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simo10さん
平均点: 5.69点 書評数: 193件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.27 5点 舞田ひとみ14歳、放課後ときどき探偵- 歌野晶午 2013/09/21 23:21
舞田ひとみシリーズ連作短編集第2弾。
第1弾同様、ひとみのさりげないセリフに親戚の刑事がはっと気が付く展開と思いきや、今回はひとみ自身が探偵よろしく名推理を披露します。
3年間の間にずいぶんと切れ者になったようです(キャラクターは相変わらずですが)。
まあ読みやすいのは期待通りだけど、特にこれといった作品もなかったのも第一弾と同様かな。

No.26 6点 絶望ノート- 歌野晶午 2012/08/31 23:33
--ネタばれ含みます--

手記、日記形式の作品は感情移入しやすくサクサク読めるが、実はその内容は嘘かもしれないと(現実の)読者が気付き易いというリスクもあります。
私も途中で恐らく嘘なのではと勘繰ったのですが、ビデオ事件が本当らしいため、その予想は却下されたと思っていました。
しかし日記は嘘だったという。じゃあビデオ事件の真相はというと、これも全然納得できない。似顔絵事件も本当だし、はっきり言っていじめじゃんと思いました。是永も十分最低と思いました。この点が大きくマイナスです。
ラストの諸井君の件もちょっと唐突でイマイチでした。主人公に対してはもっと皮肉な結末を用意して欲しかったです。
それ以外では、ページ数も気にならずサクサク読めたし、犯人の正体も面白かったし、ジョンも面白かったので、全体的には悪くなかったと思います。
もう少し煮詰めてくれれば大化けできたかもしれないだけに惜しかったと思います。
ちなみに来宮先生はやっぱ見られたんだろうか?

No.25 4点 密室殺人ゲーム・マニアックス- 歌野晶午 2012/08/31 23:15
2.0の文庫版読了、王手飛車取りの再読で勢いがつき、文庫化を待てずにノベルズ版の本作を読んでしまった。
正直、失敗したと思った。内容の善し悪し以前に、さすがに本シリーズのテンションに飽きがきており、指が進まない。
ただでさえそんな状態なのにトリックの種明かしたるや、結末たるや…。
読み始めは文庫化を待てば良かったと多少後悔もしたが、待ち侘びて無駄に期待値を上げるよりはさっさと見切りを付けられて良かったかなとも感じている。

No.24 6点 密室殺人ゲーム2.0- 歌野晶午 2012/08/31 23:12
--ネタばれ含みます--

密室殺人ゲームシリーズ第二弾。二冠を達成したとのことで期待していたため、ノベルズ版を我慢し、文庫化を待ちました。
内容はある意味まさかの前作そのまんま。この点は全体的に評価が下がる要素になりやすいと思いますが、久々にこのシリーズを読んだ私にとってはちょっと嬉しい。当然、前作が嫌いな方にはオススメできません。
別の評価の分かれ目としては、登場人物が全て前作から入れ替わっている点かな。入れ替わっていたことがちょっと残念で、自分は前作の登場人物達に愛着を感じていたことに気付かされました。
トリックの評価としては、ちょっと強引だけど「切り裂きジャック」がインパクトがあったかな。前作に続きザンギャ君はインパクトのあるトリックを披露してくれます。その他のトリックはどれも前作に比べるとイマイチでした。ただし、各出題者のトリックが前作の出題者のそれと性格が似ているのは面白いとは思いました。そのせいで044APDのトリックはタイトルを見ただけで予想がついてしまい、無駄に長く感じました。
総括すると、面白くはあったけど、決して前作を超えるものとは思えませんでした(ダブル受賞作品という期待値を差し引いても)。実際、王手飛車取りを再読してみたが、やはりこちらのほうが面白かった。

