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mozartさん
平均点: 6.02点 書評数: 202件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.38 4点 ブラック・ショーマンと覚醒する女たち- 東野圭吾 2024/02/26 14:06
書き下ろし二編を含む全六編の短編集ということでサクッと読めました。前作に比べると全般的に「薄味」で個人的にはやや期待外れの感も否定できません。武史の変人ぶりもやや抑えられていて真世とのかけあいもイマイチだったし。できれば続編は(もしあれば)長編で読みたいところです。

No.37 6点 あなたが誰かを殺した- 東野圭吾 2023/11/08 20:36
発売日から数日遅れで図書館に予約したら18人待ちになってしまって昨日になってようやくゲットできました(一気読みしました)。図書館ではすでに予約が200人以上の待ち状態になっていてさすが紫綬褒章受章作家の人気シリーズというべきか。

で、加賀恭一郎の「○○が××を殺した」シリーズ(?)なわけですが予想に反して事件は(意外な真相も含めて)最後でちゃんと明らかにされます。それにしても相変わらず加賀はカッコイイですね。今作では「検証会」の司会&アドバイザー(?)であって、事件を直接担当する捜査官として関わっているわけではないせいか、いつもより「粘着度」は控えめでしたが。

どうでも良いことですが最初の方で登場人物の名前が漢字だったりカタカナだったりしたのは単にどういう漢字なのか知らなかった人物の視点で書かれていただけでしたが、ひょっとして叙述トリックかも?と邪推してしまいました(汗)。

(図書館に返却する前に再読したので追記)
地の文(というのかな?)の視点が何人か書き分けられていてその中には「犯人」も含まれているわけで、最初の方にちょっと疑問符が付く表現があったような…。まぁ、ギリギリセーフなのかも知れないけど。

No.36 6点 超・殺人事件―推理作家の苦悩- 東野圭吾 2023/10/25 08:19
ミステリーとしてではなくブラックジョーク(?)として楽しめました。特に最後の「超読書機械殺人事件」の「ショヒョックス」。昨今の生成AIの動向を見るにつけ「妄想」とは言えなくなっているような。流石に有名どころの文学賞の選定に(今のところ)利用されていることはないと思いますが、あるいは某書評サイトあたりには…。

No.35 5点 犯人のいない殺人の夜- 東野圭吾 2023/10/24 14:34
表題作を含む短編集(文庫)を読みました。
かつては(平成20年頃までは)乱歩賞受賞作は欠かさずにリアルタイムで読んでいたので本作者の受賞作「放課後」(昭和60年受賞)も随分昔に読んだことになります。この短編集も特に「小さな故意の物語」などはその頃の(はっきり言って「暗い」)雰囲気を思い出しました。
最近の読者のツボを押さえた作品群とは明らかにベクトルの違った感性で書かれていてちょっと読み辛かったです。

No.34 4点 透明な螺旋- 東野圭吾 2023/09/24 08:35
(かなり前に)発刊後すぐに読みました。ガリレオシリーズが好きなので期待して読み始めたのですが……。湯川の過去が明かされるわけですがこういうのはちょっと……残念な印象が強かったです。カッコウの卵もそうですが、この作者は「生まれついての能力差」なるものに何か特別な思い入れがあるのかも。

No.33 7点 ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人- 東野圭吾 2023/09/23 18:08
一気読みしました。読みやすいのですが昨今のラノベとは一線を画す軽妙さはさすがです。武史のキャラも変人タイプの名探偵としてはちょっとステレオタイプな感もありますがなかなか魅力的でした。

No.32 6点 クスノキの番人- 東野圭吾 2023/09/23 08:36
ミステリー色はほとんどなかったです。クスノキの「謎」もロジカルに解き明かされるわけではないし。ただ読ませ上手なのは相変わらずなので感動を得たいのであれば間違いない作家のいつもの作品として安心して読めます。いずれ映画化されるのでしょうが玲斗と優美の関係性が「改変」されないと良いけれど。
続編が出るらしいですがそちらも興味があります。

