海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

[ 本格/新本格 ]
にわか名探偵 ワトソン力
和戸宋志
大山誠一郎 出版月: 2024年05月 平均: 6.00点 書評数: 1件

書評を見る | 採点するジャンル投票


光文社
2024年05月

No.1 6点 まさむね 2024/09/02 21:48
 シリーズ続編の短編集。
 警視庁捜査一課の刑事・和戸宋志には、秘めたる特殊能力がある。それは、謎に直面すると無意識に発動し、一定範囲(現時点では半径約20mらしい)内にいる人間の推理力を飛躍的に向上させる能力で、その名も「ワトソン力」。自分の推理力が上がるわけではないところも含めて可愛らしい。
 この設定は、短編構成上も便利で合理的。事件が勃発したらほどなく「どうやらワトソン力が作用し始めたようだ」のヒトコトで、周辺の登場人物たちの推理合戦に持っていけるわけです。非常にコンパクトに、一定のロジックを楽しめるのは好みです。ただ、流れが同じになりがちなので、中だるみ感を抱かれるリスクも併せ持つことにはなりますね。
 個人的に楽しかった短編は「ニッポンカチコミの謎」。ヤ〇ザの方々が推理合戦する姿がシュールなのだけれど、何といっても組長がエラリー・クイーン信奉者であり、全作品(「聖典」と呼んでいました)を神棚に備えているところが素敵。「暴力じゃねえ、ロジックだ」のご発言もいい味出しています。一方で、最終話はちょっと蛇足だったかも。


キーワードから探す
大山誠一郎
2024年05月
にわか名探偵 ワトソン力
平均:6.00 / 書評数:1
2022年03月
時計屋探偵の冒険 アリバイ崩し承ります2
平均:5.20 / 書評数:5
2022年01月
記憶の中の誘拐 赤い博物館
平均:6.60 / 書評数:5
2020年09月
ワトソン力
平均:5.50 / 書評数:4
2018年09月
アリバイ崩し承ります
平均:5.00 / 書評数:13
2015年09月
赤い博物館
平均:6.47 / 書評数:15
2012年10月
密室蒐集家
平均:5.67 / 書評数:18
2006年06月
仮面幻双曲
平均:5.75 / 書評数:12
2004年10月
アルファベット・パズラーズ
平均:6.20 / 書評数:15