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まさむねさん
平均点: 5.87点 書評数: 1232件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.332 6点 さよならの次にくる 新学期編- 似鳥鶏 2012/10/28 17:55
 前作「卒業式編」の書評で述べたとおり,「卒業式編」と「新学期編」をセットで読まないと,ほとんど意味を成さないです。卒業式編のモヤモヤとした「肩透かし感」があるからこそ,新学期編での爽快な「やられた感」に繋がる訳ですが,卒業式編だけを読んでイマイチと判断し,続編読まない人もいると思うのですよねぇ。読者にとっても作者にとってももったいない。読みきってしまえば,その意図はよく分かるのですが,仕掛け部分についてはもっとコンパクトに工夫できたような気もします。
 しかしながら,ラスト部分は一気に読ませてくれましたし,次回作(短編集)も読んでみようという気にはさせられました。

No.331 4点 さよならの次にくる 卒業式編- 似鳥鶏 2012/10/27 16:31
 デビュー作「理由あって冬に出る」が,まずまずの印象だったため,手にした次第。
 この作品は,やはり続編である「新学期編」とセットで評価しないといけない感じですねぇ。無理やり「卒業式編」のみで評価するとすれば,伏線が放っとかれているのは止むを得ないとしても,単品の仕掛けも肩透かし気味ですので,この辺りの点数になっちゃいますかねぇ。
 急ぎ続編を読んでいる最中ですので,総合評価はその際に。

No.330 4点 マツリカ・マジョルカ- 相沢沙呼 2012/10/24 22:40
 正直,私にはフィットしなかったです。謎の高校生(?)女王様マツリカにも,気弱な高校生柴山クン(通称:柴犬)にも,結構イラッとしましたねぇ。写真部の小西さんは好印象だっただけに,残念。ミステリ部分も,あまり印象に残らないと言いますか…。
 マツリカの正体などが放置されっぱなしですし,ラストからも何となく続編を意識しているように感じます。仮に,続編が出されるのであれば,盛り返しに期待しましょう。(手に取るかどうかは別として…。)
 ちなみに,この作者の描く高校生は,マジシャン探偵シリーズを含めて,太ももに弱すぎ。分からなくはないけれども,単に作者の嗜好性だけが理由だったりして(笑)。

No.329 6点 理由あって冬に出る- 似鳥鶏 2012/10/20 23:06
 単なる学園コミカル系かと思いきや,プロット自体はなかなかに骨太。意外性も相まって,印象は悪くないです。次回作も読んでみようという気にはさせられました。

No.328 6点 黒猫館の殺人- 綾辻行人 2012/10/20 23:05
本当に偶然なのですが,道東地方の旅行中に読んだのですよねぇ。雰囲気が出ましたねぇ。一方,あれほど散りばめられた伏線をスルーしていたのは,きっと旅行中であったせいだと,自分を納得させている今日この頃であります。

No.327 6点 虹果て村の秘密- 有栖川有栖 2012/10/18 22:41
 正統派ド真ん中の「ミステリーランド作品」と言えましょう。子ども達に対する愛情を感じますね。
 なお,有栖川氏とジュブナイルって,よくよく考えてみると,とても相性が良いような気がします。また同じ感じで書いてくれないかなぁ…

No.326 6点 スタジアム 虹の事件簿- 青井夏海 2012/10/18 22:35
 安楽椅子モノの連作短編。
 ミステリ部分は,正直特筆すべきモノはないのですが,登場人物が揃って魅力的で,野球を絡めた展開も面白いです。万年最下位のプロ野球球団の女性オーナー(しかも野球オンチ)を探偵役に設定したことで,膨らみが増しています。
 ちなみに,個人的な話で恐縮ですが,私は大のパ・リーグファン。なので,結構楽しめたわけです。プロ野球好きの方は,どうぞ。

No.325 6点 鍵のない夢を見る- 辻村深月 2012/10/14 17:07
 直木賞受賞作。すべて,女性視点一人称の短編集。短編のタイトルとは裏腹に,ミステリ度は相当に低いのですが,特に女性心理を捉えた人間ドラマとしては良なのかも(評価は分かれそうですが…)。
 ちなみに,登場人物については,「分かるな~」ってよりも,イライラすることの方が多かったですね。単に私が「女性心理」に疎すぎるからなのかもしれませんが。
①仁志野町の泥棒
 ノンミステリ。うーん,分かるような,分からないような。
②石蕗南地区の放火
 うーん。どちらにも腹が立つなぁ。これもミステリとは言い難い。
③美弥谷団地の逃亡者
 うーん。特にコメントなし。
④芹葉大学の夢と殺人
 この短編集中でベストの印象。日本推理作家協会賞(短編部門)ノミネート作品だそうで。で,います,います,この類のオトコ(とオンナ)。
⑤君本家の誘拐
 うーん。分かるんだけれども,小説としては,何ら驚けないような…

No.324 5点 暗い宿- 有栖川有栖 2012/10/13 22:45
 廃業した民宿,高級リゾートホテル,温泉旅館,都心の高級ホテルといった「宿泊施設」を舞台にした短編集。作品によって出来栄えはマチマチです。
 結構すぐに忘れてしまいそうな作品もあった中で,最も記憶に残りそうなのは「ホテル・ラフレシア」でしょうか。謎がぼやけている印象もありますが,「ホテル・カルフォルニア」のメロディや歌詞とともに,その美しくも怪しいムードが心に残ります。

No.323 6点 怪盗グリフィン、絶体絶命- 法月綸太郎 2012/10/13 10:10
 「へぇ~,法月さんって,こういうタッチもOKなんだ」という,個人的な発見が。ミステリーランドだからこその発見ですね。
 反転の妙もあり,冒険スパイ小説として十分に楽しめました。

