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[ 日常の謎 ]
珈琲店タレーランの事件簿
喫茶店タレーランの事件簿シリーズ
岡崎琢磨 出版月: 2012年08月 平均: 4.50点 書評数: 10件

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宝島社
2012年08月

No.10 2点 mediocrity 2019/06/23 23:13
前回書評した『ビブリア古書堂の事件手帖』に引き続き、こちらも読んでみました。

きつい言い方ですが、プロの文章とは思えませんでした。ぎこちなさ過ぎて内容がなかなか頭に入ってこない。我慢して読み進めましたが、ストーリーも楽しめるレベルにはありませんでした。

No.9 1点 ねここねこ男爵 2018/05/05 21:58
「ビブリア古書店」が非常に良かったので、似てそうなこちらも期待したのだが…。

このタイプの本はキャラクターの魅力が不可欠だと思うのだが、本作は好感のもてる人物が一人もいない。「外見は良いが、客に他の客の悪口を言ったり、店員の老人を客の前で平然と口汚く罵倒するバリスタ」「恋人が浮気をしていると誤解し話も聞かず大内刈りをかます女性」「その友人で、男が女性店員と会話してるだけで浮気と断定し窃盗を働いた上ビンタをかます女性」「気に入らないという理由だけで見ず知らずの男性をいきなり殴る女性」などなど。悪い意味で衝撃だった。特にバリスタはよく客商売ができるなと思うレベル。客ごとに接客態度変えるし…。現実にいる、客前でバイトを罵倒するラーメン屋みたいなもんで、読んでて不快感しかない。

謎がしょうもないというよりそもそも謎じゃない。傘が無くなる場面があるが、「誰かが間違えて持っていったor盗まれた」というもっとも自然な考えをせず無意味にこね回したり。
メアドに「ブルーマウンテン」とあるから「名前アオヤマさんでしょ?」「すげぇぇぇぇ!!」って言われてもなぁ…(一応ラストに向けての伏線ということになってはいるが)。

なにより作者の売れたい欲映像化メディアミックスしたい欲が剥き出しで、決め台詞「その謎、大変よく挽けました」は震えた。寒すぎて。というかこの手のいかにもな決め台詞って原作時点で言わせるもんじゃないと思うけど…(たとえばホームズの「初歩だよワトスン君」は舞台化のとき生まれた台詞で、火村英生の「この犯罪は美しくない」はドラマのみ)

というわけで色々すごいので一度は読んでみることをおすすめする。

No.8 6点 2015/04/10 13:22
アマゾン評では、ビブリアの粗悪コピーとの手きびしいコメントもあったが、とんでもないと反論したい。
鎌倉と京都、事件手帖と事件簿、古書店と珈琲店という大きな差があるw
謎解きするのは、珈琲店のかわいい女性バリスタ、美星。ワトソン役は年下の男性、青山。
やっぱり似てるかなw
おそらく読者層も似たようなものだろう。いやむしろ、ビブリアは古書の薀蓄がたっぷりあるから高年層にも好まれる。

主人公、美星のキャラがつかみどころなしという気もする。日常の謎・安楽椅子モノなら、このぐらいのなぞめいたキャラで十分ではないかとも思う。じつは個人的には、「なぞめいた」というよりは、かわいい切れ者と感じるほうが強い。

提起される謎は日頃経験できる程度のものだし、謎解きのレベルも高からず低からず。だから謎解きの練習用としてはちょうどいい。それでいて短編ながらもけっこう凝っているものもある。
「乳白色にハートを秘める」はまさにそれで、なにか変だな文章が下手なのかなと思う箇所を行きつ戻りつしたが、そこが2つめの謎の肝となるところだった。
なにかあるなと思わせるということは、まだまだのレベルなのかもしれないが、いろいろと詰め込んでくるところは大賞を狙うだけのことはあると感心した。

それに連作らしい全体をとおしての特徴点もある。「第○章」となっている以上、長編小説と見るべきなのだろう。そして最終の第七章で青山の謎が明かされる。これには驚いたが、こういうのはちょっとズルイかな。いちおう伏線はあるが、一人称なのに、ばれないような内面しか出ていないのはどうもねぇ。
文章がおかしい、回りくどい、懲りすぎとも思うが、下手クソと判断する前に、そういう場合はまずミステリー的に疑いを抱くことがミステリー読者の努めなのでは、とも思う。

以上、終盤がくどい気もしたが全体としては○だった。

No.7 2点 yoshi 2014/04/24 08:26
これはちょっと、生理的に受け付けなかった。日常の謎ものということはわかって読んだのだが、各篇で展開される「謎」があまりにもしょぼする。台詞廻しも不自然だし、謎を解く過程も論理的じゃないし、「その謎とてもよく挽けました」というバリスタの決め台詞も、流行語を作ってやろうというような作者の作為がミエミエで萎える。読了後にアマゾンのレビューを見て、その低評価に深く頷いた。

No.6 5点 虫暮部 2013/10/30 20:09
巷の声に煽られて、期待し過ぎた。というわけで相対的にちょっと物足りない。
 第五章は、登場人物4人がほぼ偶然ひとつの店に集まっているわけで、流石にやりすぎではないだろうか。
 また、珈琲に因んだ各々の命名を一人称の地の文や台詞で説明してしまうメタ的なネタには首を傾げた。作風にそぐわないと思う。
 ラストの叙述トリックは面白かった。

