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[ ハードボイルド ] ストリート・キッズ 探偵ニール・ケアリーシリーズ |
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ドン・ウィンズロウ | 出版月: 1993年11月 | 平均: 7.67点 | 書評数: 3件 |
東京創元社 1993年11月 |
No.3 | 5点 | mini | 2011/03/25 10:24 |
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本日発売の早川ミステリマガジン5月号の特集は”トレヴェニアン×ドン・ウィンズロウ”
4月25日に、ドン・ウィンズロウ「サトリ」が刊行予定だが、これはトレヴェニアン「シブミ」の前日譚らしい そこで両作家とも未読だったので、これを機会に両作家を読んでみる事にした ウィンズロウはこのミス1位に輝いた「犬の力」など最近はノンシリーズの方が話題だが、第1作でもあるし二ール・ケアリーのシリーズから「ストリート・キッズ」を読んでみた ストーリーは実に単純で、ただ単に本筋だけを追うなら半分の長さでも書けそうなくらいで、とにかく道草が多い この道草こそが作者の書きたいところなんだろう、作者は本来は”大河ドラマ”みたいなのが得意なんじゃないかとも思えた しかし例えばニールの成長物語という面も、案外とあっさりした描写で、ウィンズロウの筆致には重厚感が無い この軽妙な筆運びが持ち味なのかも知れないが、もっと感動物語的なのを予想していたのでちょっと拍子抜けだった 二ール・ケアリーは一応は私立探偵の肩書きなんだけど、一般的なイメージとは大分異なる 学費を組織から援助してもらっている大学院生なので、毎日の生活費を気にするような個人経営の私立探偵のような金銭面の悲壮感が無い この違いは雰囲気に大きく影響し、ハードボイルドという感じは全くせず、何て言うかスパイエージェントの密偵といった雰囲気さえ有る 現代私立探偵小説という意味なら、ちょっと前に読んだS・J・ローザンの方が私的には好ましく思えた |
No.2 | 10点 | itokin | 2010/10/14 21:04 |
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イヤーこれは面白かった。最初から終わりまでだれることなく右肩上がりの一直線、文体に無駄がなくひねりのきいた表現は翻訳者の力量もあってかすばらしい、これが処女作とは信じられない。 |
No.1 | 8点 | Tetchy | 2010/05/29 22:22 |
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ドン・ウィンズロウのデビュー作にして探偵ニール・ケアリーシリーズ第1作。
探偵物語としても上質でありながら主人公ニールの成長物語として実に爽やかな読後感を残す。 次期大統領候補の娘の捜索というメインのストーリーの合間に断片的に挟まれるグレアムがニールを教育し、一人前の探偵に育てていく探偵指南の挿話が実に面白い。 リアルとフィクションのおいしい要素を上手くブレンドした作者の筆致はレナードのそれとは明らかにテイストが違い、デビュー作にしてすでに自分の文体を確立している筆巧者。 裏ぶれた社会に青さと甘さを持ちながらも自らの道徳を大事に事件に当たる若き探偵ニール。このニールはチャンドラーのフィリップ・マーロウを現代に復活させた姿としてウィンズロウが描いた人物であるように思える。 |