皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
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kanamoriさん |
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| 平均点: 5.88点 | 書評数: 2475件 |
| No.1095 | 7点 | 厭魅の如き憑くもの - 三津田信三 | 2010/08/28 14:33 |
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| 民俗ホラーに本格ミステリを融合させた怪奇作家・刀城言耶シリーズの第1作。
横溝正史というより藤本泉風の古い因習が支配する閉鎖集団という雰囲気は嗜好のテイストですが、読みずらい文章(徒に凝った固有名詞を含め)と解りずらい作品舞台の地理状況で、途中まではリーダビリティが高くなかったが、終盤以降は急転しました。 多重解決の果てに出現した真相は、叙述トリックがあざやかに「神の視点」を変転させ、読者にホラーと本格ミステリ両面で驚きを与えるという離れ業をやっています。 |
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| No.1094 | 6点 | どんどん橋、落ちた- 綾辻行人 | 2010/08/28 14:00 |
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| 叙述トリック満載のフーダニット短編集ということで、必然的に全編メタ・ミステリになっています。そういう類いの作品集だと割り切って読めば、そこそこ楽しめる。
「どんどん橋」と「ぼうぼう森」は2編で1セット、誤認の手法が同じなだけに却って騙される。 「フェラーリは見ていた」の叙述トリックも基本は前2作に同じですが、一番つまらないと思った。 「伊園家の崩壊」のブラックなパロデイは編中唯一小説として楽しめた。 「意外な犯人」は海外作品や後発の三津田、米澤作品など多くの類似作があるので、読んだ順番によって感想が変わるのでは? |
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| No.1093 | 6点 | 消失!- 中西智明 | 2010/08/28 12:10 |
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| あるものを誤認させるバカミス系の超絶的な叙述トリックのみ取り上げられることが多い作品ですが、そのワン・アイデアだけでなく、ミッシングリンクものの様相から「×匹×役」トリックに繋がったり、意外な犯人像などが設定されていて、結構読みどころの多いミステリでした。 | |||
| No.1092 | 6点 | ある閉ざされた雪の山荘で- 東野圭吾 | 2010/08/28 12:00 |
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| 疑似”雪の山荘”もので劇団員による殺人劇というプロットは、作者の別作品から派生したような内容ですが、本書は著者には珍しい××を誤認させる叙述ミステリでした。
ある隠蔽が、作品中の登場人物に対すると同様に、そのトリックにより読者に対しても同じ効果をあげているというユニークな構図になっていて面白いと思いました。 |
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| No.1091 | 5点 | ロートレック荘事件- 筒井康隆 | 2010/08/28 11:44 |
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| 叙述の技巧で××を誤認させて、結果的に「×人×役」トリックになっています。このタイプの誤認トリックとしては、わりと先駆的なものだと思います。
トリックを隠蔽するために叙述がぎこちなくなっていて読みずらいし、何かあるなと思いましたが、真相には至りませんでした。 解決部の種明かしは、自慢げで少々鼻につく感じがします。 |
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| No.1090 | 6点 | イニシエーションラブ- 乾くるみ | 2010/08/27 18:05 |
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| 若者のありふれた恋愛小説が2部構成で綴られ、最後まで読むと巧妙な仕掛けが飛び出すという小説でした。
1つ目の欺瞞は、B面途中でなんとなく分かりましたが、もう1種類の叙述トリックの方は気が付きませんでした。たくさんの伏線というかヒントは、アラフォー世代ぐらいの方はより身近に感じられることでしょう。 |
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| No.1089 | 7点 | 殺戮にいたる病- 我孫子武丸 | 2010/08/27 17:55 |
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| 猟奇的連続殺人鬼・蒲生稔を主人公にしたサイコサスペンス、と思わせて、本書も叙述に仕掛けを凝らした騙し絵ミステリでした。
犯人の名前が最初から明らかにされており、最終的にも蒲生稔が真犯人として物語が閉じるわけですが、それでも意外な犯人を設定したミステリになっている構図はなかなかユニークですごいと思いました。 |
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| No.1088 | 7点 | ハサミ男- 殊能将之 | 2010/08/27 17:42 |
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| この作品も、叙述の工夫によって読者を誤誘導させるタイプのミステリでした。非常に典型的な叙述ミステリですが、前知識なく読んでいたので、まんまと騙されました。
再読すると作者の巧妙な書きぶりがよく分かります。文章も手慣れた感じで、スラスラと読める点が好印象でした。 |
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| No.1087 | 6点 | 星降り山荘の殺人- 倉知淳 | 2010/08/27 17:42 |
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| なかなか巧妙な欺瞞が施された”雪の山荘”ものの本格ミステリでした。
都筑道夫の「七十七羽の烏」に倣った各章冒頭の説明文自体がミスディレクションになって、探偵役登場の章でまんまと騙されました。しかし、ほぼメインのアイデア一本のミステリでしたので、終盤までのベタでストレートな展開は少々だれる感じもありました。 |
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| No.1086 | 5点 | R.P.G.- 宮部みゆき | 2010/08/27 17:41 |
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| 宮部みゆき、まさかの新本格参入!?
