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[ 本格/新本格 ] 小鳥を愛した容疑者 警視庁総務部動物管理係シリーズ |
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大倉崇裕 | 出版月: 2010年07月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 4件 |
講談社 2010年07月 |
講談社 2012年11月 |
No.4 | 5点 | まさむね | 2023/06/04 22:34 |
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まずは、警視庁総務部総務課「動物管理係」の新米巡査、薄圭子のキャラがいい。動物は詳しいけれど、慣用句というか日本語全般が苦手という、天然さが可笑しい。大ケガがなければ鬼警部補として捜査一課でバリバリ活躍していたであろう、須藤との掛け合いも楽しい。読み心地はとても良いです。
一方で、ミステリとしては薄味。動物の生態や飼育手法をからめた工夫は買うのですが。 |
No.3 | 6点 | メルカトル | 2018/09/27 22:09 |
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銃撃を受けて負傷した警視庁捜査一課の鬼警部補・須藤友三は、リハビリも兼ねて、容疑者のペットを保護する警視庁総務部総務課“動植物管理係”に配属された。そこでコンビを組むことになったのが、新米巡査の薄圭子。人間よりも動物を愛する薄巡査は、現場に残されたペットから、次々と名推理を披露する。
『BOOK』データベースより。 ミステリそのものよりも、十姉妹、ヘビ、亀、フクロウといった動物たちの生態や飼育法などの蘊蓄が楽しく、読みどころとなっている感じです。 動物たちが残した痕跡や、ふとした仕草などを鋭く見抜き、それらを犯人断定の材料として推理する薄圭子巡査のキャラは立っており、また過剰な動植物愛好家という新たな名探偵の登場とも言えると思います。元捜査一課の須藤友三との凹凸コンビの掛け合いは適度なユーモアを醸し出して、独特のいい味を出していますね。 勿論、動物と事件が有機的に繋がっており、十二分にその世界観を表現しています。ただし、ミステリとしては若干薄味でややインパクトに欠ける感は否めません。 薄と須藤のコンビネーションが次第にしっくりくるようになる様を楽しむのも一興ですし、動物についても目から鱗のためになる小説だと思います。 |
No.2 | 7点 | tider-tiger | 2014/05/26 17:34 |
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短篇集です。ミステリとしては、ダメではないけど、良いとも言えず、普通かなといった印象ですが、心地よく読める作品でした。人間よりも動物が好き?な頭の良いヒロインと仕事熱心旧態依然な中年刑事のコンビのほのぼのした関係がいい。そして、すべての短編が動物を軸に据えられており、それが生半可ではなく徹底しているのがさらに良かったと思います。動物の生態が自然な形で推理に絡んでいます。単なる「動物が登場するミステリ」ではない。動物に関しては作者はかなり真剣に取材をしたそうです。 |
No.1 | 6点 | kanamori | 2010/11/27 18:21 |
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拘留された容疑者のペットを保護する部署に配属になった元捜査一課の鬼刑事と、元動物園勤務でペットおたくの女性巡査コンビによる連作ミステリ。
期待以上に面白かった。天然でボケをかます女性巡査が編を重ねる毎にキャラが立ってくる。ユルミスには違いないが、動物の生態をきっかけにした謎解きのロジックは、水準レベルに達しているように思います。 最終話を読むと、あの女性警部補シリーズと物語世界を共有しているようで、今後二人の共演作品が読めるかもしれません。 |