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[ コージー ]
被告人、ウィザーズ&マローン
スチュアート・パーマー&クレイグ・ライス 出版月: 2014年06月 平均: 6.50点 書評数: 2件

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論創社
2014年06月

No.2 6点 nukkam 2015/12/02 20:38
(ネタバレなしです) ユーモア本格派推理小説の人気作家であったクレイグ・ライス(1908-1957)とスチュアート・パーマー(1905-1968)はそれぞれのシリーズ探偵であるジョン・J・マローンとヒルデガード・ウィザーズを共演させた短編を共作発表しました。1950年から1963年にかけて6編が発表されており決して多くはないのですが、友人同士であったとはいえ大物作家同士の共作で両者の持ち味をバランスよく発揮していることは奇跡に近いと評価されています(1963年に短編集として出版もされました)。6編の内2編はライスの死後に書かれていますがライスのアイデアをちゃんと活かしてあるそうで、これも立派な共作と言えるでしょう。短編ながらプロットは複雑でどたばた要素もたっぷり、軽妙でありながら濃厚な作品が揃っています。個人的に好きなのは推理のしっかりしている「エヴァと3人のならず者」と異色の法廷場面のある「ウィザーズとマローン、知恵を絞る」です。

No.1 7点 kanamori 2014/06/24 22:18
米国’40〜50年代の二人の人気作家クレイグ・ライスとスチュアート・パーマーの共作による連作ミステリ。しかも二人が創造したシリーズ探偵である酔いどれ弁護士ジョン・J・マローンと、オールドミスの小学校教師ヒルデガード・ウィザーズの共演という非常に珍しい企画もの短編集で、本書は「クイーンの定員」にも選定されている。

いやあ、これは愉しい。各話ともマローンとミス・ウィザーズの掛け合いが秀逸で、読んでいるあいだニヤニヤ笑いが止まらない、クレイグ・ライス好きには堪らないドタバタ・コメディに仕上がっている。
ふたりでアイデアを出し合い、パーマーが執筆という役割のようだが、マローン弁護士ものの完璧なパスティーシュになっている上に、ミス・ウィザーズがクレイグ・ライスの作品世界に違和感なく溶け込んでいる。ジャスタス夫妻が名前だけの登場なのは残念ですが、秘書のマギーが代わりに活躍し、天使のジョーやフォン・フラナガン警部など、ライスのお馴染みのキャラクターも存在感を見せているのが嬉しい。
また、名探偵の共演という”企画ありき”の作品集に終わっておらず、マローンとウィザーズが特急列車内で出合う第1話「今宵、夢の特急で」や、法廷シーンが圧巻の「ウィザーズとマローン、知恵を絞る」などミステリ部分もなかなか充実していると思う。


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スチュアート・パーマー&クレイグ・ライス
2014年06月
被告人、ウィザーズ&マローン
平均:6.50 / 書評数:2