皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
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nukkamさん |
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| 平均点: 5.44点 | 書評数: 2962件 |
| No.1702 | 6点 | 古い骨- アーロン・エルキンズ | 2016/09/10 05:50 |
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| (ネタバレなしです) 北フランスの有名な観光地、モン・サン・ミッシェルを舞台にした1987年発表のギデオン・オリヴァーシリーズ第4作である本書は1988年度MWA(米国探偵作家クラブ)の最優秀長編賞を獲得した本格派推理小説です。明快で歯切れのいい文章とスムーズなストーリー展開は過去作品と共通していますが謎解きがしっかりしたのは本書からではないでしょうか。犯人指摘場面はやや唐突感がありますが風変わりで巧妙な殺害トリックが印象に残ります。 | |||
| No.1701 | 6点 | 悪の断面- ニコラス・ブレイク | 2016/09/10 05:41 |
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| (ネタバレなしです) 1964年発表の本書は名探偵ナイジェル・ストレンジウェイズシリーズ第15作ながら犯人当て本格派推理小説ではなく誘拐された少女を巡っての誘拐犯グループと追跡者グループとの駆け引きをスリリングに描いたスパイ・スリラーです。単なる善悪の対決でなく非情なまでに悲劇的なシーンあり、親子愛を強く訴えるシーンあり、絶妙なストーリーテリングで読ませる作品です。kanamoriさんのご講評の通り後味の悪い場面がありますがそれだけに強い印象を残すのも確かです。 | |||
| No.1700 | 6点 | 死の退場- ハリイ・オルズカー | 2016/09/10 01:57 |
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| (ネタバレなしです) 1959年発表のフェルダーシリーズ第2作ですが作者は「殺人をしてみますか?」(1958年)に引き続きフェルダー(前作では警部でしたが本書では警視)をあくまでも脇役として扱っています。それどころかフェルダーの存在感はますます薄くなったように感じます。なぜなら本書の主人公であるドロシイ・ドーンがあまりにも強烈な個性の持ち主だから。マリリン・モンローやジェーン・マンスフィールドのような女優を目指してワイオミングの田舎からニュー・ヨークへ上京した23歳の女性ですが、次から次にトラブルに巻き込まれながらも(そして何度も酒で酔っ払いながらも)考えることをやめないのはいいのですがこれが的を得ているのか的を外しているのかわからず、読者を(登場人物も)きりきり舞いさせます。典型的な巻き込まれ型サスペンス風のプロットにあぶなっかしいアマチュア探偵ドロシイの捜査が絡み合い、最後の2章ではフェルダー警視と全容疑者、そして(またもべろんべろんの)ドロシイが劇場に集結して(これがなかなかしっかりした)本格派推理小説としての謎解きが繰り広げられます。 | |||
| No.1699 | 6点 | フランス白粉の秘密- エラリイ・クイーン | 2016/09/09 17:06 |
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| (ネタバレなしです) 1930年に発表された国名シリーズ第2作の本書はなぜあの人物が犯人かという推理だけでなくその人以外の容疑者たちがなぜ犯人ではありえないのかという推理まで丁寧に説明しているところが工夫になっています。エラリーが一人一人の名前を照会しながら犯人ではないと容疑から外していき、残る人物の誰を犯人として指名するのかという謎解きのスリルは(文字通り)最後の一行まで続くのです。まあそこに至るまでの筋運びはお世辞にもスムーズとは言い難いし登場人物も誰が誰だか整理が大変です。(ちょっとネタバレになりますが)犯罪組織の暗躍が示唆されているのも本格派推理小説としては好ましくないと感じる読者もいるかもしれません。メインの謎である殺人には組織力を使ったトリックなどはもちろんありませんけど。ところで本筋とは関係ありませんがこの時代で既に壁面収納タイプのベットが開発されていたとはさすがアメリカ(笑)。 | |||
| No.1698 | 5点 | 霧の中の虎- マージェリー・アリンガム | 2016/09/09 15:20 |
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| (ネタバレなしです) 1952年に発表されてジュリアン・シモンズらから絶賛された本書はアルバート・キャンピオンシリーズ第14作ですが本格派推理小説ではなくサスペンス小説に分類される作品で、キャンピオンも脇役でした。凶悪犯が登場しますがその危険性をそれほど強調した描写ではないので「恐怖感」を期待する読者には物足りないかもしれません。とはいっても決して退屈な作品ではなく独特の小説世界が築かれています。単なる勧善懲悪を超越した結末も印象的です。 | |||
