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パメルさん
平均点: 6.14点 書評数: 572件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.92 3点 ラバー・ソウル- 井上夢人 2016/07/27 12:56
「ミステリー史上に残る衝撃だ」という帯に完全に騙された
以前読んだ「ダレカガナカニイル・・・」「オルファクトグラム」が自分に合っていたために期待していたのだが酷い内容だった
事件の経過と同時に関係者の警察での取り調べに対する供述が延々と続いている構成で
途中で飽き飽きしてくる
愛情を歪んだかたちでしか表現できなかった男と性悪女の物語
しかしよくぞそこまで嘘の涙が流せるもんだ
読後感は非常に悪い

No.91 7点 星降り山荘の殺人- 倉知淳 2016/07/19 16:49
登場人物が皆個性的なキャラクターで楽しめる
各章の初めに注意書き(ヒント)を提示している
これ自体がミスディレクションになっている
●●●が誰なのかを誤認させるトリックは見事に騙された
アンフェアだと言う人もいるみたいだがこれはフェアでしょう
ただ犯人の最後の豹変ぶりは必要無いと思うし動機も今一つ

No.90 5点 連続殺人鬼 カエル男- 中山七里 2016/07/14 01:10
サイコサスペンス
登場人物が少ない事もありあの人物が最初に疑われて
犯人はあの人物だろうと予想しながら読んでいったらその通りだった
暗闇の中での暴力描写はくどいぐらい長すぎる
最後の最後で驚きの真相が明かされるがこれがどんでん返しといえるのだろうか?
大体こんなことが本当に可能なのか疑問に残る

No.89 5点 影の告発- 土屋隆夫 2016/07/12 13:15
いわゆるアリバイ崩しもの
捜査すればするほど鉄壁のアリバイと思われる事実が判明していく
刑事はそれでも自分を信じ捜査に執念を燃やし小さな手掛かりを掴んでいく
ここはかなり引き込まれる
ただ見ず知らずの人間の行動が関連したトリックがあり
運の要素が強く実現はかなり神頼みの感じ

No.88 5点 危険な童話- 土屋隆夫 2016/07/12 13:08
凶器消失トリックはこのトリックを使うために相当な時間をかけた犯人の執念に
驚かされる
作者はトリックが実現可能かどうかという点にこだわっているらしい
確かに成功する気がしますが指紋のトリックは強引な感じが否めない
物語の展開も単調で地味

No.87 5点 七日間の身代金- 岡嶋二人 2016/07/02 01:19
異常な人間関係と犯人の狂気に満ちた犯行に驚愕
犯人消失のトリックや密室トリックは強引な力技を使った感が否めない
犯人は想像した通りで驚きは無かったし岡嶋作品では水準以下の印象

No.86 8点 りら荘事件- 鮎川哲也 2016/06/30 01:19
連続して行われる殺人事件 
その殺人方法がそれぞれ異なり必ず死体の傍らにはトランプのカードが置かれている
もうそれだけでワクワクが止まらない
真相に至る伏線も多く張られておりフーダニットとして完成度が高い
ただ中盤以降は刑事たちが監視下でありながら殺人事件が繰り返されるという
無能ぶりに辟易されるが十分楽しめる作品

No.85 6点 張込み- 松本清張 2016/06/23 01:14
八編からなる短編集
社会や人間の暗部をえぐる社会派小説で全体的に重苦しい雰囲気が漂っている
派手なトリックや謎解きの楽しみは無いが犯罪に走る人間の心理と動機が
丁寧に描かれている
「黒い画集」に比べると小粒な印象

No.84 8点 霧越邸殺人事件- 綾辻行人 2016/06/19 01:21
吹雪の山荘と見立て殺人というどちらもミステリで多く使われた形式が使われている
洋館のアール・ヌーヴォー調の装飾や収蔵品など幻想的な要素に加え
謎めいた住人・奇怪な現象のような不気味な雰囲気で独特な世界観を持っている
ストーリーのリアリティを保ちつつも現実と異なる意識下に刷り込ませてくるような
感覚が絶妙
偶然の要素が占める割合が多い事とラストで本格ミステリのルールを
微妙に逸脱していることで賛否両論あるようだが
個人的には相当楽しめた

No.83 8点 黒い画集- 松本清張 2016/06/15 01:06
七編からなる中短編集
結末があっさりしすぎているとか途中で真相に気付いてしまったという作品もあるが
全体的には完成度は高い
その中でも傑作と思った作品を紹介
「遭難」・・・お互い落ち着いた口調でありながら腹の探り合いの心理戦が
楽しめる 追及する者とされる者とのやり取りからスケールの大きな犯罪計画
の輪郭が少しづつ明らかになっていく
結末も素晴らしい
「紐」・・・事件の構図が二転三転し最後の一ページで思いがけない人物の
悪意が浮上する凝った本格ミステリ

