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[ 本格/新本格 ]
京都茶道家元殺人事件
キャサリン
山村美紗 出版月: 1987年02月 平均: 4.50点 書評数: 2件

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光文社
1987年02月

徳間書店
2001年03月

光文社
2012年01月

No.2 4点 クリスティ再読 2024/09/17 16:35
最近評者、茶道を習いだしている。もう一年半くらいだから、そろそろ面白さを楽しめ始めているあたりかな。だから「茶道ミステリ」って興味がある。もちろん評者最高の茶道ミステリは、塚本邦雄の「十二神将変」だけど、実は習いたくなったのも「十二神将変」の影響が大きかったりする(苦笑)

日本伝統文化をネタにしたミステリを量産したことで有名なのは山村美紗だ。本人も師範の免状を持っているそうで、茶事のデテール描写におかしい個所は特にない。けど事件の背景に京都の茶道の家元の継承問題がある、という話に過ぎない。プロローグ的に清水の焼物市での毒殺があったあと、茶事の濃茶席での毒殺事件、そして琵琶湖畔に立つ別荘での密室殺人(とそのアリバイ)。トリックはあるが、既視感が強い。茶道の歴史とか精神性とかとくに小説では扱われず、俗っぽい人間関係の中での殺人である。軽い文体で読みやすいがただただプロットを追っていくだけ。
まあそろそろ流派の現実、というものも評者も見えてきているところでもあるさ。それでもいろいろな面白さというのは感じるよ。

で、茶道ミステリとしては濃茶回し飲みがある中での毒殺が趣向としては面白い。評者の妄想ネタとしては、茶碗の正面をわざと外して主人が渡し、それが分からない客は毒をスルーして、正面に神経質な被害者がわざと正面を正して毒を口にする、ってどうだろうか(苦笑)専門性が強いから、パズラーだと難しいかな。

No.1 5点 mediocrity 2019/06/26 22:45
トリック自体は悪くないが、文章があまりにも平凡すぎてつまらなく感じてしまった。
「そこすごく大事なのにそんなにあっさり書いちゃうの?」とか「この部分は中盤じゃなくて後半のこの位置に置けば良かったのに」みたいな表現上の不満がかなりあった。


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山村美紗
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