No.322 5点 魔王城殺人事件- 歌野晶午 2012/10/09 22:11
 トリック自体は,敢えて云々言うまでもないレベルなのですが,ミステリーランドの趣旨を勘案すれば非常に「正しい」作品であり,好感を持ちました。(注:私がこれまで読んだミステリーランド作品は麻耶氏の「神様ゲーム」のみであるため,何をもって「正しい」とすべきなのかは,自分でもよく分かりませんが…。)
 多くの皆様のおっしゃるとおり,なるほど,ミステリーランドは様々に楽しめますねぇ。どんどんノベルス化・文庫化されているようですし,今後,積極的に読んでいくことになりそうです。

No.321 4点 人形館の殺人- 綾辻行人 2012/10/06 20:26
 館シリーズの中でも,ひときわ異彩を放つ作品ですねぇ。好き嫌いがはっきり分かれそうですが,私にとっては相当に期待はずれ。「館シリーズに求めているのはソコではない」とでも言いましょうか…。
 館シリーズを順に読むとすれば,コレを飛ばして時計館ってことでもOKですね。と,言いますか,個人的にはコレを館シリーズに分類すべきなのか,悩ましさすら感じます。

No.320 3点 殺人現場は雲の上- 東野圭吾 2012/09/30 18:47
 スチュワーデスの通称エー子とビー子が遭遇する事件を扱った短編集。
 ミステリ的に中身が薄いうえに,登場人物の設定や描写に相当な「やっつけ感」を抱いたため,ちょっと読み進めるのが辛かったですねぇ。作者に期待するレベルとの落差が凄かったので,マイナス1点ですな。(既読の氏の短編集の中で,ワーストのような気がします。)

No.319 7点 迷路館の殺人- 綾辻行人 2012/09/24 23:14
 全体構成(特に作中作の使い方)が絶妙です。結構キワドイ面もあるのですが,個人的にはセーフかな。建物のトリック自体は「うーん…」といった印象なのですが,後半の畳掛け具合は流石に巧いと思いますね。ある意味で「新本格」の王道か?
 ちなみに,時計館を先読していたため,かなり損をした気分(完全に個人的な事情であって作者に非はないのですが…)。その事情なしにこの作品に出会っていれば,さらに高評価にした可能性が大です。

No.318 6点 陽気なギャングが地球を回す- 伊坂幸太郎 2012/09/21 21:33
 伊坂作品で初めて映画化された作品。展開もスピーディーだし,爽快感もあるし,確かに映像向きですね。
 全体的に伊坂ワールド全開です。「はいはい,ココ伏線ですよ~」ってな具合に分かり易すぎる面もあるのですが,とにかくサクサク読み進めるべし。エンタメ小説として結構楽しめると思いますね。

No.317 5点 チヨ子- 宮部みゆき 2012/09/16 22:38
 巷の評判から予測していたよりは,悪くなかった印象。作者の気持ちは,何となく理解できます。
 しかし,全体的に中途半端な感じは否めず,ちょっと残念。

No.316 6点 ジュリエットの悲鳴- 有栖川有栖 2012/09/11 22:41
 ノンシリーズものの短編集(一部掌編を含む)。
 作者の十八番たるロジックを期待された方にとっては,おそらく肩透かし感を抱くものと思われます。しかし,個人的には,バラエティ豊富で,むしろ好ましく感じました。
 「夜汽車は走る」が個人的なベストで,雰囲気と全体構成に味わいがあります。一転して,「登竜門が多すぎる」はパロディもの。これも良かった。ショートショートの中では,「世紀のアリバイ」が秀逸。イマイチと思った作品も正直ありましたが,全体的には楽しめましたよ。

No.315 5点 腕貫探偵- 西澤保彦 2012/09/09 13:53
 櫃洗市を舞台にした安楽椅子探偵モノの短編集。
 内容としてはまずまず楽しめたのですが,探偵役を「腕貫」をした地方公務員(市民サーヴィス課臨時出張所担当?)に設定した趣旨がイマイチ分からないですなぁ。

No.314 7点 退職刑事1- 都筑道夫 2012/08/22 23:12
 国内の安楽椅子探偵モノの嚆矢とも言える作品ですね。
 ロジックを積み重ねた上での,事実の反転ぶりがなんとも楽しかったですねぇ。まさに安楽椅子探偵モノの醍醐味ですな。
 ちなみに,個人的には前半4作品(写真うつりのよい女,妻妾同居,狂い小町,ジャケット背広スーツ)が粒揃いでオススメです。

No.313 5点 新・日本の七不思議- 鯨統一郎 2012/08/22 00:18
 前々作「邪馬台国は~」で取り上げたネタの検証又は補強もあったりして,インパクトという面では,どうしても一段落ちるかなぁ…と。
 むしろ,二人はいつの間に?…ってコトの方が気がかりでしたね。結構二人のバトルが好きだったのだけれども(笑)。

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まさむねさん
ひとこと
ミステリとしての特別な知識なく乱読していますので、私の書評はあまりアテにしないでくださいね。
好きな作家
道尾秀介・東野圭吾・東川篤哉
採点傾向
平均点: 5.87点   採点数: 1232件
採点の多い作家(TOP10)
東野圭吾(56)
有栖川有栖(44)
東川篤哉(43)
森博嗣(37)
島田荘司(27)
道尾秀介(27)
伊坂幸太郎(26)
米澤穂信(23)
西村京太郎(22)
歌野晶午(21)