皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 本格/新本格 ] オーパーツ 死を招く至宝 |
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蒼井碧 | 出版月: 2018年01月 | 平均: 4.14点 | 書評数: 7件 |
宝島社 2018年01月 |
宝島社 2019年01月 |
No.7 | 4点 | 八二一 | 2022/10/25 20:07 |
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トンチが効いた作品集で、当時は制御不能だったはずの古代の工芸品がモチーフ。第一話での密室の十三髑髏の処理は最高。しかしそれ以外は... |
No.6 | 4点 | makomako | 2019/05/03 08:48 |
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この作品は好みがわかれるのかもしれません。
知的な遊びとして楽しめるのか、ばかばかしい話に付き合わされたと感じるのか。 私は後者の方でした。 題名はなかなか面白そう。4つの話の連作のようで、一つずつの題名も面白そう。しかもこのミステリーがすごいの大賞受賞とあってはきっと面白いはずと期待して読んだのがいけなかった。 トリックは斬新と言えば斬新ですが、全くの穴だらけ。こんなことで犯人を指定されたらたまらないといった推理モノから、文章で書いてあるからわかりにくいだけで、実際に現場を見たらだれでもすぐにわかるめちゃくちゃなトリックまで色々取り揃えてあります。 どうしてこのミス大賞なのかわからない。「このミステリーがすごい」は毎年購入していたがもうやめようかな。 ただ作者の力は感じるところがあります。シリーズ化されたらもう一作は読んでしまうかもしれない。 |
No.5 | 5点 | HORNET | 2019/03/10 09:19 |
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大学生・鳳水月の前に、ドッペルゲンガーかと見紛うばかりに自分に瓜二つな男・古城深夜が現れた。彼は自らをオーパーツ(謎に満ちたら古代の工芸品)の鑑定士だと自称する。そして実際に好事家たちから依頼を受け、ほうぼうに鑑定のために赴く。それらに水月も同行するのだが、行く先々でオーパーツを巡る不可解な事件に立ち会うことになる――という連作集。
設定からして奇矯だが、内容も言ってしまえばバカミスの類。そう思って架空のトリックを楽しむ気になればそれなりには面白い。一話目の「十三髑髏の謎」は伏線も上手く張られていてよかったと思う。最終話「ストーンヘンジの双子」は、挿入された図を見ればやりたいことは一目瞭然で、これまでの書評にもあるように一番バカミス度が高い。 そんな感じで、精緻にリアリティを問うても仕方がなく、割り切ってゲーム感覚でトリックを推理するタイプの作品だと思う。 |
No.4 | 3点 | 名探偵ジャパン | 2019/02/05 23:37 |
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本作は、第16回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作なのですが(どうして先に書評を書いたお三方、誰もこれについて触れないの? 笑)、ちょっと、久しぶりに凄いものを読んでしまったという感想です。
これはいったい、どういった層に向けて書かれた(受賞させた)ものなのか。本気で「宝島社、大丈夫なのか?」と心配してしまう出来です。 「いまどき『名探偵コナン』でもこれはないやろ、工藤」と言いたくなる(ある意味)驚愕の物理トリックの数々。 全部にいちいち突っ込むのも疲れるので、ひとつだけ。 最終章のあれ、最大のもので、幅1メートル×奥行50センチ×高さ10メートル(!)これをいくつも立てられるものなら立ててみてほしい。地面が完全な水平を保ち、かつ、0.5m2(1m×0.5m=0.5m2)程度の面積で、最大10トン(1m×0.5m×10m×2(石の比重)=10トン)もの荷重に耐えられる地盤強度の確保も必須です。何とか頑張って立てられたとしても、そよ風が吹いただけで倒れます。しかも、それが連続であんな状態になっても、いくら睡眠薬を飲まされたとはいえ、まったく目を覚まさないとは。音だけでなく振動もとんでもないことになりますよ。しかもテキストや図解では、ただ倒れただけ、みたいな感じでしたが、材質が石なのであれば破壊や破断は免れないでしょう。