皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
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まさむねさん |
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| 平均点: 5.89点 | 書評数: 1282件 |
| No.182 | 6点 | 謎解きはディナーのあとで- 東川篤哉 | 2011/06/25 21:42 |
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| 3人のレギュラーメンバー(宝生・影山・風祭)の設定が絶妙。漫画的で軽快な会話シーンもよい。個人的には,有名な(?)宝生&影山の会話シーンよりも,むしろ宝生&風祭の会話シーンに魅力を感じました。(ちなみに,ワタクシは従前から,氏のギャグの積極支持派でございます。)
で,骨組みは完全に本格ミステリ。(ひとつひとつはシンプルですけど…)確かに,売れる要素は多いですね。シリーズ化されて,息が長く売れそうな気がします。 |
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| No.181 | 6点 | 光媒の花- 道尾秀介 | 2011/06/20 21:15 |
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| 道尾作品の中でどのような順でこの作品を読んだのか,それで評価は分かれるような気がします。
まず,ラットマン周辺を既読の方にとっては,この作品に物足りなさを感じると思いますね。作品にとって良いか悪いかは別として,彼のこれまでの特長が見受けられません。 しかし,直木賞受賞作品「月と蟹」の流れで(触発されて),この作品を手にした方にとっては,評価は結構高いのかもしれません。読み進めさせる技量でいえば間違いなくトップクラスの作家が,決して生ぬるくはなく,かつ,絶望的でもない複数の人生の心の分岐点を描くのですから,ミステリ要素を除けば,まぁ,一定の評価は当然と言えましょう。その点はやっぱり上手いし,個人的には「月と蟹」よりは相当に良かったです。 で,道尾反転ミステリをほぼ読破しつつ,(図書館予約の関係で)「月と蟹」を先読している私にとっては,上記の両方の印象が混在して,どう評価してよいものか・・・。道尾ミステリに期待する人は無理に読む必要なし。「月と蟹」を素直に読めた方は,一読する価値があるかも。 |
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| No.180 | 5点 | 追憶のカシュガル- 島田荘司 | 2011/06/18 10:21 |
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| 2つの短編+2つの中編で構成。ちなみに,どれもミステリではありません。
今回の御手洗は,探偵役ではなく語り手役に徹しています。御手洗が過去に世界放浪の旅で出会った(聴いた)方々の人生を語るスタイル。 特に「戻り橋と悲願花」が印象的ですね。個人的には作者の後記も沁みました。ミステリではなかったけれども,こういう読書もたまにはいいかな。 |
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| No.179 | 6点 | 死者が飲む水- 島田荘司 | 2011/06/12 19:17 |
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| 札幌在住の両親の結婚記念日に合わせて,2人の娘が送付したトランク。中にはプレゼントが入っているはずだったが,開けてみたら父親のバラバラ遺体が。死因は「海に非常に近い川」での溺死。
トランクの動きと被害者の動きを組み合わせることで,確かに魅力的な謎に仕上げています。でもなぁ…私は正直,解決までのプロセスが無駄っぽく感じましたね。特に「指紋」のくだりはちょっと疑問。トリックを見極める証拠の提示もフェアとは言い難いような・・・。 うーん,牛越刑事への懐古的親近感でプラス1点。 |
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| No.178 | 8点 | 亜愛一郎の狼狽- 泡坂妻夫 | 2011/06/07 22:20 |
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| 様々なトリックが堪能できる,本格短編のお手本となるべき作品。
確かに,証拠に比して推理が飛躍しすぎている(特に,「DL2号機事件」には驚いた)面もありますが,純粋にトリックを楽しもうと割り切れば,かなり楽しめると思います。 個人的には「ホロボの神」が印象に残ってますね。 |
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| No.177 | 6点 | 叫びと祈り- 梓崎優 | 2011/06/05 22:10 |
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| 昨年度の各種ランキングで高評価続出の連作短編集。
中でも,綾辻氏・有栖川氏が激賞した(らしい)「砂漠を走る船の道」は,噂に違わず高水準。ホワイダニットとして秀逸です。一読の価値はありますね。 その他の短編はちょっと疑問。正直,読み進めたくなる感情があまり沸き起こってこなかったんですよねぇ。1作目で「目が慣れた」からなのか,単に私が日本人だからなのか? でも,今後期待できる作家であることは記憶に刻みました。次は長編を読んでみたいですね。 |
