皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
まさむねさん |
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平均点: 5.87点 | 書評数: 1228件 |
No.128 | 5点 | 夜明けの街で- 東野圭吾 | 2011/01/12 23:13 |
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いやぁー,中盤までの展開&巻末ボーナストラック(?)「番外編 新谷君の話」が怖いのなんのって。
いやはや,下手なホラーなど足元にも及ばないくらい,コワイ。心臓に悪い。 えっ?謎的なことはどうかって?それは東野氏の作品としては想定の範囲内だったので,正直フツウですよ。(すみません。ミステリとしての印象はそこまで。) そんなことより,まぁ,怖いのなんのって…。 【以上,アラフォー男子(妻帯者)の率直な感想】 ちなみに,主人公(男性)もアラフォー。主人公(女性)は30過ぎ。いやはや,リアリティが…怖いのなんのって…。「新谷君の話」なんて,ビクビクしながら読んだんですから。夏に読むべきだったなぁ。涼しくなれそうだし。 注:冷静な書評になっていないことは自認しております。したがって,何の参考にもなさらず,気持ちだけ察していただけますればコレ幸いです。人によっては,全く怖くない作品だとは思いますが。 |
No.127 | 5点 | 点と線- 松本清張 | 2011/01/11 22:10 |
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「空白の4分間」を発掘し,活用した点については,当時としては確かに素晴らしいと思う。
ただし,やはり飛行機が普及しまくった現在においては,アリバイトリックの面白さは半減,というか皆減。 (まぁ,携帯電話の普及に伴って,20年ちょっと前の作品ですら現実味が薄れてきてる状況を考えれば,しょうがないのでしょうが…) あまりにも有名な作品であるし,その後の社会派隆盛の発端となったという意味で「歴史上の記念碑的な作品」ってのが,初読時の私の率直な印象でした。(勿論,楽しんで読ませていただいたのですが。) 今回久しぶりに読んでみましたが,その印象から特段の変化はありませんでしたね。 |
No.126 | 7点 | 殺人方程式- 綾辻行人 | 2011/01/10 19:58 |
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まさに,教科書的な本格モノ。
トリック&死体切断理由はかなり前の段階で察しがついたが,恥ずかしながら,犯人には驚かされた。 といっても,単に「驚き」のみを追求した作品ではなく,理論的な犯人当てが可能。純粋に楽しめました。 エピローグ読んだ後に,今一度プロローグ読み返したくなる辺りも大好物。 すごく目立つ作品ではないものの,良作だと思います。 |
No.125 | 5点 | 嘘をもうひとつだけ- 東野圭吾 | 2011/01/09 22:58 |
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加賀恭一郎シリーズの連作短編集。
「これは!」と膝を打つ作品もありませんが,「これは…」と首をかしげたくなる作品もない。 つまりは全作品が水準以上ということで,素晴らしい安定感ですね。 個人的には,「狂った計算」が一番良かったかなぁ…と。 ちなみに,どの短編も「夫婦」ってのがある種キーワードになってますね。 「赤い指」や「新参者」にうまいことつながってますなぁ。 |
No.124 | 6点 | 片眼の猿- 道尾秀介 | 2011/01/08 16:39 |
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終盤にいくつかの真相が明らかになる訳ですが,いずれも氏の他作品に比べれば小粒ですね。真犯人については,完全に想定内ですし。
でも,優しさには溢れている。決して「やーい騙された」とはならない深さもある。 ハードボイルド調もうまいことハマってると思いますが。 これ以降の氏の作品の指向性を見ると,この作品がひとつの分岐点になったような気がします。 |
No.123 | 5点 | 特急「白鳥」十四時間- 西村京太郎 | 2011/01/06 23:27 |
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【東北新幹線青森延伸記念(その2)】
これまた,20数年ぶりにナナメ読み。 当時は大阪と青森を結ぶ昼間長距離特急だった「白鳥」も,今となっては完全に青函連絡特急の位置づけに。よって,今は14時間も走らない訳ですね。時代を感じますねぇ。 で,この作品。サスペンスとして読めば,結構悪くないですよ。 新幹線が函館まで延伸されると,この「白鳥」って名前もどうなることやら。その意味では,ここ数年が読みドキか(笑)? |
