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[ SF/ファンタジー ]
虎よ、虎よ!
旧邦題『わが赴くは星の群』
アルフレッド・ベスター 出版月: 1958年01月 平均: 7.75点 書評数: 4件

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講談社
1958年01月

早川書房
1964年01月

早川書房
1970年01月

早川書房
1978年01月

早川書房
2008年02月

No.4 8点 虫暮部 2020/07/21 11:49
 もっとガチャガチャしたイメージがあったが、読み返してみると意外にシンプルな物語。第一部の末尾の逃走劇、ケンプシイから情報を引き出す為の無茶な手術、スコプツィ植民地に於ける間接的なコミュニケーション法、等が特に鮮やかな“絵”として胸に残っている。
 ところで私、いわゆるハードボイルドはあまり好まないけれど、SFに混ぜるとサラッと読めるな。

No.3 8点 弾十六 2018/11/24 19:09
まさか登録されてるとは思いませんでした。ここは懐が深いですね…
1956年英国で初版。ついで米SF雑誌Galaxyに連載。ここら辺の事情は何だったのか?
SFの祭典なら文句なしの10点です。
悪党パーカー的なのが好きな人にも良いのでは?

No.2 8点 クリスティ再読 2018/09/27 22:02
少し気分転換。SFでは超有名な名作である。評者SFはどっちか言うと苦手感が強いんだが、本作は別。結構何回も読み返している本である。

誰? あのフォーマイル? ああそうね。道化だわ。成金紳士。俗悪。低劣。猥褻。

と主人公を評するこの言葉がすべてを語ってるかもしれない。実際、今回読んだ感想としては、「大いなる眠り」に似てるよね...と感じたりもした。圧縮され疾走感に溢れた、熱いコラージュ、という肌触りのことだ。終盤にご都合主義的にキャラが皆恋愛に走るのが奇観なのだが、主人公だってそうなる前は、なかなかハードボイルド、なのである。「ミステリの祭典」的には、チャンドラーが好きなら、楽しんで読めるのでは。
本作のスジとかSFの道具立てについては、今更評者なんかが細かく言わなくても「ネタの宝庫として、メディアを問わず後世への影響力絶大」で充分。それよりも本作の強烈でアツい「俗悪・低劣・猥褻」が導く崇高さが、「ああ、ワルい本読んだ!」というスペシャルな充実感で満たしてくれる。言うならば「精神にカツが入る」ような本なのである。
評点は10点でもいいんだけど、「ミステリの祭典」と銘打つ以上、流石にSFなので遠慮して8点とします。まあ本作なんて何点でもいいさ。パンクにどうやって点をつけると言うんだね。

No.1 7点 kanamori 2010/04/18 18:19
テレポーテーションが発達した25世紀が舞台のSF復讐劇。
「モンテ・クリスト伯」を下敷きにしているが、力感と疾走感にあふれたノアール小説の印象があります。
哲学的な命題を提示して終えるエンディングがSFの名作と言われる所以でしょうが、謎と伏線の妙味もあり、「分解された男」ともどもミステリ読みにも魅力ある小説だと思いました。


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アルフレッド・ベスター
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