海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

nukkamさん
平均点: 5.44点 書評数: 2865件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.1605 6点 犯罪カレンダー (7月~12月)- エラリイ・クイーン 2016/08/22 00:13
(ネタバレなしです。上下巻合わせての感想です) ラジオドラマの脚本を小説化(ノヴェライゼーション)した12の短編を収録して1952年に発表された短編集で、探偵クイーンの助手役としてニッキー・ポーターが登場しています。原型であるラジオドラマは1939年から1948年にかけて放送されており、そこからセレクトして小説化するにあたり1月から12月までの各月を当てはめたようですが季節感を伴う作品になっているのは少ないです。元がラジオドラマ脚本のためかプロットがシンプルで読みやすい作品が多く、またレギュラー登場人物のキャラクターが小説世界と違っているのには違和感を覚えました(本書の方が軽目のキャラです)。トリックの再利用が気になる作品もありますが怪盗との対決が楽しめる「クリスマスと人形」、大胆な結末の「皇帝のダイス」、しっぺ返しが爆笑モノの「くすり指の秘密」あたりが個人的にはお気に入りです。

No.1604 7点 パズル- アントワーヌ・ベロ 2016/08/20 23:57
(ネタバレなしです) 米国生まれのフランス人作家アントワーヌ・ベロ(1970年生まれ)によって1998年に発表された長編ミステリー第1作は実に変わった本格派推理小説です。全体にまたがるテーマはジグソーパズルで、想像の産物とは思えぬほどパズル競技やパズル団体が詳細に描かれています。作品世界だけでなく作品形態にまでパズル要素を織り込んでおり、「謎」というタイトルのプロローグの後に続く48章(ピース)は、パズルの断片をランダムに積み上げたかのように時系列がバラバラです。実は作者はこの48のピースを1冊の形に製本せずにバラバラな状態で箱に入れて販売したかったらしく、小説としての伝統だけでなく本としての伝統までもぶち壊そうとしたのですから恐れ入ります(製作費が高くなり過ぎるので本になりましたが)。48のピースは記事や議事録や手紙などそれぞれが完結した形になっているものが多いので意外と読みやすいですが、頭の整理のために登場人物リストぐらいは作りながら読んだ方がいいと思います。解決編ではちゃんと推理による謎解きがありますがここでも最後の一行に至るまでパズルへのこだわりが見られます。また島田荘司の「占星術殺人事件」(1981年)と読み比べるのも面白いかもしれません。

No.1603 5点 死はわがパートナー- 筑波耕一郎 2016/08/20 23:49
(ネタバレなしです) 筑波孔一郎名義で1977年発表の長編本格派推理小説の第2作です。ある理由からコンビを組むことになった男女が行方不明となった別の男女のコンビを探すという展開となりますが、手掛かりを求めて訪問した家で死体が発見されます。警察には通報せずに現場を去り、さらに捜索を続けますがまたまた新たな死体が発見されるという、前半はサスペンス小説要素の方が強い作品です。犯人についてはまあこの人しかいないだろうと早々と見当がつき、謎解きとしてはいくつかのトリックを見破るハウダニットが中心ですがどれも失敗リスクが高そうですね。おかげで残された手掛かりもたっぷりです(笑)。

No.1602 5点 水辺の通り魔- 本岡類 2016/08/20 23:24
(ネタバレなしです) 1996年発表の警察小説です。東京のウォーター・フロント地区を舞台にし、開発の波に洗われて大きく姿を変えた場所と全く変わっていない場所が混在する場所として描かれています。人物もまた生活環境の変化の中で時に方向性を見失いかけています。こういうところは社会派推理小説といってもいいのかもしれません(私はあまり社会派を読んでいないので定義については自信ありませんが)。プロットは通り魔によると思われる凶悪な殺傷事件が相次ぎ、警察が地味な捜査で犯人を探します(本格派推理小説のように読者が推理する余地はほとんどありません)。友人が最有力容疑者となって苦悩する武田刑事も印象的ですが最終章で犯人と対峙する畠山警部補がなかなかかっこいいです。

No.1601 6点 殺人ウェディング・ベル- ウィリアム・L・デアンドリア 2016/08/19 15:30
(ネタバレなしです) 1983年に発表されたマット・コブシリーズ第3作の本書はこれまでの作品と比べてテレビ業界人としてのマットがそれほど描かれていないため物語としては非常にわかりやすくなっています。登場人物も多すぎず少なすぎず、謎解きの手掛かりもしっかり与えられていますのでこれから本格派推理小説を読んでみようという読者にはアイザック・アシモフの「ABAの殺人」(1976年)と共に入門編としてお勧めできます。逆にミステリーを読み慣れている読者には目新しい点がないので物足りなく感じるかもしれませんが。

