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[ 本格 ]
大鴉の啼く冬
ジミー・ペレスシリーズ シェトランド四重奏
アン・クリーヴス 出版月: 2007年07月 平均: 6.80点 書評数: 5件

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東京創元社
2007年07月

No.5 6点 ボナンザ 2022/05/15 01:02
じっとりした描写で読ませる一編。奇想天外なトリックや意外な犯人を期待してはいけない。

No.4 7点 八二一 2021/02/10 21:05
北極圏に近い、イギリス最北端のシェットランド諸島という荒涼たる舞台と、土地の濃密な人間関係が面白い。

No.3 7点 nukkam 2016/07/18 00:18
(ネタバレなしです) 日本では1980年代に「新本格派」と呼ばれる作家が登場して本格派推理小説の一時代を築き上げましたが、海外でもこの時期はポール・アルテ、エリザベス・ジョージ、ポール・ドハティ、ジル・マゴーン、ジェニファー・ロウなど本格派の実力者が次々にデビューしています。1986年デビューの英国の女性作家アン・クリーヴス(1954年生まれ)もその一人です。2006年発表の本書はCWAの最優秀長編賞を獲得した作品で「シェトランド島四重奏」の第1作となる本格派推理小説です。文章表現は地味で、後半の祭りの場面なんかはもっと賑やかに盛り上げてもいいのではと思わなくもありませんが単調で退屈というわけではなく、しみじみと読者の心に訴える語り口が何とも心地よいです。謎解きプロットもしっかりしていますが小説としても丁寧に作られているので、ミステリーを読まず嫌いの読者にも試しに読んでみたらと勧められるような作品です。

No.2 7点 smile66 2012/04/16 17:39
一人の女生徒の死体が雪に埋もれる形で発見され、そして近くに住んでいた知的障害のある老人に容疑の目が向けられ、
それに伴って過去に起きた少女失踪事件との関連が調査されていく・・・。

全く派手な展開は無し!
しかし、4人の視点での三人称によって描写される、それぞれの内面、密かに考えていることがどんどん露わになっていきます。
そしてそれが狭い島の狭い人間関係の中で妙にぎっとりとしたサスペンスを生み出していて、誰も彼もが怪しく見えてきて、とても読ませてくれる作品でした。

登場人物ほぼ全てがとても人間臭くよく出来ていると感じました。

ただ、最終的に謎を解くのに必要になる決定的な手掛りが手に入る過程がかなり拍子抜けで、その手掛りもっと早くに手に入らなかったんかい!と思いました。

No.1 7点 mini 2008/10/23 11:21
去年初紹介された現代本格作家作品の中でも出色
グェンドリン・バトラーやジル・マゴーンと並ぶ現代英国女流本格作家の一人アン・クリーヴスは、今まで紹介されなかったのが不思議なほどだ
軽快な文章ではないが読みやすく雰囲気がある
この点では文章や話の展開に癖があるジル・マゴーンよりも、むしろとっつき易いのではないだろうか
マゴーンの「騙し絵の檻」は謎解き本格としては傑作だが、文章が読み難かったもんなあ
クリーヴスの「大鴉の啼く冬」は地味ながら、舞台の魅力、人物描写、謎の三者のバランスが取れている逸品だ
CWA賞受賞もこの作家としては遅すぎた位じゃないの


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アン・クリーヴス
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