No.5 4点 E-BANKER 2013/05/29 20:41
京都の小路の一角にひっそりと店を構える珈琲店「タレーラン」。恋人と喧嘩した主人公は、偶然入ったこの店で運命の出会いを果たす! 長年追い求めた理想の珈琲と魅惑的なバリスタ・切間美星だ。
ということで、「ビブリア古書堂」に続くシリーズになりそうな予感も漂う、シリーズ第一弾。

①「事件は二度目の来店で」=主人公・青山が、タレーランに通うことになった顛末が描かれるのが冒頭の本編。一応「謎」らしきものは登場するが、ほんの申し訳程度という感じ。
②「ビタースウィート・ブラック」=青山の従兄弟の美少女が登場。帰国子女の従兄弟に最近できた彼氏に浮気疑惑が発生。ブラックコーヒーが飲めないはずの彼氏がなぜブラックを飲んでいたのか、なんて・・・どうでもいい。
③「乳白色にハートを秘める」=ひょんなことから青山が知り合ったハーフの小学生。なぜか青山に会うたびに牛乳をねだる彼にはある秘密があった・・・。その「秘密」って、これがまた相当小さい! まぁいい話ではあるが。
④「盤上チョイス」=別れたはずの元カノが再び迫って来る・・・。しかも、追いつくはずのない距離から・・・なぜ? というのが本編の謎。京都の地理・地名に詳しくないとピンとこないように思えるが・・・
⑤「past present f・・・」=謎の美女にしてバリスタの切間美星の謎に迫るのが本編。京都の中心街で偶然出会った二人は一緒に居酒屋へ、そして青山へ誕生日プレゼントを渡すのだが、それは彼女が知るはずのない「欲しかったものだった」って、どうでもいい!
⑥「Animals in the closed room」=幻の珈琲豆“猿コーヒー”を味わうため青山の自宅を訪れたバリスタ。彼女へ渡したぬいぐるみのクマはなぜかズタズタにされていた。いったい犯人は? ということなのだが・・・。ここで問題の人物「胡内」の正体が明らかになる。
⑦「また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を」=「胡内」にまつわる騒動に巻き込まれた青山はバリスタとの別れを決断するのだが、ここで何と「青山」にも大きな欺瞞が仕掛けられていたことが明かされる・・・。これは気付かなかった!

以上7編。
正直キツイ感じがした。
「ビブリア古書堂」とほぼ同ベクトルの作品だと思うが、ミステリーとしての出来栄えは遠く及ばないように見える。
それにも増して、何より登場人物たちの言動のひとつひとつが、読んでてキツイのだ。
バリスタ切間のキャラは受けそうだけどなぁ・・・。
(30超えた男が読む作品とは思えなかった。)

No.4 7点 ナノ 2013/04/12 12:32
サラリと読めてミステリ要素と恋愛要素を楽しめる作品。
難解な本、意味の分からない本を読んだ後の口直しなどには最適かなと思いました。

情景を思い描きながら読み進める身としては、ラノベチックな表紙も非常に有難かったです。
全体的に話もまとまっており、少々の粗も気にならないレベルでした。

No.3 5点 ボンボン 2013/02/17 18:30
前半は、些細な話ばかりでどうなることかと思ったが、後半一気に盛り上がった。キャラクターもなかなか良いし、それぞれの人たちの恋愛観、人生観も読み応えがある。
ただ、トリックと謎解きありきの話の作り方や、クドいほど何重にもミスリードを誘ってくるもっていき方が不自然で、小説として上手ではない。
また、人物の名前をいちいち珈琲の種類に引っ掛けて付けているのも子どもっぽくて嫌だったが、最終的にそれも必要だったことが分かったので、まあいいか、というところ。

No.2 7点 まさむね 2013/01/27 21:59
 『このミステリーがすごい! 』大賞最終選考作品の中から推薦された「隠し玉」作品。個人的には大賞を与えてもよい位の出来栄えと感じたのですが,出版に当たって全面的に改稿され,ミステリ要素の改善が図られたとのコト…なるほど。
 舞台は京都。女性バリスタを始めとする登場人物も魅力的ですし,会話も軽妙で楽しめます。しかし,一筋縄ではいかない作品。なかなかに巧妙です。「過ぎたるは及ばざるが如し」的なご批判もありましょうが,私としては好みのタイプの作品。デビュー作でこれだけ売れたわけですし,経歴からも,個人的な今後の期待は高いです。

No.1 6点 makomako 2012/09/26 18:00
 書店の入り口に山積みされていたのでなんとなくビブリア古書堂の事件手帖(これは好きなシリーズです)に似た感じに思えて購入した。
 内容はビブリアと似ているところもあるが、違いもはっきりしており(登場人物の個性が相当異なる)二番煎じ的な物ではないとしましょう。
 謎は小粒でもちろん殺人事件のような凄惨なものは全くない。謎ときはまずまずかな。連作風であるが、全体として一つの話となっており、結末はまあハッピーエンドなのでしょう。
 ストーリの途中にやや不明のところがあるが、全体として平明で読んでいやな感じはない。
 あまり評価があがらなかったのは主人公の男性があまりに腰抜け(こういった男は嫌いだ。)なところ。
 主人公の女性もまあ魅力的といえるが、大分暗くちょっと鬱陶しい感じが否めない。
 この手の話は主人公がいかに魅力的かが大きな要素となると思います。
 まあ悪くはないがすごく感心もしないといったところでした。


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