孤島の鬼」完全版として、3点(満点)
   第二の密室・・後出しカラクリ仕掛けで、 2点
   第三の密室・・うーん、このネタはなァ、 0点 密室点計、5点。に、犯人のひねりWhyに、+1点。

No.16 4点 猪苗代マジック- 二階堂黎人 2022/12/11 11:22
水乃サトル・マジックシリーズ第三弾。10年の時を隔てて再発した、汚職公僕の連続惨殺事件の犯人「処刑魔」捜し。
メインは完全防備マンションの密室殺人解明と、「驚き」の共犯者Who。密室は・・結局、クロフツ級アリバイトリックに過ぎず、「驚愕の最後の一行」の出来は・・うーん、惜しい(-"-) 叙述工夫してんの分かるんだけどねぇ。

※いっそ、共犯者Who主筋の方が良かったんでは?  もっとダミーAのキャラ造形に工夫凝らして、読者をダミーBに巧妙に誘導してさ、ほんで、共犯者Whoの「最後の一行」を効果的に生かせてたら・・

No.15 4点 諏訪湖マジック- 二階堂黎人 2022/11/14 20:58
水乃サトル・マジックシリーズ第二弾。旅行会社の亜愛一郎:サトルが主役探偵。時刻表ミステリに歴史浪漫チト加味して、テーマは「死体はなぜ(二度)殺される」。そのWhyと手の込んだHowの構成の巧みさは認めるが、費用対効果的にちょっとねぇ(-"-)・・・もし、「密室」見せてくれてたら、固いこと言わずに6~7点あげてたけどねぇ・・・

No.14 4点 軽井沢マジック- 二階堂黎人 2022/11/03 00:46
水乃サトル・マジックシリーズ第一弾。ホテル部屋と列車内で同じ凶器で刺殺された夫妻、眼球を抉り抜かれた作家に、屋根上で怪死したジャーナリスト、繋ぐ「環」はカルト教団。凶器移動・眼球・屋根上・うーん、この作者にしてはいずれもイマイチのネタで、骨格も捻りも「女王国の城」言うに及ばず「弥勒の掌」と比べても、スナオ過ぎかな、と。

No.13 6点 ラン迷宮- 二階堂黎人 2022/10/29 18:34
二階堂蘭子シリーズ、第三短編・・いや中編集。
   「泥具根博士の悪夢」 奇矯なマッド博士の五重密室・・四重正方形密室+雪足跡密室・・の刺殺事件。7点  
   「ランの家の殺人」 12年前の夫婦飲毒死事件の再検証。毒混入解決鮮やかだが、密室ネタがぁ(>_<)・・またも
            出ました「液体窒素」・・6点
   「青い魔物」 胃袋抜き取り連続殺人と青い怪物。これも「戦前癩者物」のバリエーションかな。3点
なんだか、だんだん好きになってきちゃったゾ、蘭子ねえさん (^^) ・とりあえずシリーズ最後なんで点数オマケ付き

No.12 7点 バラ迷宮- 二階堂黎人 2022/10/27 19:08
二階堂蘭子シリーズ第二短編集。
   「サーカスの怪人」 サーカス小屋に突如現れた子供のバラバラ屍体。が、テント内は密室状態で・・7点
   「変装の家」 雪降る断崖の屋敷での足跡無き雪密室殺人。5点
   「喰顔鬼」 顔面を剥ぎ取る殺人鬼女。風呂場密室に「癩者物」パロディのオマケ付き。7点
   「ある蒐集家の死」 ダイイングメッセージと死体移動ロジックと証拠捏造の華麗なるモザイク。8点
   「火炎の魔」 突然に自家発火する身体。凄惨な連続焼死事件のHow。3点
   「薔薇の家の殺人」 二十年前の毒殺事件。毒混入トリック鮮やかで半ドンデン返しオチも良く。9点
で、平均、6.5、四捨五入で7点。
※この作者らしくなく、密室ネタ以外の方が良い。「真空装置」「液体窒素」「濃縮酸素」って・・東野圭吾「卒業」レベルの・・何という脱力トリック。

No.11 6点 ユリ迷宮- 二階堂黎人 2022/10/12 21:35
二階堂蘭子シリーズ第一短編集。と、言っても「劇薬」は、長に近い中編。
   「ロシア館の謎」 雪上館の完全消失物。が、錯視トリックの類ではなく、麻耶雄嵩「夏と冬の奏鳴曲」並みの
           啞然超絶トリック 6点。
   「密室のユリ」 完全な密室物。わお、敢えてそのトリック使うか! 「皇帝のかぎ煙草入れ」風味の犯人指摘
          のロジックが良い。7点。
   「劇薬」 トランプゲームスコアからの毒殺事件の犯人指摘。4点。