No.31 7点 白鳥とコウモリ- 東野圭吾 2023/07/27 15:55
感動しました。
意外な真相にたどり着くまでページを繰る手を休ませないストーリー展開はさすがに読ませ上手な東野先生の作品です。作者はどのように話を締めたら読者の感動と満足感が得られるか熟知しているんだな~、と。

No.30 5点 希望の糸- 東野圭吾 2019/09/12 20:44
加賀恭一郎シリーズ(メインキャラは松宮ですが)としては、全体的にやや「薄味」だったかな、という印象です。松宮の出生に纏わる話もそれほど感動的ではなかったし。
事件を取り巻く「糸」の中心にいた人物が、最後に真実を知った上で「それって、そんなに大事なこと?」と言い放った後、「とりあえず、今は」と付け足したのは、いずれ事件の当事者たちや松宮のように彼女も「血の繋がり」の重さを知る時が来る、ということなのかも。最後の松宮の話も含めて、結局はそれが大きな位置を占めているというストーリーになっていたし。そう考えると行延や哲彦の「糸」はどうなってしまうのかと、ちょっと気が重くなってしまいました。
全然関係ないですが、中学生に対する「脂肪が全くついていない身体」という表現に、著者も自分の腹回りを気にしているのかなと思うと、妙に「共感」してしまいました。

No.29 8点 沈黙のパレード- 東野圭吾 2018/11/02 08:38
久々のガリレオシリーズ長編でしたが、期待を裏切らない水準の作品に仕上がっていて、作者の力量に改めて感服しました。ひねりを効かせた殺害方法に対する湯川の「科学的洞察(?)」による解明などは従来通りだし、背景になった真の動機の「意外性」やページが残り少なくなってからの「どんでん返し」なども十分に楽しめました。今作でも「真夏の方程式」同様、ガリレオの「偏屈さ」が影を潜めていましたが、その理由も「容疑者Xの献身」の結末を受けてのことであると分かったのはシリーズ愛読者としても良かったと思いました。
湯川がギターを弾く場面とかフレミングの左手とかは、内海刑事の「活躍」が目立ってきたことと同様、ドラマ化ないしは映画化を意識してのことだろうと思いますが(バーでの湯川と内海のやりとりなどドラマでの福山雅治と柴咲コウそのものだし)、これもまた作者一流のファンサービスの一環であると好意的に捉えることにしました。

No.28 5点 危険なビーナス- 東野圭吾 2017/08/17 11:15
図書館で予約していたのですが、すっかり忘れた頃に貸し出し可能の連絡があって早速ゲットし、例によってすんなり読了。読みやすさは相変わらずです。色々伏線が敷かれていて最後の方でことごとく回収されていく、というパターンは同じ著者の「夢幻花」に通じるものがありますが、全体としてはかなり軽く感じました(楓のキャラ設定によるところが大きいかも知れませんが)。これはこれで悪くないのですが、「没落しつつある名家」の遺産相続問題や複雑に入り組んだ癖のある親族の存在等から、某作家の世界を著者らしくひねった展開を期待して読んでいたのでちょっと肩すかしを食らってしまいました。

No.27 4点 ラプラスの魔女- 東野圭吾 2016/11/18 18:22
相変わらず読ませ上手であることは確かです。ただ、いつものような、読者の感情に直に訴えかけてくる「あざとさ」はちょっと希薄でした。その割に、「全てを予測することのできる『超常者』であったとしても(上から目線?であったとしても)この世に無駄な個体などない」、というテーマが何とも薄っぺらく感じるのは、やはり設定に現実味がないせいでしょうか。
それにしても青江教授、地球環境学の講義をするということは「理系」だと思うのだけど、「ナビエ-ストークス」を知らなかったとは・・・(汗)。

No.26 6点 人魚の眠る家- 東野圭吾 2015/12/31 20:59
結構重いテーマだったわりには読後感がそれほど暗くならなかったのは、最後の方で「傍目には狂った母親」が実は一番真剣に娘の死と向き合っていたのだと思えたせいかも知れなせん。読み返してもじわじわと感動する作品だと思います。

No.25 6点 どちらかが彼女を殺した- 東野圭吾 2015/09/10 14:31
確かに犯人を特定する決め手にやや難があるのは事実ですが、こうした作品でも最後まで一気に読ませる作者の才能には率直に感嘆しました。