| No.1697 | 5点 | ひよこはなぜ道を渡る- エリザベス・フェラーズ | 2016/09/09 15:15 |
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| (ネタバレなしです) 1942年発表のトビー・ダイク&ジョージシリーズ第5作の本格派推理小説です。地味なアリバイ調べが多いのでやや読みにくい面もありますが終盤はさすがに上手く盛り上げます。ジョージの登場場面が非常に少なく、しかも探偵活動から手を引きたいことを再三語らせているのが気になりますが果たして本書がシリーズ最終作となってしまいました。次の作品が発表されるまで第二次世界大戦の影響か3年間のブランクがありますが、作者としてもユーモアに溢れた当シリーズをもはや書く気がしなくなったのかもしれません。 | |||
| No.1696 | 8点 | サム・ホーソーンの事件簿Ⅰ- エドワード・D・ホック | 2016/09/09 15:08 |
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| (ネタバレなしです) ホックは何人ものシリーズ名探偵を生み出していますがサム・ホーソーン医師のシリーズは歴史本格派であることとほとんどの作品で不可能犯罪を扱っているのが特徴です。1996年に出版された第1短編集の本書は1974年から1978年にかけて発表された12作品が収められており、作中時代は1922年3月から1927年9月にまたがっています。全部で70を超すシリーズ短編を書いただけに当たり外れはありますが本書は当たり作品が多く、謎の提示、推理の積み重ね、合理的な謎解きと本格派推理小説の基本を守った作品が並んでいます。ホワイダニットとしても面白い「水車小屋の謎」、よく考え抜かれたトリックの「ロブスター小屋の謎」、留置場からの脱出を描いた「十六号独房の謎」が私のお気に入りです。なお創元推理文庫版は非シリーズ作品の「長い墜落」をボーナス追加していますがこれは蛇足で、シリーズ作品のみで統一した方がよかったと個人的には思います。割を食ったのが非シリーズ短編集の「夜はわが友」(1991年)で、米国オリジナルではこちらに「長い墜落」が収めてあったのに創元推理文庫版では削除の憂き目にあいました。 | |||
| No.1695 | 9点 | ウッドストック行最終バス- コリン・デクスター | 2016/09/09 13:28 |
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| (ネタバレなしです) 英国で絶大な人気を誇る本格派推理小説家コリン・デクスター(1930-2017)の1975年発表のデビュー作となるモース主任警部シリーズ第1作です(長編作品13作は全部モーズ主任警部シリーズです)。エラリー・クイーンの全盛期時代を思わせるような論理的なモースの推理が素晴らしいです(そして中盤での迷走ぶりもまた別の面白さがあります)。デクスターの作品はあまり登場人物に感情移入することがなく、物語として味気なさを感じることも多いのですが本書ではロマンスがいい味付けになっています。個人的には本書がデクスター最高傑作です。 | |||
| No.1694 | 5点 | 金庫の中のピエロ- パトリック・A・ケリー | 2016/09/08 00:59 |
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| (ネタバレなしです) 1986年発表の落ち目の奇術師ハリー・コルダーウッドシリーズ第2作である本格派推理小説です。名物ピエロで旧友のクインプが「この世界にもう長くはありません」という不吉な予言をしたのを知ったハリーが彼が泊まっているホテルへ急行する場面で開始されますが、相変わらず感情を控え目に描写しているのでハリーの焦りがいまひとつこちらに伝わって来ませんでした。全般的には軽妙で読みやすいですが後半になるとストーリーが結構複雑になります。真相にはそれなりの意外性もありますが推理の強引さも目立ちます。クレイトン・ロースンの「帽子から飛び出した死」(1938年)を連想させるようなクライマックスシーンはなかなか印象的です。 | |||
| No.1693 | 5点 | 騎士の盃- カーター・ディクスン | 2016/09/08 00:50 |
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| (ネタバレなしです) 1953年発表の本書はH・M卿シリーズ第22作で最後の作品でもあります。最後の作品といっても特にお別れを象徴するような演出はなく、お笑いやどたばたを混ぜながらしっかり謎解きもしているファルス本格派に仕上がっています。何者かが密室状態の部屋に入り込んでは家宝の「騎士の盃」を動かしているという犯罪ともいたずらとも特定しにくい行動の裏にある動機はなかなか見抜けにくいと思います。密室トリックは感心できませんが最後にH・M卿が犯人に与える「罰」がいかにもファルス(笑劇)ならではです。あと作中で「青銅ランプの呪」(1945年)のネタバレがありますのでそちらを未読の人は注意して下さい。 | |||
