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まさむねさん
平均点: 5.89点 書評数: 1282件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.122 5点 終着駅殺人事件- 西村京太郎 2011/01/06 23:23
【東北新幹線青森延伸記念(その1)】
 20数年ぶりにナナメ読み。
 新幹線開業によって,青森の玄関口は「新青森駅」になっちゃうのでしょうか。
 で,この作品。日本推理作家協会賞作品だったんですね。
 ちなみに,アリバイトリックは相当にユルイです。トリックというよりも,何と言うか雰囲気(詳しくは亀井刑事にでも…)を楽しむべき作品かもしれません。
 新幹線開業によって,この“雰囲気”を理解できる方も激減するはず。むしろ今が読みドキか(笑)。

No.121 5点 ミステリー列車が消えた- 西村京太郎 2011/01/06 20:17
 先日,島田氏の「消えた水晶特急」を読んだので,列車消失繋がりで20数年ぶりにこの作品をナナメ読み。
 同じ列車消失モノでも,個人的にはこっちの方が好みですね。
(以下,微妙にネタバレ)
 当時から「現実の管理体制では絶対ムリ」との批判があったと記憶しておりますが,平成23年初頭にして「ああ,もうこの駅はないんだぁ。その意味では絶対ムリになっちゃったんだぁ」ってことに気付き(今頃?),いろんな意味で哀愁を感じることができたことが収穫。

No.120 4点 消える「水晶特急」- 島田荘司 2011/01/06 20:11
 列車消失トリックはバレバレでしたね。巻頭の地図にはちょっと興ざめですね。
 ちなみに,乗っ取り犯が結構かわいそう。最後まで引っ張っておいて,そっちの疑惑がノータッチでは…ねぇ。完全に当て馬(?)じゃないですか。
 女性同士の友情なんかよりも,このことの方が引っかかってしまって…。総合的にこの点数でしょうか。

No.119 5点 なぎなた- 倉知淳 2011/01/03 21:02
「こめぐら」と同時刊行の短編集。
個人的には,こちらの方が出来の良い作品が多いような気がします。
「闇ニ笑フ」は,確かに道尾氏の某短編のネタと被ってますね。そうですか。こっちが先だったのですか・・・

No.118 5点 こめぐら- 倉知淳 2011/01/03 20:17
「なぎなた」と同時刊行の短編集。
同じ短編集でも,こちらは,バカミス度の高い作品が揃ってます。
で,多分バカミスを読みたい気分ではなかったんでしょうねぇ(じゃあ読むなよって自分で突っ込みたくなるけど),ビビッとくる作品はなかったですねぇ。
あっ!あとがきは結構良かったですよ。
悪くはない短編集なんでしょうけどね。

No.117 10点 人形はなぜ殺される- 高木彬光 2010/12/26 10:53
これはすごい。なぜ今の今まで読んでなかったんだろう。
読む動機付けを与えてくれたこのサイトに感謝いたします。

純粋に犯人当てやトリック証しを堪能できました。
タイトルを含め,材料の見せ方が抜群です。
今だったら,もっとヒントを絞って,「驚き」に力点を置く作家もいそうですが,それをやらずに純粋に楽しませてくれます。
いつもは漫然なる読書を続けている自分ですら,この作品は相当念入りに読み進めざるを得ませんでした。
個人的にはめったにないことだけど,トリックや犯人の予想がピタリ賞。ちょっと嬉しい。(その後の類似プロット作品を読んでるからだろうケド…)

でも,第2幕のメイントリック。年代によっては「えっ?」だろうなぁ…。今は物理的に無理だろうしなぁ。
アラフォー世代がギリギリでしょうかねぇ。(私の生まれ育った地方では,小学校くらいまでは,一部のヤツが「それ」だったんですよねぇ。)

ちなみに,近年は年度内ミステリランキングが花盛りですが(ちなみに個人的には大好き),うち何作品が,この作品のように,半世紀を超えて読み継がれる作品となるのだろう。
そう考えても,この作品は素晴らしい!

