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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ]
オデッサ・ファイル
フレデリック・フォーサイス 出版月: 1974年01月 平均: 6.75点 書評数: 4件

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角川書店
1974年01月

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1980年05月

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1980年05月

No.4 8点 斎藤警部 2024/11/18 19:37
「今のドイツじゃ、そういう調査はあまり歓迎されない。 いずれあんたにもわかるだろうが」

重いテーマ、重い歴史的背景の割に、中盤の冒険活劇や心理戦でキメるトコが妙に軽くて、敵を追い詰めるルポライターの主人公も屈託の無いご陽気者の様子だし、このアンバランス具合は本作をB級領域へとずいずい押し込んでいる感じがする。 そこんとこ、紛れもないA級作 『ジャッカルの日』 とは大いに違う。 だが、とにかく素晴らしいエンタテインメント大作であるのは間違いなく、リーダビリティも終始爆発している。 面白小説の使命はきっちりと果たしており、文句は全く無え。 最後に明かされる◯◯の意外性はちょっとズルした気もするが、何気にドラマチックな反転をもたらしているわけだし、いいでしょう。 んで、特に悪党側、いろいろと間の抜けたシーンもあるけれど、不思議とスリルを削がないんだよね、無意識に主人公を正義のヒーローとしてシンプルに応援しちゃってるからでしょうか。 実在の人物群がキーマンとして何人も登場する中、主人公のいかにも 「どっこい、この人はれっきとした架空の人物ですよ」 的なフィクショナル・アトモスフィアが或る種のつぎはぎ感を醸しているとは思う。 しかし、しつこい様ですがその要素も本作を駄作にする事は出来なかった、というのがおいらの私見です。    

オデッサとはウクライナの港町ではなく、ある組織の名称(ドイツ語アクロニム)。 何の意味かと言うと。。その綴り ”ODESSA” に大きなヒントがあります。

“そして四十か月後には、イスラエルはたぶん消滅していたことだろう。”

スター・クラブで五人組ビートルズを観たというハンブルク在住の主人公が、「抱きしめたい」 はラジオで聴き過ぎて飽きたと言っているのは面白かったですね。

No.3 7点 いいちこ 2020/03/17 17:52
緻密な取材に基づく壮大なプロット、巧みな叙述、清々しい読了感を残すラスト等、すべてが一級品と言える大作。
主人公に課せられた任務の重要性を考えると、その行動に軽率さが散見される点は減点であり、また全体として処女作「ジャッカルの日」には及ばないものの、一読の価値のある佳作

No.2 6点 E-BANKER 2017/10/29 21:39
1972年発表のポリティカル・スリラー長編。
“オデッサ”とは、南シベリアの都市名ではなく、”Organisation Der Ehemaligen SS-Augehorigen”(ドイツ語!)の略。

~“オデッサ”とは、ナチス親衛隊(SS)のメンバーの救済を目的とする秘密組織のことである。ルポライター、ペーター=ミラーをオデッサと結び付けたのは、老ユダヤ人が遺した一冊の日記だった。それによれば、リガの殺人鬼と恐れられたナチ収容所長、ロシュマンは今もドイツ国内に生きているという。日記のある箇所がミラーの注意を惹いた。彼は憑かれたようにロシュマンの追跡を始めた。だが、組織の手は次第にミラーの身辺に及び始めた・・・~

フォーサイス節炸裂!である。
処女長編であり代表作でもある「ジャッカルの日」でもそうだったけど、「追う者」と「追われる者」の追跡劇が今回もプロットの軸に据えられている。
テーマはずばり「ナチス・ドイツ」。若き主人公ミラーは、歴史の闇に潜む謎を追ってドイツ・オーストリアを駆け回ることになる。
ナチスの蛮行についてはいろいろと読んできたので今さら・・・という感がなくもないけど、SS達の犯した殺戮劇が尋常ではないことを改めて知ることとなった。

読者としては、作中、ミラーが命の危険を犯してまでロシュマンを追い続ける理由が謎のままなのが気になる展開になっている。
このWhyについては最終盤に判明するんだけど、ちょっと「いかにも」すぎて、ここまで引っ張るほどじゃないだろ・・・って思ってしまった。
その辺りは捻りがもうひとつという評価になるのかもしれない。
(ノンフィクションじゃなくて、あくまでエンタメだからね・・・)

あとは追跡劇もなぁー
追う側は殺し屋まで登場するんだけど、ちょっとマヌケすぎるんじゃないか?
別段警戒してない主人公なのに、勝手にズッこけてるのは作者のお遊びなのか、狙いなのか・・・
緊張感やサスペンス性が薄れてる感がどうにも目に付いてしまった。
ということで、「ジャッカル-」よりは一枚も二枚も落ちるかなという評価。
面白くないというわけではないんだけどね。

No.1 6点 kanamori 2010/07/23 18:11
一時期やたら”ナチス”ネタの冒険・陰謀ものが流行りましたが、本書がその先駆かもしれません。
元ナチ将校の行方とその援護秘密組織を追う記者を描いたドキュメンタリー風のサスペンスですが、作者の緻密な取材力を覗うことが出来るものの、題材にあまり魅力を感じなかったためこの評価です。


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