| No.1692 | 5点 | 消えた鱈- シャーロット・マクラウド | 2016/09/08 00:43 |
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| (ネタバレなしです) 奇抜な状況設定の本格派といえばマイケル・イネスなどのファルス本格派が頭に浮かびますが1984年発表のセーラ・ケリングシリーズ第5作である本書もそれらに負けじ劣らずの作品で、冒頭の「浮かれ鱈の会」場面からして面食らいます。「納骨堂の奥に」(1979年)での悲劇性や重苦しさは本書では完全に払拭されています。なおシリーズ第5作と紹介しましたが本書で探偵役を務めるのはマックスでセーラは脇役的存在です。 | |||
| No.1691 | 5点 | 殺人はラディカルに- ライア・マテラ | 2016/09/08 00:31 |
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| (ネタバレなしです) 1988年発表のウィラ・ジャクソンシリーズ第2作の本格派推理小説です。前作が(十分に成功したとは言えませんが)ユーモアミステリーを心がけたようなところがあったのに比べて本書は作風ががらりと変わり、暗く厭世的な雰囲気が強く漂っています。作者は若い頃に家を飛び出てヒッピー生活をおくった経験があるそうですがそのことが影響しているのかもしれません。ウィラが再びアマチュア探偵として事件を調べることになるのですが、そのことがやがて自分自身を傷つけ悩ませることになるプロットが重苦しいです。 | |||
| No.1690 | 5点 | 国会議事堂の死体- スタンリー・ハイランド | 2016/09/08 00:18 |
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| (ネタバレなしです) わずか3作しかミステリーを書かなかった英国のスタンリー・ハイランド(1914-1997)が1958年に発表したデビュー作である本書は単に国会議事堂という作品舞台の珍しさに頼った作品でなく、凝りに凝ったプロットの本格派推理小説です。ジョセフィン・テイの「時の娘」(1951年)のように昔の事件を現代の探偵が解明するというパターンに大きなひねりを加えています。このひねり方はとても鮮やかで本書の白眉といっていいでしょう。とはいえそこに至るまでの前半部の読みにくさは相当なものでしたし、結末のつけ方もすっきりしませんでした。傑作だという評価にあえて反対はしませんが、相当ミステリー通の読者でないとその良さは十分わからないのではと思います。残念ながら私のレベルではお手上げでした。 | |||
| No.1689 | 6点 | 灯火が消える前に- エリザベス・フェラーズ | 2016/09/07 13:23 |
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| (ネタバレなしです) 1946年発表の本格派推理小説で第二次世界大戦の影響を残しています。序盤で殺人事件が発生し、あっという間にジャネットという容疑者が逮捕されます(後に有罪判決も出ます)。ジャネットが犯人とは思えないアリスは事件関係者を次々と訪問します。しかしジャネットが無罪という確信があるわけでも他に有力容疑者の心当たりがあるわけでもないのですからストレートな捜査にはならず、ジャネットを理解するという点では進展があっても事件の真相に近づいているという予感がしないので中盤はややじれったい展開です。しかもジャネットを有罪とする根拠が自白、指紋、そして目撃者の証人とそれなりに強固な状況証拠ですのでこれをひっくり返さなければいけません。ジャネットがそのまま犯人の可能性もありますのでひっくり返るかどうかはここでは書きませんが、いずれにしろ終盤にそれまで灰色の世界だったのが突然派手な極彩色の世界に変わったかのような劇的効果が生み出されていることだけは書いておきます。 | |||
| No.1688 | 8点 | ブラウン神父の不信- G・K・チェスタトン | 2016/09/07 12:26 |
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| (ネタバレなしです) 「ブラウン神父の知恵」(1914年)から随分と久しぶりの1926年発表のブラウン神父シリーズ第3短編集で8作品が収められています。チェスタトンはジョン・ディクスン・カーに大きな影響を与えたとして有名ですが、特に本書では不可能犯罪やオカルト的雰囲気を持った作品が多数揃っています。世評の高い「犬のお告げ」は密室トリックがやや肩透かしながらも犬を巡る推理が見事で代表作とされるのももっともな出来映えです。説明がやや冗長ながらも「翼ある剣」は(実現性はともかくとして)凄まじさを秘めたトリックが使われています。奇想天外さでは「ブラウン神父の復活」がイチ推しで、何を書いてもネタバレになりそうなので詳細は書けませんがとてつもない怪作です。他にも大胆な仕掛けやどんでん返しの作品がずらりと並んでいます。 | |||
