皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
nukkamさん |
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平均点: 5.44点 | 書評数: 2849件 |
No.23 | 5点 | 緋文字- エラリイ・クイーン | 2016/08/01 01:20 |
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(ネタバレなしです) 1953年発表のエラリー・クイーンシリーズ第23作はユニークな趣向が多い異色作で、このユニークさがどこまで受け容れられるかで読者を選びそうな作品です。まずエラリーの助手としてニッキー・ポーターが登場しています。彼女は映画やラジオドラマの脚本を小説化した中短編に何度も登場していてその代表作は本書と同年に単行本化された「犯罪カレンダー」(1953年)ですが、全く別人のような描写にびっくりします。また事件がなかなか発生しません。エラリーとニッキーの浮気調査が延々と続くプロットです。いつどこでカタストロフィーを迎えるかわからない不安がサスペンスを持続させ、陰鬱なムードに拍車をかけています。かなり後半になってようやく事件が起きるのですが犯人当ての謎解きは放棄されています。事件の背後にある秘密をエラリーが推理で明らかにするのですが、この謎を解いてみよという形で明確に提示された謎ではなかったのでああそんなところに秘密があったのねというのが私の読後感でした。 |
No.22 | 7点 | スペイン岬の秘密- エラリイ・クイーン | 2016/07/31 01:15 |
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(ネタバレなしです) 1935年発表の国名シリーズ第9作でシリーズ最終作となった作品です。お約束ごとの「読者への挑戦状」ももちろん付いています。ネタバレになるので詳しく書けませんが前作「チャイナ・オレンジの秘密」(1934年)での「被害者の名前を明かさずに謎を解く」と同じぐらい珍しい趣向を織り込んだ意欲作です。「マントだけ身にまとった全裸死体」という魅力的な謎も印象的ですが偶然の要素で謎が深まっている点はちょっと減点でしょうか(全裸にしなくても何とかなったような気もしますし)。でも動機調査については国名シリーズの中でもかなり丁寧に描かれているのはポイント高いです。できれば現場見取り図が欲しいところですが国名シリーズでは私のお気に入りの1冊です。 |
No.21 | 5点 | 恐怖の研究- エラリイ・クイーン | 2016/07/30 06:24 |
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(ネタバレなしです) 1966年発表のエラリー・クイーンシリーズ第28作はクイーン単独執筆作ではありません。シャーロック・ホームズ映画(1965年)の脚本をSF作家のポール・W・フェアマン(1916-1977)が小説化し、さらにクイーンが探偵クイーン登場場面を加筆して完成させた作品だそうです。私にとっては実在の犯罪者である切り裂きジャックを初めて知ったのが本書ということでそれなりの思い出のある作品です。物語の大半が「医学博士ジョン・ワトソンの記録」で占められています。冒険スリラー風な展開でサスペンス豊かですがあまり本格派推理小説らしさは感じられません。もっともコナン・ドイルによるオリジナルのホームズシリーズにもそういう作品はありますからそれほど違和感はありません。活動的なホームズに対してエラリー・クイーンの方はエームズ3世との漫談風場面や記録を読む場面ばかりでほとんどぐうたら探偵です(笑)。クイーン場面は無理に後づけされたという印象は拭えないものの最後を本格派推理小説として締めくくることには貢献しています。 |
No.20 | 7点 | 中途の家- エラリイ・クイーン | 2016/07/29 08:40 |
