皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
[ 本格 ] 「鎮痛磁気ネックレス」亭の明察 リチャード・ジュリーシリーズ |
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マーサ・グライムズ | 出版月: 1986年12月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
文藝春秋 1986年12月 |
No.1 | 6点 | nukkam | 2016/05/20 12:19 |
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(ネタバレなしです) 1983年発表のリチャード・ジュリーシリーズ第3作です。ついにジュリーは警視に昇進していますが、職場待遇面ではあまり変わっていないようです(笑)。冒頭でロンドンの事件が起きますが、その後はロンドンから40マイルほどリトルボーンの事件(小犬が人間の指をくわえてくる猟奇的事件)の捜査場面が延々と続き、どのようにロンドンの事件と結びつくかという興味で引っ張ります。子供の描写に優れた作者ですが、本書ではちょっとませた少女(決して悪い子ではありませんけど)が大人(特にメルローズ・プラント)を振り回すのが何ともおかしいです。もっともユーモアも見せている一方で、犯人の冷酷さや事件の悲劇性なども描かれており、サスペンスにも事欠きません。第15章で冒険小説を連想させるような謎めいた地図を登場させているのが珍しい趣向です(その謎解きには一種の専門知識が必要で一般読者になじみにくいのですが)。 |