| No.1687 | 6点 | ガーデン殺人事件- S・S・ヴァン・ダイン | 2016/09/07 11:45 |
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| (ネタバレなしです) 1935年発表のファイロ・ヴァンスシリーズ第9作の本格派推理小説です。青い車さんのご講評でも紹介されていますように序盤の競馬場面(ちゃんと出馬表が添付されています)がなかなか印象的で、当時の米国の上流社会ではこういう風に競馬を楽しむのかとちょっと社会勉強になりました。謎解きプロットもしっかりしており、自殺にみせようとする犯人のトリックを早い段階で殺人と見破るヴァンスの推理の前半から快調で、中盤で聞き慣れない化学物質が登場して理系が苦手な私はちょっと集中力がトーンダウンしたものの(笑)、最後は劇的な結末で締め括られます。往々にして饒舌な語りで他人を困惑させるヴァンスがある女性からの訴えに極めて真摯でストレートな対応をしているのも印象的でした。 | |||
| No.1686 | 6点 | 絞首台の謎- ジョン・ディクスン・カー | 2016/09/07 11:24 |
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| (ネタバレなしです) 1931年発表のアンリ・バンコランシリーズ第2作は不思議な魅力を持った本格派推理小説です。夜と霧を効果的に使うためでしょうか、舞台は前作「夜歩く」(1930年)のパリからロンドンに移っています。欠点も非常に多く、死人の運転する自動車トリックはひどいトリックだし、miniさんのご講評にもあるように霧の中に出現する絞首台の謎及び謎解きは文章説明だけではわかりにくいです。しかし幻想的怪奇的な演出に優れており、犯人逮捕場面のサスペンスも素晴らしく最後の一行も衝撃的です。結果としては雰囲気のみで勝負したような作品になっていますがこれだけ雰囲気豊かな作品はなかなかお目にかかれません。 | |||
| No.1685 | 5点 | ストライク・スリーで殺される- リチャード・ローゼン | 2016/09/07 11:01 |
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| (ネタバレなしです) TVキャスターを経験したこともある米国のリチャード・ローゼン(1949年生まれ)が1984年に発表したハーヴェイ・ブリスバーグシリーズ第1作は野球界を舞台にした本格派推理小説とハードボイルドのミックスタイプです。米国や日本では野球はよく知られているのでそれほど問題ないのかもしれませんが特に25章から26章にかけての説明は野球を知らない読者には難解過ぎると思います(それ以前に野球選手だらけの登場人物リストでげんなりするかもしれません)。推理の要素が少ないので謎解き重視の読者はお気に召さないかもしれませんがストーリーテンポは軽快で読みやすいです。 | |||
| No.1684 | 5点 | 殺人者の街角- マージェリー・アリンガム | 2016/09/06 19:29 |
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| (ネタバレなしです) 1958年発表のアルバート・キャンピオンシリーズ第16作です。場面変化に富んでおり、犯罪者の視点で描かれているシーンあり、ルーク警視やアルバート・キャンピオンが活躍するシーンあり、奇しくも犯罪者と行動を共にするはめになったある人物の冒険シーンありと色々あって退屈はしませんが、逆に主人公不在の物語のようにも感じます。ミステリーとしてのジャンル分けも難しく、アリバイを巡る推理はありますが本格派推理小説ではないし、犯罪小説でもないし、私は(消去法的に)サスペンス小説に分類しましたがあまり自信ありません。ストーリーテリングが冴えわたった読みやすい作品で、ややメロドラマじみていますが印象的な結末が用意されています。 | |||
| No.1683 | 5点 | 憎しみの巡礼- エリス・ピーターズ | 2016/09/06 19:18 |
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| (ネタバレなしです) 1984年に出版された修道士カドフェルシリーズ10作目です。時代は1141年5月、スティーブン王と女帝モードの争いは形勢が逆転してモード優勢となりスティーブン擁護派のシュルーズベリが不安を隠せない状況下で起きた事件が扱われています。懐古調になったのか「聖女の遺骨求む」(1979年)、「氷のなかの処女」(1982年)、「聖域の雀」(1983年)などのエピソードが振り返られたり、懐かしの人物が再登場しています。特に要注意なのが「聖女の遺骨求む」のミステリー部分のネタバレをしていることで、未読の人は本書より先にそちらを読んだ方がいいと思います。前半は人物関係がばらばらでまとまりの悪い物語に感じられましたが最後には一つの流れに上手くまとめています。全体としては冒険小説のジャンルに属する作品ですが、本格派としての推理場面も終盤には用意されています。 | |||