皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
まさむねさん |
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平均点: 5.86点 | 書評数: 1194件 |
No.26 | 5点 | 御手洗潔のメロディ- 島田荘司 | 2024/08/29 23:45 |
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「IgE」、「SIVAD SELIM」、「ボストン幽霊絵画事件」、「さらば遠い輝き」の4編が収録された短編集。御手洗モノとして典型的な「IgE」を筆頭として、個人的な興味は掲載順に下がっていきましたね。特に最終話は、ファン限定って感じがあります。 |
No.25 | 6点 | 高山殺人行1/2の女- 島田荘司 | 2024/07/21 16:32 |
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作者曰く「トラベル・ミステリーというと、100パーセント鉄道を使う推理小説をさすのはなぜだろうといつも考える」、「車好きの僕は、以前からこのことが不満だった」…。なるほど。そこで車(ドライブ)を用いた作品が誕生したわけですね。確かに、疾走感はありました。
一方、途中で事件の大枠に気付く方が多いような気がしますね。主人公の女性の行動にも大いに疑問を感じます。勿論、楽しく読ませてもらったのですがね。 |
No.24 | 5点 | 最後のディナー- 島田荘司 | 2024/06/07 21:13 |
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石岡ファン(と犬坊里美ファン)のための短編集と言ってよいのではないかな。スウェーデンにいる御手洗は、②と③に電話出演するのみです。
①里美上京:里美が横浜の女子大に転入してきた…という近況報告。ミステリ度はゼロ。 ②大根奇聞:この短編集の中ではベスト。あくまでもこの短編集の中では。 ③最後のディナー:読み物として悪くはないが…。でも、石岡の情けなさぶりは素敵すぎてグッとくる。 |
No.23 | 5点 | 嘘でもいいから誘拐事件- 島田荘司 | 2024/05/09 23:04 |
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島荘には珍しい、コメディ・タッチの中編2本。会話部分が多いこともあって、あっという間に読了できます。
作者があとがきで「もしかするとこのシリーズは、僕にとって、最も一人よがりでない、最も肩の力の抜けた、最も読者本位の、正しいミステリーなのかもしれない」と語っているとおり、決して肩肘張らず、楽しんで書いている様が伺えます。この点ではなかなか興味深かったですね。 内容はというと…、ゴンドラからの人間消失であるとか、謎自体は作者らしいと言えるのかもしれませんが、まぁ、大きな期待はしない方がいいかも。島荘のユーモアを気楽に楽しもうということで。 |
No.22 | 6点 | 殺人ダイヤルを捜せ- 島田荘司 | 2023/07/13 22:41 |
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サスペンスとしてなかなかに良質。でも、今の中高生にしてみると、メイントリックも含めてピンとこないだろうなぁ。よくよく考えると「ダイヤル」っていう単語自体が懐かしい。 |
No.21 | 7点 | 毒を売る女- 島田荘司 | 2022/01/04 22:28 |
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マイベスト短編は、やはり「糸ノコとジグザグ」。タイトルとともに、印象に残ります。島荘名作短編と評されることも頷けます。
表題作のアクセル感、女性同士の心理的サスペンスも好きなのだけれども、巻き込まれ加害者となった方が可哀想すぎて、何かスッキリとしない感じもあったかな。 「渇いた都市」は、清張作品かと思わせる設定だけれども、そこはやっぱり島荘。でも、清張であればどう捌いて、どのように幕を下ろすのか…と勝手に想像してしまいました。 掌編を含む他の短編にも、島荘ワールドを感じることができましたね。 |
No.20 | 5点 | 展望塔の殺人- 島田荘司 | 2019/07/31 22:30 |