作者は一度、ビルを解体している工事現場でも見に行ったらいいです。さらには、これらを立てるのに、フォークリフトを使ったとありますが、クレーンの間違いでは? フォークリフトって、荷揚げや荷下ろしに使うあれですよ。フォークリフトでこの仕事をするのは無理でしょう。 選考委員は誰もこういったことに突っ込まなかったのでしょうか? 私が狭量なだけなのでしょうか? ひとつ擁護(?)するなら、作者は悪くありません。まだ若いようですし、文章はプロレベルには全然(sophiaさんの書評にもある通り、本当に情景が浮かびにくいです)ですが、これから十分上達する余地はあるでしょう。今回はとんでもない方向に弾が飛んでいってしまいましたが、「本格を書く」という狙いも伝わりました。悪いのは、こういった無垢(上記のトリックが実現可能と考えているだけで、このうえなく無垢です)な若者をたぶらかす大人です(選考委員も無垢なのか?)。 直近に中山七里の『作家刑事毒島』を読んでいただけに、本作の作者の行く末が本気で心配になります。 |
No.3 | 4点 | sophia | 2019/01/31 00:21 |
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●第一章「十三髑髏の謎」
事件発覚後にアリバイと動機ばかりを論じていますが、密室にした方法も論じるべきでした。特に鍵がどこにあったのかを強調しておかないと。それをしなかったばかりに真相が明かされた時の驚きが半減してしまっている。まあその辺りをきちんとやったところで、下らないトリックであることに変わりはありませんが。 ●第二章「浮遊」 現場に黄金シャトルがいくつあったのかをはっきり書いてくれませんかねえ。私はひとつだと思っていたので真相を読んで混乱しましたよ。しかも密室トリックが「○○を持ってました」って・・・多分一番酷いでしょう、この話。 ●第三章「恐竜に狙われた男」 第二章を超えないでくれ・・・。 ●第四章「ストーンヘンジの双子」 そんなバランス悪そうな物は風で倒れるでしょう。それから死体発見時の描写が下手です。誰がどこで死んでたのか分かり難くて混乱します。 総評。つっこみどころ満載。終わってみれば第一章が一番マシだったという。各話少し長めの推理クイズという感じで、小説を読んだという気分になりませんでした。第三章はやや趣向が変わって期待したのですが、肝心のトリックが一番酷い。そもそもミステリーとしてどうこう以前に小説家として未熟です。描写力が乏しいため情景が頭に浮かびにくい。状況説明も雑で分かり難いところがしばしばあります。ここで一行空ける意味はあるのか、とか。この作品の読みどころはオーパーツに関する薀蓄部分だけです。よく出版しましたよねこれ。今後ミステリー作家を続けるのであれば色々修業し直した方がいいと思うのですが。 |
No.2 | 4点 | 人並由真 | 2018/08/02 01:04 |
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(ネタバレなし)
第1話のぶっとんだ密室トリック自体はなかなか楽しかったので、連作の全編をこの調子&このレベルで見せてくれるかと思いきや第2話でフツーになり、さらに第3話がなんじゃこりゃ?! の出来であった。 戦前のあの作品の大ネタを解決に用いて、しかもそれだけじゃもたないからアクションでヌカミソサービスか。なんか三十年前のファミコンゲーム雑誌全盛の時代に、まともな攻略記事を作れない三流雑誌がゲーム画面の脇にアイドルの女の子を立たせてお茶を濁した痛い哀しい事例を思い出したわ。それで最後の第4話はそれなりにまとまっているんだけど、このトリックに気がつかない読者はいないでしょう。しかもフーダニットの興味は完全に放棄してるし。 第2話から登場のヒロインを交えたメインキャラ3人のキャラクターはそこそこ良かった。その点でおまけしてギリギリ5点あげてもいいかとも思ったんだけど、実はさっき誉めた第1話のなかで個人的に腹の立つ部分があったからやっぱり減点してこの評点。シリーズ続巻が出たとしたら、他に先に読んだ人の評判を聞いてから手に取るでしょう。 |
No.1 | 5点 | 虫暮部 | 2018/06/01 11:02 |
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イロモノだってことは作者読者出版社みな承知の上なんだから、オーパーツ等のイラストを(ミステリ的必然性は低くても)もっとバンバン挿入してくれたら更に楽しめたと思う。特に恐竜談義のところ。 |