No.23 6点 ハッピーエンドにさよならを- 歌野晶午 2010/11/07 22:29
全てバッドエンドの11作品で構成される短編集です。

①「おねえちゃん」:作品のコンセプトを知らなかったのでいきなりまさかの衝撃でした。
②「サクラチル」:一番怖かった作品です。叙述が冴えています。
③「天国の兄に一筆啓上」:4ページのショートショート。特に際立つ部分もありません。
④「消された15番」:母親のイライラと周りの邪魔する様子がコントの様。
⑤「死面」:悪いことをしたら罰が当たるという見本的な話。もう一捻り欲しい。
⑥「防疫」:ラストの展開にタイトルの全てが含まれていますが、教育ママの追い詰められようが見もの。
⑦「玉川上死」:ちょっとしたフーダニット&ワイダニットもの。被害者の両親はどうしたのだろうか。
⑧「殺人休暇」:ストーカー対策として実際ありそうですね。ラストはどうなんだろう。
⑨「永遠の契り」:ショートショート。どうしようもないバカップルの結末に苦笑い。
⑩「In the lap of the mother」:ショートショート。完璧なリスク管理論を提唱するパチンコママの結末に苦笑い。
⑪「尊厳、死」:ホームレス狩りを題材にしています。最後に鮮やかに締めくくりました。見事です。

見事なまでに全てバッドエンドでした。個人的には①②⑨⑩がヒット(?)しました。

No.22 4点 舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵- 歌野晶午 2010/08/18 21:45
6つの作品がちょっとだけリンクして構成された連作短編集です。
私も他の方の書評にあるように、タイトルからして警察もお手上げの難事件を小学生がコナンさながらに鮮やかに解決してしまうものだと思っていましたが、そうではなかったのですね。
ひとみちゃんの何気ない一言や行動がきっかけで叔父刑事が事件解決のヒントを得るというパターンはそれはそれで良いのですが、ヒントから解決までの論理が飛躍しているように思え、どうにも納得いきませんでした。
歌野氏の短編は私の中ではこれまではずれはなかったのですが、今作は期待はずれに終わってしまいました。

No.21 8点 密室殺人ゲーム王手飛車取り- 歌野晶午 2010/02/21 13:04
-ネタばれ含みます-

久々に戦慄の走る作品でした。吐き気を催すような登場人物達だったけれどジャンルがジャンルなのでアリかなと(現実にあったらシャレにならんけど)。「魔王城~」とは違い、子供には見せられない作品ですね。
それぞれのトリックは短編、中編レベルに過ぎないんだけれど、この設定の中で行われるとワンランク上のネタに見えるから不思議だ。この手法は評価したい。
特に「求道者の密室」なんかは大したネタとも思われないけど、あの設定だと凄く感じてしまう。
「生首~」は普通に凄いと思ったし、背筋も凍った。伏線を拾いきってこそ見えてくる真実に納得。
この作品の直前に「女王様と私」を読んでいたので、その人となり等から最後の方にこんなトリックの事件を起こすんだろうなと序盤で予想できてしまったのが残念。

No.20 4点 女王様と私- 歌野晶午 2010/02/20 18:02
-ネタばれ含みます-

自分の中では角川版の歌野作品ははずれが多いので今いち気が進まなかったのだけれども(ページ数多いし)、やっぱり予想通りでした。
序盤の挨拶代わりの叙述トリックには何回も設定を切替えさせられ、これは楽しめました。
しかし目次がないくせにページ数が多いなど、どう見ても同じ出版社のあの作品と同じ匂いを放っていたので、やっぱそういうオチなのかよと読後に疲労感を感じてしまった。
作者は何が狙いで主人公をあそこまでキモく描いたんだろう。
ちなみに題名、表紙ともに「さらわれたい女」と合わせて買うのにかなり躊躇した。

No.19 6点 魔王城殺人事件- 歌野晶午 2010/02/19 22:23
いくら子供向けのミステリとは言え、これは簡単過ぎるのではないでしょうか?
あまりにもダイレクト過ぎる。
まあトリックはさておき、それ以外の部分はちょっと数学の計算もあったり、刑事のお兄さんからの教訓もあったりと子供向けを意識して描かれており、優良図書だと思いました。
思わず採点が甘くなるくらい絵も素敵で優しい作品です。

No.18 4点 ジェシカが駆け抜けた七年間について- 歌野晶午 2010/02/17 20:38
-ネタバレ含みます-

最初に主人公の国の慣習についての説明がなされていたから、まあ多分その慣習が分身トリック(?)に関わってくるんだろうなと思いながらも、そっちはミスリードで「ハラダアユミを名乗る女」で行われるトリックの方にヒントがあると思っていたのですが、そのまんまでした。
まあうまいと思うし読み易いとは思うけれど、実験的な匂いがするというか、歌野氏らしい全力投球が感じられず残念でした。

