皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 本格 ] 空のオベリスト オベリスト3部作 |
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C・デイリー・キング | 出版月: 1997年12月 | 平均: 5.50点 | 書評数: 4件 |
国書刊行会 1997年12月 |
No.4 | 6点 | YMY | 2023/08/20 22:33 |
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物語は、ニューヨークを飛び立った旅客機の乗客が、犯行予告通りに数千メートルの上空で倒れたという不可能犯罪を扱っている。
大時代的なトリックは感心しないが、一九三〇年代初めの空の旅の描写は興味を引く。また事件の舞台が飛行中の飛行機であるだけに、豪華列車が舞台の「鉄路のオベリスト」より展開が速く、結果としてサスペンスが豊かで読みやすい。 |
No.3 | 5点 | ◇・・ | 2022/06/30 18:07 |
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当時、最先端であった旅客機内の殺人事件を描いて、そこに流行の心理学や怪しげな超化学みたいなものを絡め、図版や容疑者の行動時間表、手掛かり索引などを盛り込んでいく。
当時の本格ミステリの趣向を総ざらいした感じだが、その割には謎解きのスケールが小さい。 |
No.2 | 6点 | mini | 2015/03/03 09:59 |
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論創社からやっとC・デイリー・キング「いい加減な遺骸」と、エドガー・ウォーレス「淑女怪盗ジェーンの冒険」の2冊が刊行された
予想通り(笑)ウォーレスの方は当サイト未登録状態ですが、私がこの2冊の内1冊だけ新刊を買うなら絶対ウォーレスの方である(再笑) なぜならウォーレスみたいな作家は私のような読者が買ってあげないと今後続かないおそれが有るから(苦笑) デイリー・キングは後回し、この手の類だけを出版社にリクエストしてこの手のだけは新刊が出ると必ず買うという一定のマニア読者層が存在するので、キングならどうせある程度売れるんでしょ(苦笑)、閲覧者の皆様、ウォーレスも買ってあげてください(再苦笑) さてデイリー・キングにはロード警部補が登場する2つの3部作というものが存在する、”オベリスト3部作”と”ABC3部作”である ”オベリスト3部作”は題名見ればそれと分かるが、”ABC3部作”の方は日本語の邦訳題名からは分かり難い これは登録時にシリーズ欄に”ABC3部作”であることを明記すべきだったんじゃないかなぁ、だから登録は理解している人がした方が・・・まぁいいか、後の祭だし(涙) ところで今回論創から出たのは”ABC3部作”の内の「C」である、原題がCを頭文字にした韻を踏んでいるのだが、訳題もその感じを出そうと苦心したのだろう(小笑) ここで”あれっ?何でABC順じゃなくてCから?順番通り訳せよ”、と憤慨する方も居られるかもしれない しかしこれでいいんですねえ、実は元々の原著が書かれた順番自体がABC順じゃなくて、C→A→Bの順番なんですよね、だから「C」が最初に訳されたのも不思議ではありません 尚”ABC3部作”の中で最も評価の高い「A」も引き続き翻訳御願いしますよ ”オベリスト3部作”は「鉄路のオベリスト」は抄訳で入手難だが、「海」と「空」は入手容易である 「空のオベリスト」は私が最初に読んだキングの長編で、パズル臭いガチ本格派かと予想していたが、意外とサスペンスにも富んでいて楽しめた プロローグとエピローグの反転も、当サイトで空さんが御指摘のように動機の点で論理的に矛盾が有るのですが、読者を驚かすという意味ではなかなか決まっていると思う 流石に”手掛り索引”についてはこじ付け気味で作者が自慢するほどの説得力は感じませぬが(苦笑) ただその後「鉄路」(私はEQ誌掲載の完訳版で読んだ)と「海」を読むと、あの心理学者達の推理合戦が自身心理学者でもある作者らしいんだろうなとも思った あの心理学者達の推理合戦を余分だと感じる読者は「空」を長編最高傑作に推すでしょうが、私は「空」がどちらかと言えば異色作に感じてしまい、「海」の方がキングの特徴が強く出ている代表作に感じた 「鉄路」もまぁまぁ悪くないのでね、鮎川哲也訳はそのままで完訳版を単行本で出して欲しいんですけどね、権利を光文社が持ったままなのかな? |
No.1 | 5点 | 空 | 2009/07/28 09:52 |
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エピローグを最初に持ってくるという意表をつく構成は、特に必要なかったのではないかと思いながら読み進んでいったのですが。なるほど、プロローグを最後に入れるための伏線だったんですね。
ただしそのプロローグ、問題ありです。ネタバレになるので詳しくは書けませんが、「なぜ」の部分で論理的に完全に破綻しています。これではせっかくのロード警部の整合性ある推理も無意味になってしまいます。 それより本作で一番面白いのは、どう考えてもロード警部が犯人としか思えない状況への決着のつけ方です。これにはだまされました。 なお、手がかり索引がついていることでも有名な作品ですが、巻末解説の注釈53(p.325)は、英語原文がどうなっているかを考えると(実際はどうか知りませんが)決定的とは限らないと思います。だからこそ手がかり索引には載っていないのではないでしょうか。 |