皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
マニアさん |
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平均点: 6.04点 | 書評数: 169件 |
No.69 | 7点 | 葉桜の季節に君を想うということ- 歌野晶午 | 2008/01/12 03:59 |
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叙述についてはかなり注意して読んでいたが、見事に騙された。と、同時に設定的に少々強引すぎる感じがするのも否めない。それでも、伏線張りや騙しのテクニックはしっかりしていたのでよかったかな。
ぐいぐい話に引き込んでいくストーリーの流れもよかった。 ただ、最後はただの説教ではなく、痛快に事件の決着と幕引きをしてほしかった。その辺でもう一度山場があると思っていたので少し残念。 |
No.68 | 6点 | ロートレック荘事件- 筒井康隆 | 2008/01/08 22:36 |
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この手のトリックには慣れていると思っていたものの、正直騙された。違和感は常に感じていたが最後まで見破れなかった。少しアンフェアな感じはしたけど・・・。
良くも悪くもアクのある登場人物たちのお陰でサクサク読めたが、逆にそれが軽い感じもして真相解明前の物語自体はそこまで楽しめなかったかな。 それでも真相が明らかになった後は衝撃の連続、特に動機の悲しさとラストの切なさに関しては指折りもの。 |
No.67 | 9点 | 首無の如き祟るもの- 三津田信三 | 2008/01/07 02:09 |
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当方、結構恐がりでホラー色全開の表紙を見て読む前は不安を感じたけど、ミステリを基盤にほどよくホラーのスパイスが効いていて物語の味は絶品だった。あのおどろおどろしい雰囲気は自分的にどストライク!!
序盤、人物描写と背景描写が乏しく物語世界に上手く入り込めなかったのと、全体的に主要人物の心理描写が多く、他の登場人物を掴みにくかったのが少し残念かな。 しかし、解決編以降の二転三転する息もつかせぬ展開はお見事。ホラーチックなラストも満足。傑作!! |
No.66 | 7点 | 本陣殺人事件- 横溝正史 | 2008/01/05 04:41 |
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日本本格ミステリの古典をそのトリックと雰囲気の両面から楽しめた。
トリックには少し実現するのに無理があるかな、と思いつつもその論理の展開にシビれ、山村の雪深い情景も堪能でき小説としての完成度も高い。純和風ミステリの金字塔だね! |
No.65 | 4点 | 消える「水晶特急」- 島田荘司 | 2008/01/05 04:28 |
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電車喪失トリックには途中で気付いた。
あれがメイントリックだからミステリとしてはイマイチ面白みに欠ける。 クライマックスの電車再登場のくだりは予想できなかったが、大掛かりな仕掛けと記述が得意な島田さんならではの演出でしょう。 |
No.64 | 6点 | 秋の花- 北村薫 | 2008/01/05 01:18 |
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とにかく悲しい物語。
いつも、いつまでも一緒だと思ってた友達の突然の死と、それが原因で自らも精神を病んでしまった女子高生。 そして、その影に横切る謎の数々が、悲しい結末に向かって集結していく流れは秀逸。 ミステリとしては平凡だけど、物語としては面白い。 |
No.63 | 6点 | 変身- 東野圭吾 | 2008/01/04 20:41 |
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ミステリではない。ややリアリティに欠けるのも気になる。
脳移植・手術による人格変化ものでは、『アルジャーノンに花束を』が有名だが、それをもっとドロドロと残酷にした感じ(?)。ラストは悲しすぎるね・・・改めて東野さんは悲劇を読ませるのが上手いなと感じた。 |
No.62 | 7点 | 手紙- 東野圭吾 | 2008/01/04 20:21 |
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ミステリではないが、小説としてはまぁまぁ楽しめたかな。
強盗殺人犯の兄を持つ青年が、仕事、人間関係、結婚と様々な差別を経験し、それを割り切り、未来に向け決死の覚悟で非情な決断を下すストーリー展開は良かった。 ラストは個人的に好みではなく残念だが、色々と考えさせられる作品。 |
No.61 | 6点 | 白夜行- 東野圭吾 | 2008/01/04 20:15 |
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ミステリとしては特に驚く要素は無いのだが、亮司・雪穂の両主人公の半生を同時に追っていくという構成が上手い!ただ、ちょっと長すぎるかな。
2人の主人公の視点から語られる物語はよくできていると思うし、小説中で彼らが直接会話する描写が一切無いことにも感心。そして、白夜のような人生しか送れなかった2人の主人公の業の深さと切なさは、読み終わった後も、陰鬱な、暗い感動を与えてくれた。 うーん・・・でも、亮司が可哀想すぎる。だから、個人的にラストは煮え切らなかった。もう少し救いのある結末にしてほしかったかも。 |