No.116 7点 暗いところで待ち合わせ- 乙一 2010/12/23 11:56
ミステリとして見れば、ちょっと弱いですね。
「事件の顛末」は序盤で容易に想像できましたし。
しかし、だからと言って途中で読み止めようとは思いませんでした。その点は素晴らしい。
決して仰々しくない、静かな感動を与えてくれますね。
二人を(多分敢えて)淡々と描いたあたりにセンスを感じます。
まぁ、ミステリ性は置いておこうか・・・と単純に納得させられました。
個人的に乙一作品は肌に合わないモノも多いですが、この作品はかなり好印象。

No.115 5点 温かな手- 石持浅海 2010/12/21 22:53
「人間の生命エネルギーを吸収して生きている生命体」のギンちゃんとムーちゃんとそれぞれの同居人が主役の短編ミステリ集。
って紹介されても、なんじゃそりゃって感じですよね。
私も、当初はなんだかな~と眉唾だったんですが、まあ読み始めれば、妙な設定についてそんなには気にならなかったですね。その辺りは作者の力量なのでしょうか。非常に読みやすいですしね。
でも、謎解き自体はイマイチというか、無理くり感が強い。
総合的にこの点数かな。

No.114 6点 地下鉄に乗って- 浅田次郎 2010/12/19 18:27
ミステリかと問われると,弱いんですが…
まぁ,その要素が皆無とも言いがたいので,お許しください。

この作品,「息子」って立場を経験したことがある方にとっては,多少なりともグッとくるのではないかなぁ。
で,「娘」や「妻」って立場を経験したことがある方にとっても,結構グッとくるのではないかなぁ。(共感するか否かは別として。)
そして何より,銀座線に無性に乗りたくなるんじゃないかなぁ。

純粋なミステリではないので,この点数くらいになっちゃいますけど,小説としてはすこぶる良質と思いますね。

No.113 3点 まほろ市の殺人 冬- 有栖川有栖 2010/12/18 09:06
 皆さんの評価が低いことはこのサイトで知っていたのですが,順に読み進めてきた「まほろ市シリーズ」で「冬」のみを未読とする訳にもいかず,思い切って読んでみました。
 確かに,オチは如何なものでしょうかね。ちょっと痛い。「痛快」って意味じゃないですよ。
 でも,このサイトの評価の低さと題名から,個人的には,さらなる「グズオチ」を想像していたので,思ったよりダメージは少なかった(笑)。
 評価の低さは,臣さんのおっしゃるとおり,有栖川氏への期待の大きさの裏返しのような気もします。

で,この「まほろ市シリーズ」の全体評価。
読む価値アリなのは「夏」。
時間に余裕があれば読んでみてもよいのが「秋」。
その他の季節は…うーん…(以下略)

No.112 5点 まほろ市の殺人 秋- 麻耶雄嵩 2010/12/17 22:25
短い中で,うまいこと詰め込みましたよねぇ。
怪盗まで引っ張り出してますしね。
不満もない代わりに,特筆すべき「コレ」って印象もなかったですね。個人的には,こういう“平均感”って嫌いではないですが。

No.111 8点 まほろ市の殺人 夏- 我孫子武丸 2010/12/14 22:50
これは相当に良質の中編。素晴らしい。
もっと長くても…という希望も正直ありますが,これくらいの長さだからこそサクッと騙されたような気がします。(まあ,騙されやすい…というか騙されたい読者ではありますが。)
この長さでの,後半のタタミ掛け具合や切なさの醸し出し具合は,ホントに賞賛に値します。やっぱり,この作者は「この種」の作品で輝くなぁ。
コストパフォーマンスも高いし,どんどん人に薦めたくなる作品ですね。

No.110 4点 まほろ市の殺人 春- 倉知淳 2010/12/13 22:46
いや,サラサラ読めたし,決して楽しめなかった訳ではないのです。最低限のポイントは押さえてますしね。
でもなぁ…相当に微妙なトリックですよねぇ。ちょっと力が抜ける感じですよねぇ…ということで,この点数。

No.109 6点 寝台特急「はやぶさ」1/60秒の壁- 島田荘司 2010/12/11 15:05
終盤の捻り具合など,島荘らしさを感じる点もありますが,
「良質ではあるが典型的なトラベル・ミステリー」あたりが率直な印象。
グイグイ引き込まれる面白さの一方で「やっぱり実際に刑事が列車に乗っちゃうんだ…」みたいな突っ込みどころも…。
総合的にこの点数かな。

