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makomakoさん
平均点: 6.18点 書評数: 861件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.9 6点 殺人は容易だ- アガサ・クリスティー 2015/10/04 08:29
 ポアロやミスマープルが出てこないが、マープル物に近いイギリスの田舎のお話。嫌味のない人物が多くゆったりと読めました。
 解説にもあったが、名探偵マープルおばあさんが出てきてはこの話は成り立たない。読者をミスリードしていく手法はさすがであるが、この話だけだと物的証拠やありばいなどの証明がほとんどなく、ほかの人が犯人であるように書き換えても不都合はないように思えました。
 最後のシーンも急に犯人がべらべらと犯行理由をしゃべらせて(相手は睡眠薬を飲まされて眠る寸前のふりをして聞いている。なかなか寝ないで聞いているのも不自然だよね。)つじつまを合わせようとしているのですが。そのあたりの詰めがもう一つの感じがしました。
 

No.8 8点 予告殺人- アガサ・クリスティー 2015/09/05 17:55
 新聞に殺人の予告。そして集まった人たちの中で意外な殺人?と被害者が出る。実に奇抜な発想。こういった物語はだいたいかなりへんちくりんな人間が登場し、むちゃくちゃと思われる筋立てとなりがちなのだが、さすがクリスティーはきちんと話を作り上げていました。ちゃんと手がかりも示してくれているのだが、やっぱり全然犯人は分かりませんでした。
 私はこの作品、好きです。このサイトでは評価がやや低いようですが、本作品はミスマープル物の最高傑作と評価する方も多いのです。私も本作品は傑作と思います。残念ながら全作品を読んだわけではないので最高かどうかは分かりませんが、今まで読んだマープル物の内では一番と思いました。
 唯一欠点としては、外国人のメイドのミッチーがやたらうるさく、めちゃくちゃな人間として描かれているところぐらいでしょう。我々にとってはヨーロッパやアメリカは同じ感じがするのですが、イギリス人にとっては大陸の人やアメリカ人はおおいに異質な人種なんだということがよくわかる。

No.7 7点 鏡は横にひび割れて- アガサ・クリスティー 2015/08/08 07:40
 クリスティーが70過ぎて書いた小説だけあって、話の組み立てや展開についてはよくできた小説と思います。相変わらずの意外な犯人や、意外な動機。それらをきちんと散らばらせてくれているのですが、やっぱり犯人は分からなかった。だからといって無理な話では決してなく、ミスマープルが謎を解いてくれるとなるほどと納得できます。
 私として多少評価が低めなのは、ミスマープルの話なので当然ではありますが、日常の平々凡々たる描写が結構多い(ここが魅力だという方も多いと思いますが)。私としてはちょっと退屈といった感がぬぐえません。探偵としてはポアロよりミスマープルのほうが好きなのですが、話としてはポアロ物のほうが好みかもしれません。

No.6 8点 葬儀を終えて- アガサ・クリスティー 2015/07/26 08:10
 登場人物がやや多いが、表に系図と人物像が載せてあるので読むのに苦労はなかった。
 意外な犯人、巧みな伏線など過不足なくくわえているのに(しかもこれが伏線ですよといわんばかりの書き方!)犯人は全然わからず、見事にやられました。
 こういった内容であると途中で緩むと急に面白くなくなるのだが、本作品はそういったところもなく、登場人物もあまり極端な人間はおらず(最終的には変な人間だが、まあ変でなければこんなことはしないが)、読んでいていやな感じは全く受けなかった。
 クリスティーの作品の中でも好きなもののひとつです。大変面白かった。

No.5 7点 動く指- アガサ・クリスティー 2015/07/19 10:34
 スマープルものではあるが、彼女が出てくるのは本当に最後に近くなって「これってミスマープルシリースのはずだよなあ?」と心配になったころでした。
 それまでは田舎でのめったに起きないような出来事のお話が続きます。やや平凡な感じはしますが、読み進むのに苦痛なことはなくすらすらと読めました。
 クリスティーの作品にはこんな人本当にいるのと思わせるような変な人物はあまり登場しないので、安心して読めるのもよいのでしょう。かなりしつこくうっとうしい人物は出てくるけどまあ許せる範囲です。
 乙女チックな感じ出てくるので若い女性が読むともっと面白いかもしれません。
 最後はめでたしめでたしに近いので読後感は良いです。