No.60 | 6点 | 北の夕鶴2/3の殺人- 島田荘司 | 2008/01/04 20:08 |
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吉敷ものでは今までで一番かな。中盤からの怒涛のアクション展開は飽きさせなかったね。吉敷というキャラクターの性格が定着する作品。
魅力的な謎は面白い。そして、トリックは島田氏お得意の驚天動地もの・・・。かなり現実離れしてるけど、すべての謎に論理的な説明を与える視点からは・・・まぁありかな。 一歩間違えれば(?)バカミスだね。嫌いじゃないけど・・・。 |
No.59 | 5点 | 出雲伝説7/8の殺人- 島田荘司 | 2008/01/04 19:56 |
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どうも、メインのトリックに時刻表が絡むと弱いわぁ。
物語自体は、結構興味のある『古事記』や日本の神話に絡んでくるので楽しめたかな。徐々に証拠を掴みながら犯人を突き詰めていく流れもスリリングでよかった。 |
No.58 | 6点 | 寝台特急「はやぶさ」1/60秒の壁- 島田荘司 | 2008/01/04 19:50 |
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トラベルミステリということで最初は抵抗があったが、吉敷のキャラに好感が持てたのでサクサク読めた。
トリックもよく計算されていたので予想に反して面白かった。 |
No.57 | 8点 | 獄門島- 横溝正史 | 2008/01/04 17:19 |
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時代が変わろうとも、決して色褪せることのない不朽の名作!
凝った舞台設定、大胆にして緻密なトリック、練りつくされたストーリー展開、本格ならではの雰囲気は平成の世でも十二分に楽しめる。横溝ワールドの真骨頂! |
No.56 | 9点 | 蒲生邸事件- 宮部みゆき | 2008/01/02 04:52 |
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ミステリ分は大分低いような気がする。
しかし、歴史SF小説として非常に楽しめたし、なにより読後感が素晴らしかった。寂寥感というか、読み終わったあと心がポカーンと空になるというか・・・。そして、それは物語自体の切なさと、物語を読み終えてしまった事の寂しさが合わさった感情だと理解させられる。 話の流れも秀逸で、素晴らしい傑作! |
No.55 | 6点 | 龍は眠る- 宮部みゆき | 2008/01/02 04:43 |
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前半、主人公にはちょっと感情移入できなかったが、中盤以降のスリリングな展開は先が気になって一気に読めた。宮部さんは本当に読ませるのが上手いなあと実感。
宮部さんの超能力ものは面白い! |
No.54 | 7点 | 火車- 宮部みゆき | 2008/01/02 04:39 |
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カードは便利だけど怖いよ><
ラストは欲張るならばその後の展開も見せてほしかった。アラン・ドロン主演の『太陽がいっぱい』風かなと・・・納得はできるけど。 話自体はテンポが非常によく、徐々に明らかになる真実に恐れ、驚き、ページをめくる手が止まらなかった秀作。 |
No.53 | 5点 | 月光ゲーム- 有栖川有栖 | 2008/01/02 04:32 |
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デビュー作ということでやや文章に荒い箇所が目立つ。話の長さの割に容疑者も多すぎて、なかなか把握できなかった。
謎解きは伏線が細かすぎるきらいはあったが、瑕疵もなく納得できた。噴火の時のパニックと緊張感も感じられて楽しめた。なにより、作品の出来・不出来以前に学生アリスシリーズの始まりである印象深い作品! 青臭い青春ミステリ。いいですね! |
No.52 | 8点 | ある閉ざされた雪の山荘で- 東野圭吾 | 2007/12/31 03:11 |
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感想はやられたの一言。この展開は流石に予想できなかった。
あとは心理的プレッシャーから来る変則クローズド・サークルという設定が面白かったかな。読後感も心地よく、東野さんの巧さを堪能できる秀作。 登場人物のキャラも良いね! |
No.51 | 3点 | 放課後- 東野圭吾 | 2007/12/31 03:06 |
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トリックとかは良かったけど、主人公には全く感情移入できなかった。動機も、はぁ? |
No.50 | 8点 | 殺しの双曲線- 西村京太郎 | 2007/12/31 03:03 |
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個人的には国内クローズド・サークルものの最高傑作の一つだと思う。
全く繋がりのないように思われる登場人物たちが、雪に閉ざされた山荘で1人また1人と殺害されていく恐怖。徐々に浮かび上がる登場人物たちの隠れた繋がり。同じ時期に東京で起こっていた双子による連続強盗事件。それらが全て奇麗に1つの線上に収まるロジックは圧巻!! クローズド・サークル、双子、ミッシング・リンク・テーマと本格要素がてんこ盛り。初期西村の本格へのこだわりが見える傑作。 |