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(ネタバレなしです) 国名シリーズの最終作「スペイン岬の秘密」(1935年)に次いで1936年に発表された本書から「ドラゴンの歯」(1939年)に至る5作品はクイーンの第二期作品と位置づけられています(もちろん異説もあります)。もっともこの第二期の5作品は作風的に共通部分は意外と少なく、例えば本書と探偵エラリーが女性にメロメロ状態になっている「ハートの4」(1938年)では全く雰囲気が違います。どうもこの第二期はパズル・ストーリーの書き手として壁にぶちあたったクイーンが新たな作風開拓のために色々試行錯誤していた時期と言えそうです。さて本書の感想ですが人物描写が類型的ながらも人間ドラマを意識したようなところに新たな工夫を感じさせます。その一方で国名シリーズでの論理的な謎解きへのこだわりもまだ健在で「読者への挑戦状」も用意されています。過渡期の作品というとどうも半端な印象を与えそうなので国名シリーズスタイルに新たな工夫を加えた作品と誉めておきましょう(笑)。 |
No.19 | 4点 | クイーン検察局- エラリイ・クイーン | 2016/05/18 13:05 |
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(ネタバレなしです) 1955年発表のエラリー・クイーンシリーズ第4短編集ですが、収められた18作の内17作はショート・ショートです。そのためトリックや手掛かりの一発勝負的作品が多いのはやむを得ないところで、出来不出来のばらつきも大きいです。英語力や専門知識や日本人になじみのないアメリカの日常生活ネタがからむ作品は感銘しませんが、「七月の雪つぶて」(不可能犯罪トリックは感心しませんがスケールの大きいプロットが面白い)、「あなたのお金を倍に」(トリックの必要性が全く感じられませんがストーリーの切れ味は文句ありません)、「消えた子供」(短いページで誘拐と家族ドラマをうまく処理しています)などはそこそこ面白かったです。そして唯一の短編である「ライツヴィルの盗賊」、これは論理的推理がしっかりしていてよかってです。 |
No.18 | 10点 | フォックス家の殺人- エラリイ・クイーン | 2016/05/16 02:14 |
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(ネタバレなしです) 1945年に発表された本書は、架空の町ライツヴィルを舞台にした作品としては「災厄の町」(1942年)に続く作品で、内容的にも互角の傑作です(エラリー・クイーンシリーズ第17作)。有罪判決が出て一応の解決を見た事件をエラリーが再調査するというプロットはアガサ・クリスティーの名作「五匹の子豚」(1943年)を髣髴させます。登場人物がよく描けていてホームドラマとしても大変良くできていますし、事件の真相についてのクイーンの推理もお見事としか言いようがなく、鮮やかなどんでん返しから粋な終わり方に至るまでの展開には文句のつけようもありません。本書以降のクイーンは本格派推理小説としての水準が大きく落ちてしまい、しかも他人による代作もいくつかあるなど個人的にはクイーンは「残念ながら本書で一流作家時代は終わってしまった」と思っています。 |
No.17 | 6点 | 熱く冷たいアリバイ- エラリイ・クイーン | 2016/05/01 21:54 |
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(ネタバレないです) 米国のフレッチャー・フローラ(1914-1968)はエラリー・クイーン名義での代作3冊を含めても長編ミステリー作品は10作に満たず、短編ミステリーの方は130作を超しています(非ミステリーの通俗小説なども書いているようです)。ミステリー作品は犯罪小説やハードボイルドが多いようですが、1964年にエラリー・クイーン名義で発表した本書は本格派推理小説です(探偵クイーンは登場しません)。原書房版の巻末解説で「思いつきがたまたま的中しただけであって、推理とほど遠い」部分は確かにありますが謎解き伏線はそれなりに張ってありますし、弱点を補ってあまりあるのが登場人物の内面描写と人間ドラマで、少々通俗的ではあるものの味気のないパズル・ストーリーに留まってはいません。アンソニー・バウチャーやF・M・ネヴィンズが好意的に評価したのも納得です。 |
No.16 | 6点 | 青の殺人- エラリイ・クイーン | 2015/12/27 00:49 |
