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蟷螂の斧さん
平均点: 6.10点 書評数: 1679件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.139 6点 倒錯のロンド- 折原一 2012/02/09 15:00
折原作品は初めてです。最初から叙述物とわかりながら読んでも楽しめました。題名と物語がうまくマッチしていていると感心しました。

No.138 4点 エコール・ド・パリ殺人事件- 深水黎一郎 2012/02/05 19:16
昔の物語なら、捜査の杜撰さは認めるものの、現在では考えられません。ナイフに軍手の痕跡の有無、死体と窓の間の血痕の有無、窓の傷の有無、死体の刺し傷の角度等々、これらに触れることもなく、まして他の要素が加わった密室の謎や真相が明らかになっても???でした。また後半まで誰が主人公なのかよく解りませんでした(描き方がよくない?)。絵画が好きなので、「シャガールの黙示」に続き本作でしたが残念な結果でした。ただ画家スーチンのことがよく解り、良としましょう。

No.137 5点 杉の柩- アガサ・クリスティー 2012/02/05 19:13
心理描写を中心とした作品で、面白いとは思いましたが、殺害に至る動機が全く理解できませんでした。(動機は一応説明はされてはいますが相続権が全く不明で、果たして動機となりえるのか?)

No.136 7点 湖底のまつり- 泡坂妻夫 2012/02/03 18:09
夢落ち?幻想?と危惧しながら読みましたが、しっかりと騙されました。泡坂作品は「しあわせの書」しか読んでいませんが、作風が全く違う感じがして驚きました。本作品の方が全然好みです。現実味云々については、超自然現象、幻想、二重人格を扱ったミステリーよりもよっぽどリアリティがあると思いました。

No.135 9点 この闇と光- 服部まゆみ 2012/02/02 09:50
失脚した王と盲目のレイア姫の物語が、一気に反転するのは見事で、好きなタイプの作品です。後半は若干尻すぼみの感は否めませんが、不思議な世界へ引き入れられました。盲目の少女にボッティチェリの「春」(私のお気に入りの美しい絵で愛を表現しているらしい)を教えるシーンが印象に残りました。

(2016.8再評価。「闇の中に在って、世界はなんと美しく輝いていただろう!」という文章を目にし感動。再評価へ。当時はトリック最重視で、他の部分には目もくれずといった感じでした。今回、ネタバレサイトなどを読み新発見が多数ありました。前半に伏線がかなりの量でばらまいてある(ミステリー通)。後半の簡略化は「闇」を引き立たせるためのもの(文学少女?)。etc。再評価の決め手は、前述の文章とラスト二人の会話でした。当初、どんでん返しに驚き、二人の会話など気にもとめなかった(苦笑)。

No.134 5点 女王国の城- 有栖川有栖 2012/01/31 21:03
長編なので、やや盛り上がりに欠ける感がありました。事件とは別に、教団側の謎の行動、江神部長の謎の行動が背後にあったのですが、その真相があきらかになってもあまり驚きはありませんでした。題名から女王の活躍?を期待し過ぎたのでしょうか、淡々として事件が起こり、淡々として解決との印象を受けました。

No.133 6点 紅楼夢の殺人- 芦辺拓 2012/01/30 09:10
登場人物が多過ぎ、途中でギブアップ(笑)。中盤からはメイン2名となり、なんとか読了。メタとかアンチとかよく解りませんが、それに分類されるらしい。それがすばらいいと感心するかといえば、そうでもありませんが、一つのアイデアとしては面白いと思います。全体に流れる雰囲気は良かったと思います。

No.132 5点 転落- 永嶋恵美 2012/01/30 09:09
「10年に1冊の戦慄ミステリー」の帯に魅かれましたが、ミステリーというより女性心理サスペンスでした。内在する悪意をうまく描写していると思いました。

No.131 10点 アクロイド殺し- アガサ・クリスティー 2012/01/27 16:24
(再読)今では本作をアンフェアという人はいないと思っていたら、この書評を読んで、何人かいらっしゃるのでびっくりしました。歴史的観点(万人が認めているという意味)から、独創的なアイデアは秀逸であると思います。犯人を覚えていたにもかかわらず、大変面白く、最後まで一気に読むことができました。さすがクリスティーとの感をあらためて強くしました。

No.130 4点 有限と微小のパン- 森博嗣 2012/01/26 18:17
途中までは面白かったのですが、最後の真相には、かなりがっかりしました。「F」が気に入っていたので、期待し過ぎたのでしょうか。シリーズ最終?何もかもが中途半端なような結果で残念です。