No.10 7点 巨大幽霊マンモス事件- 二階堂黎人 2022/10/12 08:08
二階堂蘭子シリーズ第十弾。 題名からして「双面獣」類の化け物話・・ではなく、ちゃんと本格復活!
    首切り足跡トリックに、3点(満点)。※これ、足跡でなく完全密室にできたのに・・・そうしたら、
                     麻耶雄嵩「翼ある闇」のバカみすトリック完成形に成れた・・・
    雪館の皆殺し足跡トリックは、1点。
    叙述トリックに、2点。※手記「…」中で虚偽を記すのはアウトだが、手記叙述者の主体を巧妙にずらすのは、
               傑作「殉教カテリナ車輪」「首無の如き祟るもの」の如く、立派なトリック。
    怪物トリックは、1点。※ドイル怪獣物や「双面獣」の妙ちくりんなSFバケモノ話よりミステリしてる。

※それにしても、これ、一部に、短編「ロシア館の謎」を入れて、二部で、シャム多重児の首無殺人を、密室トリックに作りこむことに特化していれば、「人狼城」に次ぐ傑作になれたんじゃないか・・・実に残念

No.9 5点 覇王の死- 二階堂黎人 2022/09/27 20:02
二階堂蘭子シリーズ第九弾。かつvs魔王ラビリンス最終編
    首くくり密室に、1点。(3点満点で採点) 
    少女射殺密室に、2.5点。(新機軸ありとの自賛付き)
    人間はやにえトリック(なんちゅう島荘)は、0点。
    村ごとホラー幻覚ネタ明かしに、1点。(狂犬病こええ)
で、4.5点だが、ラビリンス編決着で、0.5点オマケ付けちゃう。双面獣と女ラビリンス、もっと見たかったなあ・・

No.8 4点 双面獣事件- 二階堂黎人 2022/09/16 18:07
二階堂蘭子シリーズ第八弾。クマゴリラの如き巨躯に、二つの頭と四本の腕、人間を引き千切る怪力を持ち、眼からは怪光、口から毒ガスを放つ怪物、双面獣。そしてドクロまんま風貌の髑髏人間たち、美女名探偵vs美女名悪漢。まんま化け物小説・・作者十八番の不可能・密室は一切抜き(「かがくてき」ネタ明かしあるけどねぇ)の・・SFバケモノ小説。
長くてアホらしくて、愉しいな。点数、オマケ付けちゃう!(^^♪

No.7 7点 魔術王事件- 二階堂黎人 2022/09/06 21:08
二階堂蘭子シリーズ第七弾。 これも不可能トリックひとつにつき、3点満点加点法で・・  
    対面部屋消失トリックに、1点。
    楽屋密室トリックに、2.5点。
    石室トリックAに、2.5点(勉強になりました)
    石室トリックBに、-1点(この手の幾何学、ツマンねぇ)
    病院密室トリックに、3点満点(模範的やね)
    雪足跡ネタに、0点。
    少年消失トリック、3点満点だが・・せっかくのGood idea、効果が全く機能せず-2(>_<)で、1点。
    宝石すり替えトリックに、0点、で、合計、9点。
トリックが多彩・賑やかで実に楽しい。が、どれも効果が薄い。散らし過ぎなのかな。 ので、-2点、結局、7点。
不可能トリックは、ストーリーをその内にネジ入れてしまう程の、強烈な渦巻きであってほしく。特に、少年屍体の消失トリック、「妖魔の森の家」+「チェスタトン」の複合技でナイスなのに、話に活かせず、不思議効果0に近く、残念。

No.6 5点 悪魔のラビリンス- 二階堂黎人 2022/08/27 19:45
二階堂蘭子シリーズ長編第六弾・・・といっても、一部と二部は別話で、実質中編が二作やね。
   第一部の死体入代り密室は、「入代り」の方なかなかだが、肝心の「密室」がズッコケて、3点満点で2点。
   第二部の父子無理心中密室の方は、模範的な完全密室で3点。・・で、全体合計で5点。
※ラビリンス2図の付録付き。 ※その「密室才能」認めるの全然やぶさかでないが、相変わらずガキが傷口見せびらかすみたいな露悪グロ描写好きな作家やねえ・・・そこがまたクサヤ風味いうかシュールストレミング風味いうか・・・

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レッドキングさん
ひとこと
ミステリは戦前の乱歩の様に 子供が親に隠れてコッソリ読むような、恥ずかしい存在でありたい。 ミステリ書きという驚異的な作業に神経を減らし 結果報われることの無いミステリ作家たちに心から崇敬を捧げます。 ...
好きな作家
ジョン・ディクスン・カー  PD・ジェイムズ  トマスH・クック  沼田まほかる
採点傾向
平均点: 5.25点   採点数: 816件
採点の多い作家(TOP10)
アガサ・クリスティー(88)
ジョン・ディクスン・カー(55)
エラリイ・クイーン(51)
F・W・クロフツ(32)
カーター・ディクスン(25)
二階堂黎人(25)
アーサー・コナン・ドイル(23)
トマス・H・クック(23)
麻耶雄嵩(21)
ジェフリー・ディーヴァー(19)