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(ネタバレなしです) エラリー・クイーン名義で1972年に発表されたマイカ・マッコールシリーズ第3作です。真正のクイーンであるフレデリック・ダネイとマンフレッド・リーのコンビではなくゴーストライターによる作品ですが、本書のライターは短編ミステリーの名手として名高いエドワード・D・ホックであることが注目に値します(ちなみに他のマイカ・マッコールシリーズは別の作家による代作です)。ホックらしくないのは(クイーンらしくもありませんが)ハードボイルド要素が強いことです。濃厚な描写ではありませんが暴力シーンやベッドシーンもあります。とはいえ最後は本格派推理小説としてきちんと推理で犯人を見つけており(巧妙に張られた伏線があります)、「謎解き」ハードボイルドと分類できそうな出来栄えです。 |
No.15 | 6点 | チェスプレイヤーの密室- エラリイ・クイーン | 2015/11/10 14:18 |
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(ネタバレなしです) 1960年代から1970年代前半にかけて他の作家がエラリー・クイーン名義で書いたミステリーは30作近くもあり、真正のクイーンであるフレデリック・ダネイとマンフレッド・リーの承認を得ていることから偽作というレッテルこそ貼られてはいませんが、ハードボイルドや犯罪小説といった従来のクイーンのイメージと合わない作品があることもあってクイーンの熱心なファンでもそこまで手を伸ばそうという読者はまだ多くないようです。クイーン名義で3作品を書いたSF作家のジャック・ヴァンス(1916-2013)が1965年に発表した本書は、それらの中では最も真正のクイーン作品に近いと高い評価を得ている本格派推理小説です。ハードボイルドほどではないにしろ、どこか冷めた雰囲気があって謎解きも微妙に盛り上がりませんが最後はサスペンスが増加して、密室トリックがなかなか印象的でした。ヒロイン役のアンは他人と(家族とも)距離を置くような描写が多く、読者が共感を抱きにくいキャラクターではないでしょうか。だから最後の方で「かわいそうなお父さん」としんみりしているのを見ても「へえ、そういう感情もあったの」とこちらもドライな感覚で受け止めました。 |
No.14 | 10点 | 災厄の町- エラリイ・クイーン | 2015/10/17 10:01 |
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(ネタバレなしです) 「ドラゴンの歯」(1939年)から久しぶりの1942年に発表されたエラリー・クイーンシリーズ第15作です。国名シリーズともハリウッドシリーズとも違う作風となっています。様々な伏線や手掛かりを論理的に考証して犯人を指摘するクイーン得意の本格派推理小説ではありますが、登場人物の人間性を丁寧に描写して物語としての深みを増しています。その効果は見事なもので、全体としては地味なのですが全く退屈しません。地味と言っても中盤の法廷シーンは十分に劇的で、これまた出色の出来栄えです。エラリー自身も単なる謎解き探偵でなく、ごく限られた人物にだけ真相を説明するなど人情を感じさせます。文句なく中期の傑作でしょう。 |
No.13 | 5点 | エジプト十字架の秘密- エラリイ・クイーン | 2015/08/28 23:21 |
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(ネタバレなしです) 1932年発表の国名シリーズ第5作の本格派推理小説です。派手な趣向の連続殺人にスリリングな犯人追跡、そして鮮やかな推理(もちろん「読者への挑戦状」が付いています)とくれば本書が国名シリーズ中屈指の人気作だというのも理解できるのですが、個人的にはいまひとつでした。というのはかなり分厚い作品なのですがその割には重要な謎解き手掛かりが少なくて、無駄に物語が長過ぎるという印象が拭えませんでした。ただ最後の一行では思わぬ作者のユーモアの冴えに接することができて後味は非常によろしかったです(笑)。 |
No.12 | 7点 | ドラゴンの歯- エラリイ・クイーン | 2015/08/08 12:42 |