【ややネタバレ?】
自分も「隠れ左利き(字と箸は右利きだけどマウスとかは左利き)」なので、○○を××する時は全く同様の「作法」でやっているため、それほど「強引」な解釈とは思いませんでした。

No.24 4点 虚ろな十字架- 東野圭吾 2014/07/06 19:28
読ませ上手は相変わらずでしたが、イマイチ「感動モノ」としてのできばえはちょっと「?」かな。まず、発端の「事件」が(言い方が悪いかも知れないけど)意外性がないし、その後の「贖罪」というのも取って付けた感が否めないような……。「死刑」に対する問題提起も今ひとつと思います。

No.23 7点 夢幻花- 東野圭吾 2014/05/25 07:39
率直に面白かった。ある意味、見え見えの伏線が見事に回収されていくラストには正直脱帽しました。ただ、伏線とは言っても、論理的に推理できるものではないので、パズルとして楽しむものではありませんが。

No.22 8点 祈りの幕が下りる時- 東野圭吾 2013/11/24 09:54
発売日に図書館に予約を入れたものの、2ヶ月以上待たされてようやくゲット。読ませ上手はさすがで、これまでの加賀恭一郎シリーズの中でも一、二を争う「感動モノ」だと思いました。「犯罪者」達を取り巻く人間模様の描写も東野圭吾「節」満載です。手元にある内にもう一度読み返したいと思っているのですが、図書館での予約待ちが200人を超えている状況では早く返却した方が良いのかも。

No.21 7点 禁断の魔術- 東野圭吾 2012/10/15 14:31
ガリレオシリーズ8作目。前作「7」に比べ、それぞれの話がドラマとしても中身があって、断然こちらの方が面白かった。以下、個別の感想;
『透視す』:アイちゃんが可哀想過ぎる。それにしても、「モモンガ」からこのトリックに気づくガリレオは流石です。
『曲球る』:柳沢投手夫人が(殺害理由も含めて)気の毒過ぎる。湯川の助けで妻の本心を知り、トライアウトもうまく行く模様、というのはちょっとベタだったけど。
『念波る』:最後の2行がウケました。
『猛射つ』:中編。内容も一番充実している。湯川と後輩のやりとりとか、東野圭吾節を満喫できる、といった感じ。しかし、湯川「准教授」もそろそろ「教授」の適齢期なんじゃないだろうか。

No.20 4点 虚像の道化師- 東野圭吾 2012/08/17 09:45
ガリレオ短編(中編?)集「~る(/す/う)」シリーズ。全体的な印象としては、謎解き部分だけでなく、ヒューマンドラマとしても、従来作のレベルと比べると、やや劣っているんじゃないかな~、と言った感じでした。でも、湯川が割と「すんなり」事件にコミットしてくれているのは、無駄に勿体付けていなくて好感が持てました。以下、個別の感想;
『幻惑す』:「科学ミステリー」としてのトリックが比較的単純なので、最初の段階である程度想像できるし、悪徳宗教団体の構図もややステレオタイプで、もう少しひねりがほしいところ。
『心聴る』:現時点で「実用化されていない」ものをトリックに使うのはどうかと・・・。
『偽装う』:4作の中では、一番面白かった。容疑者を追求していく状況は「ガリレオ」というより「加賀恭一郎」風かも(一応数式で現場を「検証」しているが)。
『演技る』:う~ん、あの動機はちょっとないんじゃないかな~(最後まで騙されていた一読者の僻みかも知れないけど)。

No.19 6点 マスカレード・ホテル- 東野圭吾 2012/07/17 10:41
図書館で予約したものの、さんざん待たされた後、ようやくゲット。例によって非常に読みやすく一気読み。純粋に面白かった。根がコンサバなので、新田浩介(&能勢)「シリーズ」として今後も読みたいかというと、彼の探偵役としての「立ち位置」がはっきりしないので、現時点では何とも言えないところですが、今後の作品次第、といったところでしょうか。加賀恭一郎シリーズは確かにすばらしい作品ばかりですが、あの格好良すぎるキャラクターには、ちょっと息が詰まりそうなので、案外こちらの方が好きになったりして。

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