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[ パスティーシュ/パロディ/ユーモア ]
ウォータースライドをのぼれ
探偵ニール・ケアリーシリーズ
ドン・ウィンズロウ 出版月: 2005年07月 平均: 7.50点 書評数: 2件

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東京創元社
2005年07月

No.2 6点 itokin 2013/01/22 09:28
いろんな職種の登場人物が数か所から同時進行するので理解がしづらく、コメディータッチなので緊迫感、盛り上がりも欠け、物語の進行も総花的で掘り込みも少ない。ただ相変わらずの軽妙な会話は随所で笑いを誘い作者の才能をうかがわせる。

No.1 9点 Tetchy 2010/07/08 21:56
前3作と違うのはニールの許には愛すべき存在カレンがいること。そして任務も今まではロンドンに中国、ネヴァダ州の山奥と移動に移動を重ねてきたが、今回は前作の舞台だった“孤独の高み”に仕事が舞い込んでくるという設定。
したがって登場人物も3作目と重なる人物が多く、お馴染みの顔ぶれが出揃う。物語に挟まれる彼らとのやり取りにニールが彼の地に溶け込み、もはや村の住民の1人として認知されていることに気付かされる。とうとうニールは安住の地を見つけたのだ。

今まで若くナイーヴな探偵ニールを中心にした“男”の物語であったのだが、今回はレイプの告発をした有名人の秘書とカレンの存在、そしてその2人に加わるその有名人の妻キャンディ3人が主導で展開する“女たち”の物語であるように感じた。

とにかく本作は前3作に比べると、危機一髪のドキドキハラハラ感よりもスラップスティックコメディ的な予想の斜め上を行く展開が実に面白く、何度も声を上げて笑ってしまった(特に伝説の殺し屋“プレーオフ”の末路が実に悲惨ながら笑ってしまう)。
したがって今までこのシリーズの売りでもあった若き探偵ニールのナイーヴさはほとんど出てこなくなっており、逆に恋人のカレンが正義感を振り回し、ニールの役割を果たしているようだ。しかし私は前作でニールは一皮向け、一人の男として成長したように捉えていたので全く違和感はなかった。


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