皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
makomakoさん |
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平均点: 6.17点 | 書評数: 891件 |
No.431 | 2点 | 天久鷹央の推理カルテ- 知念実希人 | 2015/03/06 20:53 |
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ああだめだ。こんなばかばかしい話に付き合いきれない。
キャラが立っているとの評価があるが、こんな乱暴な言葉使いでしかも引きこもりでなんてありえないでしょう。しかも主人公の小鳥遊がいかにもなさけない。 つまらなかったね。 |
No.430 | 7点 | 静おばあちゃんにおまかせ- 中山七里 | 2015/03/01 10:04 |
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これは結構好きです。題名からすると日常の小さな謎をばあさんが解くと思っていたが、これが大間違い。
トリックは大掛かりで、しかも不可能密室。確かにこのトリックはどこかで読んだことがあるなあとは思うのですが、それを上手に話に溶け込ませている。登場人物もなかなか魅力的。 本格物では既存のトリックを使用するのは禁じ手のようにされていますが、こういった話の中へうまく溶け込ませればずい分楽しめます(まあ私がトリックを忘れているため驚いた後であれ?となっているのではありますが)。 でも一番のサプライズは最後のシーンかも。やられた! |
No.429 | 7点 | 金田一耕助vs明智小五郎 ふたたび- 芦辺拓 | 2015/03/01 09:58 |
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こういった作品は原作を読んでいるか、どのように感じているかで、大きく評価が分かれるのは致し方ないと思います。私は子供の時に明智探偵は少年探偵団の小林少年とともに活躍していたといった印象が強く(テレビでもやっていたのです)、金田一探偵は大学時代に推理小説に興味を持ってからのお付き合い。名探偵二人に対する感じ方は大いに異なります。
いつも奇抜なアイデアで楽しませてくれている作者の意気込みは十分に感じられます。ことに今回は横溝風によった感じで、なかなか面白かった。 |
No.428 | 7点 | 中途半端な密室- 東川篤哉 | 2015/01/30 07:50 |
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東川氏の初期の短編集。作家としてデビュー前から、氏がユーモアと本格物を合体させた作品を目指していたことが読み取れて好ましい。
トリックを主体とした短編なのですが、丸太小屋が10分で消失するなど大規模なトリックもあり、なかなかのものです。これに怪奇色を付けて、わけのわかったようなわからないような話を織り交ぜて長編とする作家さんもいるでしょうが、読みやすい文章できちんとした短編としているのは若い作者の資質を感じさせるものでした。 |
No.427 | 5点 | 櫻子さんの足下には死体が埋まっている - 太田紫織 | 2015/01/25 09:35 |
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主人公櫻子さんが本当にいたら絶対つきあうのは御免という、異常な人間が探偵となっているのです。本格物にはしばしばこういった異常な人間が探偵となって登場するのですが、こんな他人の感情を全く分からない人間の話に付き合うのはたいがいにしたいと思うのですが、相方の少年がまた常識的でいやな感じを薄めているため何とか読めました。
ただいくらライトノベルスといっても推理の根本に欠陥が多く認められるのは興ざめです。あり得ない話だからといってあり得ない根拠でお話をまとめられてはねえ。 |
No.426 | 6点 | もう誘拐なんてしない- 東川篤哉 | 2015/01/18 15:18 |
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出だしの翔太郎がたこ焼き屋を無理やりやらされるまでは絶好調。笑いが止まらない展開でしたが、その後少しテンションが落ち誘拐の本番あたりとなるとまあ普通かな。悪くはないけど、すごいなあっていうほどではない。
何となく知っているようなトリックも使ってあり(作者もちゃんとネタがあることを示している)、いつものようにちゃんとした推理小説ともなっていると思います。 ただ純粋に本格物のしてみると印刷屋の殺人がうやむやになているのがちょっと気になります。 |
No.425 | 7点 | 二重螺旋の誘拐- 喜多喜久 | 2015/01/12 09:27 |
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誘拐の話は好みではないのですが、これは気分よく読めました。最後まで読むと色々な仕掛けがしてあることがわかるのですが、大体のトリックに騙されっぱなしとなる私でも、このメインのトリックは途中でわかってしまいました。ちょっと残念。私もミステリーのすれっからしとなりつつあるのでしょうか。