No.108 4点 ミステリアス学園- 鯨統一郎 2010/12/06 21:45
皆様の書評のとおり,これはミステリ入門書として読むべきですね。
そう割り切れば,確かにためになったし,楽しめました。本格ミステリ度MAPなどは,なかなかの興味深さです。
しかし…最終章は如何なものでしょうか。苦痛に感じてしまったのは,私だけではないはず…。
この分,マイナスさせていただきます。

No.107 7点 ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!- 深水黎一郎 2010/12/05 11:21
なるほど。確かに「読者が犯人」を成立させましたね。
フェア・アンフェアを含め,結構な荒業を駆使していると思いますが,端麗な文章の影響もあるのか,不思議と不快感はなかったです。むしろ,叙述のうまさ,そして確かに「成立させた」ことに感動した次第。
好き・嫌いは別として一読の価値はあるかも。
しかし,このタイトルは酷い。センスの欠片も感じられない。もっと売れててもいいのになぁ。

No.106 5点 六枚のとんかつ- 蘇部健一 2010/12/01 22:40
怖いもの見たさで読んでみた。
評判どおり,「凄み(?)」を痛感せざるを得ない短編が多かったが(「しおかぜ⑰号~」などは凄すぎてとてもコメントできない…),個人的には許容範囲内の短編もあった(表題作など)。
それだけに,どこまでがギャグなのか掴みきれず,何と捉えればよいやら…。
まぁ,記憶に残る短編集であることは間違いない。人に薦めるかは別として。

No.105 6点 館島- 東川篤哉 2010/11/29 21:27
まあ,ある意味で「館モノ」の王道かもしれませんが,何ともスケールのでかいトリックでしたね。
場合によっては,相当の批判も想定されるところですが,島に突きつけられた事情や時代背景を織り込むことによって,上手く批判をかわしてるなぁと(少なくとも私は)納得しました。
題名も良いですね。氏の作品にしては珍しい題名では?と思いつつ読み始めましたが,読み終えた後には「なるほど…」と。
でもなぁ。最初の殺人の「動機」はちょっと…。
本格をコミカルに描こうとする試みは否定しないけれども,仮に動機を「ギャグ」で逃げ切ろうとしたのであれば反則っぽい。
それ以外は,個人的には本格ミステリとして「アリ」な作品だと思います。(表現手法の好き嫌いはあるでしょうが…)

No.104 8点 ハサミ男- 殊能将之 2010/11/23 12:35
何の前知識もなく読みました。
いきなり序盤から叙述系の臭いがプンプン。極めて典型的な叙述トリック二重奏でしたね。
…とか書きながら,実は,騙されてました。典型的なヤツなのに…悔しい。でも楽しかった。
作品のクオリティは,相当に高いと思いますね。
伏線も練られているし,表現も巧い。(ミートパイ食いたくなったし)

すごく好きな作品ですが,以下が気になったので気持ち減点。
目黒西署が最後の最後に見落とすのかなぁ…。最後の現場の状況からすれば,かなり不自然な「思い込み」と思うが。
それと,医者との会話(言い換えればサイコ的要素)ってそんなに大切な要素だったのかな?ミスリードにそんなには資していないような気も…。

No.103 6点 密室に向かって撃て!- 東川篤哉 2010/11/20 22:11
氏の作品を読むのは,「交換殺人には~」・「もう誘拐なんて~」に次いで3作品目。
まずは,烏賊川市シリーズは順に読むべきだったなぁと反省した次第。(一般的にそりゃあそうか。)
で,思ったよりも本格の状況を作ってましたね。根幹はしっかりとしていて,安心感はあります。
犯人の意外性が少ない等,細かい点は色々(血は気付くんじゃないかなぁ…とか)ありましたが,まあ,ストレスなく読み進められたし,作者の「狙い」は成功してるような気がします。
ちなみに,既読2作品と比べて,ギャグが薄かったような気が…。個人的にはもっとガンガン攻めて欲しかったなぁ。

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まさむねさん
ひとこと
ミステリとしての特別な知識なく乱読していますので、私の書評はあまりアテにしないでくださいね。
好きな作家
道尾秀介・東野圭吾・東川篤哉
採点傾向
平均点: 5.89点   採点数: 1282件
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