皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
[ その他 ] ケインとアベル |
|||
---|---|---|---|
ジェフリー・アーチャー | 出版月: 1981年05月 | 平均: 7.80点 | 書評数: 5件 |
新潮社 1981年05月 |
No.5 | 10点 | あびびび | 2012/06/18 13:59 |
---|---|---|---|
久しぶりにスケールの大きな物語を読んだ。発刊後はテレビ化され、これも大評判を呼んだそうだが、何しろ題材が抱負であり、名のある脚本家なら問題はなかったはず。
特に最後に、老いぼれたケインとアベルがすれちがうシーンは格別の見せ所だったのではないか?ただひとつの謎であるアベルに投資したのは誰か?は容易に分かり、ミステリとして見るなら物足りないだろうが、ここに登場して採点するならとてもマイナス点にできない。 |
No.4 | 9点 | itokin | 2011/08/11 16:44 |
---|---|---|---|
波乱の時代に生きた二人の男の物語だが、これほど先を知りたくなる本も少ない。時代背景、意味のある会話、先々まで見通した構成、個々の際立つキャラクターどれをとっても1級品です。とにかく面白すぎる、ミステリー性に欠けることで私も減点を考えたがマイナス1点が精一杯だ。 |
No.3 | 2点 | 江守森江 | 2010/05/01 03:35 |
---|---|---|---|
大学生の頃、友人達と友人の下宿でドラマを観た、そして話題作だったので原作を回し読みした。
その後、ある友人が私と親友に向かって「お前らケインとアベルみたいだ」と言ったので「お前はオズボーンだな」と二人で言い返したら喧嘩別れになった思い出深い作品ではある。 当時、強度の翻訳アレルギーだった私が面白く読めた事だけでも傑作である事は伝わるだろう。 その意味で一般的小説サイトの採点なら満点で何ら異存は無い。 ※以下ミステリーの範疇と、このサイトに対する私的な思い。 しかし、清水一行が得意とした一代記や山崎豊子作品(特に「女系家族」なんか強弁すればミステリーになる)がミステリーの範疇に無いのと同じでミステリーとして扱いたくない! このまま書評が10件以上されたら作品ランキング1位もあり得そうで納得出来ないのでポリシー通り2点とし、敢えて採点を印す。 |
No.2 | 8点 | こう | 2010/05/01 01:17 |
---|---|---|---|
この作品の面白さには全く異論はありません。作者が「サーガ」と読んでいるスケールの大きい主人公の半生~一生を描いたエンターテインメント小説の中でも一番の出来だと思います。ただコンゲーム小説である「百万ドルをとり返せ!」 やサスペンス、スリラーとして「ロシア皇帝の密約」「大統領に知らせますか?」などは入るにしてもこのカテゴリの作品をミステリに入れることには個人的には躊躇があります。
「ミステリではない」と思い減点しましたが作品自体は10点ものだと思います。 尚「ロスノフスキ家の娘」はこの続編であり元々続編ではなかった「大統領に知らせますか?」も改訂され続編の趣きがありますので作者はよほどこのシリーズもしくはフロレンティナ(アベルの娘)に思い入れが強いのでしょう。 いずれにしろ読んで損はない作品だと思います。 |
No.1 | 10点 | 臣 | 2010/04/30 13:47 |
---|---|---|---|
スリルも、サスペンスも、意外性もあるためミステリーとして分類するのに異論はありませんが、でもやはり本書は、ミステリファンならずとも楽しめる、壮大でロマンに満ちたエンタテイメント・サクセス・ストーリーといったほうが正しいでしょうね。
生まれも育ちも全く異なる二人がそれぞれ別の人生を歩みながら、一方のアベルはホテルビジネス、他方のケインは銀行ビジネスに従事してゆくこととなるが、ある事件をきっかけに二人の壮絶な戦いが始まる。生涯にわたり、数回しか顔を会わさないのに、ビジネスにおいても人生においても、宿命のライバルとして意識し合い、ぶつかりあい、憎しみあい、終盤にいたっては、二人の対立が2代目にまで及ぶこととなる… こんなあらすじですが、まあひとことで言えば、金持ちエリートと、極貧出身のたたき上げとの生涯にわたるバトル・ストーリーといったところでしょうか。二人の対立がいつまで続くのか、どう収拾するのかしないのか、そのへんを想像することでも楽しめますが、二人の数奇に満ちたライフストーリーに思う存分酔うことが最高の楽しみ方だと思います。ご都合主義的なところもありますが、海外が舞台で、かつこのストーリではそんなこと全く問題なしです。感受性がわずかに残っていた二十歳台に読んだ作品で、今回の再読で幻滅しないかと心配だったのですが、文句なしの満点です。 |