だからといって話の面白味が失せるということはなく、最後まで興味深く読みました。 終わり方も悪くない。こういった作風は好みです。 |
No.424 | 2点 | 烏丸ルヴォワール- 円居挽 | 2015/01/10 22:15 |
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私には皆さんの評判がよい「丸太町ルヴォワール」もピンと来なかったのだが、本作品はもっとダメでした。
読むのが苦痛でした。私にはこの作家は合わないのでしょう。 |
No.423 | 6点 | その女アレックス- ピエール・ルメートル | 2015/01/04 13:26 |
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フランスのミステリーは久しぶりです。お話が二転三転してとんでもない方向に流れていくのに興味深く一気に読みました。
まあ面白かったですね。ただ私のような感覚の人間からするとフランスって警官を含めとんでもない輩がいっぱいいるんだなあとつい思ってします。まあ彼らもひどい場所というのに「日本人観光スポットの超目玉」という形容を使っているので、彼らから我々もそんな風にみえるのでしょうからお互い様なのかもしれない。 それになんといっても残酷。やり方が悪趣味すぎるのではないかなあ。お話としては良かったのですが、この残酷さがマイナスでした。 |
No.422 | 7点 | ビブリア古書堂の事件手帖6- 三上延 | 2015/01/02 17:18 |
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このシリーズは色々な古書の謎と栞子さんの家族の謎が絡みあって読んでいくものの興味を上手に引きつけています。6冊目ともなるとかなりマンネリ化しそうなのですが、メインストーリーの家族の謎がさらに深まって興味津々となってきました。
もう1-2冊で終了とのことですが、どんな結果となるかとても楽しみです。本格推理小説と違ってある面どんな流れにでもできそうに思われますが、期待して待っていましょう。 |
No.421 | 6点 | 高原のフーダニット- 有栖川有栖 | 2014/12/31 10:19 |
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3つの中編小説(ミステリ夢十夜は短編の集まりかも)、いずれも個性が違ってそれなりに楽しめました。
作者の中編、短編は一発芸のようなトリックで成り立つことが多いので、トリックを考えるのも大変なのでしょう。ミステリ夢十夜は考え出したトリックがどうしても小説とするのには無理があるものをまとめたみたいで、結構面白かった。 作者には幻想ものでないまともな?長編を望みたいのですが。できれば学生アリスで。 |
No.420 | 6点 | 風の日にララバイ- 樋口有介 | 2014/12/26 21:36 |
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この作品は柚木草平シリーズに先立って発表されたものということですが、なるほど柚木シリーズによく似た色合いがあります。ただしこちらに主人公は変な発明はしているようだが、ほとんどプータローなのになぜか金持ち。柚木と同様良い女が寄ってきて気の利いた会話をして、なぜかよくもてる。勿論ミステリーなので謎も殺人も起きるのだが、それよりも登場人物たちの軽妙な会話にどうしても目が行ってしまいます。
作者は主人公の佐原旬介をシリーズ化しようとも考えたらしいけどやはり柚木草平のほうがよいなあ。だいたい金持ちで怠け者でしかも女にもてるより金がなくてピーピーいっている主人公のほうが共感が持てますよ。 |
No.419 | 8点 | ヴァイオリン職人と天才演奏家の秘密- ポール・アダム | 2014/12/20 16:48 |
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前作がとても興味深かったので次作を読みたくて、すぐに購入しました。
作者はイギリス人らしいが、前作同様イタリアでのお話なので、探偵も警察もイタリア人。この主人公はとてもいい。ことに探偵のジャンニは大好き。外国の推理小説でこんな感じのよい探偵は初めてです。 推理小説としてはあっと驚くような内容は少ないが、きっちりとしあげてあります。さらにそのスパイスとして、パガニーニのお話や彼の愛器グァルネリ・デル・ジェスのイル・カノーネの話や、イタリア警察のめちゃくちゃな話など興味は尽きない。私のようなクラシック音楽愛好者にとってはたまらない魅力があります。 ああイル・カノーネってどんな音がするのだろう! |
No.418 | 6点 | ○○○○○○○○殺人事件- 早坂吝 | 2014/12/20 16:26 |
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タイトルあての読者への挑戦状が最初に提示され、ちょっとびっくり。答えは最後まで読むとわかるが、こんなタイトルはまず当たらないでしょう。ただ当たってもどうってことはないね。
作者はミステリーファンらしくいろんな手口をある面では公開しつつ話を進めていく。この辺りはまずまず面白い。ただミステリーマニアなら途中でまずトリック(らしきもの)は分かってしまうでしょう。下品という評もありましたが、私はさほどに思いませんでした。 以下ネタバレ気味 ただあの--を変身させるトリックは無理でしょうね。自分でやれますが、そのあとの腫れやなにやで絶対わかっちゃうな。 |
