皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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ミステリ初心者さん |
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平均点: 6.19点 | 書評数: 390件 |
No.8 | 5点 | 帽子収集狂事件- ジョン・ディクスン・カー | 2024/11/29 19:13 |
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久々の海外翻訳物でしたが、大変に苦労しました…。読了までに一ヶ月ぐらいかかってしまいました;; ロンドン塔の構造が複雑で、話が頭に入ってきませんでしたw グーグルマップなどを使って少しずつ理解しました。ただ、その他の地域も話に出てきて、現地の人のほうが楽しめる作品なのかなと感じます。 また、久しぶりのフェル博士でしたが、こんなにウザかったかなwって思っちゃいましたw 皮肉?比喩?みたいな表現が多くて、いまいち何を言っているのかついていけない事も多かったです。 トリックには騙されました。私も自然と、被害者がロンドン塔から出ていない・逆賊門で殺されていると錯覚してしまいました。 とはいえ、偶然の要素が非常に多い点は好みではなく、また帽子収集狂という魅力的なタイトルにも関わらず帽子の真相はややあっけないものでしたw つまらなくはないけれど、たのカー作品よりも小粒感が否めなく、ネタ的に短編か中編のほうがいいかもしれないな、と思いました。読後感がいいのは良かったですねw |
No.7 | 6点 | 夜歩く- ジョン・ディクスン・カー | 2024/01/26 19:51 |
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割と久しぶりのカー作品です! カー初の長編?らしいですが、らしさが詰まっておりますね! 元妻を殺し損ねた精神異常シリアルキラー的なローラン。警察が警備している中での密室殺人で、しかも首を切られる凄惨な事件。序盤の展開をみるだけでもワクワクさせられるのがカーらしいですw 事件が起こるまでは読みやすかったのですが、それ以降が若干読みづらさを感じ、読了までには時間がかかりましたw 原因はちょっとわからないのですが、なんか文章が比喩表現?が多いのか、私と相性が悪かったようです。 推理小説的要素について。 ローランの整形によって誰かに化けているのはワクワクさせられる要素で、個人的にはミスリードだったような気がします。そう感じるのは私だけかもしれませんがw ヒントがあったので、早い段階でローラン=サリニーだとは予想がつきましたが、ローランを犯人だと思い込んでしまってそこから推理が進みませんでした;; 第一の密室事件で実際に殺された時間はかなり前だと予想しましたが、そこからサリニー面のローランがどうやって建物から出るのかわかりませんでしたw 物語後半にバルコランから、ローラン=サリニーであることととその入れ替わり時期の情報が提供されますが、そこからまたもう一度推理するべきでしたね。 密室については、結局二人による協力作業だったため、推理は難しかったですねw もちろんヒントはあったのですが。それに、エデュアールの行動は運が絡むような気がするのですが…? とはいえ、密室なんて多少の無理がないと実現できないですし、わたしは楽しめましたw かなり意外な犯人だったのもよかったですねw 総じて、ホラー感や密室、意外な犯人など、推理小説の魅力がつまった良い作品だと思います。カーは駄作が無いですね(といっても、高評価作品からつまみ食い的に読んでおりますが)。 |
No.6 | 6点 | 連続殺人事件- ジョン・ディクスン・カー | 2023/09/01 18:54 |
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連続自殺事件というタイトルはインパクトがあって気になっておりましたw あまり前情報を調べずに買いましたが、どうやら連続殺人事件からの改題だったのですね。読んでみると、やっぱり自殺のほうがしっくりきますね。 海外翻訳物に若干のアレルギーがあり、作品によっては読むスピードが著しく落ちる私ですが、この作品はわりとサクサク読めました。 アランとキャスリンは、最初はいがみ合っていましたがのちに婚約する仲になり、高橋留美子の漫画並みな感じがしましたw アランは酒に酔った時、キャスリンに何を言ったのですかねw 愛の告白でしょうか? さらに、火酒キャンベル家の破滅を飲んで酔っ払ったコリンとアランと気の毒なスワン達のドタバタはユーモアミステリ―的に面白かったです。 