No.1600 5点 七つの時計- アガサ・クリスティー 2016/08/19 15:14
(ネタバレなしです) 1929年発表の本書は「チムニーズ館の秘密」(1925年)の続編にあたる作品で、バトル警視をはじめ何人かの登場人物が共通していますので(前作とは独立した物語ですが)できれば前作を読んでからこちらに取り掛かるのを勧めます。スパイ・スリラー小説に属する作品ですが本格派推理小説の要素も十分に持っており、謎の組織「セブン・ダイヤルズ」の実体解明と殺人犯探しの両方でクライマックスが用意されています。ケイタラム卿親子が実に楽しいキャラクターぶりを発揮しています。

No.1599 6点 髑髏城- ジョン・ディクスン・カー 2016/08/19 14:54
(ネタバレなしです) 1931年発表のバンコランシリーズ第3作はライン河にそびえる古城、その名も髑髏城を舞台にした怪事件を扱い、ドイツの名探偵フォン・アルンハイム男爵との探偵競争を織り込んだ本格派推理小説です。この設定の妙だけでもどんな物語になるのだろうとわくわくする本格派好き読者も少なくないと思いますが、「夜歩く」(1930年)や「絞首台の謎」(1931年)と比べると謎を盛り上げる演出が弱く謎解きも意外と小ぢんまりした印象を受けます。二階堂黎人が「人狼城の恐怖」(1998年)を、加賀美雅之が「双月城の惨劇」(2002年)を書いたのは本書に微妙な物足りなさを感じてもっと舞台設定を活かした派手な作品を自分で書いてみようとしたのではと推測したくなります。私は本書を先に読んでそこそこ楽しめたのですが、二階堂作品や加賀美作品を先に読んでから本書を読んだ読者には凡作に映ってしまうかもしれません。

No.1598 4点 猫はブラームスを演奏する- リリアン・J・ブラウン 2016/08/19 14:11
(ネタバレなしです) シャム猫ココシリーズ前作の「猫は殺しをかぎつける」が1986年出版ながら書かれたのは1960年代だったのに対して、シリーズ第5作となる1987年発表の本書は恐らく正真正銘1980年代に執筆されたと思われます。そのためかどうかわかりませんがクィラランにとって人生の転換期ともいえる出来事が用意していますのでシリーズファン読者には重要作でしょう。もっともミステリーとしては残念ながら以前の作品からの改善は見られなかったです(笑)。日常生活的な謎解き(野生動物の仕業だったとか)が中心になっていてなかなか殺人事件が発生しない展開も少々ダレ気味です。初めての土地で戸惑っているクィラランはよく描けています。

No.1597 6点 毒を食らわば- ドロシー・L・セイヤーズ 2016/08/19 14:04
(ネタバレなしです) 1930年発表のピーター・ウィムジー卿シリーズ第5作はハリエット・ヴェイン初登場にピーター卿の妹メアリのロマンスまで描かれるシリーズ重要作の本格派推理小説です。ハリエットと元恋人のフィリップが同棲関係にあったという設定は当時の作品としてはなかなか大胆、アガサ・クリスティーの作品世界では絶対にこんな不健全なことありえない(笑)。ミステリーとしては専門的知識の必要なトリックが難点かな。ピーター卿が犯人を追い詰める場面はなかなかの緊迫感、でもどこかユーモラスですね。「不自然な死」(1927年)に登場したクリンプスン嬢が本書でも活躍していますがこれまたユーモアに満ち溢れた描写です。

No.1596 5点 白い僧院の殺人- カーター・ディクスン 2016/08/18 19:01
(ネタバレなしです) 1934年発表のH・M卿シリーズ第2作の本書は「足跡のない殺人」の古典作品として大変有名な本格派推理小説です。2度に渡って登場人物(容疑者でもあります)が足跡トリックに挑戦していますが単なる思いつきでなくちゃんと手掛かりに基づく推理を披露しています。H・M卿の謎解き説明でも「おお、そんなところに伏線が!」と結構「やられた感」を味わえました。というわけで相当力の入った作品だとは思いますが残念なのはかなり読みにくいです。人物関係の整理があまりできていない(個性もない)、場面転換が唐突で混乱しやすい、現場見取り図も付いていないなどでせっかくのどんでん返しも効果半減になってしまったように感じます。

No.1595 7点 ギリシャ棺の秘密- エラリイ・クイーン 2016/08/18 18:37
(ネタバレなしです) 1932年発表の本書は書かれた順番ではシリーズ第4作になりますが、小説世界では大学を卒業したばかりのエラリー・クイーンが初めて手掛けた事件ということになっています。なぜエラリーが病的なまでに秘密主義で完璧主義なのかが本書を読むとよくわかります。でも個人的には全く共感できませんでしたけど(笑)。緻密で重厚、しかもクイーン作品中最大ボリュームの物語なので読みにくさも相当ですがどんでん返しの謎解きを堪能できました。余談ですがボツになったエラリー最初の推理が個人的には結構気に入ってます。