No.17 6点 そして名探偵は生まれた- 歌野晶午 2010/02/11 12:43
3つの中編+1つの短編で構成されています。

①「そして名探偵は生まれた」:コメディタッチで描かれた雪の山荘モノ。実際に名探偵が存在した場合のなれの果てのようなものが描かれており、ちょっと切ない。トリックはヒントと言えるヒントもなく明かされてしまい、何がメインなのかよく分からない。
②「生存者、一名」:400円文庫版側の書評の通りです。
③「館という名の楽園で」:400円文庫版側の書評の通りです。
④「夏の雪、冬のサンバ」:「鬼密室」の直観探偵が登場します。色々とミスリードっぽい要素が提示されていたけど、結局それらがどう機能していたのかが良く分からない。タイトルがメイントリックに絡むような単純な話でなくて良かった。しかし3°は傾きすぎでしょう。

②③は400円文庫にて既刊されており、読んだことある方は注意が必要です。個人的には①④だけだとかなり損だと思います。(①④が採点の足を引っ張っていると言えるぐらいの出来)
逆に②③を読んでいなければ、この一冊でかなり楽しめると思います。

No.16 7点 館という名の楽園で- 歌野晶午 2010/02/11 01:14
-ネタバレ含みます-

まさに館を愛する者のために描かれた作品です。
謎解きに関しては、実は私も早々に回転するものだと思ってしまい、ろくに考えもせずに解決編を読んでしまいました。
思い返すと、いたるところにヒントが与えられており、実にフェアでした。
全体を通してなぜか寂しげな印象を感じるのですが、この雰囲気も好きです。

No.15 6点 生存者、一名- 歌野晶午 2010/02/08 19:57
-ネタバレ含みます-

タイトルと最初の1ページ目で、ラスト一発逆転モノだろうなと予測がつき、「あの行為」から本書の狙いを察してしまった。
読者も推理以前に勘を働かせているので、「あの行為」に関してはもう少し曖昧にして終盤に明かすとか、一捻り工夫が欲しかった。
本書の狙いを察してしまうと、連続殺人はあくまでも「スケープゴート」の役割だろうということも察してしまい、流し読みになってしまった。
細かい文句を言えば、何故自殺と見せかけるようにできなかったのかの説明がなかったのが残念。
あともう少しで大化けできたかもしれないだけに、もったいないという印象が強い。(その「もう少し」が大変なんだろうけど)

No.14 6点 家守- 歌野晶午 2010/02/08 12:14
-ネタバレ含みます-

「家」をテーマにした5つの短編集。

①「人形師の家で」:他者の評価にあるように、確かにギリシャ神話の絡ませ方が巧い。しかし真相はちょっと(?)エロい。
②「家守」:トリックは小粒だと思ったけど真相はなるほど。「有罪としての不在」的な構成も作者ならでは。
③「埴生の宿」:実は裏がなかったのが逆に裏になっている。個人的には雰囲気が凄く好き。
④「鄙」:共犯モノは好きじゃないけど、これは納得。「鄙」という言葉を始めて知った。
⑤「転居先不明」:オチがダーク。「鏡殺し」に収録して欲しい。

どれも地味な作品でありながら良くできています。
文章がうまくなっている感じを受けるし、歌野氏らしさが楽しめます。

No.13 4点 世界の終わり、あるいは始まり- 歌野晶午 2010/02/03 21:35
う~ん、評価が難しい。
このペースでどうやって500ページ持たすのだろうの思ったけれど、そうきたか。
ページ数が分かっているのが不利な作品という感じ。
終わらない悪夢という感じで、ダークな部分は楽しめました。
ただ、これはミステリではなかったなぁ。
何か巧妙に隠された伏線がありそうなんだけど、そうでもなさそうだし。
なんだか本格していない歌野作品は残念だ。