推理小説的要素について。 密室が2つ出てきます。事件は3つですが、最初の2つは同じトリックなので。 私は、ドライアイスの特性を知っていた(詳しくはないですが…)のですが、全く盲点でした! アイスクリーム事業の話の件でドライアイスがほのめかされており、一瞬ドライアイスを想像しましたが、どうやって何に使ったのかさっぱりわかりませんでした。ただ、あれでアンガスの計画が成功する(自殺成功や殺害成功)のは本当にできるのかわかりませんw 2つ目の密室ですが、これも盲点でしたw ただ、ちょっと強引で古さを感じますし、部屋の図は欲しかったところですw 好みではなかったです。 以下、難癖点。 カー作品には多く見られますが、証言者がイマイチ信用できないんですよねw エルスパットおばさんの心理の変化は丁寧に説明されていて、証言を急変させたのは理解できますが、私の好みは証言者が嘘や誤りがないことですねw さらにちょっと腹が立つことに、フェル博士が保険金詐欺(?)に加担するためか、序盤ではアンガスを殺人と断言していることなんですよねw やっぱり、探偵は間違ったことをしゃべらないほうがすっきりとしていて好きです。 総じて、これまで見たことがない密室だったのでその点は満足ですw 作風も明るくて読みやすいですし、佳作な印象でした。ただ、密室の大名作!と呼ぶにはちょっとトリックがパワー不足だと思いました。6点で! |
No.5 | 5点 | 死者はよみがえる- ジョン・ディクスン・カー | 2022/08/22 22:47 |
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新訳版を買いました。新訳にもかかわらず、やや読みづらさを感じてしまいました(笑)。訳が悪いというよりかは、場面の移り変わりが急だったり、本の始まりの時点ですでに2つの殺人が終わっているためかもしれません。 推理小説部分について。 かなり意外な犯人でした(笑)。これは当てようがないと思います(笑)。フェアかアンフェアか言われれば…まあアンフェアなのかもしれませんね(笑)。 被害者の首にタオルが巻かれていたり、ジェニーが特殊な方法で絞殺(?)されているのを見て、逆に両手が使えない人間が犯人ではないかと一瞬だけおもいました…。が、すぐに犯人候補から外してしまいました。ロドニー殺しの際に使ったベッドのくぼみは、ヒントがありましたかね…? また、非常階段からリネン室の窓へ行けるなど、思いもよりませんでした。かなり大きなミスリードであり、私もまた7階に居た人々の中に犯人がいると錯覚しました。たしかに、リネン室には誰も入られませんから、犯人が入ったとするならば外から…なのでしょうが、あの図から外から入られるなどとても想像できませんでした(笑)。これもなにかヒントがあったらよいのですが、ありましたかね? 極めつけは、留置所に隠し抜け道がある点(笑)。ここの部分はカーも困ったでしょうね(笑)。強引さを感じました。 既読の方に少しヒントをもらいつつ読みなおしましたが、ロドニー殺しにおけるベロウズの犯人の証言から、「証言の犯人の容姿が警察に似ているな?」と思い、警察官と勘違いしたのではというところまで考えました。画像検索すると、なるほどベロウズの証言と警察の容姿が似ております。ただ、登場人物に載っている警察はハドリー警視だけですし、到底犯人とは思えない…。私の思考はそこで止まりました(笑)。 総じて、読者が犯人を当てるにはかなり難しい…アンフェアに近い小説でした。しかし、カーらしいドンデン返しや意外な犯人が存分に楽しめる作品でもあります。私の好みは本格推理小説ですので、5点としておきましたが、もっと高い点でも納得できる本です。 |
No.4 | 7点 | 妖魔の森の家- ジョン・ディクスン・カー | 2022/03/31 23:22 |