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(ネタバレなしです) 1939年発表のエラリー・クイーンシリーズ第14作の本書は前作の「ハートの4」(1938年)に続く作品ですが、舞台はハリウッドから懐かしのニューヨークへと戻っています。ですが内容的にはハリウッドものの延長線上にあるといってもおかしくない、波乱万丈の物語です。女の対決あり、危機一髪からの脱出劇あり、甘ったるいロマンスありと映画向きのシーンが満載です(実際に本書は映画化されています。但しストーリーは大幅改訂されたそうですが)。評論家にはどちらかといえば不評の作品ですが個人的には十分楽しめた本格派推理小説でした。完璧と思われた推理がたった一人の証人によって覆されてしまう第19章が特に印象的です。ところで本書のタイトルの意味は何なんでしょう?ギリシャ神話に「ドラゴンの歯を地面に撒いたところ、武装兵士が生まれてきた」というエピソードがあったように記憶していますが、それと関係あるのでしょうか?私にとっては未だ解けない謎です。 |
No.11 | 7点 | 靴に棲む老婆- エラリイ・クイーン | 2015/06/21 23:47 |
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(ネタバレなしです) 作者は作風を色々変えたことで有名ですがそれにしても1943年発表のシリーズ第16作の本書の前後に「災厄の町」(1942年)と「フォックス家の殺人」(1945年)が書かれているのは驚きです。というかこの時期の作品では本書が異色の存在というべきかもしれません。シリアスな人間ドラマを展開した前後作に対して本書は歪んだユーモアと軽妙さを特色としており、作品全体が浮世離れしているような印象を受けます。しかしながら本格派推理小説としての謎解きはしっかり作られており、十分に傑作だと思います。 |
No.10 | 4点 | 第八の日- エラリイ・クイーン | 2015/03/17 16:40 |
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(ネタバレなしです) 1960年代のクイーン名義の作品は大半がゴーストライターによる代作だそうですが、1964年発表のエラリー・クイーンシリーズ第26作の本書もその一つです。異世界といってもいいような風変わりな舞台が用意されており、まさに「不思議の国のエラリー・クイーン」といった趣きです。但しファンタジー小説のような明るい幻想性はありませんが。主要人物は名前ではなく「跡継ぎ」とか「教師」とか職業や社会的地位で呼ばれており、そのためハヤカワ文庫版の登場人物リストは全く意味を成していませんがこれはやむを得ないでしょう。一応は本格派推理小説の形式に沿っていますが謎解きは平凡で、特殊な舞台とその中で外部からの訪問者であるエラリーが果たす役割などに見るべきところがあるように思えます。独特の世界を描いたことが評価されたのか一部の読者からは高く支持されているようですが、ここまで異色だとさすがにクイーン入門書としてはお勧めできません。 |
No.9 | 4点 | 間違いの悲劇- エラリイ・クイーン | 2014/10/22 18:59 |
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(ネタバレなしです) 作者の死後の1999年に発表されており、それまで単行本化されなかった中短編が収めたものです。珍しいのは「間違いの悲劇」で、これは小説ではなくシノプシス(梗概)です(粗筋みたいなものでしょうか)。こんな未完成品まで出版されるのはさすが巨匠ならではですね。とはいえ(創元推理文庫版で)80ページを越えており、しっかり結末まで書かれています。しかも推理が結構丁寧で、もしこれが長編本格派推理小説として完成していれば後期作品の中ではかなりの出来映えになったのではと思われます。エラリーの登場しない中編「動機」は推理はやや粗いですがサスペンスに優れています。短編「結婚記念日」(米版では未収録)とショート・ショート5作は平凡です。残り物の寄せ集め的であることは否定できず、クイーンの熱烈なファン以外は読まなくても問題ないかなと思います。 |
No.8 | 6点 | チャイナ蜜柑の秘密- エラリイ・クイーン | 2014/08/28 11:35 |
