皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
nukkamさん |
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平均点: 5.44点 | 書評数: 2814件 |
No.834 | 5点 | クッキング・ママの召喚状- ダイアン・デヴィッドソン | 2015/10/16 13:01 |
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(ネタバレなしです) 1995年発表のゴルディシリーズ第5作でダイエット料理のレシピが満載、ミステリー内容は度外視してそちらに注目する読者がいるかも(笑)。今回はゴルディの助手ジュリアンが恋人を殺されて落ち込み、それを救おうとするゴルディの焦りがくどいぐらいに描かれ、もうヒステリー寸前。個人的にはこのシリーズはコージー派に分類するには雰囲気が暗すぎる気がします。プロットは複雑で、ぎりぎりまで犯人を絞らせない展開はいいのですけど動機に絡む手掛かりが土壇場まで隠されているため解決が場当たり的に感じます。 |
No.833 | 5点 | 密偵ファルコ/一人きりの法廷- リンゼイ・デイヴィス | 2015/10/13 00:44 |
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(ネタバレなしです) 2003年発表のファルコシリーズ第15作の本書はハードボイルドでも冒険スリラーでもありませんがさりとて本格派推理小説とも言い難い作品です。法廷ミステリーではありますが古代ローマ時代の法廷だけあって近代現代の法廷とは雰囲気からして異なっており、そこが作品個性となっています。光文社文庫版の登場人物リストに載っていない重要人物が多く、プロットも複雑で結構読みにくかったです。行動派のファルコが弁論で法廷をかき回すのがユニークではありますが説明説得力という点でいまひとつで、あまり名探偵らしさを感じません。 |
No.832 | 5点 | おせっかいな殺人- ジョイス・ポーター | 2015/10/13 00:07 |
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(ネタバレなしです) 1972年発表のホン・コンおばさんシリーズ第2作です。特別な理由など何もなく、ただやることがなくて探偵を買って出る、アマチュア探偵の登場する本格派推理小説は数あれどこれほど単純かつ迷惑な探偵も珍しいです。その探偵ぶりも証拠に基づく推理などではなく思いつきの仮説で容疑者を追い回してます。女性ゆえかドーヴァー主任警部シリーズに比べるとどたばたぶりはおとなしいですけど、結構運任せで解決されているところは後年の米国コージー派に通じるところがあります。 |
No.831 | 5点 | ウーロンと仮面舞踏会の夜- ローラ・チャイルズ | 2015/10/12 23:48 |
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(ネタバレなしです) 2009年発表のお茶と探偵シリーズ第10作のコージー派ミステリーで、(巻末解説で紹介されているように)真相の意外性という点ではこれまでのシリーズ作品で上位に位置づけられると思います。しかしながら謎解き手掛かりが十分に提供されていないプロットでは意外というよりも唐突感の方が強く、本格派推理小説ファン読者の支持は集めにくいかも。セオドシアのロマンスが思わぬ雲行きになっているのが新鮮で、ストーリーにサスペンスを与えています。もっともこれまでのシリーズ作品を読んでいないと効果は半減かも。 |
No.830 | 5点 | 違いのわかる渡り鳥- クリスティン・ゴフ | 2015/10/12 23:31 |
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(ネタバレなしです) 2001年発表の本書は前作の「ワタリガラスはやかまし屋」(2000年)で主役だったレイチェル・スタンホープを脇役に、脇役だったラーク・ドラモンドを主役にしたバードウォッチャー・ミステリー第2作です。謎解きに関しては前作同様、推理に物足りなさを感じますがプロットは進歩して充実しています。コーヒー業界の商売競争をかなり突っ込んだ内容にリアリティがあり、もし国内作家が書いていたら社会派推理小説と評価されたかもしれません。もっともその分コージー派らしさが後退したとも言えそうですが(数字が飛び交って意外と難解でした)。バードウォッチングが思わぬ展開を見せる後半も読み応えあります。 |
No.829 | 5点 | 最期の声- ピーター・ラヴゼイ | 2015/10/12 23:03 |