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いかにも島荘!といった短編集。その印象が最も強く残ったのが「発狂する重役」で、これは様々な意味で凄い。いやいやあり得ないだろう…とか考えてはダメなのでしょう。この短編集に根強いファンがいることも分かる気がします。 |
No.19 | 6点 | 御手洗潔のダンス- 島田荘司 | 2018/07/05 20:59 |
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ミタライ感全開(?)の短編集。好き嫌いは結構別れるのかも。
①山高帽のイカロス:これぞ島荘といった短編。この味を楽しめるかどうか。 ②ある騎士の物語:伏線が分かりやすいかも。ちなみに、実際に実行するのは難しいと思うなぁ…。 ③舞踏病:前2作ほどの「大技」はないのですが、何気に好き。 ④近況報告:石岡による、御手洗の近況報告。ここで触れられた分野がその後、御手洗作品のテーマになってくる。その意味でも、この短編は純粋に御手洗ファンに向けた作品と言えるのでは。 |
No.18 | 5点 | 御手洗潔の挨拶- 島田荘司 | 2017/09/09 22:30 |
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「数字錠」は、人間ドラマとしての評価は別として、トリック自体は平素。例の"割合"の件は、読中に気付く方も多いのでは。
「疾走する死者」は、いかにも島荘というトリック。読者への挑戦状付きですが、某長編を先読していた者としては微妙な印象も。 「紫電改研究保存会」は、既視感はあるけれども、全体の雰囲気が好き。 「ギリシャの犬」の暗号にはなるほどと思ったけれども、数多くの点で無理があるなぁ…などと思ったりも。それを言っちゃあ、ミステリ読みとしてダメか。 全体として、詩情的な雰囲気や御手洗潔の味を感じ取るべき短編集かな。 |
No.17 | 5点 | ら抜き言葉殺人事件- 島田荘司 | 2016/06/04 23:19 |
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日本語に関する薀蓄だとか、それはそれで面白かったのだけれども、吉敷シリーズの中での小粒感は否めないかな。 |
No.16 | 6点 | 透明人間の納屋- 島田荘司 | 2015/08/22 23:53 |
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島荘による「ミステリーランド」作品。いやー、この時点で既に興味津々ですよねぇ。(私だけか?)
で、魅力的な謎と人物描写、そして何より真相の規模と結末…この構想自体がまさに島荘。読中、様々な感情を抱かせてくれました。流石であります。 一方で、密室トリック自体は、ちょっと拍子抜け。まぁ、このトリックは「おまけのおまけ」みたいなものですがね。 ちなみに、イラストも含め、少年・少女にはちょっとキビシイ感じがするなぁ。 |
No.15 | 5点 | 羽衣伝説の記憶- 島田荘司 | 2012/01/21 16:17 |
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先日「北の夕鶴~」を読み,吉敷と通子の「その後」が気になったため,早速手にした次第でございます。
正直,中盤までは「あれれ?もしかして期待ハズレ?」などと感じてしまいましたが,2人の再会以降の終盤は,ちょっとした謎解き要素もあり,2人の進展(?)もありで,盛り返してくれました。 ただし,シリーズファン限定の面白さという側面も否定できないため,広くお勧めすることは難しいかも。 |
No.14 | 5点 | 北の夕鶴2/3の殺人- 島田荘司 | 2012/01/19 22:12 |
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ラブロマンス的要素,サスペンス的要素にバカミス的要素も加わり,何とも不思議な読後感でした。(ちなみに,私にとって「バカミス」とは,決して否定的意味合いではございませんので,念のため申し添えます。)
ラブロマンス的要素は,今後の2人の関係に興味を持てたし(早速「羽衣伝説~」を入手),まぁ良かったかなぁと。 一方,サスペンス的要素は,私にはちょっと冗長に感じてしまいましたねぇ。相当にまどろっこしいぞ吉敷刑事。犯人もトリックに自信があるのなら,敢えて夜討ちをかけなくてもさ…なんて言ってたら小説が成り立たないか。 最後に,バカミス的要素は楽しめましたよ(現場見取図で概ね察しはつきましたが…)。鎧武者の偶然性などご都合主義が過ぎるとか,実現可能性云々とか,敢えて申し上げますまい。この大技自体に意義がある! |