No.1594 5点 悪意の傷跡- ルース・レンデル 2016/08/18 18:32
(ネタバレなしです) ウェクスフォードシリーズ前作の「聖なる森」(1997年)も登場人物の多さに驚きましたが1999年発表のシリーズ第18作の本書はそれを上回り、ハヤカワポケットブック版で4ページにまたがる登場人物リストには60人以上が並んでいます。どこまで続くんだ、この拡大路線(笑)。本書は国内ミステリーなら社会派推理小説と評価されてもおかしくない内容で、ある社会問題に対する無力を感じて悩むウェクスフォードが描かれていたりしているのが新鮮です。本格派推理小説としての謎解きはようやく後半になってお義理に挿入されたような感じでした(私は偏執的に本格派を求めている読者なのでお義理だろうと何だろうと推理による謎解きがあるかないかは大きな違いですけど)。

No.1593 5点 迷宮課事件簿Ⅰ- ロイ・ヴィカーズ 2016/08/18 18:19
(ネタバレなしです) 英国のロイ・ヴィカーズ(1888-1965)は1920年代からミステリーを発表していますが60作を越えるとされる長編のほとんどは現在ではあまり評価されず、短編作品に存在価値があるとされています。迷宮課シリーズはその代表とされていますが1930年代に発表された当初はそれほどの反響を得られず、エラリー・クイーンが注目したことによってようやく陽の目を見たそうです。フリーマンの倒叙ミステリーの伝統を引き継いだ作品とされていますが、miniさんや空さんのご講評で的確に指摘されているようにフリーマン型倒叙推理小説とは微妙に異なるように思います。1949年に10作を収めて短編集としてまとめられた際にクイーンが寄せた序文の紹介にもあるように、フリーマンの作品に比べて推理色が薄く探偵役としての迷宮課(主にレイスン警部)も個性がなく、さりとて犯人が最後まで主役を演じる犯罪小説でもなく、どこか中途半端な印象を受けます。個人的なお勧めは犯行に至るまでの人間関係の変容を描いた「オックスフォード街のカウボーイ」と「黄色いジャンパー」です。

No.1592 7点 クリスマス・プディングの冒険- アガサ・クリスティー 2016/08/18 18:08
(ネタバレなしです) いつの頃からはわかりませんが本国(英国)では「クリスマスにクリスティーを」という洒落たキャッチフレーズでクリスティーの新作を販売促進していたそうですが1960年に発表された本書はまさにこの宣伝文句にふさわしい短編集です。1920年代から1940年代にかけて書かれた作品(一部はリメイクされてますが)を寄せ集めたに過ぎず、しかもポアロ作品5作とミス・マ-プル作品1作というのは短編集としてはバランスが微妙に悪いように思います。とはいえなかなか充実した作品が揃っており、特に「スペイン櫃の秘密」は短編とは思えぬ深みのある物語で作者が自画自賛したのも納得の名作だと思います。謎解きは他愛ないですが「クリスマス・プディングの冒険」はクリスマスの雰囲気描写が見事だし、ちょっとオカルト・ミステリー風な「夢」も面白かったです。

No.1591 4点 三角形の第四辺- エラリイ・クイーン 2016/08/17 15:18
(ネタバレなしです) 1965年発表のエラリー・クイーンシリーズ第27作で、「第八の日」(1964年)を代作したSF作家のエイヴラム・デイヴィッドスン(1923-1993)が書いたとされる本格派推理小説です。「第八の日」が時代は現代ながらも一般社会とは異なる社会を描いていたところがSF作家らしい発想だと思いましたが、本書はそういう意味では普通の作品です。マッケイ家の家族のきずなに影を落とした人物が殺され、殺人容疑がマッケイ家の人々の間を転々とするプロットです。全く無駄のない展開で終盤までなかなか読ませます。問題は結末であまりにもお粗末です。最初の推理説明もそれほど魅力的ではありませんが読者に全く提示されていなかった手掛かりでのどんでん返しには更にがっかりしました。

No.1590 6点 夜歩く- ジョン・ディクスン・カー 2016/08/17 14:26
(ネタバレなしです) 米国のジョン・ディクスン・カー(1906-1977)は不可能犯罪トリック、オカルト趣味、強烈なユーモア、歴史ロマンなど沢山の引き出しを持っていて今なお本格派推理小説家に強い影響を与えている巨匠中の巨匠です。米国人といってもヨーロッパに長く滞在し、ヨーロッパを舞台にした作品が多いためか同時代のヴァン・ダインやエラリー・クイーンの(当時としては)モダンなスタイルとは対照的に古きロマンのようなものを感じさせます。1920年代に限定出版された中短編もありますが1930年に発表された本書が実質的にはデビュー作にあたります。早速密室殺人事件が扱われており、トリックは偶然に頼ったようなところがありますが暗い幻想性に満ち溢れた独特な雰囲気がなかなか個性的です。多くの方々が粗削りだけどカーらしさは十分に発揮されているとご講評されていますが私も賛同します。

