皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
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八二一さん |
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| 平均点: 5.75点 | 書評数: 435件 |
| No.435 | 6点 | サイバーテロ 漂流少女- 一田和樹 | 2025/11/15 17:12 |
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| サイバーセキュリティコンサルタントの君島を主人公とするシリーズ2作目。
インターネットを駆使してテロを企てる子供たちと君島の対決を描いたサスペンス。サイバー犯罪の未来を予見したような内容には非常に驚かされる。 |
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| No.434 | 5点 | 樹海戦線- J・C・ポロック | 2025/11/15 17:09 |
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| 元グリーベレーの戦士とKGB工作員との山岳や森林でのグループによるゲリラ戦を、実戦さながらのタッチでリアルに描いている。そのゲーム的展開が面白い。 | |||
| No.433 | 6点 | 1947- 長浦京 | 2025/10/26 19:36 |
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| 紙一重である生死の狭間で芽生えた狂気と殺意。疑心暗鬼の犯人探しで人間の内面が抉られた正義が揺らめく。
血塗られた時代の匂いと不穏な闇に包まれた空気を完全凝縮。終わらぬ戦争の悲劇と虚しさを再現した恐るべき物語。 |
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| No.432 | 5点 | きこえる- 道尾秀介 | 2025/10/26 19:26 |
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| 五つの謎で構成された短編集で、物語のどこかに二次元コードが記載されており、核心部分が音声で再生される。
核心であって、正解が聞こえるわけではない。あくまでも読者が推理する余白は残されている。 |
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| No.431 | 5点 | 奇妙な絵- ジェイソン・レクーラック | 2025/10/03 21:39 |
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| 少年の描き散らす絵の中に、次第に不気味なものが入り込んでくるという絵画ホラー。ストーリーが定番だが、絵そのものがふんだんに挿入され、不気味さと推理欲をそそる。展開も捻りが効いている。 | |||
| No.430 | 4点 | 七つの欺瞞- ウィリアム・P・マッギヴァーン | 2025/10/03 21:35 |
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| スペインを背景に米英独仏その他各国の流れ者が、生存あがきと闘いを繰り広げるこのドラマは、すでに出尽くした陳腐な風俗ものに終始している。 | |||
| No.429 | 5点 | 深層地下4階- デヴィッド・コープ | 2025/09/17 19:50 |
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| 地下深くで眠っていた菌が蘇り、地価に蔓延して人を襲うバイオホラー。
歓喜に震えるような爆発場面が臨場感あふれる筆致で描かれていて、このディテールがいい。 |
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| No.428 | 5点 | 奪われた家/天国の扉- フリオ・コルタサル | 2025/09/17 19:47 |
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| 仲睦まじい兄妹の変哲もない緩慢な日常が、次第に非現実的なものに侵犯され、緊張をはらんでいく過程が巧みに語られる。
古典的幽霊屋敷ものの変種であると同時に、閉じられた空間の至福と恐怖を描いた近親相姦ホラー。 |
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| No.427 | 8点 | 災厄の紳士- D・M・ディヴァイン | 2025/08/29 21:03 |
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| クライムサスペンスがフーダニットに転じるストーリーテリング。
その変遷を見るだけでも楽しいし、古典と現代をつなぐ素晴らしいミッシングリンク。推理は堅実だし読みやすい。 |
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| No.426 | 7点 | GOTH リストカット事件- 乙一 | 2025/08/29 20:59 |
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| 主人公の少年が、リストカットの過去を持つ同級生の少女とともに数々の事件を経験してゆく。素直でありつつ歪んだ世界観に支配されており、実に刺激的。 | |||
| No.425 | 6点 | 悪魔が目をとじるまで- デイヴィッド・リンジー | 2025/08/14 16:03 |
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| 父親譲りの刑事根性に燃える殺人課の女性刑事パーマの造形から、ユング心理学を縦横に駆使した犯人像の描き方、さらには事件の舞台となるヒューストンの上流社会の捉え方が優れた倒錯心理もの。 | |||
| No.424 | 5点 | 教祖の作りかた- 真梨幸子 | 2025/08/14 15:57 |
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| 世の中は矛盾だらけ。この矛盾がまた新たな恐怖を生む。
過剰な愛と歪んだ正義ほど恐ろしいものはない。イヤミスの女王が禁断の領域に踏み込んだエンタメ性が高い作品。 |
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| No.423 | 7点 | ゴメスの名はゴメス- 結城昌治 | 2025/07/27 19:25 |
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| 六〇年代初めの南ベトナムの不安定の政治情勢の中で失踪した商社の社員を追う物語。
人間に対する鋭い洞察力を持つ者が錯綜する政治結社同士の熾烈なスパイ戦争に巻き込まれる。複雑な政治のメカニズムを捉えるばかりでなく、理想と現実に引き裂かれる人間の混沌とした欲望を象徴的にすくい上げている。 |
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| No.422 | 7点 | スカイジャック- トニー・ケンリック | 2025/07/27 19:22 |
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| 元夫婦の弁護士のベレッカーと秘書のアニーが活躍するドタバタスリラー。
ジャンボジェット機が乗客とともに消えてしまった事件を依頼され、捜査に乗り出すことになる。秘書のアニーは、おかしなへまばかりやるのが笑わせる。飛行機と乗客消失のトリックもなかなか巧みなものがあるユーモアミステリ。 |
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| No.421 | 5点 | 丸太町ルヴォワール- 円居挽 | 2025/07/10 20:06 |
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| 論理や証拠だけではなく、空気をコントロールしたり根回しすることも、「判決」に影響する。
現代社会における「世論」が判決に影響するような状況の隠喩であると解釈できる。 |
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| No.420 | 5点 | 作者の死- ギルバート・アデア | 2025/07/10 20:04 |
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| 意表をついた知的ミステリとして興趣をそそる。
ディコンストラクショニズムを地でいく展開なので、特に文学論が好きな人におすすめしたい。 |
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| No.419 | 5点 | マイ・リトル・ヒーロー- 冲方丁 | 2025/06/26 20:15 |
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| 事故で意識不明となりオンラインゲームの世界に閉じ込められた息子を救うため、父親を始め周囲の人が奮闘する。
外には根っからの悪人をあえて描かない優しい世界、ゲーム内では派手なアクション、どちらも気持ちよく読める。 |
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| No.418 | 5点 | 七人の使者- ディーノ・ブッツアーティ | 2025/06/26 20:10 |
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| ゼノンのパラドックスを思わせる表題作をはじめとし、健康であるのに死者にされてしまった男の不条理な苦悩を語った「七階」、状況の迷宮性を描いた「道路開通式」など全十六編。オチのきいたストーリー好きにおすすめ。 | |||
| No.417 | 7点 | 絡新婦の理- 京極夏彦 | 2025/06/09 20:12 |
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| 一つの女系家族を中心に捉え、複数のサブプロットがさながら蜘蛛の網のような幾何学的美しさで編まれている。
メインプロットはクイーンを彷彿とさせ、ラストは幻想的で美しい。 |
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| No.416 | 5点 | ミステリークラブ- 霞流一 | 2025/06/09 20:09 |
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| 空飛ぶ巨大な蟹の爪、蟹に切断された死体と、蟹づくしの連続殺人に紅門は挑む。
作者が愛好するあるトリックが視覚的美しさを漂わせて冴える。 |
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