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[ 警察小説 ]
暴虎の牙
日岡秀一
柚月裕子 出版月: 2020年03月 平均: 7.00点 書評数: 1件

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KADOKAWA
2020年03月

No.1 7点 HORNET 2020/06/13 22:49
戦後の闇が残る昭和57年の広島呉原。愚連隊「呉寅会」を率いる沖虎彦は、ヤクザも恐れぬ圧倒的な暴力とそのカリスマ性で勢力を拡大していた。広島のマル暴刑事・大上章吾は、そんな沖に接近し、沖の無茶を食い止めようと世話を焼くが、結局沖を獄中に送る役に。沖は懲役刑を受けて出所したが、服役中に大上は還らぬ人になっていた。再び暴走を始めようとする沖だったが、その前に今度は大上の一番弟子、呉原東署の日岡秀一が表れる…。
 「孤狼の血」シリーズの完結編。今回は時間を遡り、ガミさんから日岡へと世代が交代した間の、別のストーリーが描かれている。
 ガミさんの度量の大きさやきっぷのよさ、カッコよさは相変わらずだが、本作の中心人物・沖の魅力が物語が進むにつれて褪せていった。向こう見ずなぶっちぎれぶりが傑出していた沖だったのが、追い詰められていくにつれ小者に成り下がっていくようで、最後は破滅的な結末になってしまった。
 読み応えは申し分ないが。


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