No.12 7点 安達ヶ原の鬼密室- 歌野晶午 2010/02/01 21:15
まず本の構成にびっくり。
情報シャットアウトのために背表紙を見ないようにしていることと、目次が存在していないことが合わさった状態で「ナノレンジャー」と「Ripper」を読まされ(結構長い)、ひょっとしてこの内容を400ページ以上読まなければいけないのかとひやひや(イライラ?)させられた。
150ページ過ぎてようやく本題に入ってほっとため息。
「黒塚七人殺し」のみに関して言えば、かなり大胆なトリックを、(自分的には)ギリギリのヒントで切り抜けており、うまいと思わされた。
しかし、その後の「直観探偵~」以降はヒント与え過ぎでなんだか緩くなってしまった。
もったいない作品という印象。
「Ripper」に関しては、主人公の不可解な行動にイラついてしまったが、「鬼密室」とは独立した話なのでこれはあえて採点に含まないようにします。
「ナノレンジャー」に出てくるヒゲの切れ者で生意気な清掃員のお兄さんてひょっとして…。
あとラストの井戸から水を取り去るマジックってのが解らない…作中にヒントがあるんだろうか?

No.11 4点 ブードゥー・チャイルド- 歌野晶午 2010/01/26 21:40
-ネタばれ含みます-

まず「悪魔の紋章」。せめて先に文章で何の絵であるか解説して先入観を植え付けて欲しかったところ。1ページ目にいきなり説明なしで載ってるから「これは何だろう?」とじっくり眺めてしまっていきなり解ってしまう。
次に「堀井キン」。予想したファミリーネーム「キーン(Keane)」とは違っていたけど、これもいきなりバレバレ。
どっちも重要な部分なんだからもっとうまく騙して欲しい。
第一の事件発生までは面白く読めたけど、その後は長々とバロン・サムデイやらココン・グリやらを真面目に語る主人公にうんざり。
殺人の動機にしても、犯人の凶暴性のみを強く感じてしまい、この描写はちょっとまずいのではと思ってしまった。
ジュリアンは良かったけれどそれまでが長いし、そこまでがストレスを感じて続けていたのも事実。

No.10 9点 放浪探偵と七つの殺人- 歌野晶午 2010/01/25 23:06
「長い家」以前の信濃譲二の七変化および探偵ぶりを堪能できる7つの短編集。どれもよくできており、信濃譲二ファンとなってしまった私にとってはこれ以上の短編集は望むべくもないかも。

①「ドア⇔ドア」:倒叙モノ。下手な小細工を弄する犯人VS信濃の構図にハラハラ。
②「幽霊病棟」:クイズレベルの謎が仕掛けられた倒叙モノ。この作品だけイマイチかな。
③「烏勧請」:なるほどと思ったが、子供にはばれんのだろうか?あと会社で臭ってばれるのではないだろうか?
④「有罪としての不在」:超難解だけれども、このマニアックさがたまらない。よくできている。
⑤「水難の夜」:騙された。あとピザ屋が可哀相。
⑥「W=mgh」:島田荘司氏ばりの怪奇現象に対してきちんと説明がなされている。
⑦「阿闍梨天空死譚」:解決編で冒頭の謎がすっきり。しかしこのトリックは後の島田荘司氏の作品でも用いられているが、解り辛い。

No.9 7点 死体を買う男- 歌野晶午 2010/01/17 13:27
作中作「白骨鬼」は作家江戸川乱歩の語りと詩人萩原朔太郎の探偵役で進んでいきますが、乱歩調の語りはこれまでの歌野氏のイメージから全くかけ離れたもので、かなり意外でした。
島田氏の「漱石と~」にかなり似た感じの作品です。
「白骨鬼」自体は萩原朔太郎が面白キャラに仕立て上げられて飽きさせない作りでしたが、謎と真相は超オーソドックスなものでした。
しかし「死体を買う男」のラスト部分で、「白骨鬼」も含め、一気に全体が引き締まった感じを受けました。
懺悔録「死体を買う男」、うまい!と思わされました。

No.8 5点 さらわれたい女- 歌野晶午 2010/01/17 13:02
冒頭の一文で引き込まれた。
誘拐後の事件も意外だし(背表紙に記載されているけれど、ここまで載せないで欲しい)、よくできている作品だと思います。
意外な探偵役は歌野作品ならでは。
ちょっとうざ目なあの賢い感じの彼がその後の事件に絡んでこなかったのも意外だったかな。
内容的には軽いんだけれども、この軽さ、読み易さが良い。

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simo10さん
ひとこと
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好きな作家
綾辻行人、島田荘司
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平均点: 5.69点   採点数: 193件
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