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・妖魔の森の家 短めですが、推理小説に必要なものがつまっており、大変質が高かったです。 カーらしいミスリードとどんでん返しが楽しめますね。犯人の行動がやや手際が良すぎたり、本当にばれずにできるのか?という疑問はありますが、それでも良い作品でした。 ラストのHM卿のセリフは、すこしだけホラー感もありましたね。 ・軽率だった野盗 殺人現場が不可解で面白いです。犯人にとって不幸な偶然が重なっているものの、合理的な解決だとおもいました。 ・ある密室 結局、犯人の意図しない密室であり、やや知識が必要であり、被害者が嘘を言ってしまっている(勘違いだが)のがマイナスでした。 ・赤いカツラが手がかり これも非常に不可解な状況で、狂気的な感じもありました。 偶然に偶然が重なっており、推理は難しいですが、意外な犯人もあって面白かったです。 ・第三の銃弾 全推理小説を見ても、これほど不可解な状況はめったにみられません(笑)。しかし、不可解であればあるほど、やはり解決に無理が生じますね。 容疑者の男の証言が嘘であれば、なるほど謎は解けますが、読者にとっては謎を謎のままにしてほしかったところですね(笑)。 共犯者の存在も少し残念でした。 総じて、全体的に、冒頭から面白い不可解な状況を楽しめる中短編集でした。カーらしく、その解決は偶然や証言者の嘘などが多く、推理は難しいものになりますが、短編ならばそれほどこだわらなくてもよいかな?と思いました。 |
No.3 | 7点 | 緑のカプセルの謎- ジョン・ディクスン・カー | 2019/06/24 21:10 |
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新訳版を買いました。中学生ぐらいの時分、訳の古いカー作品を読むのを断念した記憶があります。しかし、最近は読みやすい日本語に訳された新訳版が発売されていて、非常に助かります! 消える犯人、録画したビデオと食い違う証言…という魅力たっぷりな謎があり、この作者特有の安定して面白い不可能犯罪を楽しむことができ、満足しました。 このトリックと、マーカスによる観察力を試す実験を絡めたところが、この作者の頭のいいところですね! 犯人以外の人間が、無意識に犯人に協力してしまっているのですが、それをほのめかすヒントがちりばめられており、好感が持てました(というか、ヒント過剰気味であり、普段さっぱり当てが外れる私でさえ察してしまうほど)。 最後はハッピーエンド?で読後感がよかったです。こういうパターン多い気がしますね(笑)。 この本を購入したときについていた帯のあおり文には、"毒殺ミステリの最高峰"ということが書いてあったのですが、毒殺ミステリっぽくなくてびっくりしました(笑) たしかに毒殺ではあるんですが…。なんか毒殺というと、いかにして特定の人物だけに毒をもることができたのか~みたいなものだと思っていたので。 好みでない点を挙げるとすれば、フェル博士の紛らわしい発言と、後半の銃暴発事故です。いらないと思いました(笑)。 |
No.2 | 7点 | 皇帝のかぎ煙草入れ- ジョン・ディクスン・カー | 2019/01/13 13:09 |
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ベンが犯人かと思っていました。今回も見事に外れました(笑) 意外な犯人が楽しめる作品でした。 書斎のドアと絨毯の様子から、トビイが嘘をついているという博士の推理は見事でした。 145pの、トビイに対しての博士の言葉は、論理と感情が合わさっていて、カッコイイですね。 以下、いちゃもん点。 意外な犯人を演出したいがために、犯人に有利な嘘や証言者、偶然の類が多すぎでした・・・。ネッドの"かぎ煙草が見えた"との発言は、鈍い私も流石におかしいと思いましたが、茶色い手袋の人物が犯人と思ってネッドを犯人候補からはずしてしまいました。 オルゴールの件がちょっとよくわかりませんでした。ベンジャミンの証言から、かなり長時間鳴ったはずでは? 警察が誤って鳴らしてしまった際の、駆けつけたトビイの様子から、トビイがどの辺にいたかの記載が無かったので、音の大きさがよくわかりませんでした。 イヴが起きている状態で犯行を行うのはリスキー→トビイは犯人ではないと推理したのですが(実際みられてるし)、結局窃盗はしたのね・・・。殺人よりはバレ辛いかもしれませんが。 ジャンル分けするとしたら、何でしょうかね? ワットダニット・・・? |
No.1 | 7点 | 火刑法廷- ジョン・ディクスン・カー | 2012/08/16 11:21 |
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ネタバレあるかもしれません。
引きが最高ですね。紹介文を読んだとたんに買いましたw。 ラストについて、ミステリは本の中で成り立っているなら良いです。問題は、その結末でないと説明がつかない作品かどうか?ということ。ちょっと覚えてないです・・・再読したらまた評価しなおします。 ぶっちゃけると、おそらくは、作中作・夢オチとまったく同じです(で、いいはず)。そうでなければならない理由がすべて。 作中作・夢オチはなんでも成り立ってしまうから |