まあ、既読感のある仕掛けに加えて、この記述方法はどうなんだろうという部分もありましたが、作者がこのタイプのミステリを書いたというだけで意外性充分。 |
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| No.1085 | 7点 | 聖女の救済- 東野圭吾 | 2010/08/26 18:56 |
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| 毒物混入トリック一本に絞った倒叙形式のハウダニット・ミステリですが、正直これだと短編ネタだと思いました。
しかし、さすがと思ったのは、その非現実的でありえないトリックを、ありえるかもと思わせる作者のストーリーテリングの巧さ。 また、本書でも探偵役から出た「虚数解」という思わせぶりな言葉は、本格ミステリ読みを惹きつける。ツボを押さえた小説創りのうまさはやはり一級品ですね。 |
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| No.1084 | 4点 | 智天使の不思議- 二階堂黎人 | 2010/08/26 18:20 |
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| 百のサークルに所属する大学生・水乃サトルを探偵役に据えた倒叙形式の本格ミステリ。
当シリーズは、1980年代後半を時代背景にしていますが、今回のメインの事件は、1953年(昭和28年)のもので既に時効が成立している殺人事件のアリバイ崩しに一生懸命勤しみます。 これは、紅白歌合戦の豆知識だけで思いついたようなアリバイ・ネタでした。 |
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| No.1083 | 6点 | ペガサスと一角獣薬局- 柄刀一 | 2010/08/26 18:02 |
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| 南美希風シリーズの本格ミステリ連作短編集。
いずれも、幻想的で奇想天外な謎を冒頭に提示し、最後はロジカルに解明するというパターンで、とくに力技系の「龍の淵」など島荘の作品と言われても違和感がないほどテイストがそっくりです。 収録作のなかでは、「光る棺の中の白骨」が物語の雰囲気創りと強固な不可能性で一番出来がいいと思った。 |
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| No.1082 | 6点 | 後悔と真実の色- 貫井徳郎 | 2010/08/26 17:45 |
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| 連続殺人鬼”指蒐集家”を追う刑事群像を描いた警察小説風ながら本格ミステリ。
主人公格の西條を始め刑事たちの造形を、重層的に多視点で描いていて、ミッシングリンクものの本格ミステリ趣向がかすんでしまう程ですが、真相を知れば全て意味があったことが分かる。 しかし、探偵役の西條に対する後半の扱いは、いかにも「慟哭」の作者という感じでした。 |
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| No.1081 | 7点 | 文福茶釜- 黒川博行 | 2010/08/26 17:30 |
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| 古美術・骨董品の贋作を巡る騙し合いを扱った連作ミステリ。
このような題材だと北森鴻の一連のシリーズが頭に浮かびますが、本書の著者も負けていない得意の分野。 プロ対プロの騙し合いが、関西弁も相まってリアルに描かれています。コンゲーム小説と同等の趣があり、どちらが最終的に騙される側かというスリルも味わえる。 |
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| No.1080 | 8点 | 容疑者Xの献身- 東野圭吾 | 2010/08/25 21:08 |
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| 純愛ネタの文芸的テイストと、本格ミステリ的趣向を兼ね備えた小説で、読みやすく素直に楽しめた作品。
石神が採った究極の手段が文芸もののテイストと相容れないという意見はもっともですが、本格ミステリとして読んだので気にならなかった。探偵役の「幾何の問題と見せかけて、じつは関数の問題..」なんていう台詞はゾクゾクとさせるものがありました。 強いて注文をつけるとすれば、天才対天才という構図をもっと前面に出した方がよかったと思う。 |
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| No.1079 | 7点 | どんなに上手に隠れても- 岡嶋二人 | 2010/08/25 20:45 |
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| タイトルからも「あした天気に..」と同系統のサスペンス小説を感じさせ、そのとおりの身代金奪取の仕掛けと誘拐の目的に意外性を持たせたなかなかの良作でした。
複数の登場人物に色々思惑を持たせた関係で、ごたごたした印象がありましたが、本書も誘拐ミステリの秀作だと思います。 |
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| No.1078 | 5点 | 深泥丘奇談- 綾辻行人 | 2010/08/25 20:13 |
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| 幻想的怪奇譚の連作短編集。
京都を思わせる架空の街を背景に、小説家の「私」が遭遇する不可思議な事象の数々を、私小説風に淡々と描いています。 日常の謎ならぬ”日常の怪奇”という感じで、岡本綺堂などの昔の怪奇譚の趣があるといえば褒めすぎかもしれませんが、作者の別の一面を見せてくれている異色作だと思います。まさか奥さんの代作ではないでしょうね? |
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| No.1077 | 6点 | 女王国の城- 有栖川有栖 | 2010/08/25 18:49 |
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| 人気シリーズ久々の第4弾という事で、期待が大きすぎたのか、自分のミステリ嗜好が変わったのか、微妙な読後感でした。
不満点を列挙すると、新興宗教集団と超常現象という陳腐な設定、初期の瑞々しい青春ミステリ風味の減退、無駄に長く横道にそれる前半部の冗長なプロット、既読感のある(たぶん、梶龍雄作品)隠された構図などがその理由だと思います。 ただ、終盤の解決へのロジック(とくに、凶器の拳銃に関するもの)などは初期作を彷彿させ、さすがと思いましたが。 |
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| No.1076 | 6点 | 怪盗グリフィン、絶体絶命- 法月綸太郎 | 2010/08/25 18:11 |
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| ミステリー・ランド叢書の中には、これ本当に子供に読ませていいの?とトラウマを心配させる作品もあるように思いますが、本書はコンセプトどおり、大人も子供も楽しめる軽快な冒険スパイ小説でした。
正義の怪盗という主人公の造形や、テンポのいい二転三転するプロット、作者らしいロジカルな展開と、このタイプのミステリとしては過不足ない良作だと思います。 |
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