No.129 5点 パーフェクト・ブルー- 宮部みゆき 2012/01/25 20:13
デビュー長編とのことで、ミステリー度に期待しましたが、やはりそれほどでもなかったというのが感想です。

No.128 4点 誰か Somebody- 宮部みゆき 2012/01/25 20:12
作風なのでしょうか、物語が淡々と進み、盛り上がりに欠ける感じを受けました。

No.127 7点 ふたたび赤い悪夢- 法月綸太郎 2012/01/23 11:30
「頼子のために」の続編で、法月綸太郎の苦悩を描いた作品。ミステリーというより、「苦悩」「親子関係」「人間の性」を事件に絡めて描いたような気がします。読みごたえはありました。

No.126 6点 燃える地の果てに- 逢坂剛 2012/01/22 21:12
冒険小説?の割に緊迫感・スピード感がないので、途中でだらけそうになり、自分には合わないと感じました。同様に最後の驚きも、ほとんど伏線がないので「ああ、そうだったの」で終わってしまいました。一番気になるのは、主人公が怪我をしたにも拘わらず無頓着すぎるということです。最終行は、その無頓着さが原因で、効果が発揮されず心に響いてきませんでした。物語の構成と筋は面白いと思いましたが・・・。

No.125 6点 青の炎- 貴志祐介 2012/01/21 15:49
17歳の高校生が計画した完全犯罪という設定なので、甘さと穴ばかりあるのは致し方ないと思います。完全犯罪小説というよりは、青春小説として読んだ方がよいと思います。

No.124 8点 Yの悲劇- エラリイ・クイーン 2012/01/20 17:40
(再読)松本清張氏の「潜在光景」(「影の車」に収録)を書評し、ふと同様なテーマを思い出しまた。もう40年も前で、ほとんど内容は記憶に残っていませんが、本作はたしかテーマが同様な記憶がかすかにあり、再読となりました。本作のテーマは、ミステリーのトリック(あるいはオチ)でマイベスト5に入るもので、やはり古典の名作である感を強くしました。しかし、登場人物の狂気・異常性をあまり感じられなかったので、満点ではなくこの評価としました。

No.123 2点 完全なる首長竜の日- 乾緑郎 2012/01/20 17:38
第9回「このミス」大賞受賞作品。解説に「まったく意見の合わない四人が満場一致した傑作!」とありますが???。ミステリー・サスペンス感は、ほとんどなくラストへ。自分的には、好きな荘子の「胡蝶の夢」をテーマとしている点で若干救いがあった程度でした。本文中「マグリットの絵は、ダリやピカソとは趣が違い、作中に描かれているもの一つ一つは写実的だが、・・・」とありますが、マグリットとダリはシュールリアリズムの代表格で趣は同じはずですし、ダリも写実的なのですが・・・と難癖をつけたくなりました。

No.122 7点 りら荘事件- 鮎川哲也 2012/01/18 18:50
細かいトリックの積み重ねで、読みごたえはありましたが、緊迫感がやや欠けていたと思います。物足りないものは美人の登場がなかったことでしょうか、やはり「華」がありません。作中ではいろいろの「花」はでてきたのですが・・・。(美人の登場うんぬんについては、解説に著者談がありましたが)

No.121 4点 細い赤い糸- 飛鳥高 2012/01/18 18:49
ミッシングリンクものは、どういう繋がりがあるのかと期待させる割に、答えがかなり単純であることが多く、驚きが少ないものです。本作も例外ではありませんでした。ただ日本では最初?の試みなのでしょうか?なお、第4章が「蟷螂の斧」で私のニックネームと同じでニヤッとしましたが・・・。

No.120 6点 雪密室- 法月綸太郎 2012/01/17 08:41
法月綸太郎シリーズの第1作目。プロローグからミスリードがあり、これに翻弄されてしまいました。雪の密室自体にそれほどの大胆さはありませんでしたが、しっかり本格していると思います。父親の法月警視の苦悩も、よく描かれています。この点が「一の悲劇」や「頼子のために」に続いていったのだと感じました。

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蟷螂の斧さん
ひとこと
ミステリーは、作家中心では読んでおらず、話題作や、ネットでのお勧め作品を読んでいます。(2013.6追加~本サイトを非常に参考とさせてもらっています。現在は、読後、類似なトリック・モチーフの作品を探した...
好きな作家
ミステリー以外で「石川達三」、短編で「阿刀田高」、思想家で「荘子」
採点傾向
平均点: 6.10点   採点数: 1679件
採点の多い作家(TOP10)
アガサ・クリスティー(53)
折原一(48)
中山七里(34)
松本清張(28)
アンソロジー(国内編集者)(23)
東野圭吾(20)
西村京太郎(20)
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パトリック・クェンティン(18)