No.122 | 5点 | 終着駅殺人事件- 西村京太郎 | 2011/01/06 23:23 |
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【東北新幹線青森延伸記念(その1)】
20数年ぶりにナナメ読み。 新幹線開業によって,青森の玄関口は「新青森駅」になっちゃうのでしょうか。 で,この作品。日本推理作家協会賞作品だったんですね。 ちなみに,アリバイトリックは相当にユルイです。トリックというよりも,何と言うか雰囲気(詳しくは亀井刑事にでも…)を楽しむべき作品かもしれません。 新幹線開業によって,この“雰囲気”を理解できる方も激減するはず。むしろ今が読みドキか(笑)。 |
No.121 | 5点 | ミステリー列車が消えた- 西村京太郎 | 2011/01/06 20:17 |
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先日,島田氏の「消えた水晶特急」を読んだので,列車消失繋がりで20数年ぶりにこの作品をナナメ読み。
同じ列車消失モノでも,個人的にはこっちの方が好みですね。 (以下,微妙にネタバレ) 当時から「現実の管理体制では絶対ムリ」との批判があったと記憶しておりますが,平成23年初頭にして「ああ,もうこの駅はないんだぁ。その意味では絶対ムリになっちゃったんだぁ」ってことに気付き(今頃?),いろんな意味で哀愁を感じることができたことが収穫。 |
No.120 | 4点 | 消える「水晶特急」- 島田荘司 | 2011/01/06 20:11 |
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列車消失トリックはバレバレでしたね。巻頭の地図にはちょっと興ざめですね。
ちなみに,乗っ取り犯が結構かわいそう。最後まで引っ張っておいて,そっちの疑惑がノータッチでは…ねぇ。完全に当て馬(?)じゃないですか。 女性同士の友情なんかよりも,このことの方が引っかかってしまって…。総合的にこの点数でしょうか。 |
No.119 | 5点 | なぎなた- 倉知淳 | 2011/01/03 21:02 |
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「こめぐら」と同時刊行の短編集。
個人的には,こちらの方が出来の良い作品が多いような気がします。 「闇ニ笑フ」は,確かに道尾氏の某短編のネタと被ってますね。そうですか。こっちが先だったのですか・・・ |
No.118 | 5点 | こめぐら- 倉知淳 | 2011/01/03 20:17 |
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「なぎなた」と同時刊行の短編集。
同じ短編集でも,こちらは,バカミス度の高い作品が揃ってます。 で,多分バカミスを読みたい気分ではなかったんでしょうねぇ(じゃあ読むなよって自分で突っ込みたくなるけど),ビビッとくる作品はなかったですねぇ。 あっ!あとがきは結構良かったですよ。 悪くはない短編集なんでしょうけどね。 |
No.117 | 10点 | 人形はなぜ殺される- 高木彬光 | 2010/12/26 10:53 |
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これはすごい。なぜ今の今まで読んでなかったんだろう。
読む動機付けを与えてくれたこのサイトに感謝いたします。 純粋に犯人当てやトリック証しを堪能できました。 タイトルを含め,材料の見せ方が抜群です。 今だったら,もっとヒントを絞って,「驚き」に力点を置く作家もいそうですが,それをやらずに純粋に楽しませてくれます。 いつもは漫然なる読書を続けている自分ですら,この作品は相当念入りに読み進めざるを得ませんでした。 個人的にはめったにないことだけど,トリックや犯人の予想がピタリ賞。ちょっと嬉しい。(その後の類似プロット作品を読んでるからだろうケド…) でも,第2幕のメイントリック。年代によっては「えっ?」だろうなぁ…。今は物理的に無理だろうしなぁ。 アラフォー世代がギリギリでしょうかねぇ。(私の生まれ育った地方では,小学校くらいまでは,一部のヤツが「それ」だったんですよねぇ。) ちなみに,近年は年度内ミステリランキングが花盛りですが(ちなみに個人的には大好き),うち何作品が,この作品のように,半世紀を超えて読み継がれる作品となるのだろう。 そう考えても,この作品は素晴らしい! |
No.116 | 7点 | 暗いところで待ち合わせ- 乙一 | 2010/12/23 11:56 |
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ミステリとして見れば、ちょっと弱いですね。
