皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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柚月裕子 | 出版月: 2016年07月 | 平均: 8.00点 | 書評数: 1件 |
文藝春秋 2016年07月 |
文藝春秋 2019年11月 |
No.1 | 8点 | HORNET | 2018/12/08 16:25 |
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家庭裁判所調査官は、少年事件や離婚問題の背景を調査して、裁判官をサポートする仕事。望月大地は、この春に家裁調査官に採用され、調査官補として見習い期間中。「自分は本当にこの職に向いているのか」―常に疑問と不安を抱きながらも、担当された案件で当事者たちに真摯に向き合っていく。
窃盗を犯した、家族でネットカフェに住み着いている17歳の少女。モトカノへのストーカー行為を犯した、品行方正な男子高生。傍から見るととりたてた問題は感じないのに、夫との離婚を強く望む女性。などの、それぞれの案件の裏にある、表面的には見えない事情や真相が、大地の調査によって明らかになっていくという連作短編集。 はじめに調書を読んだだけでは見えなかった内部事情が、少しずつ明らかにされていく展開は「日常の謎」タイプのミステリになっていて、十分に面白い。題材が家裁調査官のため、どの話も必然的に「家族」を問う内容になっていて、人間ドラマとしても読ませる内容である。 これ、シリーズ化してほしいなあ。かなり面白かった。 |