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(ネタバレなしです) 2002年発表のピーター・ダイヤモンドシリーズ第7作で、被害者がダイヤモンドの愛妻ステファニーということで読者に衝撃を与える作品です。感情を抑えて地道な捜査で犯人に少しずつ迫っていくダイヤモンドの描写で読ませます。ただ私は本格派推理小説を偏愛している読者なので、登場人物リストにマフィア、詐欺師、テロリスト、情報屋、恐喝屋、チンピラといった本格派推理小説とは相性のよくない人物がずらりと並んでいたのであまり期待しないで読んでしまいました。ちょっとした伏線はあるものの推理の要素は少なく、個人的には本格派推理小説とは言い難いと思います。 |
No.828 | 6点 | Y列車の悲劇- 阿井渉介 | 2015/10/12 22:44 |
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(ネタバレなしです) 1991年発表の列車シリーズ第6作です。寝台特急の乗客が全員消えて後には1人の死体が残されていたという謎を扱っています。走行中の列車から車両が消失する前作の「列車消失」(1990年)、駅や列車が丸ごと消えた次回作の「赤い列車の悲劇」(1991年)と比べると謎のスケール感では劣りますが、謎また謎のオンパレ-ドで読者を圧倒して退屈する余地など与えません。犯人の正体を最後まで隠すことに成功し、謎解き小説としてのまとまりでは前後作よりも上回っていると思います。 |
No.827 | 8点 | はなれわざ- クリスチアナ・ブランド | 2015/10/11 22:57 |
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(ネタバレなしです) 1955年発表の本書はコックリル警部の登場する長編としてはシリーズ第6作にして最終作となった作品です(シリーズ短編はその後も何作か書かれていますが)。ブランド全盛期の最後を飾る作品と言ってもいい本格派推理小説の逸品です。ブランドが得意とする、仮説が組み立てれは崩壊し、また新たな仮説が組み立てられていくという謎解きプロットは本書でも健在。果たして仮説は真相に近づいているのか、それともまんまと作者に誤った方向へミスリードされているのか、謎解き好き読者をいい意味で悩ませてくれます。それからコックリルが異国でのコミュニケーションに苦しむ場面ではブランドがユーモアのセンスも一流であることがわかります。コックリルと地元警察の出会いの場面やお店での事情聴取の場面は結構笑えました。 |
No.826 | 6点 | ウインター殺人事件- S・S・ヴァン・ダイン | 2015/10/11 22:35 |
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(ネタバレなしです) ヴァン・ダイン(1888-1939)の最後の作品となったファイロ・ヴァンスシリーズ第12作の本格派推理小説です(1939年出版)。中編小説に近いぐらいの短いヴォリュームですが実はまだ完成形でなく、もっと物語を肉付けしていく予定だったのが作者の死去によって最終稿の一歩手前で終わったそうです。確かにヴォリュームの割には登場人物が多過ぎで整理しきれていない感がありますが、エンディングをきちんと迎えていて謎解き小説として一応成立しています。まだ未完成ゆえかヴァンスがそれほど無駄話していないのはむしろプラス評価かも(笑)。 |
No.825 | 6点 | 修道士の頭巾- エリス・ピーターズ | 2015/10/11 22:18 |
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(ネタバレなしです) 1980年の修道士カドフェルシリーズ第3作でCWA(英国推理作家協会)のシルバー・ダガー賞を獲得した作品ですが、シリーズの中で特に突出しているとは思えません(といっても受賞がシリーズの知名度を上げたことは疑いないでしょう)。カドフェルがある理由で遠隔地に赴き、それが事件解決につながるプロットは上手い展開だと評価するか好都合すぎると評価するか悩みます。謎解きとしては特に凝った仕掛けはなく、人間ドラマを楽しむのがよいかと思います。カドフェルが第三者の立場でないのが新鮮で、周囲の目を気にしながらの探偵ぶりが面白いです。修道院のヘリバート院長の進退問題と彼の地位をねらう一派の思惑もサイドストーリーとして楽しめます。 |
No.824 | 6点 | 鬼首村の殺人- 篠田秀幸 | 2015/10/11 03:11 |
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(ネタバレなしです) 2003年発表の弥生原公彦シリーズ第6作の本格派推理小説です。シリーズ前作の「帝銀村の殺人」(2002年)では現実の犯罪の謎解きの方がウエイトが高かったような印象があり、作者もそれを気にしたのかはわかりませんが本書でも現実の犯罪(下村事件)と小説世界の犯罪の謎解きの二本立て構成ながら後者のほうに力を入れており個人的には歓迎です(下村事件の謎解きも自殺説他殺説をそれなりに丁寧に検証していますが犯人特定までは至らずすっきりしません)。ハルキノベルス版巻末の作者ノートで解説されているように横溝正史の「八つ墓村」(1949年)と「悪魔の手毬唄」(1959年)の影響を色濃く反映していますが、横溝作品を読んでいなくても十分に楽しめます。これまでのシリーズ作品では最もプロットがシンプルで読みやすく、「読者への挑戦状」の後の展開が短めなのも好印象です。真相を読んで私はマーサ・グライムズの某作品を連想しました。 |