No.4 6点 火曜クラブ- アガサ・クリスティー 2014/11/23 14:41
 アガサクリスティーのポアロと並んで重要なキャラクターとなるミスマープルの短編集。多彩な登場人物と推理比べをするというなかなか興味深い内容でした。そしてしゃべっていると田舎の話題と混同してしまうような田舎のおばあちゃんたるミスマープルが抜群の推理量を発揮して勝利を収める。
 個人的にはポアロの出てくる長編が好みなのですが、これはこれでちょこちょこ読むには面白かった。
 もちろん今となっては成立しにくいものやちょっと無理な推理もあるにはあるが、読みやすくて楽しかった。

No.3 7点 ゼロ時間へ- アガサ・クリスティー 2014/11/12 22:23
 本作品は好みが分かれるようですが、私は好きです。推理小説の物語の進み方自体を考慮した作品なんてあまり読んだことがなく、なかなか良いと思います。
 それにしても犯人は分かっているようで何度か背負い投げを食らわされ最後は---。だいたい再婚した相手と元の嫁を一緒に逢わせて楽しいわけないだろうとは思うのだが、やっぱりね。
 クリスティーの小説は登場人物があまり多くなく、外人の名前を覚えるのが苦手な私にとってとても読みやすく楽しく読みました。

No.2 6点 復讐の女神- アガサ・クリスティー 2012/10/08 07:32
 最初の出だしはナカナカですが、皆さんが述べているように話のテンポが遅くやや退屈なところがあるのは否めない。さすがのクリスティーも年をとるとなかなか切れ味の良い話を作り出すのは難しいのかとも思ってしまう。
 だいたいミスマープルシリーズはあまり奇抜なトリックなどは少なく全体として退屈になりそうな話を、意外な犯人と巧みな筆で興味深く読ませるものと思っているが、本作品は若干テンポが悪い。
 さらにこの話だと、旅を依頼した死せる大富豪はほとんど真相をつかんでいた?さらに被害者となった女性は真相に気づいていたのにどうして黙っていたのだろうかなどと、若干矛盾を感じるところもあるのでちょっと評価が低い。
 皆さんより多少評価がよいのは多分自分が年をとり、何となくマープルさんに共感できるようになってきたせいかもしれない。

No.1 6点 カリブ海の秘密- アガサ・クリスティー 2012/10/02 20:35
 翻訳物があまり好きではない。翻訳文が苦手な上に登場人物がとんでもないやつであることが多く(最近では日本の小説でもしばしば見かけるが)ぜんぜん共感できない。さらに名前が覚えられない(これは単にわたしの脳の老化かもしれないが)、男か女かも時々不明となる。こんな読者ではまず外国物は楽しめないことが多いのだが、クリスティーはかなり好きです。
 シリーズではポアロの方が好みでですがミスマープルもなかなか面白い。
 本書はマープルもそして作者も大分年寄りとなって話が丸くなっていると思いますが、さすがはクリスティーで犯人は以外できちんと論理的でもある。
 大きな山場がないがそれなりに読みやすく退屈はしない。

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makomakoさん
ひとこと
歴史ミステリーや、本格物が好きです。薀蓄も結構好き。変人が登場するのは嫌いではないが、冷たい人間が出てくるのは肌に合いません。外国ものは登場人物が理解不能であったり翻訳文が合わないことが多くあまり得意で...
好きな作家
鮎川哲也、山田隆夫、綾辻行人、法月綸太郎、高田崇史、伴野朗
採点傾向
平均点: 6.18点   採点数: 861件
採点の多い作家(TOP10)
高田崇史(34)
樋口有介(30)
有栖川有栖(29)
アガサ・クリスティー(29)
東野圭吾(28)
太田忠司(27)
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