「事件の顛末」は序盤で容易に想像できましたし。 しかし、だからと言って途中で読み止めようとは思いませんでした。その点は素晴らしい。 決して仰々しくない、静かな感動を与えてくれますね。 二人を(多分敢えて)淡々と描いたあたりにセンスを感じます。 まぁ、ミステリ性は置いておこうか・・・と単純に納得させられました。 個人的に乙一作品は肌に合わないモノも多いですが、この作品はかなり好印象。 |
No.115 | 5点 | 温かな手- 石持浅海 | 2010/12/21 22:53 |
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「人間の生命エネルギーを吸収して生きている生命体」のギンちゃんとムーちゃんとそれぞれの同居人が主役の短編ミステリ集。
って紹介されても、なんじゃそりゃって感じですよね。 私も、当初はなんだかな~と眉唾だったんですが、まあ読み始めれば、妙な設定についてそんなには気にならなかったですね。その辺りは作者の力量なのでしょうか。非常に読みやすいですしね。 でも、謎解き自体はイマイチというか、無理くり感が強い。 総合的にこの点数かな。 |
No.114 | 6点 | 地下鉄に乗って- 浅田次郎 | 2010/12/19 18:27 |
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ミステリかと問われると,弱いんですが…
まぁ,その要素が皆無とも言いがたいので,お許しください。 この作品,「息子」って立場を経験したことがある方にとっては,多少なりともグッとくるのではないかなぁ。 で,「娘」や「妻」って立場を経験したことがある方にとっても,結構グッとくるのではないかなぁ。(共感するか否かは別として。) そして何より,銀座線に無性に乗りたくなるんじゃないかなぁ。 純粋なミステリではないので,この点数くらいになっちゃいますけど,小説としてはすこぶる良質と思いますね。 |
No.113 | 3点 | まほろ市の殺人 冬- 有栖川有栖 | 2010/12/18 09:06 |
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皆さんの評価が低いことはこのサイトで知っていたのですが,順に読み進めてきた「まほろ市シリーズ」で「冬」のみを未読とする訳にもいかず,思い切って読んでみました。
確かに,オチは如何なものでしょうかね。ちょっと痛い。「痛快」って意味じゃないですよ。 でも,このサイトの評価の低さと題名から,個人的には,さらなる「グズオチ」を想像していたので,思ったよりダメージは少なかった(笑)。 評価の低さは,臣さんのおっしゃるとおり,有栖川氏への期待の大きさの裏返しのような気もします。 で,この「まほろ市シリーズ」の全体評価。 読む価値アリなのは「夏」。 時間に余裕があれば読んでみてもよいのが「秋」。 その他の季節は…うーん…(以下略) |
No.112 | 5点 | まほろ市の殺人 秋- 麻耶雄嵩 | 2010/12/17 22:25 |
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短い中で,うまいこと詰め込みましたよねぇ。
怪盗まで引っ張り出してますしね。 不満もない代わりに,特筆すべき「コレ」って印象もなかったですね。個人的には,こういう“平均感”って嫌いではないですが。 |
No.111 | 8点 | まほろ市の殺人 夏- 我孫子武丸 | 2010/12/14 22:50 |
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これは相当に良質の中編。素晴らしい。
もっと長くても…という希望も正直ありますが,これくらいの長さだからこそサクッと騙されたような気がします。(まあ,騙されやすい…というか騙されたい読者ではありますが。) この長さでの,後半のタタミ掛け具合や切なさの醸し出し具合は,ホントに賞賛に値します。やっぱり,この作者は「この種」の作品で輝くなぁ。 コストパフォーマンスも高いし,どんどん人に薦めたくなる作品ですね。 |
No.110 | 4点 | まほろ市の殺人 春- 倉知淳 | 2010/12/13 22:46 |
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いや,サラサラ読めたし,決して楽しめなかった訳ではないのです。最低限のポイントは押さえてますしね。
でもなぁ…相当に微妙なトリックですよねぇ。ちょっと力が抜ける感じですよねぇ…ということで,この点数。 |
No.109 | 6点 | 寝台特急「はやぶさ」1/60秒の壁- 島田荘司 | 2010/12/11 15:05 |
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終盤の捻り具合など,島荘らしさを感じる点もありますが,
「良質ではあるが典型的なトラベル・ミステリー」あたりが率直な印象。 グイグイ引き込まれる面白さの一方で「やっぱり実際に刑事が列車に乗っちゃうんだ…」みたいな突っ込みどころも…。 総合的にこの点数かな。 |