No.417 | 5点 | 丸太町ルヴォワール- 円居挽 | 2014/12/14 14:58 |
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皆さんの評価が高いのに逆らって申し訳ないですが、私はこの作品は好きではありません。京大の学生さんが書いたのだから、私は頭がいいぞといった感じが丸見えに出るのはある程度仕方ないとして、言葉だけでのだましやどんでん返しだけのためのどんでん返しはどうもいただけませんでした。
こんなことならはっきり言ってどんな結論にでも変わりうるでしょ。推理に重きをおくようなふりをしておいて、作者がここでやめとくといったところが正解なんて納得しがたいですね。 ただ作者の力も感じましたので他の作品も読んでみるつもりです。 |
No.416 | 4点 | ミンコット荘に死す- レオ・ブルース | 2014/12/06 17:41 |
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2013年度本格ミステリ外部門で2位ということで読んでみたのですが、これは私には合いませんでした。残酷な描写やエログロではないのですが、とにかく登場人物がみんな感じが悪い。探偵もおせっかいはやかないなどといいながら、自分の興味だけで大いに他人のことに口を挟みうっとうしいやつでした。
ミステリーとしては伏線も張ってあり意外な犯人(ミステリーを読みなれた方ならあまり以外ではないかも)もありで、まずまずなのですが、生意気な生徒、頭が悪いのにうるさい女、支離滅裂なことをやたらしゃべるのに肝心なことは語れない男などなど。 とにかくイギリス人はこんなに自分のことしか考えない利己主義者ばかりなんだろうかと疑いたくなるような人物ばかりで不快でした。 |
No.415 | 6点 | 火曜クラブ- アガサ・クリスティー | 2014/11/23 14:41 |
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アガサクリスティーのポアロと並んで重要なキャラクターとなるミスマープルの短編集。多彩な登場人物と推理比べをするというなかなか興味深い内容でした。そしてしゃべっていると田舎の話題と混同してしまうような田舎のおばあちゃんたるミスマープルが抜群の推理量を発揮して勝利を収める。
個人的にはポアロの出てくる長編が好みなのですが、これはこれでちょこちょこ読むには面白かった。 もちろん今となっては成立しにくいものやちょっと無理な推理もあるにはあるが、読みやすくて楽しかった。 |
No.414 | 7点 | ゼロ時間へ- アガサ・クリスティー | 2014/11/12 22:23 |
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本作品は好みが分かれるようですが、私は好きです。推理小説の物語の進み方自体を考慮した作品なんてあまり読んだことがなく、なかなか良いと思います。
それにしても犯人は分かっているようで何度か背負い投げを食らわされ最後は---。だいたい再婚した相手と元の嫁を一緒に逢わせて楽しいわけないだろうとは思うのだが、やっぱりね。 クリスティーの小説は登場人物があまり多くなく、外人の名前を覚えるのが苦手な私にとってとても読みやすく楽しく読みました。 |
No.413 | 6点 | 永遠のディーバ- 垣根涼介 | 2014/11/01 21:46 |
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前作でもうこれはやめたほうがよいなどと印象を述べましたが、久しぶりに新作が出たらやっぱり買ってしまった。
最初の「勝ち逃げの女王」はこのシリーズの登場人物や構成を大分忘れていたので思い出すのに役立った程度の作品でした。 あーあ、やっぱりこのシリーズはネタ切れ風だなあと思っていたのですが、2作目の「ノー・イクスキューズ」でちょっともちなおしてこのシリーズに入り込むことができました。そして3作の「永遠のディーバ」は素晴らしく、感動しました。一途な人間がもう一度一途にやってみる姿勢とそれを助けるのが同じ青春を競った仲間という、ある意味くさい設定も私にはよかったです。 4作目の「リヴ・フォー・トゥデイ」もまあおもしろい。 全体として1作目のインパクトには及ばないが、2作、3作よりはかなり良かった。 |
No.412 | 6点 | マスカレード・イブ- 東野圭吾 | 2014/10/25 08:03 |
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マスカレードホテルでは連作風のエピソードを詰め込み過ぎて肝心のメインストーリーが薄められてしまったのの反省?からか、今回は連作でしかも分量も数なく、サクサク読めます。
それぞれの話も語り上手で、それなりに興味をひき一気に読んでしまいました。 だからとても感動したとかすごいといったことはありませんが、読んで不快というものでもなく一般的に言えばまあ良かったということでしょう。 しかし私としては作者はもっと才能ある方と思いますので、こういった薄い作品を多量に書くのはそろそろやめて、じっくりと重厚な作品を書いてほしいのですが。 |