No.13 | 6点 | 夜は千の鈴を鳴らす- 島田荘司 | 2011/09/27 23:42 |
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2つの事件のうち片方のメイントリックについては,高木彬光氏の某作品を読まれた方にとってあまりにも容易…というか,バレバレですね。もう一方のトリック(まぁトリックとすら言えない気もしますが)も,都合が良すぎて,肩透かし感満点でした。
しかし,犯人と被害者のそれぞれの人生について,少なからず感じ入る面があったのも事実。これは一種のノワール・ミステリーなのだ,と割り切って読むってのはどうでしょう? なお,事件解明の過程で何気に挟み込まれている叙述系ミスリードについては,見事にヤラレましたし,個人的に大好物です。 |
No.12 | 5点 | 追憶のカシュガル- 島田荘司 | 2011/06/18 10:21 |
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2つの短編+2つの中編で構成。ちなみに,どれもミステリではありません。
今回の御手洗は,探偵役ではなく語り手役に徹しています。御手洗が過去に世界放浪の旅で出会った(聴いた)方々の人生を語るスタイル。 特に「戻り橋と悲願花」が印象的ですね。個人的には作者の後記も沁みました。ミステリではなかったけれども,こういう読書もたまにはいいかな。 |
No.11 | 6点 | 死者が飲む水- 島田荘司 | 2011/06/12 19:17 |
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札幌在住の両親の結婚記念日に合わせて,2人の娘が送付したトランク。中にはプレゼントが入っているはずだったが,開けてみたら父親のバラバラ遺体が。死因は「海に非常に近い川」での溺死。
トランクの動きと被害者の動きを組み合わせることで,確かに魅力的な謎に仕上げています。でもなぁ…私は正直,解決までのプロセスが無駄っぽく感じましたね。特に「指紋」のくだりはちょっと疑問。トリックを見極める証拠の提示もフェアとは言い難いような・・・。 うーん,牛越刑事への懐古的親近感でプラス1点。 |
No.10 | 5点 | 最後の一球- 島田荘司 | 2011/05/10 21:42 |
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皆さんの書評のとおり,ミステリとしては正直イマイチでしたねぇ。
でも読みきった後は,「まぁ,たまにはこういう読書もアリだね」って気になりました。 御手洗センセは,よくよく考えれば大活躍だったのですが,結構影が薄く,むしろ「おまけ」っぽく扱われちゃってます。まぁ,これもアリでしょう。 作品を尊重して敢えて野球に例えれば,「凡フライだったけど,風の影響でショートとセンターの間にポトリと落ちたポテンヒット」って感じですね。 |
No.9 | 6点 | 漱石と倫敦ミイラ殺人事件- 島田荘司 | 2011/04/29 17:03 |
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ワトソンと漱石の両視点での進行は確かに楽しかった。てっきり叙述系かと思ったほど。
ちなみに,漱石視点でのホームズ評はシャーロキアンにとってはどうだったのでしょう?むしろ歓迎なのかな? |
No.8 | 4点 | 確率2/2の死- 島田荘司 | 2011/03/26 21:36 |
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出だしには興味をそそられましたが,肝心の中身は正直物足りなかったですね。
謎のレベルはまぁ措いておくとしても,真相に対する合理的なヒントってあったのかなぁ? それと…これはミステリ読みにとって禁句なのでしょうが,平成の今となっては「白いバンの謎」の必要性が…。 |
No.7 | 5点 | 出雲伝説7/8の殺人- 島田荘司 | 2011/01/29 11:54 |
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島田氏らしい派手で猟奇的な事件と,いわゆる時刻表アリバイトリックとが,うまく融合してますね。
古事記とかの勉強にもなったし(笑),まぁ楽しめました。 (以下,未読の方は注意) でも,精密なトリックを計画した犯人が,結構単純な2つのミス(胴体を置いた位置の件&ラストの騙されっぷり)で捕まっちゃってるところに違和感が。 特に1個目のミスは,警察なり国鉄なり,もっと早く気付こうよ…読者にも早く開示してよって思いましたね。 |