海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!


爬虫館事件 新青年傑作選
アンソロジー(ミステリー文学資料館編) 出版月: 1998年08月 平均: 5.00点 書評数: 1件

書評を見る | 採点する


KADOKAWA
1998年08月

No.1 5点 メルカトル 2026/01/26 22:15
19篇の短編から成る『新青年』の傑作選。という事でどれだけ探偵小説を楽しめるかと思ったら、殆どがホラーで、他は純文学だったりギャンブル小説であったり様々。大体名前くらいは知っている作家でしたが、お初にお目に掛かるのは瀬下耽、南沢十七、三橋一夫、橘外男の四人でした。新青年と言っても色々書かれていたんですね。考えてみれば角川ホラー文庫なのでホラー主体なのは事前に確認できた訳ですが、全然頭になかったですね。

やはり最も印象に残るのは横溝正史の『面影双紙』で、これは別格です。怪しい雰囲気の中にもミステリ要素があり、さすがの面目躍如と云ったところです。他に良かったのは、大阪圭吉の奇想が光る『灯台鬼』、海野十三のシリーズ探偵帆村壮六が出て来る『爬虫館事件』、角田喜久雄の『狂水病患者』、三橋一夫の『猫柳の下にて』、橘外男の名作『逗子物語』辺りですかねえ。流石に戦前の作品なので、どれも時代を感じさせるのはやむを得ませんが、今読んでみて現在のミステリシーンの作品群と比較してしまうとやはりレベル的に劣る感は否めませんね。