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[ 法廷・リーガル ] 十二人目の陪審員 |
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B・M・ギル | 出版月: 1985年12月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
早川書房 1985年12月 |
ミステリアス・プレス 1991年05月 |
No.1 | 6点 | ことは | 2023/04/23 20:58 |
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裁判を舞台にしたサスペンスで、CWAゴールドダガー受賞作。ゴールドダガーを受賞している割には、ネームバリュー低いな。
解説では、法廷物として2つのタイプをあげて(「弁護士や検事を主人公にした法廷闘争」と「陪審員たちの心理を描く」)、本作はどちらかというと後者と書いているが、どちらのタイプでもない気がした。 三人称/多視点で、複数の人物の心理に踏み込んで書いているが、その書き振りは「冷静な観察者の記述」といった感じのため、「弁護士や検事を主人公」としたヒーロー感や、「心理を描く」サスペンス感も薄味だ。乾いた文体で的確に物語られていき、味わいはハードボイルドが近い思う。 プロットとしては、ストーリーの途中に何個か捻りが加えられているが、選択肢が限られるために、予想がつく人も多いだろう。 ただ、終章の”ある出来事”は、かなり驚かされた。それでいて納得感があったのは、人物の設定/エピソードが伏線として機能していたからで、これはよくできていると思う。 かなり良作だと思うが、自分の琴線に触れる部分は少なかったので、採点はこのくらい。 |