皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
[ 本格/新本格 ] にわか名探偵 ワトソン力 和戸宋志 |
|||
---|---|---|---|
大山誠一郎 | 出版月: 2024年05月 | 平均: 5.50点 | 書評数: 2件 |
![]() 光文社 2024年05月 |
No.2 | 5点 | HORNET | 2025/01/13 21:59 |
---|---|---|---|
その場に居合わせた人たちの推理力が格段に向上する、という特殊能力「ワトソン力」(本人は変わらない)をもった警視庁捜査一課・和戸宗志のシリーズ第二弾短編集。
主人公が私生活の場で殺人に遭遇し、限られた登場人物=容疑者の中で推理合戦を繰り広げるというテンプレート。人物描写や心情描写も浅く、完全に推理に特化した「推理クイズ」的な各編。そういう趣旨を踏まえた上で、肩の力を抜いてその推理クイズを楽しめればよい、という感じ。 7話で計250ページ、あっという間に読めて手軽に楽しめる。 |
No.1 | 6点 | まさむね | 2024/09/02 21:48 |
---|---|---|---|
シリーズ続編の短編集。
警視庁捜査一課の刑事・和戸宋志には、秘めたる特殊能力がある。それは、謎に直面すると無意識に発動し、一定範囲(現時点では半径約20mらしい)内にいる人間の推理力を飛躍的に向上させる能力で、その名も「ワトソン力」。自分の推理力が上がるわけではないところも含めて可愛らしい。 この設定は、短編構成上も便利で合理的。事件が勃発したらほどなく「どうやらワトソン力が作用し始めたようだ」のヒトコトで、周辺の登場人物たちの推理合戦に持っていけるわけです。非常にコンパクトに、一定のロジックを楽しめるのは好みです。ただ、流れが同じになりがちなので、中だるみ感を抱かれるリスクも併せ持つことにはなりますね。 個人的に楽しかった短編は「ニッポンカチコミの謎」。ヤ〇ザの方々が推理合戦する姿がシュールなのだけれど、何といっても組長がエラリー・クイーン信奉者であり、全作品(「聖典」と呼んでいました)を神棚に備えているところが素敵。「暴力じゃねえ、ロジックだ」のご発言もいい味出しています。一方で、最終話はちょっと蛇足だったかも。 |