No.823 | 6点 | 赤い館の秘密- A・A・ミルン | 2015/10/03 23:58 |
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(ネタバレなしです) 童話の「クマのプーさん」シリーズで有名な英国のアラン・アレクサンダー・ミルン(1882-1956)が1921年に書いた唯一の長編本格派推理小説(単行本化は1922年)として知られるのが本書です(ちなみに本書が書かれた時点ではまだ「クマのプーさん」は書かれていませんが)。ミルン自身が後年の自伝(1939年)の中で「多くの作家たちが多くのすぐれた探偵小説を書いている近頃では人目にもつかない作品だが、当時はそれほど競争作家がいなかったので驚くほど成功した」と振り返っています。確かにトリックは単純だし、犯人の正体も見え見えです。しかしそういった弱点を補って余りある価値があります。それはギリンガムとベヴァリーのコンビによる探偵活動です。良きかな友情、良きかな探偵、これだけ探偵活動が楽しく読める作品は今なお貴重です。ジョン・ディクスン・カーやクレイグ・ライスのように大仰な冗談やどたばた劇があるわけではないのに何とも微笑ましい雰囲気に溢れてます。こういうのを上質なユーモアというのではないでしょうか。謎づくりや謎解きの上手さでは同時代のアガサ・クリスティーに到底及びませんが、本書には本書の良さがあります。 |
No.822 | 5点 | 死への疾走- パトリック・クェンティン | 2015/10/03 22:48 |
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(ネタバレなしです) 1948年発表のダルース夫妻シリーズ第7作で(但しアイリスは全く出番なしです)英語原題は「Run To Death」と、初めてタイトルに「Puzzle」が使われなくなった作品です。そのためかは判りませんがこれまでのシリーズ作品中でも最も本格派推理小説らしさがない、いえ本書は完全にサスペンス小説というべきではないでしょうか。最初はある女性に迫り来る危機とそれを危惧するピーターという図式だったのが物語が進むとピーター自身が危険の真っ只中にいることになり、サスペンスがじわじわと盛り上がります。終盤には鮮やかなどんでん返しがありますが、前述の通り本格派推理小説ではなく推理要素がほとんどないのでそれまでの「パズル」作品に馴染んできた読者としては複雑な思いが残りました。今にして思えばクェンティンが本格派の作家からサスペンス小説の作家へと転身していく一つの軌跡だったのですね。 |
No.821 | 6点 | 午後の死- シェリイ・スミス | 2015/10/01 19:25 |
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(ネタバレなしです) 英国のシェリイ・スミス(1912-1998)は1940年代から1970年代にかけて15作ほどのミステリー作品を発表した女性作家です。本書は1953年に発表されてジュリアン・シモンズが大絶賛した本格派推理小説です。インドに向かう飛行機のトラブルで砂漠に不時着した主人公が訪れた家にいた英国人老女。彼女が語るのは若き頃に起きた悲劇の物語です。事件が中盤まで起きない上にそこに至るまでに描かれているのが家庭内のちょっとしたいざこざ程度なのでサスペンスに乏しいし、後半の推理も切れ味がなくパズルとしてはあまり出来がよくありませんが、最後のひっくり返し方がなかなかお見事。本格派の某巨匠の短編に前例があったのを思い出しましたが長編では珍しいと思います。 |
No.820 | 6点 | 自殺じゃない!- シリル・ヘアー | 2015/09/30 20:44 |
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(ネタバレなしです) よくリーガル本格派の作家と紹介される英国のシリル・ヘアー(1900-1958)は自身も法曹界に身を置き、弁護士や判事を務めていました。作品数は長編9作に短編約30作と非常に少ないです。E・S・ガードナーのように法廷シーンを盛んに描いているわけではないのですが、謎解きに法律が絡むことが多いのがリーガル本格派と呼ばれる所以でしょう。第3作である本書(1939年出版)は、自殺では保険金がおりないのにそれでも自殺するのかという、カーの「連続殺人事件」(1941年)を彷彿させるような謎でスタートしますがその後の展開はカーとは対照的で、良く言えば手堅い、悪く言えば地味な展開です。人によっては退屈に感じるかもしれません。とはいえ結末はかなり劇的だし、法律知識がなくても大丈夫な謎解きなので(リーガルではなく普通の本格派推理小説ですが)ヘアーの入門編としてお勧めです。 |
