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[ 警察小説 ] レンブラントをとり返せ スコットランドヤード捜査官 ウイリアム・ウォーウィック |
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ジェフリー・アーチャー | 出版月: 2020年11月 | 平均: 5.00点 | 書評数: 2件 |
新潮社 2020年11月 |
No.2 | 5点 | E-BANKER | 2022/06/02 21:37 |
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稀代のストーリー・テラーが贈る新たな主人公によるシリーズ開幕編。
作者もなぁ・・・齢80を超えてなお作品量産するエネルギー、恐るべし! 原題は“Nothing Ventured”。2019年の発表。 ~本物のレンブラントには右下隅に<RvR>と署名があるんです・・・。ロンドン警視庁の新米捜査官ウィリアム・ウオーウィックは大学で学んだ美学を武器に警察が押収した絵画を即座に贋物と見破り、捜査班のメンバーに抜擢される。追うのは稀代の大物名画窃盗犯。二転三転の攻防の末、ついに決着は法廷にもつれこむ。一筋縄ではいかない結末に名ストーリーテラーの技が冴えわたる美術ミステリー~ タイトルからすると処女作の「百万ドルをとり返せ」をイメージしてしまう。ただ、処女作は実に軽快で気の利いた「コンゲーム」要素のミステリーだったのに対し、本作は軽快さは匹敵するものの、ちょっと分りにくい(特に中盤)展開だったように思う。 これからシリーズ化を目論んでいるためなのか、冒頭は主人公のウオーウィックや彼の家族の人となりを丁寧に紹介したりで、なかなか本題に入っていかない。 で、本物のレンブラントをとり返す「本筋」もどうもモヤモヤしていて、なんだかんだやってるうちにとり返した!とでも表現したくなってくる。ついでに、彼のフィアンセとなる女性の父親の無実の罪を暴くという脇筋まで盛り上げようとしているから、どうも本筋が盛り上がらないままフィナーレを迎えてしまった印象が強い。 美術ミステリーに特化するなら、レンブラントとかその周辺の蘊蓄なんかも絡ませる方が面白くなったのかもしれないけど、その辺りも特段なかったしなぁ・・・ どうも作者の「ひとりよがり」の部分が目に付いた感がある。 個人的には作者といえば、「短編集」の方が面白いという評価が固まった感があるので、次作は是非短編集を出してもらいたい。(年齢的にもそろそろ最後の短編集かもしれないしねぇ) |
No.1 | 5点 | YMY | 2021/04/17 21:44 |
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2020年で80歳を迎えた作者だが、その創作意欲は相変わらず活発。この作品で新米警察官を主人公にした新シリーズの幕開けだ。
ウィリアム・ウォーウィックは、跡を継いで弁護士にという父の勧めを断って警官になった。見習いとして教育係と共に街を巡回し、やがて刑事としての捜査班の一員となり、小さな事件を担当しと、前半は成長小説を得意とする作者らしく、ウィリアムを中心に描く。後半になると詐欺師のフォークナーとの対決を中心に捉えつつ、ウィリアムの身近な人々が関わるサイドストーリーも絡み合い、油断ならない展開を楽しめる。 |