No.1589 5点 フレンチ警部と紫色の鎌- F・W・クロフツ 2016/08/17 13:58
(ネタバレなしです) 1929年発表のフレンチシリーズ第5作ですが本格派推理小説でなくスリラー小説に属する異色作です。映画館の切符売り子が事件に巻き込まれるのですが物語はフレンチ警部の捜査活動が中心になって描かれていることが本書の特徴であり、異色作と言っても他のシリーズ作品と共通部分も多いです。謎めいた話から驚きの進展を見せる序盤はなかなかサスペンスに富みますが、その後はいつものクロフツらしくじっくり丹念な展開になりますのでスリラー小説としてはやや中途半端な印象も受けます。最後は派手な大捕り物で締めくくられますが結局フレンチは活躍しているようで活躍していなかったような...(笑)。

No.1588 6点 シャーロック・ホームズ最後の挨拶- アーサー・コナン・ドイル 2016/08/17 13:09
(ネタバレなしです) これまでのホームズ短編集は基本的に1年間に集中的に書かれた作品をまとめたものですが、第一次世界大戦の影響があるのかドイルの熱意が薄れたのかよくわかりませんが執筆ペースが極端に遅くなり、1917年発表の第4短編集の本書に収録された短編は1908年から1917年の長い間にぽつりぽつりと書かれた作品です。また「ボール箱」(1893年)という短編は本来は「シャーロック・ホームズの回想」(1893年)に収められるはずなのがドイルが禁じたため本書でようやく陽の目を見ています(厳密には米国版の「シャーロック・ホームズの回想」の初版にも収められましたがドイルが抗議して2版からは除外されました)。ミステリー的には目新しいものはありませんが「瀕死の探偵」や「最後の挨拶」などはかなりの異色作として印象に残ります。

No.1587 5点 殺人者は道化師- 梶龍雄 2016/08/17 11:39
(ネタバレなしです) 作者晩年の1989年に発表された短編集で、収められた7作品全てで探偵役が本名不詳の妖艶なリラ夫人、助手役がパックちゃんという少女です。パックという名前がシェークスピア作品の妖精名に由来しているからでしょうか、廣済堂ブルーブックス版の表紙には「痛快マジカル・ミステリー」という奇妙な宣伝文句が入っていますが別に魔法とか超能力とかは登場しません。短編なので描写はあっさりながらベッドシーンが随所で挿入されて通俗色がありますが本格派推理小説のツボは押さえていて、どの作品も推理による解決で締め括ります。表題作の「殺人者は道化師」などはかなり論理的に犯人を絞り込んでいます。リラ夫人は事件に巻き込まれて困っている依頼者(女性限定)を無報酬で助けるというスタンスですが、その裏でちゃっかり(多くは違法な手段で)稼いでいるところがモーリス・ルブランの「バーネット探偵社」(1928年)を連想させます。

No.1586 5点 殺人の詩学- アマンダ・クロス 2016/08/16 15:28
(ネタバレなしです) 1970年発表のケイト・ファンスラーシリーズ第3作で、フェミニズム(男女平等主義)をまだそれほど前面に出していない分、一般受けしやすい本格派推理小説になっています。とはいえ(訳のせいかもしれませんが)ついに結婚を決意したケイトとリードの会話ぐらいはもう少し情感をこめてもいいのではと思いますが(ちょっとドライ過ぎです)。ミステリー的には犯人のちょっとしたミスに気づくという古典的な探偵法は気が利いていますが決定的手掛かりが足りないように思えます。前作と同じく名探偵役はケイトでなくリードが務めているのも微妙に物足りません。

キーワードから探す
nukkamさん
ひとこと
ミステリーを読むようになったのは1970年代後半から。読むのはほとんど本格派一筋で、アガサ・クリスティーとジョン・ディクスン・カーは今でも別格の存在です。
好きな作家
アガサ・クリスティー、ジョン・ディクスン・カー、E・S・ガードナー、D・M・ディヴ...
採点傾向
平均点: 5.44点   採点数: 2865件
採点の多い作家(TOP10)
E・S・ガードナー(82)
アガサ・クリスティー(57)
ジョン・ディクスン・カー(44)
エラリイ・クイーン(43)
F・W・クロフツ(32)
A・A・フェア(28)
レックス・スタウト(27)
ローラ・チャイルズ(26)
カーター・ディクスン(24)
横溝正史(23)