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(ネタバレなしです) 発表当時はかなり激賞され、作者も出来栄えに自信を持っていたらしい1934年発表の国名シリーズ第8作の本格派推理小説です。シリーズ前作の「シャム双生児の秘密」(1933年)では使わなかった「読者への挑戦状」が本書では復活しています。「あべこべ」の謎がクイーンの作品としてはかなり派手で、それと大胆なトリックが評価が高い理由でしょうね。(名無しの)被害者の素性をメインの謎の一つとして最後まで引っ張っているのも異色です(後年のパット・マガーの「被害者を探せ!」(1946年)とは趣向が異なる謎です)。一方でミステリーに読みなれている読者からは厳しく評価されることも珍しくありません。「あべこべ」にした理由は一般的な日本の読者には推理しづらい理由だし、もっと他にやり方はないのかと突っ込みを入れたいところもあるでしょう。成否の評価は別としてクイーンとしては新しい試みに取り組んだとは言えると思います。映画化もされたそうですがこれはちょっと見てみたかったですね。 |
No.7 | 10点 | Yの悲劇- エラリイ・クイーン | 2012/01/26 17:49 |
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(ネタバレなしです) 1932年発表のドルリー・レーン4部作の第2作で「Xの悲劇」(1932年)と常に最高傑作の座を争っている本格派推理小説です。純粋な謎解き作品としてなら「Xの悲劇」がお勧めでしょう。一方本書も謎解きレベルでは遜色ない上に、事件の悲劇性の演出が見事です。とはいえこの結末をどう評価するかで意見が分かれそうです。「Xの悲劇」は最も万人受けして平均的に高得点を稼ぐ傑作、本書は気に入らない読者もいるかもしれませんが最高評価を多く集める傑作と言えるのでは。 |
No.6 | 10点 | Xの悲劇- エラリイ・クイーン | 2011/09/04 15:07 |
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(ネタバレなしです) 発表当時は覆面作家だったエラリー・クイーンがバーナビー・ロスという別名義で1932年に発表したドルリー・レーン四部作の第1作である本格派推理小説です。文章には無駄も不足もなくプロット構成もすっきりして非常に読みやすくてクイーン名義の作品(同時期の国名シリーズ)とは全く雰囲気が違っており、クイーンとロスが同一作家と見破られなかったのももっともです。「Yの悲劇」(1932年)と最高傑作の座を常に争っていまる傑作ですが名探偵の華麗なる推理を純粋に楽しみたい読者にはこちらを推奨します。まあこの比較は山と海とどちらが好きなのかを比べるようなもので、どちらも本格派推理小説の最高峰的存在であることに間違いありません。 |
No.5 | 3点 | 十日間の不思議- エラリイ・クイーン | 2010/10/19 19:10 |
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(ネタバレなしです) 1948年発表のエラリー・クイーンシリーズ第18作です。ハヤカワ文庫版の巻末解説はあの鮎川哲也ですが、本書の謎解きについてかなり辛口な評価です(犯人名をばらしているので事前には読まない方がいいです)。明らかにこれは国名シリーズやドルリー・レーンシリーズなどの論理的で緻密な推理を期待しての評価ですね(そういう期待は残念ながら裏切られます)。本書の擁護派は(探偵クイーンも含めて)丁寧な内面描写や重苦しさを残す締めくくりなど小説としての部分を高く評価するでしょう。個人的にはやはりミステリーである以上、ちゃんとした謎解きであってほしいので鮎川の意見を支持します。 |
No.4 | 3点 | ハートの4- エラリイ・クイーン | 2010/07/09 10:54 |
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(ネタバレなしです) 1938年発表のエラリー・クイーンシリーズ第13作では「悪魔の報酬」(1938年)の続編にあたる作品で(前作ネタバレはありません)、ハリウッドを舞台にしたユーモア本格派推理小説です。前作以上にどたばたやロマンスが派手になっており、なるほど私のイメージするハリウッドらしさも十分に堪能できました。しかし「悪魔の報酬」では論理的推理による謎解きもしっかりできていたのに本書はどたばた描写ばかりが目立ちすぎて推理の説得力が弱く感じられます。 |