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| No.176 | 7点 | 天使の耳- 東野圭吾 | 2011/05/31 22:20 |
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| 交通事故,というか交通マナーをテーマにした短編集。
メッセージ性を包含しつつも,サラリと読みやすいミステリに仕上げてしまうあたりに作者の技量を感じます。読みやすいけど,決して軽さは感じさせない・・ってのは高度ですよね。 これまでに読んだ東野氏の短編集の中ではベストです。 |
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| No.175 | 4点 | Nのために- 湊かなえ | 2011/05/29 22:25 |
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| 作者の考えは分かるんですよ。題名も含めて。
でもなぁ,正直自分には合わなかったです。 何か釈然としないし,陰鬱だし・・・ |
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| No.174 | 6点 | カササギたちの四季- 道尾秀介 | 2011/05/22 22:43 |
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| 最近はノンミステリ作品が続いていた著者ですが,直木賞受賞第一作は連作短編ミステリで魅せてくれました。まぁ,「魅せてくれた」ってのは,ちょっと言い過ぎなのかもしれませんが,久々のミステリでしたので,ファンとしてはテンションが上がりましたね。
メインの登場人物は、「リサイクルショップ・カササギ」の店長と副店長(他に店員はいないけど…),さらにこの店に入り浸っている女子中学生。探偵気取りの店長が,毎回「日常の謎」に首を突っ込むというスタイル。 連作短編のプロットとして非常にしっかりしてます。大仕掛けはないのですが,軽快に読み進められますし,一般的な人間ドラマとしても楽しめました。笑える小ネタも結構詰まってます。この辺りは流石ですねぇ。 幅広い年齢層にオススメできる作品かな? |
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| No.173 | 5点 | プラ・バロック- 結城充考 | 2011/05/19 23:45 |
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| 日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作(2008年)。女性刑事版ハードボイルドといったところでしょうか。
仮想空間,アバター,集団自殺,猟奇的殺人・・・と、まぁ,いかにもなアイテムを総動員してますが,雨の工業地帯を舞台にした,無機質的な雰囲気の醸成は良かったです。その無機質さの中に挟み込んでいる「人間味」の表現手法については,評価が分かれると思いますね。 女性刑事が主人公で,この雰囲気。結構しっくりきますよ。 |
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| No.172 | 9点 | マジックミラー- 有栖川有栖 | 2011/05/15 11:09 |
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| アリバイと正面から向き合った力作。そして,何とも「美しい」作品。(別に文学的だとかいう意味ではないですよ。)
作品の中でなされる「アリバイ講義」も良かった。 この作品を,単なる「時刻表トリック」モノと捉えてはいけないでしょうね。入念なトリックの組み合わせ,繊細な伏線配置など,堪能させていただきました。 ラスト(最初?)にも唸りましたねぇ。私の好みのど真ん中なので,プラス1点です。 |
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| No.171 | 5点 | 最後の一球- 島田荘司 | 2011/05/10 21:42 |
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| 皆さんの書評のとおり,ミステリとしては正直イマイチでしたねぇ。
でも読みきった後は,「まぁ,たまにはこういう読書もアリだね」って気になりました。 御手洗センセは,よくよく考えれば大活躍だったのですが,結構影が薄く,むしろ「おまけ」っぽく扱われちゃってます。まぁ,これもアリでしょう。 作品を尊重して敢えて野球に例えれば,「凡フライだったけど,風の影響でショートとセンターの間にポトリと落ちたポテンヒット」って感じですね。 |
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| No.170 | 4点 | なつこ、孤島に囚われ。- 西澤保彦 | 2011/05/08 18:20 |
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| 「怖いもの見たさ」ってありますよね。皆様のあまりの低評価を見せられれば,そりゃあ読まずにはいられなくなるってものですよ!
