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[ SF/ファンタジー ]
殲滅特区の静寂 警察庁怪獣捜査官
大倉崇裕 出版月: 2022年12月 平均: 7.00点 書評数: 1件

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二見書房
2022年12月

No.1 7点 人並由真 2023/01/30 17:23
(ネタバレなし)
 1954年に日本に巨大怪獣が現れて以降、世界各地で人類をおびやかす怪獣の出現が繰り返される世界。怪獣対策を担当する日本の「怪獣省」、そのエリートで、初の女性の怪獣予報官(怪獣出現以降に、以前のデータや現在の状況などから、怪獣の進路や次の行動を予測する者)となって活躍する岩戸正美。彼女と同僚、関係行政官たちの怪獣との戦いは終わることがなかった。だがそんな中でも、怪獣の出現を機にあるいはその事実に関連し、人間の悪意は別のところで渦巻いていた。

 巨大怪獣もの×新本格パズラーなどと本書の帯などで謳われ、評者のような怪獣ファンには垂涎ものの趣向で書かれた連作三本。作者は2005年の特撮テレビ『ウルトラマンマックス』の脚本を担当したこともある。なお怪獣ファンでなくとも「1954年」という文芸設定の意味のわかる人は多いと思うし、主人公の苗字が『ゴジラの逆襲』の二代目昭和ゴジラ、初代アンギラスの出現地、岩戸島にちなむのもニヤリ。

 とはいえ内容がきっちり新本格パズラーによるのは全三話のうち、最初のものだけで、あとの二つは結構、方向が違う。個人的には大藪春彦の中編みたいな味わいだった第二話(表題作)が一番面白かった。
 第三話は確実に初代ウルトラマンの某エピソードのリスペクト編であることが、評者のような怪獣ファンには登場人物のネーミングなどからもわかるが、どの話になるのかはネタバレになるので、ここでは言わない。

 連作ミステリとしては6点。趣向でオマケして1点追加。 


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