No.819 | 6点 | 死体つき会社案内- サイモン・ブレット | 2015/09/30 20:38 |
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(ネタバレなしです) 1991年発表のチャールズ・パリスシリーズ第14作の本格派推理小説で、このシリーズとしては珍しく演劇界が舞台になっておらず、チャールズは会社案内ヴィデオに出演する仕事に取り組んでいます。この作者にサラリーマン世界をちゃんと描けるのかと疑問に思ってましたが、第7章で会話されている管理職としての悩みなどには結構なるほどと思わされました。チャールズの迷走する推理や24章でのある結論(個人的にはちょっと納得しがたい結論ですが)もそれなりに印象的ですけど、一番記憶に残るのは(謎解きからはややはずれますけど)22章から23章で描かれている悲劇の方でしょう。 |
No.818 | 5点 | オフィーリアは死んだ- P・M・カールソン | 2015/09/28 21:06 |
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(ネタバレなしです) 米国の女性作家P・M・カールソン(1940年生まれ)の1985年発表のミステリーデビュー作でマギー・ライアンシリーズ第1作の本格派推理小説です。このシリーズは1980年代後半から1990年代前半にかけて集中的に発表されていますが作中時代は1960年代後半から1970年代後半にまたがった設定で、本書の作中時代は1967年だそうです。作者は働く母親を探偵役にしたミステリーを描くことを目指しており、後の作品ではマギーは2人の子供の母親として活躍するのですが本書ではまだ独身です。物語の3分の2ぐらいまで事件が起きません。事件発生の遅いミステリーはいかにしてそこまで読者の集中力を維持させるかに作者の手腕が問われますが、凶事が起きそうな雰囲気もなく中盤まで間延びしてしまった印象を受けました。殺人が起きてからは十分にミステリーらしくなりますけど。あとサンケイ文庫版のタイトルは被害者が誰になるのか予想しやすくなっているので個人的には好きではありません(英語原題は「Audition for Murder」です)。すぐに事件が起きるのなら話は別ですが、本書のように誰が殺されるかなかなかわからないプロットでこのタイトルは配慮に欠けてるように思います。 |
No.817 | 5点 | 第4の関係- 佐野洋 | 2015/09/25 15:06 |
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(ネタバレなしです) 1959年発表の長編ミステリー第3作です。各部の冒頭に作者から読者へのメッセージがあり、第四部では「第四部の第2章までお読みになれば、一応犯人の目星はつくでしょうし、動機についての心証も得るはずです」と「読者への挑戦状」風になっていて本書が本格派推理小説に分類されることは明らかです。しかし推理はほとんどが心理分析や動機の説明ばかりで証拠としての決定力は不十分にしか感じられませんでした。タイトルに使われている「第4の関係」の正体もインパクトが弱いです。 |
No.816 | 6点 | 曲がり角の死体- E・C・R・ロラック | 2015/09/25 13:58 |
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(ネタバレなしです) 1940年発表のマクドナルドシリーズ第18作の本格派推理小説です。事故車から発見された死体に始まった事件は殺害方法の謎、車の行き先の謎、複雑な人間関係と混迷の度合いを増していきます。解決に唐突感があり、最終章でマクドナルドは「捜査は行き当たりばったり」「早々とクライマックス来て、爆発が疑惑を一掃したと言ってもいい」と結果オーライのように述懐していますが、その後の真相説明では非常に丁寧に謎解き伏線を回収しています。 |
No.815 | 5点 | Yの構図- 島田荘司 | 2015/09/20 16:15 |
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(ネタバレなしです) 1986年発表の吉敷竹史シリーズ第6作の本格派推理小説です。社会派推理小説としての要素も非常に濃く、いじめ問題についてかなり深堀しています。真相はそれなりの衝撃性を持つのですが、推理の経緯説明が十分でなく唐突感が強いのがちょっと残念。なまじシリアスな内容を突き詰めたばかりに、殺人を犯すだけの覚悟が本当に犯人にあったのか却って疑問を感じてしまいました。 |