ってことで,思わずブックオ●で購入(勿論105円)。 で,内容は馬鹿馬鹿し過ぎて何ともコメントのしようがないですが,「想像していたよりは」読めましたね。5点以上を献上する気にはなりませんでしたけど・・。(4点でも平均点を上げてるのかぁ!) ちなみに,「15周年記念特別書き下ろし」と銘打ってコレを出版した詳伝社の男気(?)には,ある意味拍手喝采ですよ(笑)。 |
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| No.169 | 7点 | 仮面山荘殺人事件- 東野圭吾 | 2011/05/07 17:44 |
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| スピーディーな展開でサクサク読み進めた結果,まんまと騙されました。ちょっと「臭い」は感じていたんですけどねぇ。
タイトルもイイですね。確かに「仮面山荘殺人事件」ですよ。 でも,このネタ,「ある閉ざされた雪の山荘で」でも使ってませんでしたっけ? |
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| No.168 | 5点 | タイムスリップ明治維新- 鯨統一郎 | 2011/05/05 23:21 |
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| タイムスリップシリーズ第2弾。
ミステリ性は前作よりもさらに減少・・っていうか完全に消えうせた。でも,まぁ,そこそこ楽しかったですよ。歴史SFにでも分類されるのでしょうかね。 幕末好きの方はさらに楽しめる・・のかなぁ?書きながらちょっと自信なくなってきた。 |
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| No.167 | 5点 | タイムスリップ森鴎外- 鯨統一郎 | 2011/05/04 22:13 |
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| ミステリとは言い難いですが,現代風刺あり,文学談義あり,勿論笑いありで,結構楽しめました。
後半部よりも,むしろ中盤までの森鴎外先生の変貌(順応?)シーンの方が楽しい。後半は軽く読み流すべし。 |
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| No.166 | 5点 | 予知夢- 東野圭吾 | 2011/05/03 22:05 |
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| ガリレオシリーズ第2弾。
前作よりもストーリー性は増してますが,トリックとしてはやっぱり「へぇ~」としか言いようがないですね。最終話のラスト10行はかなり好みですが。 「容疑者X」に繋がる,露払い的な短編集ってことで。 |
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| No.165 | 6点 | 漱石と倫敦ミイラ殺人事件- 島田荘司 | 2011/04/29 17:03 |
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| ワトソンと漱石の両視点での進行は確かに楽しかった。てっきり叙述系かと思ったほど。
ちなみに,漱石視点でのホームズ評はシャーロキアンにとってはどうだったのでしょう?むしろ歓迎なのかな? |
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| No.164 | 6点 | 空中ブランコ- 奥田英朗 | 2011/04/26 21:22 |
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| いやはや,伊良部センセはすごいですね。アユミちゃんも気になってしょうがない。
前作のイン・ザ・プールに比べて患者の質(?)が向上しているせいもあるのか,上品な仕上がりです。毎回決まった形で収束する,まさに水戸黄門的な作品集ではありますが,一切マンネリ感を抱かずに読みきることができました。 ちなみに,この採点は「ミステリ性が皆無の作品については30%オフ」との独自評価基準に基づくものですので,ご容赦を。 |
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| No.163 | 5点 | 探偵ガリレオ- 東野圭吾 | 2011/04/24 20:15 |
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| 確かに,多くの方が述べられているとおり,「へぇ~」という感想に集約されてしまう短編が多いですね。文章ではピンとこないというか・・・。
とは言え,読みやすく仕上げるあたりはさすがですねぇ。完全に映像化向きの作品ですが,当初から映像化を視野に入れていたとすれば,ある意味スゴイ。実際に当たりましたしね。 短編集自体を評価すれば,このくらいの点数でしょうか。 |
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