No.82 6点 さよなら神様- 麻耶雄嵩 2016/06/05 11:15
六編からなる連作集
各編でいきなり犯人が明かされるという異色作
神様の言葉が正しいならば犯人はどうやって殺人を行ったのかを
小学生の探偵団が捜査していくというのが基本線
どれもこれも趣向を凝らされた仕掛けが待っている
作者らしい後味の悪さが本領発揮されるのは「バレンタイン昔語り」以降で
衝撃的な真相が待っている
ラストは何とも言えない脱力感がある

No.81 6点 密室殺人ゲーム王手飛車取り- 歌野晶午 2016/06/05 11:09
ネット上で殺人推理ゲームを出題し合っている
出題者は殺人事件を実際に行った上で問題を出している
この設定自体は面白いと思う
解答者は新聞で情報を得たり実際に現場に行ってみたりして
答えを導き出していく
仮想空間でのやり取りと現実社会が入り乱れた作品
トリック自体は楽しめるが誰一人として警察に疑われることなく
殺人が繰り返される不自然さが難点
出来れば誰か一人ぐらい警察に追われる展開になれば面白みが増したと思う

No.80 8点 白夜行- 東野圭吾 2016/05/28 11:39
主人公二人の関係性がこの物語の最大のポイント
二人が絡むシーンは描かれていないし心理描写もほとんど無し
読者に想像させるという手法を使っている
秘密の共有と幼い頃の体験が関係性のカギを握っている
歪んだ愛情を持つ男と心を失った女のこの世を生き抜こうとした哀しい物語
読後感は悪いが分厚い本でありながら捲るページが止まらない
夢中になって読んだ一冊

No.79 6点 神様ゲーム- 麻耶雄嵩 2016/05/27 21:19
絶対的な存在である神様を用いる事により推理の余地を無くしている
神様は嘘つかないのだから
このような世界を構築していながら事実の積み重ねを隠す事により
世界そのものがガラリと変容する
どす黒い世界観が楽しめる
決して子供には読ませないでください

No.78 5点 江神二郎の洞察- 有栖川有栖 2016/05/27 21:14
昭和から平成への転換期を背景にアリスの入学から
マリアの入部までの一年を瑞々しく描かれた短編集
ミステリの出来としては今一つ
特徴的なのは一部を除いて死体が登場せず「日常の謎」を
中心に描かれている
学生アリスシリーズが好きでない限りおすすめ出来ない

No.77 6点 眠れぬ夜の報復- 岡嶋二人 2016/05/07 02:09
事件の真相を奇想天外な捜査方法によって徐々に
あぶりだしていくプロセスが読みどころ
十分楽しめる作品になっているが
「眠れぬ夜の殺人」に比べプロットの緊密さが
失われていることは否めない

No.76 6点 ロートレック荘事件- 筒井康隆 2016/05/07 01:46
気軽にどんでん返しの本格ミステリを味わうには最適の一冊
真相は衝撃的でそれまでの世界観がひっくり返るほどの仕掛けになっている
トリックに関してはアンフェアだという意見も頷ける
ただ最後まで上手く騙されたという快感が残る

No.75 8点 針の誘い- 土屋隆夫 2016/04/22 21:21
現実にあった誘拐事件を例に出し恐怖感を煽るなどサスペンス溢れる展開
脅迫状・誘拐・殺人方法など細かなトリックを積み重ねることで構成されている
可能性の無いと思われる部分に焦点を絞り論理を武器にして犯人に迫っていく
いずれも実現可能なトリックを使いフェアに徹しているところに好感が持てる

No.74 7点 贖罪の奏鳴曲- 中山七里 2016/04/15 14:36
凶悪な犯罪歴を持つ悪徳弁護士が主人公で魅力的
莫大な報酬を要求したり目的の為なら死体遺棄さえやってのける
明瞭な筆致で読みやすくところどころ心に響く言葉もあり
読んでいて気持ちが良い
サスペンスとしても楽しめるし社会派ミステリとしても楽しめる

No.73 6点 見えない精霊- 林泰広 2016/04/11 12:03
空中に浮かぶ飛行船でそれも暗闇という舞台設定
幻想的な世界観を持ちながら密室での連続殺人が行われる
論理的に精霊の正体を暴こうとする主人公に対し
論理的に精霊以外の犯行は不可能であると証明する少女との
やりとりが読みどころ
トリックはご都合主義だが十分楽しめる

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パメルさん
ひとこと
7点以上をつけた作品は、ほとんど差はありません。再読すればガラリと順位が変わるかもしれません。
好きな作家
岡嶋二人 東野圭吾 
採点傾向
平均点: 6.14点   採点数: 572件
採点の多い作家(TOP10)
東野圭吾(30)
岡嶋二人(20)
有栖川有栖(19)
綾辻行人(18)
米澤穂信(16)
歌野晶午(15)
西澤保彦(15)
横山秀夫(14)
松本清張(14)
法月綸太郎(14)